Action is my middle name ~かいなってぃーのMorrisseyブログ

かいなってぃーのMorrissey・The Smithsに関するよしなしごと。

実録・モリッシーが来た!新豊洲 Five hours with you その1

2023-11-30 22:10:11 | モリッシー来日 2023

19:38 ついにバックドロップがジェームス・ボールドウィンに変わった!!出てくる、出てくる、出てくる。その安堵とともに頭に浮かんだのは、ボールドウィンの言葉。

「愛というのは、我々が思うとおりには始まりも終わりもしない。愛は戦いであり、愛は争いである。つまり、愛とは成長することなのだ」

愛は戦いであり、愛は争いである。自分なりに戦った。やっとこの瞬間にたどりついた。成長したかといったらしてないかもしれないけど、たった今、何かを本気で愛さないと見えない地平線に立ってる自分を俯瞰で見て「すごいな、おい」と思った←こうやって書いてるとちゃんと思ってるみたいだけど、頭の中で同時多発ぐちゃぐちゃ感情からの

あんなにみんな待ってた、待望のカリスマなのに、降臨!!という感じではなくふつーに舞台に散歩みたいに出てきたモリッシー!!くわえタバコでうろうろしながらいろんな方向に丁寧にお辞儀。

コンニチワ!!ユーアーザワンフォーミ―…トウキョウ!!

と叫んで歌い出したのはWe Hate It When Our Friends Become Successful。

マイクコードさばきの切れ味が、またすごくなっている。あの鞭打ちなら当たっても構わなかった(本当に当たりそうだった)、、、

おいおい、このまま1曲ずつ感想書いてくのかよ、と思いますよね。

感想ってどれにしたって結局「良かった」なわけで、もしくはツラツラ書いても千夜一夜物語になるには目に見えてるので先に「結論」を書く新スタイルでいきますw

(とりあえずセットリストはこちら)

We Hate It When Our Friends Become Successful
Suedehead
Alma Matters
Our Frank
Stop Me If You Think You've Heard This One Before
Sure Enough, the Telephone Rings
I Wish You Lonely
How Soon Is Now?
Girlfriend in a Coma
Irish Blood, English Heart
Let Me Kiss You
Half a Person
Speedway
The Loop
Please, Please, Please Let Me Get What I Want
Everyday Is Like Sunday
Jack the Ripper
Sweet and Tender Hooligan

18曲約70分と、コンパクトな感じだけど、短いとかそういう感覚もなかった。とにかく体当たり、疾走。すべて本気。64歳のライブと思えなかった。どんどん身体の機能が上がっている感じ。バンドの演奏もすごくよかったです。でも、歌手の声が、どの楽器をも凌駕しているってどゆこと??と思いました。あまりにも「人間」の力を感じるライブ。オペラとか声楽系とかそういうのでなく、ロックで中身ど・パンクで、そもそもインディーで、、、そういう人が還暦を過ぎて、こんなに声を武器にした歌手になるなんて・・・。

また観客も、64歳お歌手のライブの観客じゃなさすぎw スーツ姿の会社帰りのサラリーマンまでマジもんでモッシュピットで叫んでた。そもそもモッシュ「ピット」という概念がない。見渡す限りのモッシュwww モッシュ豊洲ピットです。それで思い思いに咆哮したりおもむろに「ありがとうー!!!!」と叫んでいる。「日本の客はおとなしい」っていつの話!?という感じでした。

そんなモリッシーの凄さって、これでも何年もファンをやっているんで私は知っている方なんですよ(必死の強調)。それでもこんなに驚いたんです。ザ・スミス好きのモリソロ嫌いの人とか、あんまり知らないで来た人とか、どう思うんだろう、と思ったんです。何を見せられた?聞かされたんだ??「あっけ」みたいな感じなのかなと。

それでライブの後のアフターパーティー帰り「モリッシー」で検索して見てみると、エロ垢がトレンドにあがった「モリッシー」を無駄につけてツイートしているので、それに紛れ過ぎててよくわかりませんでした。エロ垢業者も、まあ自動でキーワードで入れてるんだろうけど、よりにもよって「私の本気〇〇画像見たい? モリッシー」とかほんとなんなんだ??? やっと昨日くらいからトレンド便乗エロ垢が消えたので、落ち着いて見ることができました。

すると

「歌声が凄い」

「期待をはるか上回っていた」

「現在進行形だった」

「甘く見ていた」

「過去一良かった」

「ただただ凄かった」

と、絶賛の声ばかり。現在進行形であり、懐メロ歌手でもない現役歌手。モリッシーは「自分には今しかない」とよく言いますが、3月のロンドンのライブでもこう言っていた。

Here!
Now!
That'sall!

ここ!
今!
それだけ!

モリッシーのこの臨場感、今しかない感を、多くの人に、やっとわかってもらえた!!と思いました。

まがりなりにもモリッシーの本を書いたり、ブログを書いたり、会う人会う人にモリッシーの話をしたりしてきた女ですが、自分の無力さを感じました。それは幸せな無力感です。百聞は一見にしかず、一モリッシー体験が、人の心をこんなに動かす。やっぱ人は、自分で体験しないとダメなんだと思う。「きっと凄いに決まってる」とは思ってきたけど、そう思ってきた人間にすらも「もっと上から来た~!!」と焦ってしまうほどの「一モリ」だったのです。たくさんモリッシーを観ているルーピーさんも言っていました。

「あんなに上機嫌で、あんなに素晴らしいモリッシー見たことない」

こうやって、驚かせて、更新していくんです。まあ私は好きだしもう(あり得ないけど)最悪なライブだったとしても好きなんで、自分を信用できないから、誰か説得力のある人の言質とりたいな…と思っていたら、今朝、自称「頑ななまでのスミス信奉者」、スミス好きのモリソロ嫌い、3代前から極スミス(そんな昔からない)kimuraさんからDMが来ました。

「モリッシー凄過ぎました!ありがとうございます! 人生で三本、いや驚き、凄さに圧倒されたと言う意味ではNo.1かもしれません!普通に低体調が1カ月続き正直行くのが億劫でした…いやいやいやいや、危ないとこでした!絶対観るべき体感、目撃すべきライブです! ご存知の通り生粋のスミスファンですが、ライブ進むに連れ、いやいやサービス精神でスミスやらなくて大丈夫だよ!とモリッシーの現在が観たいよ!となりました。かいなってぃーブログの、出る出るモリッシー16曲中心に数日前にプレイリスト作らせて頂いたお陰も大きいです。感謝。 今年もそこそこライブ観まして〇〇、××が最高で!でも比較してしまうと、彼らも懐メロになります。UKが、北米が好き、あの曲この曲が好きじゃなく、モリッシーって全人類、ホモサピエンスの数パーセントの必須成分なんだな、彼がいない世界はありえないと思ってる人が多く集まった空間なんだな!と思った次第です」

