Action is my middle name ~かいなってぃーのMorrisseyブログ

かいなってぃーのMorrissey・The Smithsに関するよしなしごと。

やっと完結!5分でわかるわけもない!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その10

2023-11-25 21:50:14 | モリッシー来日 2023

前回その9 の続きです。



そんなわけで(ってどんなわけ)…モリッシーが来日公演をやると報じられた8月6日から3ヶ月がすぎ…1、2週間が過ぎ…

あんなに待ち遠しかったモリッシー公演まであと3日になってしまいました(泣)。

今の心境やらを遺書、、、じゃなかった果たし状、じゃなかった心の整理のためにしたためたいところですが、「やっぱり5分でわからない!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡」シリーズ、締めてないじゃん…と思ったので、とりあえず締めておきます。

今までのブログと、書いた内容はこちら ↓

5分でわかる!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その1
2017年11月まで 11枚目のアルバム"Low in High school"BMGより発売したり「モリッシーの日」制定などいい感じ

5分でわかる!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その2
2017年11月~2018年7月 ドイツ『デア・シュピーゲル』インタビューでの舌禍事件、暗雲立ち込める

5分でわかる!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その3
2019年2月~5月「モリッシー極右」レッテル貼られる事件勃発

5分でわかる!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その4
2019年5月 数々のモリッシーキャンセル祭りが起こる

やっぱり5分でわからない!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その5
2019年5月~6月 ビリー・ブラッグに怒られたり、ロバート・スミスとの新事実

やっぱり5分でわからない!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その6
2019年5月~6月(ちょっと日本のこと) 『イングランド・イズ・マイン モリッシー,はじまりの物語』公開やいきなりマイク・ジョイスが来日の思い出

やっぱり5分でわからない!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その7
2020年3月~8月 “I Am Not A Dog On A Chain”発売やコロナ禍でのモリッシーパン屋さんショッピング

やっぱり5分でわからない!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その8
2020年11月 所属レコードレーベルBMGレコーズの契約を切られる

やっぱり5分でわからない!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その9
2021年5月~2023年2月 『ボンファイヤー・オブ・ティーンエイジャーズ』完成を発表するものの、キャピトル・レコードからのリリースはナシに

なーんだ、こうやって箇条書きで書けば一覧もできるし、長々書かないで済んだよね、、、という気もしますが、くどくど書いてしかるべき、モリッシーにとってこの7年間は(てかいつもだけど)茨の道だったのでありました。

立派なレコードが完成しても、喜び…からのレーベルとの決裂、口を開けば、差別~、極右~、キャンセル!キャンセル!、コロナ禍も来るわ、最愛の人は死ぬわ、、、なんなの、もうやめて~!!!状態だったでしょう。苦難が来過ぎて慣れっこかもしれないけど、でもいちいち「イヤ」ではあるでしょう。

でもそれでもモリッシーは、レコーディングで、ステージで、歌い続けて、(キャンセルはするけど)続けて、続けて、ついにその道程が私たちのいる日本にまでつながったのか(涙)…と、その重みを考えるとくらくらします。

ファンのためでもあるけれど、モリッシーは本当に歌う必然性がある、言いたいことがあるのでやっているのだとは思います。

今回は〆ということで、2022年から2023年にモリッシーが語ったことを紹介します。

半年以上は経っていますが、おそろしい一貫性があるので、こういうことは彼の考え方のベースを踏まえるご参考に!

2022年11月

2023年4月

モリッシーの5年ぶりのインタビューが、ちょうど1年前の11月28日、甥っ子Samのチャンネルで公開されました。

Morrissey Interview 2022

モリッシーは「万事快調」とは言えない歌手人生ど真ん中。それでも「本当に嬉しそう」とインタビュアーのフィオナ・ドッドウェルに言われていました。それに答え、

「とても幸せだ。本当に嬉しいんだ。信じられないよ。私は長い間この世界にいるが、もしまだ本当に自分を興奮させる音楽を作ることができるなんて、とても珍しいことだと思う。40年くらいこの世界にいる多くの奴らがこういうことってできないと思う。生きていると、多くの人がそうすることができないと思うんだ。自慢したいわけじゃないけど、ここにきて突然、私の人生にこのアルバム(”Bonfire of teenagers”)が登場した。人がみんないつも『これが一番だね』と言ってくれるけど、このアルバムは実際にそうなんだ。実際に。私は感謝している」

