赤江 瀑が死んだと新聞の片隅にあった。
氏は詩人であると認識していました。
学生のころ、時代がレコードからCDへと変遷する過渡期に、多くのレンタルレコード店が相次いで
閉店した時期がある。すると、在庫を格安で放出するのだが、特にマイナーな音源は、借り手が少なく、
コンディションが良いので、貧乏で音楽好きの学生にとって、とてもありがたい閉店セールであった。
そんな時期に、女優藤真利子のLP、「狂躁曲」を選んだのは、詩人の詩に、白井良明、高橋幸宏、
沢田研二、といった豪華作曲陣が曲をつけるという斬新な企画に魅かれたからでした。
赤江瀑の「花まみれのおまえ」、作曲は大村憲司。
なんとなく、既存の詩に曲を着けたのだと思っていたが、全て当企画のための書き下ろしだそうだ。
寺山修司、山口洋子、辻井喬などが名を連ねている。
アルバム全体として、サウンドは、ニューウェイブ歌謡曲、鈴木慶一プロデュース。
藤真利子の歌は、歌手としては、少しサービス不足な感じで、しかしそれが、とても女優的で、
突き放したような、冷たいような、抑制的な感じが、この詩、サウンドと相まって、他にない感じに
なっています。
アナログのLPなんですが、時々、思い出しては、聞いています。フェイバリットというより、
ソウルレコードなのです。魂の音源。ロックであっても、詞が大事と思うようになったのもこのアルバム
の影響が大きいです。
実は、先週末、数年ぶりに聞いたところだったのです。
赤江 瀑の詩は、今聞いても、当時感じた鮮烈さが、少しも色あせない。
このアルバムの詩は全て素晴らしいのです。
CDでも発売されたようですが、すでに廃番、入手困難となっています。
本日知りましたが、赤江 瀑、誕生日が同じなのです。
なにか特別な縁を感じずにはいられない。なにかに導かれている。
こんどは小説を読むことになりそうです。新しいドアが、またひとつ開く。