ある遠い国でのお話です。
アイリス国では、政府軍と反政府軍とが国を二分する戦争が続いている。
その戦争のさ中、どちらかの軍が毒ガスをまいたという。
それはダメだと他の国からも批判が起こった。毒ガスで人を殺しちゃダメだ。
そして、世界の2大大国である、アシレマ国と、アイスル国の偉い人たちが話し合った。
「毒ガスを使ったほうのいるところを爆撃しよう。」
「いや、それよりも毒ガスは、やめさせよう。」
偉い人たちは、アイリス国に対して、爆撃をしない代わりに、毒ガスを使わないという約束をさせた。
しかし、アイリス国の政府軍は、
「毒ガスはダメだけど、普通の爆弾ならいいんだね。それならいっぱいあるし、
アイスル国の偉い人が、また送ってくれると言ってたし。」
爆撃もされない今のうちに、反政府軍を徹底的にやっつけてしまおう。
ところが、もう一方のアシレマ国は、反政府軍に武器を送って支援しているという。
みんな、ずるい。
たくさんの人の尊い命、生活、健康、そういったものをないがしろにしてまでする戦争って
なんなんだ。戦闘機って、20年落ちの中古でも30億円もする。戦争になれば、もっと高性能
の何百億もする戦闘機が何十機もいる。
国の偉いひとはとても儲かるらしい。
なにも持たない、なにも悪いことしてない人たちは、殺されたり、国を追われて何百万人も
難民といって、劣悪な環境で暮らしている。食糧はおろか、水でさえ不十分で衛生環境も
悪く感染症が蔓延する。生き地獄。
世界の2大大国である、アシレマ国と、アイスル国の偉い人たちは、なぜ毒ガスのみ
ダメで、すべての武器がダメだと言わないのか。
ぼくにはわからない。