ジャン・アレチボルトの冒険

ジャンルを問わず、思いついたことを、書いてみます。

生駒里奈センター48&46の物語性と輝いた衛藤美彩の歌唱力 in 『うたの夏まつり』 [20Jul16]

2016-07-20 03:15:00 | 芸能

18日月曜の『FNSうたの夏まつり2016』で、48&46ドリームチームが歌う曲を、視聴者が投票で選ぶ企画は、予期せぬ展開の連続で、面白かったですね。

「恋するフォーチュンクッキー」「365日の紙飛行機」「サイレントマジョリティー」「君の名は希望」の4択で、まあ、AKB48のどちらかだろうと思っていたら、欅坂46のデビュー曲で、3ヶ月ほど前にリリースされたばかりの「サイレントマジョリティー」が1位になってしまった。

しかも、生駒里奈がセンターに抜擢され、白石麻衣と西野七瀬がフロントに入り、守屋茜と菅井友香が2列目中央に配されるという、坂道シリーズが要を押さえる編成に。


「サイレントマジョリティー」のコンセプトやパフォーマンスは、「制服のマネキン」をベースに作られたとの指摘があり、共に評価の高いMVを監督したのは、同じ池田一真氏です。

確かに、センター平手友梨奈のキャラクターイメージは、当時の生駒里奈を彷彿させる雰囲気を持っていて、「てち」がいないのであれば、生駒ちゃんにセンターを任せるのは、自然な流れと言えば、自然なのかもしれません。

しかし、どうも、こういった合同企画は、AKB48Gがメインで、乃木坂は脇役として、控えめに参加するものと思い込んでいたので、メンバー配置を観たとき、「おいおい、どうするんだよ、これ?」と、若干、面食らいました(笑)。

さらに意外だったのは、午後6時半に投票が終わり、パフォーマンスが披露されたのが午後10時半頃と、たった4時間しか準備期間がなかったのに、ほとんどのメンバーは、ちゃんとフリが入っていて、迫力のあるステージに仕上がっていた。


「サイレントマジョリティー」MVは、女性アイドルの作品としては、近年稀に見るほどの人気を呼び、公開から4ヶ月で、再生回数が2千万を越えるヒットとなっています。

ドリームチームに参加したメンバーのほとんどは、もちろん生駒里奈も含めて、すでに複数回、このダンス系MVを観て、振り付けの大まかなイメージは、ある程度、頭に入っていたんじゃないでしょうか。

経験を積んだ各グループの中心メンバーが多いので、そういった下地があれば、数時間の練習によって、かなりのレベルまで押し上げることが出来るのかもしれません。

実際、あるテレビ番組で、ももいろクローバーZを特集したとき、新曲を初めてフリ入れする場面で、通常、2、3時間で覚えるとナレーションされていました。


ただ、そうは言っても、いきなりテレビの生放送ライブですから、尋常ではない緊迫感の漲る4時間だったと思います。

例えば、生駒里奈がソロで歌っているシーンに、CD音源そのままの、平手友梨奈の声を流すのはマズいので、生駒ちゃんの声を録音し直す必要があり、他のソロやデュエットも、出来るだけ差し替えた方がいい。

フリさえ覚えて、ダンスが様になれば万事OKというものではない筈で、まあ、こんな無茶ぶりを、よくこなしたなと感心しました。


ところで、『FNSうたの夏まつり』の番組終了後、深夜、何気なく iTunes Store トップソングをチェックして、再び、度肝を抜かれました(笑)。

前日まで51位から100位の順位帯にいた「サイレントマジョリティー」が、何と、9位にランクアップです。

視聴者投票で1位を獲得したこと、さらに、ステージの出来が想像以上だったことが、お茶の間に、インパクトを与えたのだと思いますが、テレビの影響力って、恐ろしいですね(笑)。

(表1) iTunes Store トップソングにおける、最近の「サイレントマジョリティー」順位推移

凡例
順位計測日 順位 : A-B-C-D-E / F-G-H [Z]

# 上記 A〜H と Z は、それぞれ以下の順位帯にランクインしたことを表す。
A(1〜10位)、B(11〜20位)、C(21〜30位)、D(31〜40位)、E(41〜50位)、F(51〜100位)、G(101〜150位)、H(151〜200位)、Z(200位圏外)
# 毎日、深夜から翌早朝の時間帯に、1度だけ順位を調べ、その日の順位としている