という文章を読んで驚きました。いやいやこの人、何をどう言ってもザ・スミスしか勝たん!!の人が「モリッシーの現在が見たいよ」ってなに???平気??と思いました。驚いたのは私だけでなくご本人もみたいで、

「スミスガチ勢の一人として、一番最初に来た感情が驚きでした。どんなに若く先鋭的なバンドより今を体現し表現している感じ。だからあんな激しいバンドサウンドなんだなと。How Soon Is Now?は原曲を超えましたし。 正直2016年は懐メロ、ディナーショーと感じました。大好きなスミスのモリッシーを一回観られたからオーケーと。だから予想してないんですよ、今回の凄さを! あれから当日のプレイリスト作って聴いてますが、Jack the RipperもIrish Bloodもライブで凄い事になったんだな!と改めて感じました。Half a PersonとPlease Please Pleaseは泣きそうでしたが、もっとモリッシーの曲が聴きたかった、これが素直な感想なのが自分でも驚きです!」

私は受験生だったら、参考書だったら、以下の箇所に蛍光マーカーで線を引きたいと思いました。

モリッシーの現在が観たい
モリッシーって全人類、ホモサピエンスの数パーセントの必須成分
彼がいない世界はありえないと思ってる人が多く集まった空間
どんなに若く先鋭的なバンドより今を体現し表現している

Kimuraよ、やっとわかったか…(涙)。って、わからせたかったわけでも無理に「ガチモリに転向せよ!!」とか「おのれ、ジョニー・マー踏み絵を踏めるか!?」「か、隠れマイク・ジョイス担か…!?」とかやりたかったわけではありません。ただ、もう、モリッシーの実存に触れた人の心からの驚きが嬉しいばかりです。

このモリッシーの「凄さ」はどこから来るのか。それは28日に新豊洲のうねるような人間の圧、絶叫、咆哮、「ありがとうモリッシー!!」(なぜか今回日本語で感謝を言うブーム到来)を体感した人はわかると思います。

「絶対あんたがいないとダメなんだ」

あんた=「スミスのモリッシー」とかそういうことでなく、今目の前、ここにいるモリッシー。そう思っている人間たちとの相互作用であのようなモンスターが生まれたのです。いわばポジティブ共依存。我々の愛の力が反映されてのあのモリッシーなのだと思います。いまだにモリッシーが増強中なのは、身体管理やストイックな(ちょっと普通と違う)プロ意識もあるでしょうが、それを下支えしているのはファンの愛です。モリッシーはファンとの愛の交歓のプロなので、出てくるだけで日本のオーディエンスの愛と渇望の雰囲気がわかってしまったんだと思う。だからあんなに上機嫌。べつにユニオンでレコード買えたからなだけであんなに上機嫌じゃないと思いますwww とてつもない愛と愛のぶつかり合いがあり、相乗効果であんなモンスターが生まれてしまった11月www

モリッシーは何度も、ここにいて幸せ、ありがとう、ありがとうと繰り返していた。
Irish Blood, English Heartを歌う前、

「私は世界のあり様を目の当たりにし、言いたいことを言う。考えたいことを考える。誰にもそれを止められない。たとえ殺されてもだ」

と声を上ずらせて強調していました。その強さは我々に力を与え、その我々がまた彼を強くする。

モリッシーが昨日、「TOKYO!」と公式サイトにアップしていた写真には「My love, my life」と書いてあった。

この写真(ケンさんモリセンデビュー)見てると泣いちゃう。撮っていたRyan君も必死の形相で物凄い恰好で撮っていた。

ボールドウィンの言う通り、愛というのは、我々が思うとおりには始まりも終わりもしない。愛は戦いであり、愛は争いである。それは人生そのものではないか。70分で物凄い衝撃とともにそれを伝えモリッシーは去ったけど、我々の愛は終わらない。終われない。

たぶんこの実録ブログも終われない。


実録・モリッシーが来た!新豊洲 Five hours with you その0(まだ出てきてない)

2023-11-30 13:34:47 | モリッシー来日 2023

何から言葉にしていいかわからないし、ぶっちゃけ構成も展望も結論もノープランですけど書きます!!!忘れないうちに、と思ったけど忘れっこないというか、すごいことって最初はボディブローがきつすぎて、体感の衝撃で思考が追い付かない。だんだん人としての考えを言葉化できる気がしてきました。

えっと、性格的にくどいんで最初からいきます。5時間分。え、5時間だけの話なの??体感50年分くらいの濃さでした。でもあっという間という。変な感じ。

15:45 新潟からのガチファンと有楽町で逢いましょうがやりたいがために有楽町で落ち合う。もう物販の列が100人て情報入ってるから!!と煽ってタクシーに乗り込む。ガチ勢は昼頃から新豊洲入りし、情報をくれていたのである。

16:15 豊洲PIT到着。列が見えて途端、江戸っ子の血が触ぐ。神輿は!?神輿はどこだ??と思うが、単なるものを買う列である。

タクシーでは、「買い終わったらロッカー預けて、あぎおが来るまでお茶しよう~、トイレとかも行かないとだし~」とのんきに話していたが、物販の列はそんな甘いものじゃないくらい蛇行しており、遅々として進まない。ひとりひとりのお買い物が「濃い」のである。これちょうだい、はい!というわけではなさそう。

アイドル好きな友だちに「物販はのんきに考えちゃいけない」と重々言われていたがその時は「大丈夫、3000人しかキャパないし~」なんて言ってたけど、その「3000人」がどんな3000人なのか、お前わかっていただろう??と自分を責める。

モリッシー物販、Youtubeに映像があがっていた。ただ人が並んでる映像なのに見てるだけで泣きそう。今日並びにいっても、この時と空気は二度と味わえない(あたりまえ)。

MORRISSEY LIVE IN TOKYO - Standing in line at Toyosu Pit

列が進むと「お見合い回転ずし」みたいに、横に来る人がいれかわり、友人知人に多数会う。遠くから来た久しぶりのみなみなどにも会い、「こんなに大きくなって…」と感激する親戚おばさんモード(実は前から大きかったらしい)。「こんなにファンが並んでるの見るだけで泣きそう」と前半のお見合いで会ったユリンベが言っていたが本当にそう。

列がのろのろと進み、あんなにポカポカだったのに風が少し肌寒くなる。ステージに近づいた位置だったのか?リハーサルの楽器の音が聞こえた。友人と「楽器だけだよね、まさか本人歌わないよね」と言っていたら、モリッシーの声がした。I wish you lonelyと聞こえた。幻聴か???と思い、列のうしろにいた人に「これ、リハの音です??幻聴??」と確認すると「間違いありません、リハです」と承認してくれた。「私は音楽関係なんで、これはリハーサルです」と頼もしい。話していたら、お友達のツネくんのお友達だったw  

