Action is my middle name ~かいなってぃーのMorrisseyブログ

かいなってぃーのMorrissey・The Smithsに関するよしなしごと。

モリッシー5年ぶりの動くインタビュー Morrissey Interview 2022 日本語訳-3

2022-11-30 19:55:11 | Morrissey Interview

11月28日公開の動くモリッシーインタビュー、日本語訳第3弾。ラストです

第1弾はこちら。第2弾はこちら

後半以降は、ダイバーシティダイバーシティダイバーシティ!!!(何回言っているだろう…)の悪口と、キャンセルカルチャーへの苦言、ベジタリアン・動物愛について語っています。特にダイバーシティへの憎しみ。

「『多様』なもんなんて見たこともねぇ!!単なる『同調(conformity)』の詭弁!!(意訳)」と昂っています。

↑身振り手振り、あらゆる動きで憤懣と憎悪を表現

 

このインタビューでの剣幕としつこいくり返しに、「モリッシーは『ダイバーシティ』に一族郎党焼き討ちにあったのか!?」というくらいの怨恨を感じますが、実際2020年にこの「ダイバーシティ」のせいでひでぇー目にはあっています。

2017年にやっとのことで契約し、3枚もアルバムを出したBMGが、BLM運動を受けて「グローバルなダイバーシティ&インクルージョンカンパニーを目指すにあたって」、結果的に契約解除されたのでした。

モリッシー曰く「このニュースは、2020年にもたらされた情け容赦ない電気ショックのような恐怖と完全一致」…。

 

★詳しくは…参考記事👇

「BLM」運動が飛び火!?BMGのモリッシー契約解除

 

この↑記事の中に自分も僭越ながら、

 

多様性ってなんでしょう??その受容ってなんでしょう??もちろん色々な人への「配慮」を表に出すのは立派なことです。けれども、あの人「差別的だよね」とくくって、排除することで解決される問題なのでしょうか?本当の「解決」に目を向けた、対話はあったのでしょうか?

 

と憤りかましましたが、時に「言葉」は本当に危険です。最初は「善」で生まれた言葉が、形骸化し、陳腐化し、使用する人を「あ、よくある言葉でパッケージすればいっか」と思考停止にさせる。このインタビュー読んでまたメディアは「モリッシー、ダイバーシティにモノ申す!!」とか騒ぐんでしょうか。モリッシーが問題視しているのは「ダイバーシティ」そのものではなく、その言葉に飛びつく烏合の衆とその衆たちの作る文化のことだと思います。

ちなみに、キャンセルカルチャーの話に出てくる排除しようと虎視眈々としている輩への「ケーキでも焼いてろ(Bake a cake)」というコメントは、何人かのモリッシーファンたちが気に入って、ハッシュタグ #bakeacake を作っていましたw 私もイヤなヤツがいたら心の中で「Bake a cake」と念じよう。 

 

・・・あかん!前置きが長くなった。

 

こんな昂りのまま、インタビューはどのように着地するのか…と思いきや、たとえ金儲けのために仕方なく渋々であっても、世の中にベジタリアンレストランが増えたことや、動物愛の話になって、Calm downしたモリッシー。最後はFiona Dodwellに優しく称えられてはにかんだような素敵な表情を見せて終わるのでご安心ください。ほっ、良かった。

起承怒怒怒転結エキサイティングで、とても素晴らしいインタビューでした。では、下に日本語訳(やっと)。

 

Morrissey Interview 2022

 

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モリッシーインタビュー2022 日本語訳-3

(前回のモリッシーコメント続き)

そして、今、音楽業界のヤツらは、ああ、ダイバーシティ、ダイバーシティ、ダイバーシティの考えを持たなきゃだめだ、ってことばかり言ってる。ダイバーシティとは、誰かも知らない人たちの多様性のことだ。多様性、それは単に「同調」と言う言葉を言い換えただけだ。「同調」の新しい言い方が多様性なんだ。「多様」なものなんて見たこともない。とにかく、すべてが同調行動だ。

-逆効果になってしまっているということですね。

その通り。それは、人々がダイバーシティについて語るとき、我々誰もが共通では持ち得ない独特の素晴らしいものについては考えないからだ。そういうものは、無視されている。ドイツに行けば、ドイツの素晴らしい文化を見ることができた、イタリアに行けば、イタリアの素晴らしい文化を見ることができた、それなのに今や、ぜーんぶが同じ、同じ、同じであることが望まれている。