07/11(月) 72位 : 0-0-0-0-0 / 1-0-0 [0]
07/12(火) 87位 : 0-0-0-0-0 / 1-0-0 [0]
07/13(水) 65位 : 0-0-0-0-0 / 1-0-0 [0]
07/14(木) 63位 : 0-0-0-0-0 / 1-0-0 [0]
07/15(金) 74位 : 0-0-0-0-0 / 1-0-0 [0]
07/16(土) 62位 : 0-0-0-0-0 / 1-0-0 [0]
07/17(日) 61位 : 0-0-0-0-0 / 1-0-0 [0]
07/18(月) 09位 : 1-0-0-0-0 / 0-0-0 [0] ←『うたの夏まつり』

ちなみに、その後も、順位は上昇傾向にあるようで、19日(火)午後6時で、6位にランクインしたことを確認しています。


ネット上では、生駒里奈センターの48&46ドリームチームによる「サイレントマジョリティー」を、評価するコメントが多い一方、「君の名は希望」の得票数が、トップの半分以下で、断然の最下位だったことを心配する声もある。

(表2)『FNSうたの夏まつり2016』の「48&46ドリームチーム」企画における各曲得票数

1位 106万票「サイレントマジョリティー」
2位 100万票「恋するフォーチュンクッキー」
3位 090万票「365日の紙飛行機」
4位 050万票「君の名は希望」

# 単位は万票で、小数点以下1桁目を四捨五入


これほどの票差が付いた理由は、上位3曲の知名度・関心度が、「君の名は希望」と比べ、ずっと高いからだと思います。

「恋するフォーチュンクッキー」「365日の紙飛行機」「サイレントマジョリティー」は、iTunes Store トップソングにおいて、配信開始から長期間に渡って上位にランクインし続けた曲、あるいは、現在もランクインし続けている曲で、間違いなく、本格的にヒットしたと言えます。

実際、MVの再生回数を並べても、一般浸透度の違いは一目瞭然です。

(表3)「48&46ドリームチーム」企画で投票対象となった曲のYouTube公開MVの再生回数

凡例
再生回数「曲名」(MV形態; 公開日)
#「再生回数」は万回単位で小数点以下1桁目を四捨五入
#「公開日」は、YouTubeのサイトに記載されている日付

9880万回「恋するフォーチュンクッキー」(Full; 2013/10/30)
2048万回「サイレントマジョリティー」(Full; 2016/03/15)
0953万回「365日の紙飛行機」(Short; 2015/11/29)
0039万回「君の名は希望-DANCE&LIP ver.-」(Short; 2015/12/03)
[以上すべて2016/07/19(火)16:00時点]
0545万回「君の名は希望-DANCE&LIP ver.-」(Full; 2013/03/17)
[2015/09/16日(木)時点]


「365日の紙飛行機」MVは、ショートバージョンながら1千万回に届きそうな再生数で、同時期に公開された「君の名は希望-DANCE&LIP ver.-」のショートバージョンと比べると、人気レベルの差は明白です。

また、「君の名は希望」のフルバージョンMVは、昨年末から公開が停止されていますが、その期間を考慮に入れても、再生数が1億回に迫っている「恋するフォーチュンクッキー」とは桁違いの差がある。


しかし、では、「君の名は希望」は人気がないのかと言われると、決して、そんなことはない。

(表4) 乃木坂シングル表題曲のYouTube公開フルバージョンMVの再生回数上位

[1] 1149万回「制服のマネキン」(Full; 2012/11/25)
[2] 0566万回「何度目の青空か?」(Full; 2014/09/11)
[3] 0561万回「ガールズルール」(Full; 2013/06/07)
[4] 0545万回「君の名は希望-DANCE&LIP ver.-」(Full; 2013/03/17)
[5] 0412万回「気づいたら片想い」(Full; 2014/03/06)
[2015/09/16日(木)時点]

MV再生回数ランク、青空2位浮上、命400万回7位、羽根25位好調、会いかも下降は乃木坂第2章か [16Sep15]


上表のデータは、昨年9月のものですが、「制服のマネキン」が断トツで、「何度目の青空か?」「ガールズルール」「君の名は希望-DANCE&LIP ver.-」が拮抗した再生回数で2位グループを作っていました。