お見合い回転ずしの間に、ちょうど4年前の秋に対談させてもらった、プリンスガチファンの二重作さんに会い写真撮ってもらう。終演後にもパチリ。いろんな縁がありますな。なんか「すべての道は新豊洲に通ずる」って感じだった。ゆりかもめの終点は豊洲だけど。

空がだんだん、灰色とオレンジの2層に分かれて、暗くなる。黙示録ならそこが割れて、火の車に乗った魔王が来そうな感じになってくる。その魔王がモリッシーなのかなとひとり考えている。

埋立地の夕刻のこの空気は、独特。荒涼、という言葉は「自然」が基本の言葉。「人工」がベースの、荒涼に値する言葉はなんだろう。この人工の中の荒涼的な箱の中で、真反対の生生しい何か物凄いことが起きる夜の予感にゾクゾクしてくる。

17:00過ぎ あぎお合流。「この人ひとつも買わないでただいるだけなんで入っていいですか」と聞くと、なんでも承認と回答をくれる頼もしい後ろの人が「大丈夫です!」と言ってくれるので入れてもらう。列は最終コーナー曲がり角…と思ったら、曲がってからも長い。

17:30分くらい? もうこの辺から錯乱してきてよくわからないけど、「整理番号順に並んでくださーい!!」というスタッフの声がしてくる。え、行かなきゃじゃん、と思い、順番にこだわらないあぎおたちに荷物を預けて移動する。18:00開場なのにはやくない??とりあえずトイレ!と思って探すが入れない。予定は狂うが錯乱しているため、トイレもべつに入らなくていいやと思い、整理番号でわかれている地帯にいく。

すると、アメリカ横断ウルトラクイズのYES、NOで分かれている人たちみたいに、「ざっくり」と友人知人が区切られてたまっていた。100番ごとの分類。あまりに知り合いだらけでほっとする。焦って錯乱してる奴ら、だいたい友達。

18:00 ちょっと前。「まずは1番に近い人たち集まってください!!」と言われ、「マイナスでもいいんですか~」とふざけて…いたらすぐに、1番から呼ばれてひとりずつ入っていった。みんなバンジージャンプやる人みたいな顔でロープで仕切られた列に入っていく。そう、まだこの先、入場までは、ロープでうねうね並ぶのである。私の番になって並んでいると、ケンさんが「物販諦めた!」と入ってきた。でも「諦める」のはそれが自分でなくてもイヤな私は(性格的に)、ふと横を見ると物販にトリスケを見つけたので、ケンさんのシャツを買ってあげるよう叫ぶ。トリスケがサイズ確認で叫ぶ。トリスケは花売り娘のようにグラジオラス束を抱えており、市場のようだ。

そして、入場。新豊洲PIT、ヒア・ウィー・カム・・・



買ったばかりのシャツを着たケンさんと記念撮影したりして、まだ余裕。


プレショウビデオが始まっても「きゃージグジグ!!(気志團ではなく)」「この後20、30分くらいは始まらないから」とか思ってて余裕。

シニード・オコナ―が流れると、会場から拍手が怒り、厳粛な雰囲気。

ニュー・ローズは、どんな時もノれる。



しかし、わーい、楽しいねえ!!ではなくなってきた。でもビデオがまさかの30分超えたころ、だんだん焦ってくる。

ビデオの間に、誰かがイヤなことしたり、なんかイヤなこと言ったりしてませんように。
出てきますように。。。出てくるよね。出て、出、、、


来日まで(174)日のモリッシー

2023-11-27 23:50:31 | モリッシー来日 2023

昨日ね、夕方にトイレットペーパー買いに行ったんですよ。明日になったらなくなりそうだからってわざわざ。

で、今朝ロールを取り替えようと思ったらないんです。一晩で家族が12ロール使ったのか!?そんなわけないな…と考えていて気づいたんです。

わざわざ買いに行ったのに、セルフレジに置いてきたことを。

ちょっとした怪談ですよ。わざわざ買いに行ったトイレットペーパーを、わざわざ置いてくるなんて!!いくら私でも、普段はそんなことしたことありません。

それくらい、もう心ここにあらず、なわけです。とうとう、モリッシー日本公演が、昨日からしたら2日後、今からしたら明日、行われるというのはそれくらい日常生活を崩壊させる一大事なわけです。。。

思い返せば、今年の半分近く、「モリッシー日本公演」という夢みたい現実、現実みたいな夢に囚われてきました。

ほんとに落ち着かないので、振り返ってみます。

●2023年6月8日

モリッシー・セントラルにTokyo公演の予告がされる

当時の私のツイートを掘ってみると、嬉しいけど信じちゃいけないんじゃないかというジレンマで気持ち悪いです。

でもしばらくして、私はツイッターでも実生活でも「モリッシーの来日公演」の話はしなくなります。詳細は“in a few days” っていいながら、まったくなんの続報もなかったからです。a few って中学で「2、3」って習わなかった??めっちゃ大目に見て1週間、10日間…たってもなーんも言ってこない。信じて裏切られるのがイヤだし、記憶から抹消しなきゃかな、なんて思ってました。

そして7月末にはフジロック。初めて会うモリッシーファンと、「次は東京でモリッシーで会いたいね~いつになるかわかんないけど」なんて言って別れました。

そう、いつになるかわかんないものとして納得していた。

●8月6日

日曜日。もっと寝てたかったのに目が覚めたな~なんて起きてスマホを見ると、早朝3時3分にMisaさんから

ぎゃああああああああああ‼️‼️‼️😭😭😭😭😭😭😭💓💓💓💓

というラインが。続いて麟子さんも、

ぎゃあぁぁぁああああ🌋🔥❤️‍🔥

と叫んでいるので、うっすら予感しながらも送られてきているリンクを開きました。

SHOW, CONCERT, PUBLIC PERFORMANCE

モリッシーが

日本に、

来る~!!

11月28日!!

日本、江東区、豊洲PIT!!

実際のページにはシンガポール、香港、タイ、インドネシア、オーストラリア、ニュージーランド(台北はいつの間にか消えた)の公演予定もあり、かなり本格的な東アジア・オセアニアツアーですね!6月8日から、2ヶ月!「まゆつば」からの「立ち消え?」と思っていたのに、年内に遂行されそうで嬉しいを通りこして、なんかもう。。。なんなんだろう??言葉になりませんでした。

会場はこんな感じで段差もあるのか、と早くに確認。↓自分のブログにスクショ貼ってた。明日の参考になる!

8月の段階ではプロモーターを気にしていました。前回のクリエイティブ・マンは残念ながら「アーティストが望むステージセットを完全に設置することが困難事件」(通称:今や廃墟・心霊スポットとしてちょっとした名所ー「荒井注カラオケハウス」事件)というのがあったし、LIVE NATIONかな~と予測。

そもそもクリエイティブ・マンさん、11月激忙しいです!!相次ぐアーティスト来日。今回もますますアーティストが望むステージセットを完全に設置することが困難そうです!