ダイバーシティは「同調」を意味し、「アヴァン・ギャルド」のことは指していないし、「本当に面白い、他にはない芸術を作ろう!」という意味でもない。皆をひとつに閉じ込める言葉、ダイバーシティ、恐ろしい言葉だと思う。何にでも当てはめることができ、そうするとその状況は終わる。おぞましい言葉だ、おぞましい…。

-ソーシャルメディアについて何かご意見はありますか?というのも、極端な意見を押し付ける集団思考は、あなたが指摘している問題の一部だといつも考えてしまうからなんですが。

そうだと思う。なぜなら、今や誰もが批評専門家なんだから。誰もが科学専門家だし、ヤツらはすべてを知っている。すべてをレビューして、人を破滅に追い込むこともできる。そして仲間を集めて、誰かを排除してやろうぜ!とキャンペーンを行うことができる。そういうことは多かれ少なかれ起こっていて、ジャーメイン・グリア(オーストラリア出身のフェミニスト、作家、ジャーナリスト。モリッシーはシングル”Back on the chain gang”のスリーブに彼女の写真を起用)、J・K・ローリング(作家。ハリー・ポッターシリーズの作者)の2人の件は完璧な例だ(2人ともトランスジェンダーに対する発言で批判され、キャンセルカルチャーの標的にされた)。みんなで協力しよう!こいつらを排除しよう!こいつらがどんな危険かを言い続けよう!というのは、死をもたらす行為だ。いずれはコントロールできる方法があると思うが、まだ誰にもわからない。

政治家のエリートたちも、この状況を好ましく思っていないと思う。政治家も急激に変わってきているのに気づくかもしれないが、それは今やソーシャルメディアや人々が「あいつが嫌いだ」と言うことができるようになったからだ。昔はできなかったのにね。

-ソーシャルメディアにも2つの面がありますよね。私はよく、ソーシャルメディアで起こることを見ていますが魔女狩りは本当には終わっていないように思います。

終わってないね。人々は必死に、魔女を見つける必要がある。見つけなければならないんだ。不名誉で恐ろしくて何とかで、何とかで、何とかな、誰かを見つけなければならない。それで喜んでるのがわかるね。メアリー・ホワイトハウス(イギリスの教師、保守活動家。社会的自由主義やイギリスの主流メディアに反対するキャンペーンを30年に渡り展開)を覚えている? 多くの人々がメアリー・ホワイトハウス化して、排斥を行おうとしている。私は傷ついたんだ、って、あたかも自分が傷つけられたかのように! そんな知性があるというのは、まさに愚かであることを意味する。私たちは今、このメアリー・ホワイトハウス文化の中にいるんだ。みんなが「やめろ!そんなの好きじゃない!地球から消え失せろ」って主張する。そういうヤツらは、おぞましいと思う。あっちに行ってくれ。こっち見んな。スイッチ切れ。何か他のもん聴け。ケーキでも焼いてろ。

-他の人のために、あなたがやっていることを止める必要はないですよね。

私たちは60年代後半のようなプロテスト文化の中にも置かれているからね。あの頃人々は、出かけて街頭に立って抗議し、何かに対して怒って行ったり来たりする、のが大好きだった。今、誰もがそういうのをやりたがっているんだ。みんな何かに対して激怒したがってる。まあそれはいいけど、時間を無駄にしているかもしれないね。


-そうそう、動物の権利について触れたいと思います。あなたにとって、とても重大なことですよね。最近のあなたの音楽におけるテーマでもありますし、インタビューでもこのことについて語っていますね。個人的には、レストランやカフェでポジティブな変化が起きているのを感じています。ベジタリアンのためのメニューも増えてきてますよね。今、私たちは良い方向に向かって進んでいると感じますか? それとも理想とはあまりにも遠くかけ離れていますか?

本当にうっとりするようなことだと思うよ。私は十分な年なんで、本当に何も、何も、できなかった昔を覚えているからね。「ベジタリアン」という言葉を口にすれば、信じられないほど嘲笑われたものだ。でも今はどこもかしこも変わっていて、とても嬉しいね。本当に、本当に、幸せだ。これまで、(ベジタリアン対応の必要性については)延々と語ってきたんだけどね。今は、そのほとんどがもっともなことだと認められたと感じているよ。(以前は、飲食業界として)どの道やるべきことなのに、大きな抵抗があったし、信用したがらなかった。でも(レストランは)金儲けのために、とにかくやらざるを得なかった。例えば、8人の友達とあるレストランに食事に行ったとして、その内の2人がたまたまビーガンだったら。その2人のビーガンに対応できなければそのレストランは、客全員を失うことになる。だから、みんな「あーあ。今やらなきゃならないか」って思っているんだよ。