そして、NHK紅白歌合戦における乃木坂の歌唱曲に選ばれたことで、昨年末から、より注目度が上がっています。

(表5) Billboard JAPAN Hot100 への 「君の名は希望」最新ランクイン

凡例
集計対象期間 : (総合) Hot100順位 項目別順位

# 各項目の意味は、[S] ストリーミング数、[R]ラジオ放送回数、[L] PCによる読み取り数 (ルックアップ)、[T] ツイート数、[E] 動画再生回数、[F] 総合100以内ランクイン回数

2015/12/28(月)〜01/03(日) : (総合)25位 [S][R][L]00位 [T]05位 [M]85位 [F]04回
2016/03/21(月)〜03/27(日) : (総合)98位 [S][R][L]00位 [T]19位 [M]97位 [F]05回


乃木坂が紅白初出場を果たし、大晦日にNHKホールで念願の舞台に上がった週、「君の名は希望」は、Billboard JAPAN の総合25位にランクインしています。

また、14枚目「ハルジオンが咲く頃」(03/23)がリリースされた週、再び注目を集め、総合98位に入っている。

紅白出場や新曲発売で「ツイート数」(T)が増えたためですが、他の楽曲でそういった連動現象は起きていないので、「乃木坂 = 君の名は希望」というイメージが固まりつつあることを示していると思います。


また、注目したいのは、再ランクインした二つの週では、いずれも「国内動画再生回数」(M)が100位圏内に浮上していることです。

85位や97位は、一見、低いように思えますが、「ハルジオンが咲く頃」MVのショートバージョンが一度も100位圏内に入ったことがないように、この項目に順位が付くこと自体、大変なことで、これらの週、MVに対する人気は相当に上昇したと考えていい。

すでに、YouTube公開MVは、ショートバージョンに差し替えられていましたが、もし、フルバージョンのままであれば、さらに累計再生数を伸ばした筈で、「制服のマネキン」MVに次ぐ、2位に上がっていた可能性が高い。


また、「君の名は希望」は、オリコン200位圏内に一番多くランクインしている曲で、CDも、未だに売れ続けています。

こういったデータから考えると、この曲は、乃木坂の歌の中で、非常に知名度・関心度が高いものの一つで、「48&46ドリームチーム」企画の候補曲としてエントリーしたのは、理に適ったチョイスだと思います。

そして、獲得票に大差が付いたとすれば、乃木坂でもっとも一般浸透度の高い楽曲ですら、上位3曲とは、それだけの差があることを意味します。

iTunes ランキングで上位へ長期ランクインを続けたり、YouTube公開MVの再生数が1千万、2千万を越えるような、「本格的なヒット曲」を、乃木坂はまだ持っていないことが、票差の原因だと思います。


「サイレントマジョリティー」がヒットしたのは、アピール力のある楽曲と振り付けを、平手友梨奈をセンターとする欅坂46が、上手くパフォーマンスして、魅力的なMVやステージを作り上げたことが大きい。

とくに、テレビ系大型音楽祭は、「48&46ドリームチーム」企画が「サイレントマジョリティー」の iTunes ランキングを急上昇させたように、楽曲をヒット軌道に乗せる、絶好のチャンスと言っていい。

では、乃木坂46は、『FNSうたの夏まつり2016』で、どういうステージを披露したのか、ちょっと眺めてみましょう。

(表6) 『FNSうたの夏まつり2016〜海の日スペシャル〜』における、乃木坂の曲目、共演歌手、演奏時間

2016/07/18(月祝) フジテレビ放送

凡例
[曲順] 演奏時間 =「曲名」(リリース年; アーティスト名)
パフォーマー

# 今年発売は「リリース年」を省略
# 青色は最新の持ち歌
# オレンジ色は最新ではない持ち歌
# 緑色は乃木坂単独でパフォーマンスした他アーティストの歌
# ピンク色はコラボでパフォーマンスした他アーティストの歌

[1] 1 : 49 =「ガールズルール」(2013)
乃木坂15th選抜
# 橋本奈々未の代わりに井上小百合が参加
# 6thオリジナルと異なるメンバー配置
(3列目) 万理華ポジ←北野、井上ポジ←井上、深川ポジ←飛鳥、優里ポジ←堀
(1列目) 橋本ポジ←衛藤

