Action is my middle name ~かいなってぃーのMorrisseyブログ

かいなってぃーのMorrissey・The Smithsに関するよしなしごと。

It's the 62nd birthday of Morrissey, the greatest singer~モリッシーはなぜエイサップ・ロッキーとコラボしたのか

2021-05-22 13:00:08 | 『お騒がせモリッシーの人生講座』

本日は、モリッシーのお誕生日です。このブログでモリッシーの誕生日祝い投稿をするのも、今年で10回目!!

心より…

お誕生日おめでとうございます!

 

最近のモリッシーはと言うと、シンプソンズに「酷似」キャラの登場や、

エイサップ・ロッキー新作『オール・スマイルズ』に参加とのニュースがありました。

エイサップは、大ファンであるモリッシーと1年にわたってリモートでコラボ、

『オール・スマイルズ』の楽曲に取り組んでいるとか!

モリッシーがこの新作でプロデュース・ヴォーカル、そして「作曲」をしているとな!!

作曲というのは…モリッシーが曲をつけた歌を、エイサップに送ってくるのか??

 

友人のアギオ君は

「モリッシーの曲の作り方ってラッパーぽいよね。インストを聴いて歌詞とメロディーを作る

と言ってましたが鋭い。

 

エイサップ・ロッキーはかつてより、スミス、モリッシーファンであることを公言していましたね。

2018年の前作の段階で、モリッシーと「エモでリアルでレトロみのある」ものを作らなきゃと願望を言っていました。

さすがアズスーンアズポッシブルASAP、有言実行!!

 

今回エイサップは、

「モリッシーにやってもらう必要があったやつには参加してもらって、やってもらうだけだったよ」

とも語ってます。

新作でモリッシーがどんなエモでリアルでレトロみのあるからみを見せるのか…

モリッシーが全面協力だった模様のこの新作、楽しみです!!

 

ところでなんで今回、モリッシーはエイサップ・ロッキーに協力!?

ある友人からは「え!?モリッシーってラップとか嫌いなんじゃないの?」とも聞かれました。

確かに2015年『ラリー・キング・ライブ』に出演した時のインタビューで

 

「声がいつも同じなんでラップは好きじゃないけど、そこにこめられた社会的な感情はとても好きだ。

彼らの言っていることは好きなんだけど、繰り返しの音が好きじゃない」

と言っていました。「声」にこだわっての好き嫌いなだけで、アティチュードが嫌いなわけではないとわかります。

 

モリッシーはエイサップの「社会的な感情」にとても共感したからやったんだと思います。

そして実はエイサップは・・・ここが大きなポイントだと思うんですけどヴィーガンなんです。

気に増す、モリッ試験合格の納得み!!

 

ヴィーガンと聞くと、「ファッションかな?」な~んて最近は思ってしまいますが、2019年リリースの「Babushka Boi」

 

(ビジュアル怖すぎる・・・)

の歌詞でも「I became a vegan」と、誇りを持って歌っています。

 

A$AP Rocky - Babushka Boi (Official Video)

 

「バブーシュカ」ってロシアの「おばあさん」の意味で、「大きなかぶ」の絵本なんかでもおばあさんはスカーフみたいのつけてましたよね。あのスカーフを「バブーシュカ」と言うんですけど、エイサップもよく頭に巻いてます。この歌で、それは単なるファッションでなく、15歳の時発砲されて残った左頬の傷を隠すためだと判明!!筋金入り・・・。MVでは警察をあざわらうような強盗劇を見せ、このアクティブな「対:警察」アティチュードもモリッシーの「いいぞ」ポイントなのでは?