モリッシー・セントラルにはチケットプレセールは「8月9日」と書いてあるものの、これすら信用できませんでした。

ところが

●8月8日

ついにLIVE NATIONから発表が!ほんとのほんとに8月9日にチケット発売とな!!

今日あたり来たりして~なーんてね、なんて思いながらも打ち合わせしてたら12時、アギオから「ライブ・ネイション出たね」と一報が。あんなに確認してたのに(なんでアギオに教えられる…)!慌ててX通知で発表確認してそのまま泣いた。うわ、泣くんだこれと思って泣いた。「信じてなかった?」と聞かれ、信じてたから泣くんだよ馬鹿、と言い返そうと思ったけどとりあえず泣いていました。思い返せば、この時が今回のモリッシー騒動で一番泣いた瞬間でした。オートマティックに涙が…そんなわたしに「そんなに嬉しいんだ まだ第一段階でしょ」と氷水のような冷水浴びせかけるひどい男アギオ。教えてくれたけど!

過去の来日アナウンスから発売までの軌跡も振り返りました。

●2012年モリッシー来日→第1報 2012年1月15日→何らかのアナウンスあるよ!DAY1月27日、何も起こらず→1月31日チケット発売日発表→2月4日午後3時先行発売

3週間かかってます!!

(参照ブログ「Morrissey来日情報、ひきこもごも その1」 なつかしくておもしろいw 「何度も何度も裏切られることに慣れつつも、何度も何度もモリッシーが夢枕に立った全国100万人のモリッシーファン…強い希望を持ちつつも、30日くらいにもなると自主的に、無意識に歌われる『Heaven knows I'm miserable now』の低~い合唱が日本中に流れ始めた」とかwww)

●2016年モリッシー来日→第1報 2016年7月28日→8月2日チケット発売日発表→8月13日一般発売開始

2週間と3日かかってます!!

(参照ブログ「モ、モ、モ、モリッシーが!!!この秋、日本に!!!来る!!! 〜 モリッシー 来日 2016」「モリッシー 来日 2016 チケット発売ついに発表!」)

今回、アナウンスからたった3日でチケット発売とは、予想以上の超っぱやです!!

8月8日のこの発表を受けて、モリッシーはトレンド入りしました。堂本光一やプリキュアと並ぶ世界線!!

そして野球選手のようなモリッシー…

●8月9日

8月9日は仕事だったので、急遽時間を変更したりやりくりして、チケット合戦にそなえました!

LIVE NATIONのJapan Premium Clubにも4000円課金して、、、

そのバタバタの間すっかり遅くなってしまった仕事のメールの返事の冒頭に「お世話になっております。身辺大変に慌ただしく返事が遅くなりまして申し訳ありません(モリッシー来日決定のため)」と正直に書くと、納得?してくれたのか早速、「お世話になっております。この度はおめでとうございます。そのようなご多忙中、ご返信ありがとうございます」というお返事をもらい、申し訳なかったです。この時点で抽選に申し込むことしかしていない…脳内がご多忙なだけ。

抽選結果は16日まで出ないし、整理番号にいたっては11月ということで、私は心が落ち着かな過ぎて、ブログに前回7年前の来日から今までの軌跡を書くことに。本当に5分でわかるさくっとしたものを書こうとしたら、何を間違ったか11月まで続く10回シリーズにwww

5分でわかる!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その1
2017年11月まで 11枚目のアルバム"Low in High school"BMGより発売したり「モリッシーの日」制定などいい感じ

5分でわかる!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その2
2017年11月~2018年7月 ドイツ『デア・シュピーゲル』インタビューでの舌禍事件、暗雲立ち込める

5分でわかる!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その3
2019年2月~5月「モリッシー極右」レッテル貼られる事件勃発

5分でわかる!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その4
2019年5月 数々のモリッシーキャンセル祭りが起こる

やっぱり5分でわからない!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その5
2019年5月~6月 ビリー・ブラッグに怒られたり、ロバート・スミスとの新事実

やっぱり5分でわからない!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その6
2019年5月~6月(ちょっと日本のこと) 『イングランド・イズ・マイン モリッシー,はじまりの物語』公開やいきなりマイク・ジョイスが来日の思い出

やっぱり5分でわからない!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その7
2020年3月~8月 “I Am Not A Dog On A Chain”発売やコロナ禍でのモリッシーパン屋さんショッピング

やっぱり5分でわからない!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その8
2020年11月 所属レコードレーベルBMGレコーズの契約を切られる

やっぱり5分でわからない!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その9
2021年5月~2023年2月 『ボンファイヤー・オブ・ティーンエイジャーズ』完成を発表するものの、キャピトル・レコードからのリリースはナシに

やっと完結!5分でわかるわけもない!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その10
2022年11月と2023年4月インタビューより、モリッシーの今の考えと音楽愛

●8月16日

抽選結果が出ました!当選したものの、そこから整理番号判明までの3ヶ月は長かったです。だって単に心穏やかに待ってられないんだもん…なぜなら…

●9月10日

モリッシーメキシコ入りしたのにもかかわらず、メキシコ公演を「デング熱」感染(???)により延期。続く南米ツアー全7日程も延期。

やたらと早くメキシコ入りして、9月5日、こんなポテチ写真をあげたりしてたんですよ、、、

このポテトチップスは、メキシコ・ペルーまで行ってキャンセル食らったYURIさんがおみやげに買ってきてくれました(涙

私はその重みと尊さに、「これはモリッシーが本当に来る前日まで食べるのをやめよう」と決め、さっき、めでたく一気食いさせていただきました!

その後アメリカツアー12か所は元気にまわり、

●10月5日

テレビ出演(FOX5 Good Day New York )、パフォーマンスとインタビューでピンピンとした姿も見せてくれました!

Morrissey on Fox5NY - Part 1 - Sure Enough The Telephone Rings

Recording artist Morrissey gives GDNY interview

「お、このままの勢いでアジア、日本へ!」と思っていたところ、

それでこんなブログ

来日 カウントダウン!~モリッシーは「40 Years of Morrissey」で何を歌うか

なんてウキウキ書いたりしていたところ、

いたところ!!

●11月4日

シンガポールキャンセル!

●11月9日
香港、バンコクキャンセル!

●11月11日

ついに、ジャカルタキャンセル!

絶望ドミノ倒し!!アジア全滅じゃないかーい。でも日程も離れているし、今回は日本は「オセアニア界隈」ぶるしかないのではと一筋の希望にすがります。

11月11日は震えるような気持ちでこんなツイートもしています。他のアジア諸国になくて日本に、あるもの…日本に、あるもの…(『リング』の松嶋菜々子のセリフ風)。それはモリッシーの好きな言葉。そう、我々日本には「SOLD OUT」というモリッシーの好きな強みがあったのです!!