[2] 1 : 08 =「浪漫飛行」(1987; 米米CLUB)
石井竜也 × 乃木坂15th選抜

[3] 1 : 51 =「裸足でSummer
乃木坂15th選抜

[4] 1 : 30 =「サザン・ウインド」(1984; 中森明菜)
乃木坂15th選抜

[5] 2 : 28 =「サイレントマジョリティー」
48&46ドリームチーム(生田・生駒・白石・西野)
# メンバー構成 (正面前から見ての左から順)
(3列目) 横山由依(AKB) 生田絵梨花 白間美瑠(NMB) 宮脇咲良(HKT) 向井地美音(AKB)
(2列目) 小嶋陽菜(AKB) 指原莉乃(HKT) 守屋茜(欅坂) 菅井友香(欅坂) 柏木由紀(AKB) 松井珠理奈(SKE)
(1列目) 白石麻衣 山本彩(NMB) c生駒里奈 渡辺麻友(AKB) 西野七瀬


「ドリームチーム」を除く、乃木坂の参加ステージは4つで、持ち歌を披露したのは、最新曲「裸足でSummer」と、2013年の夏曲である「ガールズルール」の2曲です。

「裸足でSummer」の衣装は、ノースリーブ、フレアスリーブの白地上着に、セパレートのこれまた白地3段フリルスカートで、ライトブルー、もしくは紫のラインと刺繍が入った長方形の布が、前掛けのように胸元からスカート裾まで垂れていて、一見シンプルながら、おしゃれな作りになっている。

MVに登場するような、鳥の羽根系の首飾り、イヤリング、髪飾りなどが、メンバーごと、異なってあしらわれ、ドレスの鮮やかさを引き立てています。


生田絵梨花は、昨日のブログに、

新曲衣装の話
実は元々はピンクだったんです!
乃木中の歌収録が音楽の日より先にあって
そのときは
(写真)
こちらっ

でも
もう少し爽やか系にしたいとのことで
ブルーになりました!
(写真)
これからはずっとブルーの予定。

(生田絵梨花の2016/07/18_16:19ブログ)

と書いていて、7月17日(日)深夜に放送された『乃木坂工事中』のスタジオライブで着ていた、赤とピンクのバージョンを、その後、ブルーと紫のバージョンに手直ししたようです。

赤ピンクのタイプも衝撃的に似合っていて、どんだけ、衣装に気合い入ってんねんちゅう話ですが(笑)、「ガールズルール」は、全く別の新衣装で臨んでいて、世界のどこかに、乃木坂専用のデッカい縫製工場でも持ってます?、と訊きたくなる。

乃木坂衣装部の活躍は、今回も留まるところを知らない感じで(笑)、最近の新曲は、パフォーマンスそのもの以上に、ファッションを鑑賞するのが、大きな楽しみになっています。


しかし、歌唱の方は、「ガールズルール」「裸足でSummer」ともに、「口パク」または生歌比率の低い「被せ」で、折角の機会だから、もっとチャレンジして欲しかった。

生歌を避けていると、どうしても歌わなければならないとき、悲惨なステージになってしまう危険があるんですが、今回の『FNSうたの夏まつり2016』では、さっそく、そのチャンスが2ステージも巡って来ました。

一つは、石井竜也の「浪漫飛行」に、コーラスとバックダンスで参加するもので、一部、メンバーによる歌唱パートがありました。


石井竜也が出だしを歌ったあと、まず、白石麻衣と西野七瀬がデュエットで

夢をみてよどんな時でも

と歌い、さらに、生田絵梨花と桜井玲香がこれもデュエットで、

すべてはそこから始まるはずさ

と続けます。

あるいは、このフレーズの後半に、若月佑美と齋藤飛鳥が入ったかもしれません。


歌唱の出来に関しては、正直、厳しいという感想しか出てきませんが、それぞれが担当するフレーズが短いので、大惨事になる前に、終わった感があります(笑)。

その後は、

浪漫飛行へ in The Sky
飛びまわれこの My Heart

を、みんなで合唱しますが、ここは割と無難に切り抜けた気がします。

もちろん、石井竜也が、このステージに満足してくれて、次回も、乃木坂とコラボしたいと考えてくれるかどうか、とてもじゃないけど、予断を許さない状況だと思います(笑)。


ただ、石井竜也のように、べらぼうに歌が上手い人のステージに、ごく一部、参加するのは、歌唱の軸をきっちり作ってくれるので、本人の評価は怖いですが(笑)、まだ事故は起こりにくいでしょう。