 

2012年のインタビューでは

「鶏がどうやって扱われているか調べてみ。拷問みたいに加工されてく。ステロイドなんか注射されて」

とコメント。これ、モリッシーのセリフかって感じですね。

2015年のインタビューでは

「俺は肉を食べなくなって、もう4年。チキン、ポーク、ビーフ、ターキー、全て。魚は食べる、ペスクタリアン」

とコメント。そこからどんどん進んでいったのか…、2019年にはヴィーガンになり、それが誇らしい模様。

 

冒頭に少し書いた「シンプソンズ事件」。問題の「シンプソンズ」は、登場人物のリサが本物のクウィルビー(きれいなモリッシー酷似キャラ)を見るために「ザ・スナフズ」(スミス酷似バンド)のコンサートに行くと、実物はガサツで、ヴィーガンではない外国人フォビアの男(きたないモリッシー酷似キャラ)であった、というエピソードです。

「きたない酷似キャラ」を登場させるのはさておき、差別主義者という汚名を揶揄するのはさておき(それもひどいけど)、「ヴィーガン」であることはその人たちにとっては、哲学でありアイデンティティーであり矜持であり、そこをイジるのは、セクシャリティや人種いじりに匹敵するほどの、「いじめの極致」だなあと思います。でぶなモリッシー酷似キャラがステージで肉サンドがぶりは、ひどすぎ。案の定、モリッシーも、マネージャーのピーター・カトゥシスも激おこしていましたよね。

 

特にカトゥシスは、レイシスト扱いについて

「最新のシングルではモリッシーはテルマ・ヒューストンと共に歌い、ジェイムズ・ボールドウィンの支持者で、自身のバンドに3人のラテン系を含んでいる。そんな彼がなぜレイシストと呼ばれなければいけないのか、理解に苦しむ。根拠はどこに!?」

とコメントを出していました。昨今の事件や評判も影響してか、モリッシーは5月19日、自身のサイト“Morrissey Central”で、Morrissey’s International And Diverse Appealとして世界のモリッシーファンによる自曲カバー動画などを紹介。

自分がいかに国際的で多様なファンに受け容れられているか、また自分も「多様性」を支持していると打ち出しているのでしょうか。手を替え品を替え、黙っていない・・・。

 

そんなこんななモリッシー界隈事情。うんざりなものも多いですが、私たちファンが今できることって、「また悪口言われてるよ…」とちょっと心を痛めつつ見守ること以外にもあるんじゃないかな。

モリッシーが戦っているものって決して「酷似キャラいじめ」とか「悪口」いうちっぽけなものじゃなくて(それにもいちいち怒ってるけど)、私たちをとりまいてる問題とかバイアスとか、人間をそうさせてるこの社会とかシステムとか、そういうデカいムカつくものなんだと思います。

「今世界を覆う、デカいムカつくものって何」「自分はそのことをどう考えるか」など、いつまでも元気に、歌って、しゃべって、怒って、気づかせてほしい、そうしみじみ思う誕生日でありました。

 

エイサップのも待ち遠しいけど、ご自身の新作(なんか着々と作ってるという話もアリ)が待ち遠しい~

ハッピーバースデイ!!

 

★過去のお誕生日記事 

It's the 61st birthday of Morrissey, the greatest singer

It's the 60th birthday of Morrissey, the greatest singer ~『イングランド・イズ・マイン モリッシー, はじまりの物語』に思うこと

It's the 59th birthday of Morrissey, the greatest singer ~モリッシーとボールドウィンと『私はあなたの二グロではない』

It's the 58th birthday of Morrissey, the greatest singer ~モリッシー最新インタビュー翻訳

It's the 57th birthday of Morrissey, the greatest singer

It's the 56th birthday of Morrissey, the greatest singer 

It's the 55th birthday of Morrissey, the greatest singer 


青春と自己肯定

2019-01-19 09:15:36 | 『お騒がせモリッシーの人生講座』
ご無沙汰しておりました。

昨年は『お騒がせモリッシーの人生講座』ともども、お世話になりました!

たくさんのご感想もいただき、感激とともにいろいろ考えました。

今年もこれからも、モリッシーや音楽を好きでいつつ、このブログも書きつつ、いろいろ考える人生でいたいな~と思いました!