と語っていました。とにかく前向き。またフィオナに、モリッシーのファンは「これまで目撃した中で最も熱狂的なファンたち」だと言われ満足気です。何があろうと、何年経っても凄いレベルの尊敬と愛を受け続けていることに関して、

「それは、私が本当の人間であり、私が本物であることを知っているからだと思う。そして、そのようなファンを持がいるということは、実はとても稀なことだ。音楽業界にいて、スタジアム・バンドになったり、毎晩巨大な会場で演奏することはできる。でも、ヤツらの観客は誰もステージには近づきたがらない。ブランドになったり、ビジネスになったりするヤツらもいる。でも私はそういうものではない。私は音楽業界によって作られたのではない。人々によって作られたのだ。

そこには大きな違いがある。アーティストを見ると、音楽業界によってそこに置かれたヤツらだとわかる。ビッグになり、有名になるかもしれない。一方で、人々の中にいる人々もいる。人々の中にいる歌手もいる。私がそのひとりだ。業界は私のような人間を特に好まないので、よくそれが不利に働くこともよくある。音楽誌は私のような人間を特に好きではない。私が人々の中にいる者だと知っているからだ。そして私が金が注入されただけの人間ではないことを知っているからだ。私には何も注入されていないと請け負えるが。だから、私のような人間をどうしたらいいのかわからないし、おかしいと思っている」

と、自分がホンモノの、ヒューマンメイドな歌手であると断言。自己肯定感がものすごく高いです!!自分はゴルフもやらねえ、馬に乗らねえ、24時間音楽のことだけ、という音楽愛と音楽業界への文句を中心に語っていました。いつもの通りですが、モリッシーの音楽愛には感動します。何も足さない、何も引かない。混ぜ物なしの歌手。

「考えているのは歌のことばかりだ。一日中、一晩中、声、歌、それだけを考えている。私は捕われている、身を捧げている、どう言ってくれても構わない。でもこれが、私の人生だ」

知ってはいたけど…そんな凄い歌手を3日後にここからすぐ行けるくらいのところで観るなんてどうしたらいいんだろう!?と改めて気持ち悪くなってきました・・・。

こ、こ、こんなんいすごい真の音楽人間なのに!!そんな私をないがしろにして当たり障りのない音楽ばかり尊重する音楽業界なんなん!???と、批判を続けるモリッシー。その後は、ダイバーシティダイバーシティダイバーシティ!!!(何回言っているだろう…)の悪口と、キャンセルカルチャーへの苦言、ベジタリアン・動物愛について語っています。特にダイバーシティへの憎しみ。

「『多様』なもんなんて見たこともねぇ!!単なる『同調(conformity)』の詭弁!!(意訳)」と昂っています。

↑身振り手振り、あらゆる動きで憤懣と憎悪を表現

このインタビューでの剣幕としつこいくり返しに、「モリッシーは『ダイバーシティ』に一族郎党焼き討ちにあったのか!?」というくらいの怨恨を感じますが、実際2020年にこの「ダイバーシティ」のせいでひでぇー目にはあっている…のはやっぱり5分でわからない!前回来日から今のモリッシー、7年の軌跡 その8 に、書いた通りです。

ここ数年のモリッシーの憤り=言いたいことは、この流行りの言葉、「多様性」への怒りです。前も書きましたが、「言葉」は本当に危険です。最初は「善」で生まれた言葉が、形骸化し、陳腐化し、使用する人を「あ、よくある言葉でパッケージすればいっか」と思考停止にさせる。モリッシーが問題視しているのは「ダイバーシティ」そのものではなく、その言葉に飛びつく烏合の衆とその衆たちの作る文化のことだと思います。