しかし、中森明菜の「サザン・ウインド」を、メンバーだけで歌うのは、上手い人を軸に据えないと、危険極まりないステージになる。

出だしのパート、

あいさつするのよ海風に
自然に体がリズム取る

を、白石麻衣と西野七瀬がデュエットで歌いますが、正直、これは厳しいでしょう(笑)。

二人とも、音の精度が甘い上に、声量がないので、2フレーズ目に入ると、バラバラになってしまって、どこへ行こうとしてる?と、訊きたくなるほど、歌が彷徨っていました。

せめて、1フレーズ目をまいやん、2フレーズ目をななせまるのソロにすれば、音を外しても、1人分で済むので、「こんな感じの歌かもしれない」で済む可能性があるけど、デュエットだと、2人分のズレになって、「いやいや、違うでしょう」とのツッコミを避けられません。


私がこのブログで、もっと歌の練習を!と書き始めたのは、2013年の『FNSうたの夏まつり』からで、乃木坂の生歌があまりに酷かったことが切っ掛けです。

それから、3年が経ったものの、今回も、目立った進歩を感じられないまま終わるのかと思っていたら、次のパートで目が醒めました。

衛藤美彩と生田絵梨花が歌った

パナマ帽くるくると指でまわして

は、乃木坂の生歌史上、最高レベルと言っていいくらい、素晴らしかった。

二人とも美しい声を持っている上に、音が安定して正確に取れ、さらに、スタジオライブなら十分に対処出来るレベルの声量を備えている。

ハモっているわけじゃないのだけど、透き通ったやや硬質ないくちゃんの声と、艶っぽくて伸びのあるみさみさの声が、絶妙なハーモニーを奏でていて、しびれるくらい魅力的でした。


衛藤美彩と生田絵梨花の声が、ここまで相互補完的に、ぴったりハマるなんて、想像もしなかった。

いくちゃんの声と、みさ先輩の声が合わさって、抜群に魅惑的な新しい声を作り出しているかのようで、このコンビ、これからどんどん起用していくべきだと思います。

とくに、みさみさほど、色気のある歌声を出せる人は、そうはいないので、乃木坂の生歌にとって、今後、とんでもなく強力な武器になるんじゃないでしょうか。


衛藤美彩は、もともと高い歌唱力を持っていたのだけど、テレビの音楽番組などで歌うとき、緊張するのか、普段の声が出なくなってしまうことが、これまで度々あって、何とか克服して欲しいと思っていました。

今回、歌いながら、中森明菜の世界観に合わせて、色っぽい目線をカメラに送り込むなど、表情も同時に作っていて、余裕を持ってステージに立っていることが伝わってきました。

あるいは、選抜常連、福神常連となったことで、自分に自信を持つようになり、本来の実力を、大舞台で100%発揮出来るようになったのかもしれません。

であれば、中元日芽香と川村真洋も、選抜上位に固定するべきで、生田、桜井、衛藤が「歌える」ようになった今、そこに二人が加われば、乃木坂は、アイドルの中でも、歌唱力の高いグループに変身出来ると思います。


「サザン・ウインド」の歌唱は、その後、「テーブル届いた…メッセージ」を、橋本奈々未、松村沙友理、齋藤飛鳥、高山一実が歌い、「背中越しとまどうわ強い視線」を、桜井玲香、若月佑美、秋元真夏、星野みなみが担当、そして、全員合唱に入って終わる形でした。

これらのパートについては、ノーコメントですが(笑)、歌える人は歌に専念して、歌えない人はダンスを頑張ってもらうシステムにしない限り、生歌ステージを行う度に、「乃木坂」の第二検索ワードが「下手」と出てくるという、ファンにとって寂しい限りの状況は変えられないんじゃないでしょうか。

中森明菜の低音パートであれば、川村真洋が軸となってこなせば、筋の良い流れを作れる筈で、高音部は、生田、桜井、衛藤の3人がいるので、歌割りさえ変えれば、ハイレベルな生歌ステージを実現出来ると思います。

歌えるメンバーが誰もいないのであれば、諦めるけど、ミュージカルの主役やヒロインを経験したり、テレビのカラオケバトル番組に出演して97点を叩き出す人がいるのだから、もっと優れたステージを見せて欲しいと望むのは、当たり前だと思うんですが。