さて、最近の私ですが、ティーンエイジャーの抱える悩みや孤独テーマのお仕事をしており、折に触れて(てか毎日)モリッシーのことを思い出す日々です。

↓わたしの悩めるティーンエイジャーイメージ


今週、高校生の自己肯定感の低さの話をしていて、高校生に限らず、こんな「自己肯定感」チェックがあると教えてもらいました。

直感で何個yesか数えてみてください↓

1. 自分のことは比較的好きだ
2. ささいな問題があっても,嫌な気分にはあまりならない
3. 意見や考え方が異なる人の意見でも否定はせずに尊重する
4. 失敗や挫折をしても、自分が成長する機会だと考える
5. 他の誰かの失敗や間違いを許すほうだ
6. どんな問題であっても、必ず解決策はあると考える
7. 自分の欠点を認識しているが、良い面にも目を向けている
8. 自分にある程度は自信がある
9. 自分のことを価値がある存在だと思う
10.自分は生きている意味がある
11. これまでの人生で、とても自信になった出来事がある
12. 人生をリセットしてやり直せるとしても、特に変えたいことはない
13. 自分の人生は、だいたい理想に近い
14. 自分は親や家族から愛されていると感じている
15. 自分の人生にとても満足している
16. 悩み込んで時間を消費するよりも、問題解決に取り組んでいる
17. 辛いことがあっても、あまり引きずらずに立ち直れる
18. ネガティブな出来事があっても、自分を保つ工夫ができる
19. 自分の性格が好きだ
20. 助けてくれる人たちが自分にはいて、とても幸せだと思う
21. 自分の目標を明確にして、目標に向かって行動している
22. 他人に悪口を言われたり、非難されてもあまり気にしない
23. 他の人と比べることがあっても、自分の良いところを認識している
24. 自分の人生は、とても素晴らしい状態だと感じる



≪結果≫

①0~6コ ≪自己肯定感がかなり低い≫
自己肯定感がかなり低いようです。日常的に生活を送ることも非常に困難な状態なのではないでしょうか。

②7~12コ ≪自己肯定感が低い≫
自己肯定感は低いようです。落ち込んだり、うまくいかないことがあったりして、自分に自信を持てないことも少なくないのではないでしょうか。

③13~18コ ≪自己肯定感が高い≫
自己肯定感は高いようで、特に大きな問題はないようです。落ち込んだり、うまくいかないことがあったとしても、自分に自信を持ち、前向きな気持ちで日常生活を送っているのではないでしょうか。

④19~24コ ≪自己肯定感がすごく高い≫
自己肯定感はすごく高いようです。常に自分に自信を持ち、前向きな気持ちで日常生活を送っているようですね。

…とのこと。

わたしはこの「自己肯定感がすごく高い」のも問題じゃないかと思いましたよ(Facebookで紹介したところ、友達には④のひとも多く、でもそのひとたちはその結果がしっくりきてたけど😆)。

無理に否定する必要はないけど、足りないな~とか、ダメだな、こうじゃなくてああなりたいな、って迷いや向上心こそが、「詩」になり「ロック」じゃないか!?と思いました。

人生が必ずしも「詩」や「ロック」である必要はないんですけど、みんなが無理してでも自分オッケー前向き人間「である」必要はないと思うんです。だからこの世知辛い世に、スミスやモリッシーの歌は響くんだと思います。自己肯定と否定の狭間でもがき続けることこそ人間なのではないかと?だからやみくもにティーンエイジャーに「自分を好きになろうよ💕」なんて、しらじらしいし、悩める若者からしたら「は?」で終わると思う。。。

じゃあ、どうしたらいいか。わたしは「ダメで何が悪い力」こそ、大切だと思うんです。開き直る、ってことじゃなくて、否定と肯定の狭間いったりきたりしながら、自分がオッケー「になる」までのプロセスから目をそらさないこと。それこそポジティブ。

『お騒がせモリッシー』には、モリッシーは実はポジティブだと書きました。世間の尺度でダメぽくても、自分を肯定しきらなくても、ポジティブにはなれる。友達とも話したのですが、肯定・否定自体は問題ではなくて、結局実人生にどうフィットさせていくかということに尽きるのではないでしょうか。