そして、誰もが動物を、人間のためにたくさんのことをしてくれている美しい生き物として認識するようになった。動物は私たちのために多くのことをしてくた。休ませてあげて、ほっといてあげよう。人類は動物に、あまりにも世話になってきた。今、動物たちは報われるべきであり、生きることを許されるべきだ。私はそう思っている。

-それこそ、あなたがしてきた、重大なことですよ。モリッシー、あなたは、実際に動物の問題にスポットを当てた、代表的人物のひとりだと言えるでしょう。

そうかな。頑張ったけどね。頑張らないとね。

 

(終わり)


モリッシー5年ぶりの動くインタビュー Morrissey Interview 2022 日本語訳-2

2022-11-29 17:23:35 | Morrissey Interview

11月28日公開の動くモリッシーインタビュー、日本語訳第2弾。第1弾はこちらより。

中盤では、ゴルフもやらねえ、馬に乗らねえ、24時間音楽のことだけ、という音楽愛と音楽業界への文句を中心に語っています。いつもの通りですが。

でも、それでも、音楽愛にはいつも感動します。何も足さない、何も引かない。混ぜ物なしの歌手。

写真は、揶揄されたりすることもない「空っぽのつまらない人たち」(つまり自分と反対の人たち)をディスった直後の表情で、ものすごく好きです。

 

Morrissey Interview 2022

 

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モリッシーインタビュー2022 日本語訳-2

-ニューアルバム”Bonfire of teenagers”の話に戻りますが、お気に入りの曲はありますか?

選ぶのは不可能だ。ある意味、どの曲も同じ、どの曲もすごく好きだし。だから、レコード会社がどの曲をシングル曲に選んでも問題じゃない。全部すごいし、私にとっては全部素晴らしい。

-とても幸せそうですね。

それは心配だな。心配だ。

-モリッシー、あなたはもうずいぶん長い間、音楽の世界にいます。ちょっとお聞きしたいのですが、あなたの経験上最大のフラストレーションは何だと思われますか?

フラストレーションはありがたいよ。音楽業界の外にいて、関係ない人は、まあ私は関係あったこともないからいいし、それはそれでいいんだ。でも時々、自分はラジオに出演する資格があるんじゃないかと思うんじゃないか。私は本当にどこかに入れてもらえるべきなんじゃないかと思ってる。でもそんなこと起きたことはない。音楽業界のヤツらは私を、どこであろうと入れてくれやしない。ただ我慢するためでも、ただ私を黙らせるためにでも、私をどこかに入れてくれない。とても奇妙だし、独特のことだ。

-ショッキングでもあります。彼らはあなたにはいまだファンがついていることを知っているに違いないのに。

ヤツらはそんなこと気にしない気にしない、全然気にしない。音楽業界のヤツらを追いかけて、「お願いです、私のためにこうしてください、お願いですお願いです」と言わないと、ダメダメってなだけだ。追いかけられて懇願されたがってるんだよね。そんなことできるわけないだろ。するわけがない。

-このことについてよく質問されていると思いますが、あなたは個人的には、マスコミによってよく自分がフィクション化され、キャラクター化されているのを見て、どのように向き合っていますか?それは難しいことなのでしょうか?それとも、慣れてしまっていますか?

慣れている。でも肯定的にではない。私が知る限り、いつもたいてい馬鹿げているからね。でも自分をさらけ出してみると、踏み出してみると、そういうことは本当に起きると心づもりしておかなくちゃならない。興味深い人間になら誰にでも、ある程度は起こることだ。あまり面白くない人間には起こらない。

-その通りですね。つまらないと思われている人たちとは多くの場合、自分の心の中にあることや信じていることを実際に口にすることに怯えている人たちですよね。

たいてい、空っぽだ。

(「ふーっ」と深いため息)

-これから新しいアルバムが出るのに、あまり先の話に飛びたくはないのですが、また作曲とレコーディングをしていると何かで読みました。

そうだ。次に出すアルバムを作っていて、すぐにレコーディングする。すぐにリリースするつもりはないよ。”Bonfire of teenagers”に息吹きの機会が必要だからね。でもすぐにレコーディングはするつもりだ。

-実はとても印象的なことなんですが、あなたのキャリアと同じくらいの長さのキャリアを持つ他のアーティストは、しばしば音楽活動のペースを落とすことがあります。けれどもどちらかというと、あなたはより規則正しくなって、「多作」になってきていますよね。