ところで、話は全然違うけど、橋本奈々未って、最近、めちゃめちゃ綺麗になってきてませんか(笑)。

大人の色気が出てきたというか、美しさの線が分厚くなったというか。

もちろん、これまでもななみんファンは多いと思うけど、この調子で進むと、もはや人を選ばず(笑)、びっくりするくらいモテるようになるんじゃないかと。

「裸足でSummer」のパフォーマンスで、あしゅソロからのななみん・いくちゃんツーショットは、心臓に悪いくらい、壮絶なビジュアルアピールになっている気がします。

まあ、言わずもがなのことですね(笑)。


さて、『FNSうたの夏まつり2016』について、AKB48Gなどのステージを、比較のため、載せておきます。

(表7)『FNSうたの夏まつり2016〜海の日スペシャル〜』における、欅坂46やAKB48Gなどの曲目、共演歌手、演奏時間

2016/07/18(月祝) フジテレビ放送

凡例
[曲順] 演奏時間 =「曲名」(リリース年; アーティスト名)
パフォーマー

# 今年発売は「リリース年」を省略
# 青色は最新の持ち歌
# オレンジ色は最新ではない持ち歌
# 緑色は単独でパフォーマンスした他アーティストの歌
# ピンク色はコラボでパフォーマンスした他アーティストの歌

欅坂46
[1] 2 : 03 =「世界には愛しかない
[2] 2 : 54 =「さくら」(2003; 森山直太朗)
森山直太朗 × 欅坂46
[3] 1 : 10 =「ひと夏の体験」(1974; 山口百恵)
[4] 2 : 28 =「サイレントマジョリティー」
48&46ドリームチーム(菅井・守屋)

AKB48
[1] 0 :59 =「天使の誘惑」(1968; 黛ジュン)
MACO × 渡辺麻友 × 柏木由紀
[2] 0 : 44 =「太陽がくれた季節」(1972; 青い三角定規)
谷村新司 × AKB48
[3] 1 : 24 =「ポニーテールとシュシュ」(2010)
[4] 1 : 32 =「夏の扉」(1981; 松田聖子)
[5] 2 : 34 =「LOVE TRIP
[6] 2 : 28 =「サイレントマジョリティー」
48&46ドリームチーム(柏木・小嶋・向井地・横山・渡辺)

SKE48
[1] 1 : 33 =「パレオはエメラルド」(2011)
[2] 1 : 41 =「金の愛、銀の愛
[3] 1 : 20 =「渚のハイカラ人魚」(1984; 小泉今日子)
[4] 2 : 28 =「サイレントマジョリティー」
48&46ドリームチーム(松井)

NMB48
[1] 1 : 25 =「ナギイチ」(2012)
[2] 1 : 26 =「僕はいない
[3] 1 : 29 =「夏祭り」(2000; Whiteberry)
# JITTERIN'JINNによるオリジナル(1990)のカバー曲
[4] 2 : 28 =「サイレントマジョリティー」
48&46ドリームチーム(白間・山本)
[5] 1 : 01 =「お嫁においで」(1966; 加山雄三)
THE ALFEE × 山本彩・NMB48

HKT48
[1] 1 : 32 =「メロンジュース」(2013)
[2] 0 : 38 =「君に、胸キュン。」(1983; YMO)
[3] 1 : 30 =「74億分の1の君へ
[4] 1 :43 =「C-Girl」(1988; 浅香唯)
[5] 2 : 28 =「サイレントマジョリティー」
48&46ドリームチーム(指原・宮脇)

Little Glee Monster
[1] 1 : 16 =「空に太陽がある限り」(1971; 錦野旦)
綾小路翔 × Little Glee Monster
[2] 0 : 55 =「secret base〜君がくれたもの〜」(2001; ZONE)
中川翔子 × Little Glee Monster

Perfume
2 : 11 =「FLASH」
平井堅
2 : 48 =「魔法って言っていいかな?」


乃木坂・欅坂とAKB48Gは、過去の夏曲、最新曲の2ステージに、他アーティストのヒット曲を、コラボや単独で歌うのが共通のパターンだったようで、「48&46ドリームチーム」を除いて、3〜5個のステージを担当しています。

ただ、音楽祭全体のステージ数を増やしたために、とくにアイドルは、1曲当たりの演奏時間が短くなる傾向があって、発売直前の最新曲でも、以下のように、1分30秒から2分30秒に抑えられています。