(久しぶりに書いたら、長いな、おい)

逆に、低すぎる人の対処方法のお話も。お仕事で出てきた話なのですが、昨今のティーンエイジャーがどっぷりのSNS世界では、遠い誰かのリア充まで「見えすぎてしまう」不幸があるそう。そうすると、自分のつまんねー日常が、ものすごくつまんなくてちっぽけに思えて、余計「おらダメだ」劣等感や孤独が深まってしまうとか。まあ、中年にも言えますけどね。知らなくていいことまで相対評価フィールドに入ってきてしまう面倒がある。

そんな中で自己肯定感を高めるには、「承認欲求」を弱めるのが非常に効果的だそうです。

「承認欲求が高い人間」は「自分自身の欲求」ではなく、「他人の欲望」のレール上にいる人間。良し悪しの価値の基準を「他人」ではなく「自分」の中にもつこと。それが自己を肯定するということの本質、ということでなるほどな、と思いました。悩める青少年たちにそれを伝えたいし。自分が良いと思うことを大事にすること、それこそ「ロック」でいいな。

友達のがーかすがこのトピックについてFacebookで、

「『自分のものさしを持つ』とか『自分の土俵を作る』とか、そういうのが自己肯定感につながるんじゃないかしら、と思った。いまこの国ではそれがすごくやりにくい。若い人ほどそうなんだと思う」

と言ってるのをさっき見ました。で、わたしは今外にいるんですけど、たまらなく家に帰りたくなった。モリッシーを大音量で聴きに。

“Spent the day in bed ”なんてまさにそういう、自分をちっぽけに感じさせるノイズを絶ちきり、自分らしくあれという歌ですし。その他もろもろ、自己否定と肯定の狭間で悩んだり突き抜けたりする歌を聴きたくなった。

中年のわたしが家に帰ってモリッシー聴いても、それで悩めるティーンエイジャーを救えるわけじゃなさすぎですけどw、「自分の土俵を作る」ことがどんなに世界を変えるか、「音楽」ってものを通して、今後言葉で伝えられたらいいなと思いました。

代官山蔦屋『お騒がせモリッシーの人生講座』イベントレポート(2)~モリッシー自伝抜粋

2018-09-29 16:50:10 | 『お騒がせモリッシーの人生講座』

イベントレポートの続きです。(前回はこちら

今回は「レポート」というより、イベント中に触れたモリッシーの自伝の

内容の再紹介という感じです。

 

イベントでは、自伝からの抜粋も紹介したい…と事前打ち合わせで話しており、

単に好きな箇所を選ぼうとするとキリがないので、少年モリッシーがいかに歌手モリッシー

という「大人」になっていくかを軸にして、象徴的なモリッシーの言葉を5つ選び、

紹介しました。

ところが本番では、少年→大人というキレイな流れでは紹介できず、話のついでにランダム

にでした(むしろ、現在から過去にさかのぼる感じ)。

…ということで、ここで改めて順を追ってお見せしておければなと思います!



①11歳 音楽との出会い

少年時代のモリッシーを支えたのは、レコード、そして放映が始まった数々の音楽番組。

音楽に触れることで、ここではないどこかがこの世の中にはあること、こうでありたい

と自分に「なる」ことを願うのは、どん底のマンチェスター生活でも可能であるという

希望を知りました。自伝では、音楽のことだけは、前向きに素直に語っています。本当の

自分に「なる」鍵であったと振り返っています。

 

②18歳 仕事への憎悪

学校は卒業したものの、あまりにもマンチェスターにいたくなくてw、定職にはつけず、数々のバイト

についてはやめ、ついてはやめ、していた頃の言葉。アメリカに行きたくてお金を貯めるため、

レコード店の店員、内国税収入庁のファイル係、病院で医師の手術後の白衣についた内蔵を落とす

仕事…などを転々としますが、どこも長続きせず職安の職員にも匙を投げられる始末。

働くことに対する嫌がり方がハンパない。普通妥協や観念もするのでしょうが、うまくやってこう

なんて気持ちもハナからないのでしょう。「ガバガバヘイ解雇」までされるw

“Heaven Knows I'm Miserable Now”はめちゃ実録だったのですね…。

 

