ジャン・アレチボルトの冒険

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高いスター性と秀逸な演技センス、『少女のみる夢』は飛鳥みなみの天使と少女の物語 [04Jul16]

2016-07-04 22:00:00 | 芸能
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いや〜、齋藤飛鳥と星野みなみ、本格的な演技経験がほとんどないのに、印象的なシーンを幾つも作り上げていて、感心しました。

日曜深夜に放送された、あしゅみなみW主演の『少女のみる夢』は、始まってすぐ、二人だけの会話シーンが、ドラマのほとんどを占めることが分かって、「だ、大丈夫?」と、ちょっと呆然としました(笑)。

病院のベッドに意識不明で寝たまま、心だけが身体を離れ、自由に外の世界を歩き回る設定で、彼女たちを見える人はほとんどおらず、故に、芝居で絡んでくることも少ない。

必然、二人芝居がドラマの中心となり、初心者だと、掛け合いの間合いやテンポが噛み合ず、グダグダになってしまう可能性がある。


そのため、途中、下っ腹に力の入るシーンがあるんだろうなと、覚悟しながら観てました(笑)。

ところが、台詞のやりとりや表情の変化を含め、二人の会話は、どれも自然なシーンに仕上がっていて、演技を気にせず、驚くほどすんなりと、物語にのめり込むことが出来た。

役者としての経験値を考えると、二人だけのシーンをふんだんに盛り込むのは、相当な「無茶ぶり」の筈ですが(笑)、制作スタッフは、あしゅとみなみの演技を観て、これなら行けると考えたのかもしれません。


2002年8月の日本テレビ『24時間テレビ』で、『父さんの夏祭り』という特別企画ドラマが放送され、当時、モーニング娘。のメンバーだった、石川梨華、加護亜依、矢口真里の3人が主要役で出演しています。

モー娘。のファンだったことから、ワクワクしながらドラマを観たのですが、石川梨華と矢口真里の演技が、衝撃的にぎこちなくて、ストーリーが全然入ってこなかった(笑)。

とくに、二人だけで長く会話する場面があって、このシーンは、身を捩りながら観た覚えがあります。

ガンで余命少ない父親に、最後の夢を叶えてあげようとする娘を石川梨華が演じていて、実話を基にした、もの凄くシリアスなドラマなんだけど、矢口真里と掛け合うリズムというか、間の持たせ方というか、「ど、どうしたんだ?」感が半端なく、棒読みを越えた別次元の域に達していて(笑)、見終わったあと、自分が2歳くらい老けたかなと感じるくらい、キツかった。


ただ、役者としての素質云々というより、演技経験のほとんどない二人が、モー娘。としての忙しさから稽古時間を十分取れず、そのまま本番をこなしたため、厳しいシーンになってしまったのだと思います。

実際、矢口真里は、その4年後、『銭湯の娘!?』『ギャルサー』という二つの連続ドラマにレギュラー出演を果たしているし、石川梨華も、数々のテレビドラマやミュージカルに出ていて、女優としての仕事をこなしています。

二人だけで芝居を作るのは、役者として、高いスキルを要求されることで、『少女のみる夢』におけるあしゅみなみの演技は、初心者としては、驚嘆すべきレベルだった。

場面ごとに、ストーリーや雰囲気の流れを上手く感じ取っていて、二人とも、もの凄く、演技センスが良いのだと思います。


しかし、今回のドラマで、飛鳥とみなみが、もっとも素晴らしいと感じた点は、演技そのものというより、与えられた役にピッタリとはまるイメージを、二人が提供出来ていたことです。

齋藤飛鳥は、あり得ないほど、華奢なスタイルに、儚くも芯のある美貌を備えていて、本当に、天界から落ちて来た天使ではないのかと(笑)、一瞬思いたくなるほど浮世離れした雰囲気を持っている。

そして、あしゅ演じる「日高七海」は、10年間も昏睡状態のままで、どうにもならない自分の身体を前に、他人事のように、それを客観的に見つめる習慣が付いてしまっている。

また、歩き回れる世界に対しても、自分からは、何の働きかけも出来ないという現実を前に、おしゃれや散歩を楽しみつつ、どこか冷めた目で眺めている。

直接ぶつかり合うと、あまりに辛いことばかりなので、外見はとびきり可愛い美少女ながら、この世界から一歩身を引き、感情に大きく流されることなく、冷静に日々を過ごしているように見える。

そんな七海のイメージを、俗っぽさのない、あしゅの「落ちて来た天使」感が、絶妙に支えていて、唸るほどのはまり役になっていました。


一方、星野みなみ演じる「黒崎沙良」は、さまざまな欲望を持って今を生きている、普通の女子高生で、幽体離脱の経験が浅いこともあって(笑)、自分がただ眺めるしか出来ない世界を歩き回ることを、純粋に楽しむことが出来る。

同級の友だちが気になったり、街行く綺麗なお姉さんに乗り移ろうとしたり、退院したら何をするかノートにリストアップしたりと、ある意味、事故に遭う前に過ごした日々を、そのまま持ち込んでくる。

みなみの「生きる」ことを謳歌する雰囲気、とりわけ人間味溢れる可愛いらしさが、生き生きと感情が動く「沙良」のイメージとよく合っています。

誰もが微笑みたくなるような、蕩けるような陽性の「甘さ」は(笑)、なかなか表現出来る人が少なく、星野みなみは、貴重なイメージを提供出来る女優だと思います。

あしゅとみなみが、それぞれ方向性の異なる、魅力的な雰囲気を、「七海」と「沙良」に与えていて、その華やかな彩りが、ドラマをキラキラ輝かせていました。


やがて、「七海」と「沙良」、二人の世界に、大きな転機がやってきます。

「七海」が想いを寄せる若き主治医が、別の病院に転勤することが決まり、「さよなら」も「ありがとう」も言えない自分という現実を突き付けられ、これまで装ってきた冷静さが、一気に壊れて、気持ちを何とか伝えたいという感情が迸り始める。