それはいい言葉だ。他の人は別の言い方をしそうだが。でも、私が考えていることは音楽作りのことだ。私は変わっていない。私が考えているのは歌のことばかりだ。一日中、一晩中、声、歌、それだけを考えている。私は捕われている、身を捧げている、どう言ってくれても構わない。でもこれが、私の人生だ。

-それがあなたの存在意義ということですね。

それが私の目的だ。本当にそうだ。ゴルフコースにいたりどこかで乗馬している私を見ることはないだろう。他のことは本当に何もしない。

-音楽がすべてですね。

私が走っている姿…パン屋にかな、を見るだけで、それ以外は本当に存在していない。それでいいんだ。それで大丈夫。

-ここ数年、個人的に見てきた音楽業界を鑑みてひとつ言えることは、実に当たり障りのないものになってしまっていることです。立ち上がり、何かの点で突出している人がほとんどいません。彼らはほとんど何もせず、何も表現していません。でも、あなたはそれとは正反対ですね。これは、あなたがあなた自身であるかということのからなのでしょうか?それとも、人々に挑戦してもらい、考えてもらいたいというような、何か精神的な決断があったからなのでしょうか。

選択の余地というものはなかった。でも(音楽をやっていくなら)、人々にとって興味深いものにしなければならない、ということだ。音楽を興味深くしなければならないし、自分の立場を面白くしなければならない。90年代後半、私は多くのインタビューを受け、イギリスのあらゆるところで起こっているダミング・ダウン(教育、文学、映画。ニュースなど文化の知的内容を意図的に過度に単純化すること)について常に話した。テレビ、コマーシャルなど、イギリス人の生活に関係するものすべて狙い撃ちされていた。そしてそれは絶対的に今も起きている。

イギリスのテレビコマーシャルを見ると、耐え難いものがある。雑音も内容もいつも同じ。600万ポンドのキッチンで踊る人々......イギリスの人々がすることは、ダンス、ダンス、ダンス、ピザを出前してダンシング、ダンシング、ダンシング。本当にバカだ。それがいたるところに流れている。多くの人はもう、音楽に信念を持っていないんじゃないか。

音楽業界では経済的な面で様々なことが変化しているから、すぐにプラチナアルバムになってヒットしなければそのアーティストを排除できるようになった。若いバンドでファーストアルバムで成功した例はたくさんある。でも、23位、22位、21位までチャートインして売れても、まだ足りない。彼らは捨てられる。だから、セカンドアルバムを作ることを許されないんだ。数年前までは、5枚のアルバムを作れば、レーベルは彼らを支持した。今や血も涙もない。ただ追い出されるだけ。レーベルの意にそぐわないことを言えば、すぐに追い出される。

-レーベルはもう、あなたの音楽作品ともつきあわないんですかね。

まったく、まったくだよ。興味がないんだ。

(→第3弾、最終回はこちら


モリッシー5年ぶりの動くインタビュー Morrissey Interview 2022 日本語訳-1

2022-11-28 22:16:19 | Morrissey Interview

本日11月28日、甥っ子Samのチャンネルでモリッシーのインタビュー映像公開!

動くモリッシーインタビューは2017年以来。Larry Kingの番組のこちらですかね?「今までのところの彼の最高アルバム」について語るってことだけど、発売ペンディング中“Bonfire of Teenagers”のことを語るのか…?と、楽しみに視聴しました。15分強、たっぷり現在のモリッシーの考えを知ることができます(とは言っても一貫して変わらないけど)。ただインタビュー収録は10月8日ロンドン公演時、Capitolから2月発売白紙ってことは公式アナウンス(11月14日)前段階…なので「一体いつアルバムだすんだべ!?Capitolはどうすんだべ?」の答えまでは言及ありません(というか「もうすぐ出る」と喜んでいて切ない…)。このインタビューを今公開というのは、あえてコンテンツの良さを自らの言葉で強め、新アルバムリリースムードを高めるのが目的なのでしょうか?煽ってる??外堀埋めッシー!?…とこの件もろもろ、いろいろ考えるところはあるのですが、それはまた。

まず見てください。

3回くらいにわけて翻訳も下の方にのせておきます。

Morrissey Interview 2022

 

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モリッシーインタビュー2022 日本語訳-1

 

-モリッシー、まず手始めに、”Bonfire of teenagers”の話から始めようと思いました。アルバムは明らかにまだリリースされてないですよね。状況を教えていただけますか?