③歌手デビュー「ザ・スミスのモリッシー」戦略

 後のラッセル・ブランドとのインタビューでも語っていましたが、自分には「ポップスター」

となる要素が皆無だったと自覚していたモリッシー。そこで「やっぱダメか」と諦めずに、

歌手として勝負するために「ザ・スミスのモリッシー」というキャラクターを創り上げます。

グラマラスでもセックス・シンボルでも、アイドル的なかわいさもなかったモリッシー、

普通「それじゃあ、ダメか・・・」と諦めるところですが、むしろ「今までいなかった存在」

になることを選択。ヨレヨレおばさんシャツの見かけのみならず、歌詞にすべて自分を入れ

「ポップ」を逆手に取ったのがヤバい!そして戦略的。スミスでの彼のあの姿、存在感は、

偶発的シンデレラボーイではなく、「どうしたら今の自分を抜け出せるか、あっち側に

行けるか」を練って練って練ってできたものなのではないでしょうか。

歌手ですけど、もんのすごいセルフプロデューサーでもありますね。

 

④32歳 憧れのデヴィッド・ボウイとの共演

12歳でボウイに出会って20年後、憧れの救世主と共演を果たしたモリッシー。

数々の憧れの存在とコラボしたり、復活させたり、お友だちになったり、ファンの夢を

すべて果たしている「プロファン」だと思うのですが、ボウイと共演した時のこの気持ちは

格別だったようで、自伝の中でも自分の奥の方にいる幼い自分(いわゆるインナー・チャイルド)

にまで語りかけています。とても素直な感動が伝わってきて、あのわっかりにくい自伝の中でも

私が大好きな部分です!ボウイは、モリッシーにとっては本当に救世主、彼のよく使う

「鍵」という言葉そのものだったのだと思います。

 

トーク中、尾田さんから、モリッシーはボウイの逝去に関して追悼の辞を述べなかったと批判

を受けていた、ふたりの関係がそんなに良くなかったのではという声もあったけど…?

と聞かれました。私は、本当に大切な存在の死に関して、軽々しく「R.I.P.」だとか言えないの

ではないかと思います。それってまるで「死んだんだね、安らかにね、ほなさいなら」みたいな??

ボウイはモリッシーにとって永遠に死んでないんだと思います。

 

トーク中に少し触れましたが、引用元含めて補足です。

この批判を受けた後、2017年“Rolling Stone”のインタビューの中でモリッシーはボウイに関して

「宇宙の電話で彼から電話がかかってきたとしたらどんな話をしますか?」と質問されました。

モリッシーは


「デヴィッドは地球の電話では何度も私に電話をかけてきた。今のデヴィッドはきっと幸せに

違いない。音楽は永遠だ、ほら今、デヴィッドはその真ん中にいる。彼が人生からそれ以外の

ものは何も、望んでいなかったと思っている」


と、答えていました。陳腐な追悼の言葉など、なかったわけだなあ~と思いました。

モリッシーは音楽という永遠を通して、いまだにボウイとライブな交信を行っているのでしょう。

 

⑤ソロ歌手「モリッシー」として

あんなにつらかった学校時代、「モリッシー!!」という教師たちにののしられ、つるし上げられる

ための名前は今や、ファンから熱烈な愛を持って迎えられ、求められる名前となりました。

その満足感が現れている部分。つらい少年時代に、故郷に、生身の体の皮をはぎとられる刑罰

並みの残酷な倫理がまかり通っていたダークな世界に、勝った。


モリッシーの勝利宣言とも言える文章だと思います。勝利の自覚、自信は彼をますます屈強にさせ、

今のもの凄いモリッシーを作り上げているのだと思うと、ますます目が離せないし、

これ以上何を歌っていくのか耳も離せない!!もの凄いレイヤーで過去もあるけど、

「ベストヒット歌手」とかではなく、「現在進行形歌手」なので、キリがなく

魅せられるのだと思います。

 

イベントが終わった後、いろんな方とお話しできました!

