6月23日、イギリスにおいてEU離脱是非を問う国民投票が実施。
開票の結果、残留支持が16,141,241票(約48%)、離脱支持が
17,410,742票(約52%)であり、離脱支持側が僅差で勝利。
そのある意味フェイント!!な結果は、英国の将来を不透明にし、
ヨーロッパの安定を揺るがし、世界経済へも大きな影響を与える…と
全世界にセンセーションを巻き起こしました。
多くのイギリスの著名人やミュージシャンたちもこの結果に反応、
もともと「残留派」だったジョニー・マーはこうツイートしています。
「多数派ってものが自分たちのやってることが
なんなんだか分かってるわきゃないだろが!
そんなもんなんだから、多数派ではない我々が
団結してく意味があるんだ!」
…力強い言葉ですね。マーさん、かっこいい。
てなると、イギリス人も世界中のファンも「モリッシーはなんて
言うんだろ!?」と気になりますよね。
実はモリッシーは1992年にリリースした“Your Arsenal”収録の
“National Front Disco"で、イギリス社会の問題を「移民」
増加にあるとする政治団体英国国民戦線の活動になんでもない
ふつーのイギリスのヤングが身を投じていく様を歌っていました。
日々の社会問題にあえぐふつーの層のひとりの行動で風が吹く、
大きなうねりになっていく・・・EU拡大に従いイギリスの移民数が上昇し、
労働市場ではイギリス国民と移民との間に「食い合い」が起き、
公的サービスの受け容れも不十分、そして政治家はこの移民問題
をうまくさばけず、ふつーの国民に負荷がかかり不満を増大させていく・・・
そんな来たるべき未来を予言していたかのようです。
David, the wind blows,
The wind blows
Bits of your life away.
Your friends all say,
"Where is our boy?
Ah, we've lost our boy".
But they should know,
Where you've gone,
Because again and again you've explained
That you're going to . . .
Oh, oh, oh, going to . . .
Yeah, yeah, yeah,
"England for the English",
"England for the English"
デヴィッド、風が吹いたぞ
風が吹いたんだ
君の人生は吹き飛ばされ
友達はみんな言う
「俺らの知ってるあいつはどこ行った?
ああ、いなくなっちまった」
でも彼らは知ってるべきだよね
君がどこに行っちゃったのか
だって何度も何度も君は話してくれたよね
君がどこに行こうとしているか
どこに行きたいのか、ああ、ああ、
そうさ、そうさ、そうさ、
「イギリス人のためのイギリス」
「イギリス人のためのイギリス」
…そして、今回別の意味で風が吹いてしまった人も。
別のデヴィッドさん↓
離脱票が多数となったことを受けて24日、これまでEU残留を訴えてきた
キャメロン首相は辞意を表明。
29日、労働党のケリー・マッカーシー議員が、キャメロン首相の気分は自分のお気に入りの
“I know it’'s over ”聞いてさらに自分を滅入らせたいのではないかとまたもや
スミスの曲名を引用して揶揄。
そう、このケリーマッカーシー議員、かつても国会で首相に「スミス質問」したあのお方です。
(参照:「モリッシーが嫌いな男」)
(ご自身こそ、ジョイ・ディヴィジョンやキャバレー・ヴォルテールなども好きな、音楽好き!)
「労働党に関して言えば、“ There is a Light and it Never Goes Out”ですけど」
と続けると、キャメロンたん、言わなきゃいいのにこう言ってしまいました。
「言っとくけど、“ There is a Light”は心中の歌だかんね。
確か歌詞は、『もしダブルデッカーバスがぶつかってきても…君のそばにいるよかいい
方法はない』( if a double decker bus crashes into us, there’s no finer way
than by your side)…だったかあってるよね…!?」
ぶぶ~~~~~~~~っ
マーさんいつものゆったげて!!
「デヴィッド・キャメロン。
スミスを好きって言うのやめろ。
おまえはスミスなんて好きじゃない。
スミスが好きなことを禁ずる」
「すっ、すきだもん!!サルフォード・ラッズ・クラブにも2度も
行ったんだもん!!僕の一日を素晴らしい日にしてくれた、
本当にありがとう!There is a light that never goes
out!!」←ほんとにこん時もこう言ったそう、歌詞うろ覚えなくせにw
…さて、モリッシーさんに戻ります。
モリッシー、イギリスのEU離脱に対してコメント出すかな、
こういう時こそ出さないんだよな、とか思っていました。
23日後も、関係のない自分の自伝まだ売れてるよコメント
など出していましたが、今日(コメント日付は6月30日)新たに、
「今週のイギリスの政治」
というコメントが!!やっとEU離脱コメントキターっと思ったら…
…キャメロン首相のスミスいいまつがい恥画像晒しでした。。。
http://parliamentlive.tv/event/index/24e95f20-d70d-40dd-9049-8a3b8cee2256?in=13:49:14&out=13:50:32
なんて意地の悪い、素敵なモリッシー!
最初のこちら↓は
http://parliamentlive.tv/event/index/24e95f20-d70d-40dd-9049-8a3b8cee2256?in=13:41:10&out=13:41:32
キャメロンさんはゴキゲンで「わざと僕のお気に入りのバンドの歌詞をもじって引用して」とか言って
“let’s meet at the cemetery gates”と言ってます(こちらはもちろん “So I meet you at the cemetry gates.”)
モリッシー、この映像もさらしてる、ってことはもちろん歌詞勝手に変えるなや!!ということなのでしょう。
(きっとあの人だって黙ってるわけない!!(もういないけど))
モリッシーから言わせれば、今回のイギリスのEU離脱騒ぎ、表面的な問題は移民の
増加にされてますけど、結局首相であるお前が、政治家が、ちゃんとやってないから
だろうがアホどもめ、何を今さら・・・という制裁?みたいなメッセージなんだと思います。
なにか、だらだら「EU離脱に際してうんぬんかんぬん」と語られるより、そして
「EU離脱」におさまらない、イギリスという母国に対する怒りを、憂いを、諦念を、
強く感じました。
だからモリッシーは、今までも歌ってきたし、これからも歌うんだと思います。
そこは何があろうと絶対変わらず。
England is mine and it owes me a living...