怒りの言葉はこちら↓

「今、音楽業界のヤツらは、ああ、ダイバーシティ、ダイバーシティ、ダイバーシティの考えを持たなきゃだめだ、ってことばかり言ってる。ダイバーシティとは、誰かも知らない人たちの多様性のことだ。多様性、それは単に『同調』と言う言葉を言い換えただけだ。『同調』の新しい言い方が多様性なんだ。『多様』なものなんて見たこともない。とにかく、すべてが同調行動だ」

この2022年11月に続きフィオナ・ドッドウェルは、2023年4月にもモリッシーへのインタビューを自身のサイトで公開しています。相変わらず音楽業界や「多様性」を盾にとった欺瞞、キャンセルカルチャーに関して怒りつつ、モリッシーは歌手としての自己肯定感の高さの裏付けにスミスがあることを語っていました。これはかつて「スミスは遠くにあるもの」とちょっと線を引いて語っていたのに意外でした。

「自分の遠いルーツにスミスがあることは、誇らしい気持ちにさせてくれる。かつて我々が嘲笑され拒絶された理由が、今では、なぜこんなにも多くの人々がスミスを2023年に愛しているのか、という確かな理由になっている。盛り上がっているしね!ほら、人々はいつも正しい。Spotifyでは、スミスの曲はビヨンセと同じヒット数だ。それなのに、ビヨンセはセルフリッジ(英国の高級デパート)のエスカレーターで毎時間宣伝されているというのに、スミスは何の宣伝もされたことがない」

お、おっと、結論はやっぱりスミスの過小評価に対する愚痴でした。そして自身のソロ作品については

「私にとっては、『Viva Hate』『Bona Drag』『Your Arsenal』『You Are The Quarry』『Ringleader of the Tormentors』『World Peace is None Of Your Business』といった作品と共に音楽キャリアを歩めたことは、この上ない幸せだと思う」

と言っています。えっとサウスポーは~?マルアジャスティッドは~??ロウ・イン・ハイスクールは??あと・・・あ、キル・アンクルは~??←わたしも忘れていた。そんな自分の愛する作品たちからほぼまんべんなく歌われる、今回のライブツアー「40 Years of Morrissey」は単なる「ファンお喜ばせ」ではなく、自分の音楽キャリアへの愛の表明でもあるのでしょう。

★こちらもご参照ください ↓
来日 カウントダウン!~モリッシーは「40 Years of Morrissey」で何を歌うか

そして『Bonfire Of Teenagers』と『Without Music The World Dies』が完成し、現在は未発表だがモリッシーは次に何をするのか問われたモリッシーは

「ああ、どちらも発売されることはないと思うけど、もし、ある程度の力を持った人が前に出て、人々が音楽を買うことを許してくれたら...世界中の何十万人もの心の中に、永遠に大切な場所を持つことになると思うんだけど..」

と言った後

「こんな時代を誰が予想できただろうか。 キャピトル・レコードは私が死んだら『Bonfire~』をリリースするのだろう。 そうでなければ、誰もこのアルバムを救い出すことはできない」

と自虐的です。キャピトルじゃなくていいんで、死ぬ前…というか来年には絶対リリースしてほしいです。
大丈夫。きっと出ます!!だってモリッシーも最後にこう言っている。

「私が歌う曲は、今の現実世界と絶対的な関連性を持っている...そして、他の誰もそれに匹敵するとは思えないんだ」

なんて確信的でかっこいい、、、これをこの長すぎる「今のモリッシー、7年の軌跡」の〆にします。

第1回でも書きましたが、「今、モリッシーって何してるの」とか「2016年の来日は行ったけど、最近の動向知らないや~」という方、あなたとモリッシーの7年が、少しは埋まりましたでしょうか? というか埋めないで堀り過ぎたかもしれません、すみません! 

アルバムが出るかどうかも大事だけど、本音を言うと3日後に目の前に立つかどうかが当座の心配…
でもええい、いざ豊洲。

もう、本当に、あ、と、す、こ、し!!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・THE END


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