「スミスは聴いていたけど、今のモリッシーとかよくわかってなかったから

びっくりした」

「スミスと今のモリッシーって違うものかと思ってたからつながってる

とわかって興味でた」

「ずっと聴いてなかったけど、帰ってスミス聴きなおす!」

「モリッシーのソロも聴いてみます」

…など嬉しいお言葉もいただきました。

 

イベント後、担当編集者の圓尾さんも、インスタで書いてくれました。


「現場主義というのともちがうんだけど現在主義とでも言うのでしょうか。

懐古主義の逆で、今を楽しめるのがいちばんよいよなと思います。

『お騒がせモリッシーの人生講座』はそういうことをモリッシーの

作品や言動から教わる本です。

スミスやモリッシーを伝説の人として過去に押し込めるのではなく

現在進行形のアーティストとして見る。

前野健太の歌にも『今の時代がいちばんいいよ』ってのがあるけど、

そういうことだと思います」


その通りですね。そして、自分にも「今の自分がいちばんいいよ」

って言うためにも、そんな気づきを得るためにも、私たちには音楽が必要

なんだと思いますよ!!過去やノスタルジーとはひたるためだけの

ものにあらず。乗り越えたり、今を生きる味方にするものではないのかな。

 

…また長過ぎて、ここでひとりトークショー(笑)していても仕方ないので

終わり。

 

あ、トークイベント前半で圓尾さんに「ブログとかのテンションと違くて

固い」と言われましたが、わたしのあれもジャンル的には「テンション高め

派生形」だったんですけどねw どんだけ話しを詰め込むか!!的な。。。


まあ、対比的な妙も踏まえて、

次回10月28日(日)日曜日真昼間からの

ロックカフェロフトさんでのイベントは、

もっとオモシロ系に走ろうかなとも思っております。

お相手もお相手ですし!!www

今回と内容もおもむきもガラッと変えますので、

よろしかったら是非そちらにもおいでください。

 


代官山蔦屋『お騒がせモリッシーの人生講座』イベントレポート(1)

2018-09-28 13:10:56 | 『お騒がせモリッシーの人生講座』

9月26日の夜、代官山蔦屋さんで開催されました


『お騒がせモリッシーの人生講座』刊行記念トークイベントにご来場

いただきましてどうもありがとうございました!



大雨にも関わらず、会場は満席。立ち見のお客様や、通りがかって飛び込みで

来られたお客様もいたそうで、恐れていた「ジョイマン状態」は免れました。

 

「えっ、スミスだから生の花持参するんじゃないんですか!?」と花を

持ってきてくださった方、

愛知県からこのために、しかもモリッシーヘアで来てくださった方、

「台東区一のスミスファンは自分だと思ってたのに…!」と

(たぶん…)ほめてくださった方、

体調悪いけどとか、時間ないけどとか、

または明日社長プレゼンなのにとか、北海道出張なのにとか、

数々の困難をやりくりして来てくださった方、

私の友達だったり先輩だったりしたせいで、

やれやれ…仕方ないけどまあ見てやるか!と来てくださった方、

うなずきまくったり、泣いてくださった方

蔦屋の皆様、尾田さん、編集担当者の圓尾さん、営業さん、

素敵なオリジナルステッカーをデザインしてくれたKAZOO、

ビデオを撮ってくれた腮尾くん、

行きの渋谷からのバスで

「荷物が重すぎるでしょ、あなた!!私の膝に乗せなさい」

と言ってくれた老貴婦人、、

(まだまだいますが)


…皆様全員大大大感謝です、ありがとうございました!!

(KAZOOデザイン、来場プレゼントのイベントオリジナルステッカー。

ただいま代官山蔦屋さんで『お騒がせモリッシー』を買うと、若干数ですが

プレゼントしております!)