とてもいい感じだね。もうすぐ発表され、とても迅速にリリースされる予定だよ。ということで、発表は他の人に任せる。そう、発売間近ということだね。ついに!ノロノロと長い道のりだったよ。でも歩を進めている。とても嬉しい。美しい作品なんだ。絶対的に美しいんだ。

-本当に嬉しそうですね。

とても幸せだ。本当に嬉しいんだ。信じられないよ。私は長い間この世界にいるが、もしまだ本当に自分を興奮させる音楽を作ることができるなんて、とても珍しいことだと思う。40年くらいこの世界にいる多くの奴らがこういうことってできないと思う。生きていると、多くの人がそうすることができないと思うんだ。自慢したいわけじゃないけど、ここにきて突然、私の人生にこのアルバムが登場した。人がみんないつも「これが一番だね」と言ってくれるけど、このアルバムは実際にそうなんだ。実際に。私は感謝している。

-この数年を経ても、自分が今もその場所にいることを実感できるのは、とてもいいことだと思います。

そうそうそう、その通りだ。ここ数年の間に、たくさんの音楽を作ってきた。かなりコンスタントにね。だから、まだ伸びしろがあるなんて、信じられないよ、私は22歳じゃないんだから。

-最近のあなたのライブのセットリストをチェックしたところ、”Bonfire of teenagers”の曲が多かったので、ちょっと聞きたかったのですが、まだお客さんになじみのない曲を披露する時、余計にプレッシャーみたいなものを感じるのでしょうか?それともそんなこと思いもしないのでしょうか?

どんな曲ででも、誰にでも興味を持たせることができるはずだと本当に思っている。私はあの曲ででしかダメなんだ、あの曲にしか興味はない、あの曲しか歌えないなんて言えない。絶対にどんな歌でも歌えなければならないし、人が興味を持つように歌わなければならない。それこそが、本当にステージに立つにふさわしい人なのかどうかの基準だと思う。

-そうですね。私があなたのパフォーマーとしての才能に感心するのは、同じことを何度も繰り返して観客を見下すようなことがない点です。レアな曲や無名の曲を演奏することをためらわない。それはごちゃ混ぜの曲選びをするための意図的な選択なのでしょうか?それとも、文字通り直感で選んでいるのでしょうか?

オーディエンスも、王道じゃなくて無名の曲を聴くのが好きだと思う。だから、そういう歌も歌えて、ちゃんとしてて、説得力があって、楽しければ、何を歌っても問題ないと思う。

-あなたのショーはとても素晴らしい評価を得ています。

本当に信じられない。本当にボーっとするほど驚いてしまうし、明らかに感激している。明らかに。

-あなたのファンたちは、多分私がこれまで目撃した中で最も熱狂的なファンたちに入ります。彼らは世界中を旅しているようなものですよね。会場の外でキャンプをしています。

ああ、そうだよ。

-あなたにとってそれはどのような感覚なのでしょうか?何年経ってもそのレベルの尊敬と愛を受けるというのは。

それは、私が本当の人間であり、私が本物であることを知っているからだと思う。そして、そのようなファンを持がいるということは、実はとても稀なことだ。音楽業界にいて、スタジアム・バンドになったり、毎晩巨大な会場で演奏することはできる。でも、ヤツらの観客は誰もステージには近づきたがらない。ブランドになったり、ビジネスになったりするヤツらもいる。でも私はそういうものではない。私は音楽業界によって作られたのではない。人々によって作られたのだ。

そこには大きな違いがある。アーティストを見ると、音楽業界によってそこに置かれたヤツらだとわかる。ビッグになり、有名になるかもしれない。一方で、人々の中にいる人々もいる。人々の中にいる歌手もいる。私がそのひとりだ。業界は私のような人間を特に好まないので、よくそれが不利に働くこともよくある。音楽誌は私のような人間を特に好きではない。私が人々の中にいる者だと知っているからだ。そして私が金が注入されただけの人間ではないことを知っているからだ。私には何も注入されていないと請け負えるが。だから、私のような人間をどうしたらいいのかわからないしおかしいと思っている。

-アーティストを製造することで、彼らがコントロールすることができるようになることを望んでいるようなものですよね。

音楽業界は製造されたアーティストなら理解できる。業界が彼らに飽きたら排除することができる。でも私のような人間は排除できない。撃たれでもしない限りは。

-オーディエンスとの間に個人的なつながりができたように感じられるから、それが業界に製造されたアーティストとの大きな違いなのではないかと。

ああ、それは大きいよね。ラジオのせいで成功できなかったからね。イギリスのラジオは決して私の味方についたことはないから。だから嬉しいんだ。

-あなたはただ(オーディエンスへの)愛のために活動していますね。

そうだ、本当に本当に偽りのないものだ。とても純粋だ。

 

(→第2弾はこちら