●11月14日

セブンイレブンで10時ちょっと発券。「あ、ほんとに券が出るんだ!?」と改めて驚いたり。。。

ここから2週間はぶるぶるです。人に会えば「来るよね来るよね」「来なくても会おうね…」「モリナイはやるよね」「いや、来る来る来るよね」と、行ったりきたりな会話ばかり。よく言う針のむしろって、これ~!?って感じでした。

仕方ないので、『ザ・キラー』を観たりして過ごしていました。時よ、はやく過ぎてくれ。

●11月23日

休日出勤していたら、なみすけから打電!!

つ、つ、いに、希望の光の光度が高まりました!ジェシー・トバイアスのが渋谷にいる(インスタより)!!ただのギターの仕入れとか観光じゃありませんように!!

●11月24日

続いて、Misaさんからも打電!モリッシーバンドのドラマー、ブレンダン・バックリーも、奥様帯同で日本入りの模様。連鎖観光旅行ではありませんように。

続いて足のケガが心配されていた、カミラ・グレイの日本入りも確認されました。バラバラと、現地集合スタイル?

そしてとうとうLIVE NATIONから、物販情報が!来る!これは、来る!?

でもでも、ステージに立つ6人のうちの3人、50%を確認済み。確率的に期待は高まる・・・けど、しかしあとの3人のうちの「1」が含まれる確率母数が、宇宙レベルに未知!!とまだ悶え苦しんでいました。モリッシーファンだもの!!

宇野維正さんに和歌のように嘆かれています。

けれども私が乗る悲観主義列車が目指す終着駅の名は、絶望…ではなく「希望」だと思っています。「希望」を持ち続けることの大切さを教えてくれたのもほかならぬモリッシー。悲観と希望のハイブリッドで、進むしかないのです。なんでって、もう引き返せないから。

そして11月26日、ギターのカーメン・バンデンバーグの来日も確認され…

●11月27日

つ、つ、いに前日。いくらなんでもモリッシーも「おはよう日本列島」だと思ってたら、渋谷、新宿のレコードショップでの目撃情報をX上で散見しました。なんでって、「モリッシー」で鬼検索しているから。そんな全国のモリサーチャーたちのおかげか、再びモリッシートレンド入りしました。

LIVE NATIONさんからはこんな注意が。私が言ったLONDONのO2では「肉類回収箱」がありました。書いてないけど、持ち込みダメ!絶対!

この注意は、遠目で見るとStiff Little Fingersの“Inflammable Material”風w

長々書いて、最後スティッフ?Bonfireつながりでいいか!🔥🔥🔥

もう、本当に明日、、、てかほぼ「今日」なんですね。早く寝ようと思ってたらこんな時間に。皆さん豊洲で会いましょう!!そしてモリッシーに会いましょう!!🔥🔥🔥

いよいよ明日、私達が乗っていた列車の終点は天国?それとも地獄?YURIさんがかつて、キャンセルにあったその国を旅して、「モリッシー、ここに連れてきてくれてありがとう」と言っていた。美しい言葉だと思いました。

いつも思う。モリッシー、私を今、ここに、連れてきてくれてありがとう。もうそれが、どこでもいい。


やっと完結!5分でわかるわけもない!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その10

2023-11-25 21:50:14 | モリッシー来日 2023

前回その9 の続きです。



そんなわけで(ってどんなわけ)…モリッシーが来日公演をやると報じられた8月6日から3ヶ月がすぎ…1、2週間が過ぎ…

あんなに待ち遠しかったモリッシー公演まであと3日になってしまいました(泣)。

今の心境やらを遺書、、、じゃなかった果たし状、じゃなかった心の整理のためにしたためたいところですが、「やっぱり5分でわからない!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡」シリーズ、締めてないじゃん…と思ったので、とりあえず締めておきます。

今までのブログと、書いた内容はこちら ↓

5分でわかる!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その1
2017年11月まで 11枚目のアルバム"Low in High school"BMGより発売したり「モリッシーの日」制定などいい感じ

5分でわかる!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その2
2017年11月~2018年7月 ドイツ『デア・シュピーゲル』インタビューでの舌禍事件、暗雲立ち込める

5分でわかる!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その3
2019年2月~5月「モリッシー極右」レッテル貼られる事件勃発

5分でわかる!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その4
2019年5月 数々のモリッシーキャンセル祭りが起こる

やっぱり5分でわからない!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その5
2019年5月~6月 ビリー・ブラッグに怒られたり、ロバート・スミスとの新事実

やっぱり5分でわからない!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その6
2019年5月~6月(ちょっと日本のこと) 『イングランド・イズ・マイン モリッシー,はじまりの物語』公開やいきなりマイク・ジョイスが来日の思い出

やっぱり5分でわからない!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その7
2020年3月~8月 “I Am Not A Dog On A Chain”発売やコロナ禍でのモリッシーパン屋さんショッピング

やっぱり5分でわからない!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その8
2020年11月 所属レコードレーベルBMGレコーズの契約を切られる

やっぱり5分でわからない!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その9
2021年5月~2023年2月 『ボンファイヤー・オブ・ティーンエイジャーズ』完成を発表するものの、キャピトル・レコードからのリリースはナシに

なーんだ、こうやって箇条書きで書けば一覧もできるし、長々書かないで済んだよね、、、という気もしますが、くどくど書いてしかるべき、モリッシーにとってこの7年間は(てかいつもだけど)茨の道だったのでありました。

立派なレコードが完成しても、喜び…からのレーベルとの決裂、口を開けば、差別~、極右~、キャンセル!キャンセル!、コロナ禍も来るわ、最愛の人は死ぬわ、、、なんなの、もうやめて~!!!状態だったでしょう。苦難が来過ぎて慣れっこかもしれないけど、でもいちいち「イヤ」ではあるでしょう。

でもそれでもモリッシーは、レコーディングで、ステージで、歌い続けて、(キャンセルはするけど)続けて、続けて、ついにその道程が私たちのいる日本にまでつながったのか(涙)…と、その重みを考えるとくらくらします。

ファンのためでもあるけれど、モリッシーは本当に歌う必然性がある、言いたいことがあるのでやっているのだとは思います。

今回は〆ということで、2022年から2023年にモリッシーが語ったことを紹介します。

半年以上は経っていますが、おそろしい一貫性があるので、こういうことは彼の考え方のベースを踏まえるご参考に!