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

尾田和実さんとの「中年真剣しゃべり場」、

そして『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』並みに

シークレットで客席に仕込んでおいた(てかオーラでバレてたけど)、

スミスファーストのモリッシー写真を撮ったレジェンドフォトグラファー、

Romi Moriさんをゲストにお迎えした90分。

ご来場の皆様にはとても喜んでいただけました!

Romiさんも、貴重な生写真までご持参いただき、ありがとうございました!!

 

来れなかった方々から、何話したか教えて、当日の資料見せて、

とのお声もいただいたのでここで資料なんかも貼りつけつつ、

振り返らせていただきます!

 

そもそも・・・

本を書いている時も、書いた後も、またこのイベントをやるにあたっても、

なんで私やあの人は、いまだにモリッシーを聴いているのかな?というのが

ありました(今さらw)。


大人になって「音楽聴くの卒業」とか、「スミス?昔聴いてたな」という人も

けっこういるのに「大人のスミス・モリッシーファン」にとって、何がいまだ

聴きつづける価値や意味なんだろうと思っていたので、そこを

「大人でちゃんとしているのにいまだモリッシーファン尾田さん」と

話してみたいなあ、と。

尾田さん、お子さんに「もりし」という名前までつけてますから、想いは

まったく「過去形」ではない…

(イベントにはかわいい「もりし」君も来てくれてました!)。

 

そんなわけでトークでは、


●スミスと出会った頃のこと

●なぜスミスに魅せられたのか

●過去の感じ方

●大人になってからスミスを聴いてのギャップ

●最近のモリッシーについて

 

…などの話でスタートしました。

尾田さんは、「音」に魅せられ、大学時代はスミスのコピーバンドをしていた

そうです。尾田さんはスミス入口の一曲として“Reel Aroud The Fountain”を

挙げてくれていたのでかけました。

ほんと、いつ聴いても、初めて聴いた時の気持ち思い出すなあ、、と、本番中なのに

聴き惚れてうっとりしすぎましたよ。

トーク中に尾田さんにも聞かれたのですが、私はスミスの方がモリッシーのソロより

安心して聴ける気がします。昔、世間知らずな子どもの頃、ただ気持ちいいな、

声がいいな、好きだな、という純粋な心で聴いていた頃を思い出せるから・・・

 

今は長年ファンをし過ぎて、というより、自分が大人になったせいで

知識や雑念を持って音楽に触れてしまうのも否めませんw 

情報も、昔の自分に言ったら驚き過ぎて倒れるくらい入ってくる。

それでも、トーク中に話しましたが、ワープロや切り貼りで手作り感満載な

「ザ・スミス」日本公式ファンクラブ会報(持っていきました)を


擦り切れるまで読んだり、原宿や西新宿のブート屋さんで買った、ダビングし過ぎて

もうざらざらで何が何だかわからないスミスのライブビデオをテープが

伸びるまで見たりとか、情報がない中でも必死に、好きで好きでたまらなくて

追い求めていた純粋な気持ちは、奥の方にはあるんですよね。

30年くらいたっても。

そんな、大人になってからはそんなに日常では取り出さない大切な場所に

響くから、まだスミスを聴き、「モリッシー」という実体の謎を追い続けて

しまうんだと思います。

 

そして、自分たちが良くも悪くも「大人」になっていく過程に、

「モリッシー」というものの「進化」「深化」が並走していく

(すんごいスピードで超先にいるんですけど)のではないか…

という話をしました。

 

30年以上の時を経て、視覚的にでぶった、年取った、とかだけでなく、

よく「変った」「ヘンになった」とか言われるんで、メディアや世間でよく言われる

イメージやキーワード、まとめてみたものをお見せしました。


 

歌手生活36年で、180度くらい違うイメージに「変わった」のも事実ですが、一貫して

変らない普遍的なもの=コアな部分があるので、まあ全部が全部同感!できることばかり

ではなくても信じられるし、そこに共鳴できるのだと思います。

 

そしてそういう「コア」っていつの間にか大人になってしまった自分たちにもあるので、

モリッシーと中身は(もちろんw)同じじゃなくても、「コアを持ち続けてるすごい人」

という部分でリスペクトしてしまうんですよね、、


と、イベントレポートのつもりが再度語り始めて長くなったので、自伝の引用も

したんだけどそれは「続く」にします!