「七海」が苦しむ様子を見かねた「沙良」は、自分の身体を危険に晒すことになるけど、一時的に乗り移って、先生に別れを告げるよう提案。

迷ったものの、結局、親友の身体を使って、先生に想いを伝えた「七海」は、直後に容態が急変して、集中治療室に運ばれる「沙良」を見て、自分の命を差し出すことで、何とか彼女を救って欲しいと願い、その通りの結末を迎えます。


今まで冷静だった「七海」が、好きな人と会話したいと強く願い、その願いを成就したことで親友の命を危険に晒したことを激しく後悔し、最後に、自分の命と引き換えに彼女を救って欲しいと願う。

何かを犠牲にしなければ、何かを手に入れることは出来ない。

心だけが身体を離れて歩き回り、二人の少女が出会い、友情を育むという、非日常的な世界においても、この世の掟からは逃れられないようで、それこそが、この物語の肝なのかもしれません。

齋藤飛鳥が涙をぼろぼろ流しながら、「沙良」を助けて欲しいと懇願するシーンは、ドラマの最高到達点で、非常に見応えがありました。

まあ、見かけだけではなく、あしゅは、本当に天上界からやって来た天使であり、地上で大きな善行を成して、元の場所に戻っていった、そういうオチで良いんじゃないでしょうか(笑)。

そうでも考えないと、観ていて、涙が止まらなくなるので。


『少女のみる夢』の脚本は、「第15回テレビ朝日新人シナリオ大賞」を受賞した作品だそうですが、確かに、アイデアが秀逸だと思いました。

事故で昏睡状態に陥った二人の少女が、心だけが身体を離れて交流するというのは、一見、簡単に思い付きそうだけど、実際には、なかなか捻りだ出せない設定や展開じゃないでしょうか。

また、両方が意識を取り戻すという結末ではなく、戻ってきたのは1人だけで、その後、彼女は、亡くなった親友がこの世でやりたかった小さな願い、一人でホールケーキを注文して食べたり、大人になったらお酒を飲んだり、それらを一つ一つ、代わりに叶えていく。

これは、なかなかグッとくるエンディングで、少女たちの発する甘さと、容赦なくのしかかる現実の厳しさを、バランス良く詰め込んだ、絶妙なストーリーだと感じました。


ただ、台詞に関しては、荒削りという印象を受ける部分が幾つかあって、もう少し、磨けるんじゃないかと思いました。

とくに、主治医役に関しては、言葉が軽いという印象を与える上に、「七海」の事故に責任を感じる顛末が、そんなことで10年も転勤を断り続けるかなと(笑)、あまりピンとこなかった。

「七海」が恋をする相手なので、かっこ良さをもっと演出して欲しかったけど、今ひとつ、伝わってこない部分があって、やや歯がゆかったです。


一方、脳腫瘍のため入院して、「七海」と「沙良」が見えるようになった青年は、手術を受けるかどうかで苦悩する心情が、迫力を持って伝わってきました。

この役者さん、中島広稀という22歳の方で、「ハルジオンが咲く頃」に収録された桜井玲香の個人PVに、相手役として出演してましたよね。

キャプテンの個人PVを観たとき、雰囲気があって、演技が上手いと思いましたが、今回のドラマでも、緊張感のあるシーンを作り出していて、なるほどと大いに頷けました。

ここまで役者の力量が高いと、どんな台詞でも、どんな設定でも、自分で消化して、演じ切ってしまうので、彼に関わる部分は、脚本の出来不出来はよく分かりません(笑)。

まあ、定型的な「かっこ良さ」が求められる主治医に比べると、動きやすい役なので、演技しやすかった面はあるかもしれません。


それにしても、ドラマの前半部で、齋藤飛鳥が「誰かにギュッとして欲しい」と話す場面があって、星野みなみが「誰かじゃなくて、先生でしょ」と返すので、後半、抱擁シーンがあるかもと、薄々、予想はしてましたが、あしゅじゃなくて、みなみが抱きしめられるとは思わなかった(笑)。

身体は「沙良」だけど、心は「七海」なので、抱擁するときは、あしゅに代わるんだと観ていたら、そのまま行くんかぁえ〜、みなみ〜!と、叫んでしまいました。

いやいや、星野みなみは、甘くて、幼さの残る、少女感の強いルックスなので、実際にハグするシーンを観ると、い、良いのかなこれ?ってな、かなりインパクトがあります。

実際、最後、海辺でシャンパンを飲むシーンも、え〜と、みなみの設定は20歳で、ドラマだから大丈夫だよなと、一瞬、ドキッとしたほどで(笑)。

抱擁の場面では、心の準備が出来ていなかったというか、不意打ちを食らわされた感もあって、ちょっと驚いたけど、こっちが嫉妬したくなるほど、幸せそうな表情を浮かべていたので、甘さのある良いシーンだと、自分に言い聞かせてました(笑)。


あるいは、齋藤飛鳥は現役の高校生で、星野みなみは卒業しているので、その辺に対する配慮から、みなみが選ばれたのかもしれませんね。

まあ、何かを犠牲にしなければ、何かを手にすることは出来ない。

アイドルを応援するファンにとっても、この掟は不可避ということでしょうか(笑)。

とにもかくにも、あしゅとみなみ、お疲れ様でした、すごく良いドラマだったよ〜。


関連サイト

テレビ朝日の『少女のみる夢』公式サイト


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