2022年11月

2023年4月

モリッシーの5年ぶりのインタビューが、ちょうど1年前の11月28日、甥っ子Samのチャンネルで公開されました。

Morrissey Interview 2022

モリッシーは「万事快調」とは言えない歌手人生ど真ん中。それでも「本当に嬉しそう」とインタビュアーのフィオナ・ドッドウェルに言われていました。それに答え、

「とても幸せだ。本当に嬉しいんだ。信じられないよ。私は長い間この世界にいるが、もしまだ本当に自分を興奮させる音楽を作ることができるなんて、とても珍しいことだと思う。40年くらいこの世界にいる多くの奴らがこういうことってできないと思う。生きていると、多くの人がそうすることができないと思うんだ。自慢したいわけじゃないけど、ここにきて突然、私の人生にこのアルバム(”Bonfire of teenagers”)が登場した。人がみんないつも『これが一番だね』と言ってくれるけど、このアルバムは実際にそうなんだ。実際に。私は感謝している」

と語っていました。とにかく前向き。またフィオナに、モリッシーのファンは「これまで目撃した中で最も熱狂的なファンたち」だと言われ満足気です。何があろうと、何年経っても凄いレベルの尊敬と愛を受け続けていることに関して、

「それは、私が本当の人間であり、私が本物であることを知っているからだと思う。そして、そのようなファンを持がいるということは、実はとても稀なことだ。音楽業界にいて、スタジアム・バンドになったり、毎晩巨大な会場で演奏することはできる。でも、ヤツらの観客は誰もステージには近づきたがらない。ブランドになったり、ビジネスになったりするヤツらもいる。でも私はそういうものではない。私は音楽業界によって作られたのではない。人々によって作られたのだ。

そこには大きな違いがある。アーティストを見ると、音楽業界によってそこに置かれたヤツらだとわかる。ビッグになり、有名になるかもしれない。一方で、人々の中にいる人々もいる。人々の中にいる歌手もいる。私がそのひとりだ。業界は私のような人間を特に好まないので、よくそれが不利に働くこともよくある。音楽誌は私のような人間を特に好きではない。私が人々の中にいる者だと知っているからだ。そして私が金が注入されただけの人間ではないことを知っているからだ。私には何も注入されていないと請け負えるが。だから、私のような人間をどうしたらいいのかわからないし、おかしいと思っている」

と、自分がホンモノの、ヒューマンメイドな歌手であると断言。自己肯定感がものすごく高いです!!自分はゴルフもやらねえ、馬に乗らねえ、24時間音楽のことだけ、という音楽愛と音楽業界への文句を中心に語っていました。いつもの通りですが、モリッシーの音楽愛には感動します。何も足さない、何も引かない。混ぜ物なしの歌手。

「考えているのは歌のことばかりだ。一日中、一晩中、声、歌、それだけを考えている。私は捕われている、身を捧げている、どう言ってくれても構わない。でもこれが、私の人生だ」

知ってはいたけど…そんな凄い歌手を3日後にここからすぐ行けるくらいのところで観るなんてどうしたらいいんだろう!?と改めて気持ち悪くなってきました・・・。

こ、こ、こんなんいすごい真の音楽人間なのに!!そんな私をないがしろにして当たり障りのない音楽ばかり尊重する音楽業界なんなん!???と、批判を続けるモリッシー。その後は、ダイバーシティダイバーシティダイバーシティ!!!(何回言っているだろう…)の悪口と、キャンセルカルチャーへの苦言、ベジタリアン・動物愛について語っています。特にダイバーシティへの憎しみ。

「『多様』なもんなんて見たこともねぇ!!単なる『同調(conformity)』の詭弁!!(意訳)」と昂っています。

↑身振り手振り、あらゆる動きで憤懣と憎悪を表現

このインタビューでの剣幕としつこいくり返しに、「モリッシーは『ダイバーシティ』に一族郎党焼き討ちにあったのか!?」というくらいの怨恨を感じますが、実際2020年にこの「ダイバーシティ」のせいでひでぇー目にはあっている…のはやっぱり5分でわからない!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その8 に、書いた通りです。

ここ数年のモリッシーの憤り=言いたいことは、この流行りの言葉、「多様性」への怒りです。前も書きましたが、「言葉」は本当に危険です。最初は「善」で生まれた言葉が、形骸化し、陳腐化し、使用する人を「あ、よくある言葉でパッケージすればいっか」と思考停止にさせる。モリッシーが問題視しているのは「ダイバーシティ」そのものではなく、その言葉に飛びつく烏合の衆とその衆たちの作る文化のことだと思います。

怒りの言葉はこちら↓

「今、音楽業界のヤツらは、ああ、ダイバーシティ、ダイバーシティ、ダイバーシティの考えを持たなきゃだめだ、ってことばかり言ってる。ダイバーシティとは、誰かも知らない人たちの多様性のことだ。多様性、それは単に『同調』と言う言葉を言い換えただけだ。『同調』の新しい言い方が多様性なんだ。『多様』なものなんて見たこともない。とにかく、すべてが同調行動だ」

この2022年11月に続きフィオナ・ドッドウェルは、2023年4月にもモリッシーへのインタビューを自身のサイトで公開しています。相変わらず音楽業界や「多様性」を盾にとった欺瞞、キャンセルカルチャーに関して怒りつつ、モリッシーは歌手としての自己肯定感の高さの裏付けにスミスがあることを語っていました。これはかつて「スミスは遠くにあるもの」とちょっと線を引いて語っていたのに意外でした。

「自分の遠いルーツにスミスがあることは、誇らしい気持ちにさせてくれる。かつて我々が嘲笑され拒絶された理由が、今では、なぜこんなにも多くの人々がスミスを2023年に愛しているのか、という確かな理由になっている。盛り上がっているしね!ほら、人々はいつも正しい。Spotifyでは、スミスの曲はビヨンセと同じヒット数だ。それなのに、ビヨンセはセルフリッジ(英国の高級デパート)のエスカレーターで毎時間宣伝されているというのに、スミスは何の宣伝もされたことがない」

お、おっと、結論はやっぱりスミスの過小評価に対する愚痴でした。そして自身のソロ作品については

「私にとっては、『Viva Hate』『Bona Drag』『Your Arsenal』『You Are The Quarry』『Ringleader of the Tormentors』『World Peace is None Of Your Business』といった作品と共に音楽キャリアを歩めたことは、この上ない幸せだと思う」

と言っています。えっとサウスポーは~?マルアジャスティッドは~??ロウ・イン・ハイスクールは??あと・・・あ、キル・アンクルは~??←わたしも忘れていた。そんな自分の愛する作品たちからほぼまんべんなく歌われる、今回のライブツアー「40 Years of Morrissey」は単なる「ファンお喜ばせ」ではなく、自分の音楽キャリアへの愛の表明でもあるのでしょう。

★こちらもご参照ください ↓
来日 カウントダウン!~モリッシーは「40 Years of Morrissey」で何を歌うか

そして『Bonfire Of Teenagers』と『Without Music The World Dies』が完成し、現在は未発表だがモリッシーは次に何をするのか問われたモリッシーは

「ああ、どちらも発売されることはないと思うけど、もし、ある程度の力を持った人が前に出て、人々が音楽を買うことを許してくれたら...世界中の何十万人もの心の中に、永遠に大切な場所を持つことになると思うんだけど..」

と言った後

「こんな時代を誰が予想できただろうか。 キャピトル・レコードは私が死んだら『Bonfire~』をリリースするのだろう。 そうでなければ、誰もこのアルバムを救い出すことはできない」

と自虐的です。キャピトルじゃなくていいんで、死ぬ前…というか来年には絶対リリースしてほしいです。
大丈夫。きっと出ます!!だってモリッシーも最後にこう言っている。

「私が歌う曲は、今の現実世界と絶対的な関連性を持っている...そして、他の誰もそれに匹敵するとは思えないんだ」

なんて確信的でかっこいい、、、これをこの長すぎる「今のモリッシー、7年の軌跡」の〆にします。

第1回でも書きましたが、「今、モリッシーって何してるの」とか「2016年の来日は行ったけど、最近の動向知らないや~」という方、あなたとモリッシーの7年が、少しは埋まりましたでしょうか? というか埋めないで堀り過ぎたかもしれません、すみません! 