 

そうそう、上のスミスファーストの写真含め、シークレットゲストRomiさんが

80年代に撮ったモリッシーと、今年の3月のロンドンのライブで撮ったモリッシーの

生写真を持ってくてくれました!違い歴然!!モリッシーのおうちにまで招かれた、

生のお話しにお客さん大興奮!(※ロミさんとモリッシーのエピソードについては

こちらの記事

Romi Mori 写真展:「ザ・スミス」のモリッシー写真を撮った日本人アーティスト

にも書いているのでご参照ください)


「あの時のモリッシーのイメージは、青。若くて、青い」


…とロミさんは語っていました。そんなモリッシーが、今や…!!!という感じですが、

私はイベントに来てくださった皆さんもきっと心の奥にそんな「青」があって、そこを

枯らさないよう音楽を聴いて世知辛い大人生活も続けているんだと思いましたよ!!


音楽があってよかった。

モリッシーにも、あなたにも、私にも。          


(続きはこちら


明日です!!『お騒がせモリッシーの人生講座』刊行記念イベント Part 1

2018-09-25 13:28:06 | 『お騒がせモリッシーの人生講座』

現在予約受付中の『お騒がせモリッシーの人生講座』刊行記念イベント、

第1回目がついに、明日開催されます!

2018年09月26日(水) 代官山蔦屋書店

イベントタイトルは…

「私たちは、スミス・モリッシーを聴いて大人になった

その難解なお騒がせ哲学を読み解く」

19:00開場、19:30スタート 

ギズモード尾田和実さんとわたくしかいなってぃーの

トークと書籍サイン会です。

 

★お席に限りがありますので、代官山蔦屋書店の音楽フロアにて

お席をご予約ください→電話番号03-3770-2525

いまだ心に茨を持ち続ける、スミス・モリッシーファンの

大人たちに向けてのトークショー…ということで、話者のふたりの

スミス・モリッシーとの出会いや、昔と今の聴き方の違いを、

モリッシー本人の青年期→中年期へのうつりかわりとオーバーラップ

させてお話しできればと考えております。


「ギズモード・ジャパン 」と言えば、 日本最大級のガジェット&テクノロジーサイト

です。そこの事業統括プロデューサーが出演!?という感じの方もいらっしゃるかと。

それが、ギズモード尾田さんのモリッシ愛、これまたすごいんです、ほんと!

その辺のご紹介もします。

べつに尾田さんは隠れてないですけど(笑)、日ごろ「隠れモリシタン」である大人の方々

には是非来てもらいたいです。

 

モリッシーが一体何を経て「今」のモリッシーとなり得たのか、

変ったこと、変らないものは何か、

自伝の中からもいくつか引用を交えつつ、検証・ご紹介できればと

考えております。

スミス・モリッシーの曲もかけたいし、またサプライズ!!や

質疑応答コーナーもありますので、何かある方はお気軽に。

 

個人的には、代官山のあんなオシャレなところに、いまだモリッシー・スミスを好きな

大きなおともだちたちがやってくるなんて、なんか壮観だな~と思っております。

わたしは、性格的・仕事的に人前で話すのまったく緊張しないんですけど、

そんなおとなたちが並んで座ってるのを見たら緊張するかもwww


果たしてどうなるか、まったくわからないですけど、自分にとってスミスとかモリッシーとか、

はたまた「音楽」ってなんなんだろう、って考えるきっかけになる秋の夕べになれば

幸いです。

 

第2弾イベントも10月28日(日)の昼下がり開催が決定しておりますが、

まずは明日お会いしましょう。