快風丸

俺の船に乗らないか。

桜の散るころ

2016-04-10 19:48:08 | Weblog

 どうにも桜という花が好きになれない。

いや、ソメイヨシノが嫌いなのだ。

人々が花見だ酒だと浮かれるのは美しい花を愛でるためではない。

惑わされているのだ。

ソメイヨシノは人の心を惑わす恐ろしい花。

大きな枝振りに一斉に咲くように、江戸時代に作られた改良品種である。

全てのソメイヨシノは単一の遺伝子で制御されており、当然、散るのも一斉。

 

美しさに心を奪われているのではなくて、咲くも散るもただその数に圧倒されているに過ぎない。

キレイな同じピンク色の花がどこまでも連なり重なり、人々は視界に遠近感を失い、一種の麻痺

状態に置かれる。そしてしばし熱狂する。

その裏には、その下には、陰があるのだ。

漆黒の闇をはらんだ狂気の暗い淵が見えないか。

そしてその根は地上の枝振りと同じほどの広大な根を張っており、簡単には抜けず枯れず。

為政者が今まで桜にどんな思いを込めたか忘れたか。

 

やっと桜が散りました。