ジャン・アレチボルトの冒険

ジャンルを問わず、思いついたことを、書いてみます。

乃木坂の風 03Jun13 ~ Rising Star 齋藤飛鳥の「プリンシパル」をめぐる冒険

2013-06-03 15:50:35 | 芸能
東京・赤坂と大阪・梅田を舞台にして、計13日間20公演に渡って行われた「16人のプリンシパル deux」は、さまざまなドラマを生み出したが、

最年少メンバーの「あしゅ」こと齋藤飛鳥が紡いだ物語は、とくに魅力的で面白い。

齋藤飛鳥のプリンシパルは、東京公演初日、第一幕オーディションで「沢村小坊主」役に手を挙げ、生駒里奈に完敗するところから始まる。

「女中」役も井上小百合に持っていかれ、第二幕にすら出られなかった。

「沢村小坊主」のイメージが、生駒によくマッチしていて、劇場全体に「これは生駒の役だな」という雰囲気がみなぎっていた。

しかし、あしゅはめげなかった。

翌日の2番公演でも、「沢村小坊主」に立候補。そして、なんと生駒と井上を抑えて、役を勝ち取ってしまう。

大いに手応えを感じた齋藤飛鳥は、エキセントリックな三女「野木美咲子」役に挑戦を始める。

だが3番公演で、センスが光る伊藤万理華に、同じく立候補していた生駒と一緒に撃沈され、

4番公演では、まだ自信に溢れていた桜井玲香に一蹴、

さらに、5番公演では、4番で「沢村小坊主」役を再び獲得して、リハビリ十分で戻って来た生駒に、一騎打ちで敗北。

何とか「女中(1)」役を得たが、またしても、いこまちゃんに苦渋を舐めさせられる結果となった。

しかし、これでもまだ諦めず、6番公演でも三女役に立候補、

6枚目シングルで選抜に返り咲いた斉藤優里を抑えて、ついに役ゲット。執念の勝利を収める。

すると「美咲子」役は、ハイ終わり!とばかり、7番公演では、「今和誠一」役に立候補。

そして、あっさり一発で選出。

男の次は女、女の次は男。シンプルいずベスト、ベストいずアスカ(笑)。

なんだプリンシパルちょろいじゃないかと、自信を深めたあしゅは、密かに狙っていた、超人気役「今和洋子」に、8番で満を持して立候補。

ところが、ふたを開けてみると、立候補者8人、プリンシパル史上最多人数の激戦区に飛び込んだことが判明。

なぜか宿敵、生駒も参戦。

西野七瀬が生田絵梨花を破る波乱の中、生駒は強制「沢村小坊主」行き、飛鳥は「女中」役にも届かなかった。

翌日9番公演、何が起こるか明白なのに、どういう思考の果てなのか、あしゅと生駒は再び仲良く参戦。

もちろん、リベンジの炎にメラメラと燃え上がるQueen生田に、二人とも劇場の外まではじき飛ばされたか、と思うほどの惨敗を喫してしまう。

さすがに懲りた生駒は、10番公演で、心のふるさと「沢村小坊主」に手を挙げるが、あろうことか、生田も立候補、おそらくプリンシパルで一二を争うほど堪える負けを経験してしまう。

一方、飛鳥は、それでもめげず、10番公演でも、「今和洋子」に立候補。

すでに、魔のバミューダなみの危険水域と化した「今和洋子」役、気づけば、対戦相手は、9度目挑戦の頑固一徹、畠中清羅と髪を黒く染めた、濃ゆ過ぎる情念の大和里菜の二人のみ。

結局、このバトルを制して、齋藤飛鳥は「今和洋子」役に選出される。

このとき畠中清羅は初めて「女中(6)」役で第二幕に進出。この成功体験が、東京千秋楽、昼14番公演での「沢村小坊主」役選出への大きなきっかけとなり、最終的に計4回の二幕出演を果たすことになる。

また、大和里菜にとっては、この敗北が、東京千秋楽、昼夜二公演で「今和洋子」を演じる道のりの、最初の一歩となった。

次の11番公演は、セクシー系の次女「野木芙咲子」役に立候補。

秋元真夏が新センター白石麻衣を破って役に選出され、飛鳥は完敗。

選出されるまで同じ役に挑み続ける、これまでの姿勢と違って、

「とりゃ!セクシーは、このくらいにしといてやるか、あしゅの前に二度と出てくんなよ!」

とばかり、「芙咲子」役からはあっさり撤退。

そして、12番公演で、「北嶋文目」を選択。ここでなんと、無敵の生田エリカ様との一騎打ちに直面。

完全敗北かと思われたが、意外なことに「女中(3)」役に踏みとどまった。

この12番での粘り腰が、彼女自身と周りの、何かを変えた。

齋藤飛鳥、なかなかやるじゃないか、そんな空気が漂い始めた。

次の13番公演でこそ、「MVP」衛藤美彩に完敗するが、これが舞台袖で第二幕を見る最後になる。

千秋楽14番昼公演では、能條愛未にくらいついて、「女中(2)」を獲得。

そして、15番の東京最終公演で、ついに「北嶋文目」に選出される。

さらに大阪公演初日の16番公演では、「栄」役で、桜井玲香と一騎打ち。

まだこの役への選出がなく、7度目の挑戦に執念を燃やす桜井玲香を、見事に破って、一発で「栄」役を獲得。

4番公演で一蹴された桜井に、強烈なお返しをすると共に、齋藤飛鳥は、もう公演前半の齋藤飛鳥ではない、ということを強く印象づける結果となった。

その後、17番から20番の最終公演まで、「明田川太郎」役に挑み続け、一度も選出されなかったが、この4公演すべてで「女中」役を獲得して、第二幕の舞台を支えた。

結局、終わってみると、齋藤飛鳥は二幕出演13回、10役選出6回のスコア13位で、これは二幕出演12回、10役選出6回の松村沙友理より上の成績。演技に定評のある伊藤万理華でも、二幕出演11回、10役選出6回で、1公演学業で休んだことを考慮しても、飛鳥の健闘が浮き彫りとなる。

