快風丸

俺の船に乗らないか。

童話 遠い国のできごと

2013-09-16 13:08:25 | Weblog

              

 ある遠い国でのお話です。

 

 アイリス国では、政府軍と反政府軍とが国を二分する戦争が続いている。

その戦争のさ中、どちらかの軍が毒ガスをまいたという。

それはダメだと他の国からも批判が起こった。毒ガスで人を殺しちゃダメだ。

そして、世界の2大大国である、アシレマ国と、アイスル国の偉い人たちが話し合った。

 

「毒ガスを使ったほうのいるところを爆撃しよう。」

「いや、それよりも毒ガスは、やめさせよう。」

偉い人たちは、アイリス国に対して、爆撃をしない代わりに、毒ガスを使わないという約束をさせた。

 

 しかし、アイリス国の政府軍は、

「毒ガスはダメだけど、普通の爆弾ならいいんだね。それならいっぱいあるし、

アイスル国の偉い人が、また送ってくれると言ってたし。」

爆撃もされない今のうちに、反政府軍を徹底的にやっつけてしまおう。

 

ところが、もう一方のアシレマ国は、反政府軍に武器を送って支援しているという。

 

みんな、ずるい。

たくさんの人の尊い命、生活、健康、そういったものをないがしろにしてまでする戦争って

なんなんだ。戦闘機って、20年落ちの中古でも30億円もする。戦争になれば、もっと高性能

の何百億もする戦闘機が何十機もいる。

 国の偉いひとはとても儲かるらしい。

なにも持たない、なにも悪いことしてない人たちは、殺されたり、国を追われて何百万人も

難民といって、劣悪な環境で暮らしている。食糧はおろか、水でさえ不十分で衛生環境も

悪く感染症が蔓延する。生き地獄。

 

 世界の2大大国である、アシレマ国と、アイスル国の偉い人たちは、なぜ毒ガスのみ

ダメで、すべての武器がダメだと言わないのか。

 

 ぼくにはわからない。