アルバムが出るかどうかも大事だけど、本音を言うと3日後に目の前に立つかどうかが当座の心配…
でもええい、いざ豊洲。

もう、本当に、あ、と、す、こ、し!!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・THE END


ザ・スミスがかかりまくる映画、『ザ・キラー』(“The Killer”)を観て

2023-11-13 16:04:19 | 映画

9月に知って以来、楽しみにしていたデヴィッド・フィンチャーの新作『ザ・キラー』(“The Killer”)観ました!

11月11日からNetflixでの配信も始まったので、「玄関開けたら2分でごはん」のごとく、「玄関開けてネトフリつけたら3分(とちょっと)でスミス」です。

『ザ・キラー』ティーザー予告編 - Netflix

!!!何がどんなとこでかかるか含めネタバレしかない今回のブログですので、まだ観てない方はご注意ください!!!

かかるスミス曲はなんと11曲。まず、なんの曲がかかるのかと、そのシーンです。緑色は私の感想です。

●ザ・スミス曲とシーン

1 "Well I Wonder" 

主人公の殺し屋、標的が来るであろう正面の建物から偵察下見中。猫のえさやりや親子連れなど、パリの人々の日常を観察しながら人の生き死にの話をしている。

いくらスミスがかかるっていっても、こんな“Meat Is Murder”収録のマイナー曲はが1曲目とはびっくりしました。

「俺は俺」

「人は生まれ、人生を歩み、いずれ死ぬ。それまでは“汝の意志することを行え”だ」

なんて、なんかかっこつけた長いモノローグの直後、「さてひょっとしたら、君は眠っている時に僕がしゃがれ声で泣くのが聞こえるのだろうか?」というモリッシーの声が流れます。こっちが本音なんじゃないんですか…ね? と、思いつつ進む。

2 "I Know It's Over" 

主人公のルーティーンらしきヨガをしながら、まだまだ長いモノローグ中のシーン、イヤフォンごしにかすかに流れる。

これまた地味曲、とは言え私の大好き曲。ほぼ聞こえませんが、これを入れてくるってこの主人公、どんだけかわいそうな人ってことにしたいのかなと思いました。お前の頭にもそんな汚物が降ってくんの?「笑うなんて簡単。憎むのも簡単。優しくて思いやりあるようになるのは、ちょっとした努力が必要」なんて聴きながらヨガって、どうしてあんたは殺し屋なの?と早速悲しくなりました。

3 "How Soon Is Now?" 

標的を待ち続けた後、この曲で心拍数を下げて確実に命中できるようにする集中ツールとして、イヤフォンで聴いている。「俺は国にも神にも仕えない、誰も代表しない」と言いながら。

この曲で心拍数が下がるからだの仕組みがいまいちわかりません。むしろ上がってしまいそう。これ、人を殺す時に本当にこの曲でいいです??と思ってしまった。「僕だって人間、他のみんなと同じように愛されたい」「もう待ちくたびれた。すべての希望は消え失せた」という歌詞に孤独な魂が癒される…ということはあるかもしれないけど、ヘヴィーなギターに長々煽られ過ぎて、むしろ標的外しそう…と思ったらなんかボンテージ女王様に直撃の悲劇。

私なら殺しの1曲は何にするかな?(※殺しません)短気なので、“Still Ill”の前奏で一気に…ってそれじゃあ10秒だわ。「身体が心を支配しているのか心が身体支配しているのか、わかんねぇ~~~!!」と歌いながらズドン(※やりません)。

4 "Hand In Glove" 

目的が外れ、パリからドミニカ共和国の隠れ家へ逃亡。道中の飛行機で心を落ち着かせるシーンで聴いている。

“I'll probably never see you again!!”と飛び立ったものの、そうは問屋が卸さなかったですね。復讐劇の幕開け。物語はここから。

5 "Bigmouth Strikes Again" 

隠れ家襲撃の復讐を始める。ドミニカ共和国からどうやら殺しの黒幕がいるニューオーリンズへ向かう。道中の飛行機で聴いている。

観ている間はわからなかったけど、これからとてつもないことをしに行く時、「俺なんて人間の仲間入りをさせてもらう権利すらない」というこの曲聴いて士気が高まるのはわかりますね。

6 "Heaven Knows I’m Miserable Now" 

主人公は、武器、ナンバープレート、クレジットカード、パスポートなどが装備されているトランクルームを訪れる。いろいろな準備の最中、車のスピーカーから流れる。

主人公は確信して準備を進めており、イキイキして見えます。そんな時「仕事を探して見つけた。でも間違いない。なんて惨めなこの姿」って歌が流れているという皮肉。人間は自分で変にイキイキしている時こそ、「メタ視点」が必要なのかもしれない。そして全編通して主人公がブツブツブツブツ言い続けているのは、全オッケーなんて思ってないのかも。でももう、どこにも早くたどり着けない(それは違う歌)。

7 "Girlfriend In A Coma" 

主人公が殺しの黒幕らしき弁護士ホッジスに会う準備をしているらしき、ホームセンターに必要品をいろいろ揃えに行く時、車のスピーカーから流れる。巨大リサイクルボックス、ネイルガン、電動工具などを入手。

明るい"Girlfriend In A Coma"流れながらホームセンターでいろいろ買ってると、平和なDIYおじさんみたいだけど、文字通り「昏睡状態のガールフレンド」がドミニカにいるんです、やるしかないんです。ここで巨大ゴミ箱、ネイルガン…釘??なんか痛いことする?する??と怖い。

8 "Shoplifters of the World Unite"

ニューオーリンズのダウンタウンにあるホッジスの法律事務所の外で、アシスタントのドロレスが歩いているのをバナナを食べながら眺めているシーンで、車のスピーカーから流れる。