また、「女中」役の回数は、悩めるキャプテン桜井玲香が8回でトップだが、齋藤飛鳥は衛藤美彩、中田花奈と同じ7回で2位。もし「女中(6)」を経験していれば、「女中」役コンプリート達成というリーチ状態だったわけで、彼女が、いかにしぶとく粘りを発揮したかを物語っている。

生駒里奈は、日刊スポーツ東北6県版に連載中「いこまびより」で、プリンシパル中、齋藤飛鳥に対して、

うちらは戦友だね。どっちが勝っても恨みっこなしね

と話し合ったと書いている。

生駒と飛鳥が同じ役に立候補したのは、実に7公演にも及ぶため、「戦友」という言葉が出たようだ。

しかし、その7回のうち、3回は二人仲良く弾き飛ばされる結果になっていて、ライバルとしてしのぎを削ったというより、右往左往している中で、7回も鉢合わせになってしまった感の方が強い(笑)。

しかし、生駒や飛鳥は、何をどうして良いか分からず、右往左往しながらも、その中で、観客から自分がどう見えているのか、何をすれば受け入れられるのか、様々なことを学んでいったように思う。

生田絵梨花や橋本奈々未のような、ハイレベルな次元での役争いが、見応えのあるプリンシパルを作り出したのは間違いない。

しかし、そういった「神々の物語」の一方で、生駒里奈や齋藤飛鳥のように、演技初心者で勝手が分からず、何度も何度も敗北を喫し、時には劇場の外にまで弾き出されるほどの惨敗を経験しながら、それでも手に何かを掴んで、再び立ち上がって挑戦し、少しずつ成長していったメンバーの物語が、いくつもあった。

畠中清羅、伊藤寧々、川後陽菜、 和田まあや、大和里菜、斎藤ちはる、そして最後まで苦しんだ中田花奈。

これら「Rising Star の物語」が、もう一つの物語として、今回のプリンシパルをさらに魅力的なものにしたことも、間違いないだろう。

ゆっくりとではあるが、着実に上がってくる輝ける星々。

一度存在に気づいたとき、それから目を離すのは、案外、難しいことかもしれない。


齋藤飛鳥の軌跡

赤坂ACTシアター
01: 沢村小坊主
02: 沢村小坊主
03: 美咲子(三女)
04: 美咲子(三女)
05: 美咲子(三女)、女中1
06: 美咲子(三女)
07: 今和誠一
08: 今和洋子
09: 今和洋子
10: 今和洋子
11: 芙咲子(次女)
12: 北嶋文目、女中3
13: 北嶋文目
14: 北嶋文目、女中2
15: 北嶋文目

梅田芸術劇場
16:
17: 明田川太郎、女中5
18: 明田川太郎、女中3
19: 明田川太郎、女中2
20: 明田川太郎、女中4

# 青字はその役に選出されたことを意味する

プリンシパル終了後、メンバーのブログコメント

生田絵梨花
畠中清羅
伊藤寧々
大和里菜
斎藤ちはる
中田花奈

「Nogizaka Journal」生駒の言葉


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すべての関連記事について、以下のような目次ページを作りましたので、よろしければどうぞご覧下さい。

アレチの素敵な乃木坂業務連絡 15May13 ~ 関連記事の目次 (2013/04/19 ~)


<< 第二幕出演スコア表>>

スコアは、立候補した役に選出された場合は2点、敗者復活で女中役に選出されて第二幕へ進んだ場合は1点、第二幕に出られなかった場合は0点として、それを合計したものです。立候補者がゼロの役への選出は2点としています。

== 凡例 ==
出演スコア
[第二幕への出演回数 / 立候補した役または候補者ゼロの役への選出回数] 名前(CD選抜の回数)
** 6th 八福神 * 6th 通常選抜
=========

// 20公演(東京15大阪5)40点満点

1位 37点
[20/17] 生田 絵梨花(6)**
Queen of Principals

2位 33点
[19/14] 橋本 奈々未(6)**

3位 30点
[18/12] 能條 愛未(2)
[17/13] 白石 麻衣(6)**
[16/14] 高山 一実(6)**

6位 29点
[18/11] 衛藤 美彩(0)
MVP

7位 28点
[17/11] 西野 七瀬(6)**
[15/13] 若月 佑美(4)*

9位 24点
[16/8] 桜井 玲香(6)**
[14/10] 深川 麻衣(4)*

11位 22点
[13/9] 生駒 里奈(6)*

12位 21点
[13/8] 井上 小百合(6)*

13位 19点
[13/6] 齋藤 飛鳥(2)

14位 18点
[12/6] 松村 沙友理(6)**

15位 17点
[11/6] 伊藤 万理華(2)*

16位 16点
[9/7] 永島 聖羅(1)

17位 15点
[9/6] 斉藤 優里(4)*、中元 日芽香(0)

19位 14点
[10/4] 川村 真洋(1)

20位 13点
[9/4] 秋元 真夏(3)*

21位 11点
[8/3] 樋口 日奈(0)

22位 9点
[8/1] 中田 花奈(5)*

23位 8点
[6/2] 斎藤 ちはる(0)

24位 7点
[5/2] 大和 里菜(0)
[4/3] 和田 まあや(0)

26位 6点
[4/2] 川後 陽菜(0)

27位 5点
[4/1] 畠中 清羅(1)

28位 4点
[3/1] 伊藤 寧々(1)

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