パリの朝マックに引き続き、ジェームス・ボンドとかデューク東郷とかにはあり得ない、はりこみしながらバナナ。。。何はともあれ、ここ何?ホッジスって誰?ドロレスって?この歌の歌詞には"My only weakness is a list of crime"ってある。主人公の犯罪の陰にはどんな黒幕がいて、どんな仕組みで殺しが行われるのか、ここからだんだんわかってきます。

9 "Unhappy Birthday"

ドロレスから、主人公が失敗した殺人の依頼者、ドミニカ襲撃者の情報を聞き出した後首を折って殺し、遺体を階段から突き落とす凄惨なシーンに流れる。

「情け無用」であることを、何度も何度も、自分に言い聞かせる経文のように言う主人公。ここは今までのハシゴはずしみたく、ドロレスを助けるのかなと思ったら、さらなる非情なことをします。ドロレスは脅されながら「私は悪人ではないのよ」と言っています。この歌の、「君は悪人、そしてウソつき。死ななきゃならなとしたらちょっと悲しいかな(でも泣くほどではない)」という歌詞と呼応しているように感じます。ホッジスの手下だったばかりに、Unhappyすぎる、ドロレス。

10 "This Charming Man"

ホッジスとドロレスを殺し、処分するために遺体を載せた車でカーフェリーに乗り込むシーンで流れる。

聴こえた時、ものすごくぞっとしました。「このチャーミングな車に、このチャーミングな男」って、釘2発ぶち込まれて死んでるがな…。まったく笑えな過ぎて恐ろし過ぎて、笑ってしまいました。私の英国人友達にこのことを言ったら「あそこで笑うなんて、さすがモリッシーファン。ひどすぎる!」言われました。


11 "There Is a Light That Never Goes Out" 

終章、ドミニカの隠れ家のテラスで、コーヒーを淹れて恋人とゆっくり過ごすエンディング直後のクレジットシーンで流れる。

「安心を求めることは、負の連鎖を引き起こす。“運命”なんて気休めだ。自分の未来は予測不能。与えられた短い時間の中でこれを認められないのなら、あんたは数少ない人の中のひとりではなく、数多くの人の中のひとりなんだ。俺のように」

というモノローグの後に、「君のそばで死ねるのは、天国みたいな死に方だ」という"There Is a Light That Never Goes Out" が流れるのは、結局言い方悪いですけど、この殺し屋は「凡人」だったということだと思います。海辺の素敵な家でコーヒー淹れてテラス…ですが、このシーンもボンドみたいにグラマラスにおっぱじめたりキザなことはなし。まったり、運命に抗い、安心や、愛、感情に突き動かされる「凡人」であることは決して、悪いことではないんじゃないかというメッセージな気がします。

"There Is a Light That Never Goes Out" が流れて最後キスシーンででも締められたら興ざめだったけどあえて(?)エンドロールにしてくれたのはよかった。

 

●ザ・スミスファンに、この映画をおすすめする理由

正直言って、スミスファン脳で観始めて、欲求不満で死にそうになります。なぜなら、スミス曲はあくまでも、主人公がイヤホンやカーステで聴いているのが聞こえてくるだけなので、途切れまくり、部分的、よく聞こえない。スミスファンの皆さん、「そこ切らないで!!」とか思うと思います。でもザ・スミスを聴く映画ではなく(当たりまえ)、ザ・スミスを聴く、聴いてしまう主人公を見つめる映画だと思うんです。

フィンチャーも、ザ・スミス曲を起用した理由として「ザ・スミスほど、皮肉さとウイットを同時に備えた音楽はないと思う。観客は、この男(主人公)が誰なのか、よく知り得ない。彼の選曲する音楽が、彼を知る窓口になれば面白いと思ったんだ」とインタビューで答えています。ということは、フラストレーションを感じる可能性は多いにありつつ、ザ・スミスを世界観まで含め、よく知るファンこそ、深読みできておもしろい映画だと言えます。

 

●今まで知っている「殺し屋」と違うおもしろポイント

■ひとりがたり、多すぎ

この映画、しつこいくらいに、主人公のモノローグが反復されます。

「計画通りにやれ」

「誰も信じるな」

「感情移入するな」

「予測しろ」

「即興はするな」

「修行するぞ修行するぞ」と自分に言い続けさせられていた某団体のような自己暗示を感じます。そもそも私たちがフィクションの中で知っている「殺し屋」は「感情移入は弱さ。弱さは無防備」とか、言う???「弱さ」に怯え、抗っているという前提すらないです。

これは、自分は本当は違うということだと解釈します。誰かを信じてしまいそうになる、優しさを出しそうになる、その場その場で計画とは違うことをしそうになる。だって人間だもの。私たちと同じ、「数少ない人の中のひとりではなく、数多くの人の中のひとり」。サイコパスでも、スーパーアンチヒーローでもない、ただの人間だもの。だから失敗もするし、愛のための復讐にも狂う。そしてザ・スミスをしつこく聴くんだと思います。じゃなきゃ、保てない。

観終わった後すぐには、「これ、いちいちザ・スミスにする必要ある?ポーティスは良かったな」と思ったんだけど(ひど)、よくよく考えて、やはりどうしてもスミスじゃなきゃいけなかった理由はこれだと思うんです。フィンチャー、ごめん

■買い物、多すぎ

あと私が気になったのは買い物www 私たちが知ってる「殺し屋」、ホームセンターで工具買ったり、スーパーでひき肉買う?フィンチャーはインタビューで、「作品を見た人がホームセンターで同じレジ列の後ろに並んだ人に対して緊張感を覚えてくれたらいいな、と望んでいる」と言っていました。後ろの人が天馬のデカい衣装ケースを買っていても、もう怖いです!

■食、こだわらなさすぎ

お金はいくらでもあるだろうに、効率を重んじるのか世界中でタンパク質補強にはマクドナルドを愛用しているようです。パン食べないのは糖質制限してるのか…そういうとこすごく細かい!その後出てくる、ティルダ・スウィントン演じるエキスパートの殺し屋の美食っぷりが対照的でした。そう言えばホッジスんとこ行く前に食べてたバナナはいつ買ったのかな(笑)。

■車、借りすぎ

あとレンタカーですね。借りすぎwww ボンドはアストン・マーチンだし、ジェイソン・ボーンもベンツとかアウディとかだったはず。アシがつかないよう、また偽装や便宜上ではあると思いますがあまりにdown-to-earthというか「普通」を描いている。

その他、

■潔癖、消毒しすぎ

■ファッション、こだわらなさすぎ

■偽名、ありすぎ

…などいろいろおもしろポイントありますね。皆さんのおもしろポイントもあれば教えてください。

フィンチャーはまたインタビューで、「表現したいのは悪の陳腐さ、平凡さ」と言っていました。そうそう、もう勧善懲悪はもちろん、善悪を描いても新鮮みもない。こういう主人公の内面の「言わずもがな」の表現はものすごく面白いし、それにザ・スミスが使われていることもうれしくなる作品でした。