1 : 51 =「裸足でSummer」乃木坂46
2 : 03 =「世界には愛しかない」欅坂46
2 : 34 =「LOVE TRIP」AKB48
1 : 41 =「金の愛、銀の愛」SKE48
1 : 26 =「僕はいない」NMB48

次に示すように、土曜に行われたTBS『音楽の日』では、これらの曲に、2分30秒から3分の時間が当てられていたので、『FNSうたの夏まつり2016』は、最新曲を含めて、短時間ながら、次々とアーティストと楽曲が登場する形になっていたと言えます。

多くのアーティストが出演し、様々なヒット曲を歌えば、番組を観ようとする人を増やせる筈で、何としてでも視聴率を稼ぎたいという気持ちが、こういった目まぐるしいセットリストを生んだのかもしれません。

(表8) 『音楽の日』における、乃木坂46、欅坂46、AKB48Gなどの曲目、共演歌手、演奏時間

2016/07/16(土) TBS放送

乃木坂46
[1] 2 : 57 =「ガールズルール」(2013)
[2] 2 : 53 =「裸足でSummer」(15枚目; 2016/07/27)
# 2曲ともに乃木坂15th選抜

欅坂46
[1] 2 : 30 =「サイレントマジョリティー」(2016)
[2] 2 : 27 =「世界には愛しかない」(2枚目; 2016/08/10)

AKB48
[1] 1 : 51 =「365日の紙飛行機」(2015)
[2] 3 : 00 =「LOVE TRIP」(45枚目; 2016/08/31)
[3] 2 : 53 =「光と影の日々」(同上)

SKE48
[1] 2 : 27 =「パレオはエメラルド」(2011)
[2] 2 : 26 =「金の愛、銀の愛」(20枚目; 2016/08/17)

NMB48
[1] 2 : 31 =「ナギイチ」(2012)
[2] 2 : 30 =「僕はいない」(15枚目; 2016/08/03)

HKT48
[1] 2 : 26 =「メロンジュース」(2013)

Little Glee Monster
[1] 3 : 01 =「私らしく生きてみたい」(6枚目; 2016/08/17)

Perfume
2 : 12 =「FLASH」
平井堅
2 : 49 =「魔法って言っていいかな?」


ただ、Perfumeの「FLASH」や平井堅の「魔法って言っていいかな?」は、『音楽の日』と『FNSうたの夏まつり』で差がないので、時間調整や視聴率アップの切り札は、アイドルによる企画という意識があるのかもしれません(笑)。

とくに「48&46ドリームチーム」の歌唱曲を、視聴者の投票で決める、しかも、1人あたりの投票数上限は、視聴時間に応じて配分されるなんていうのは、その究極の手法と言えます。

反発する視聴者がいてもおかしくないし、歌手の側からしても、投票結果が分かるのが番組の途中で、それから4時間後に生放送の本番ステージなんて、クオリティを保証出来ないと、渋るのが通常の感覚に思えます。


しかし、乃木坂46やAKB48Gは、こういった無茶な状況をわざと作って、メンバーや現場を追い込み、さらにファンまでも追い込んで(笑) 、それを乗り越えることを、感動の物語として消費することで、人気を高めてきた、独特の「体質」がある。

「選抜制度」しかり、「総選挙」しかり、「プリンシパル」しかり、「Birthday Live」しかり。

そのため、「48&46ドリームチーム」企画は、システムは初めてであっても、根底に流れる発想はお馴染みのもので、だからこそ、こういったやり方に対して、最初は文句も見かけましたが、「サイレントマジョリティー」のステージに対する称賛の中、やがて批判はすっかり影を潜め、今は、大成功という雰囲気が漂っている。


AKB48Gには、渡辺麻友の「物語」があり、指原莉乃の「物語」があり、山本彩、松井珠理奈、横山由依の「物語」がある。

一方、乃木坂には、生駒里奈の「物語」があり、白石麻衣、西野七瀬、生田絵梨花の「物語」がある。

そして、「48&46ドリームチーム」企画は、普段交わることのない、48と46の「物語」が、ぶつかり合って、新しい「物語」を生み出すチャンスだった。

「総選挙」や「組閣」に乃木坂が参加しない中、こういった企画は、渡りに船と捉える人が運営内部にても不思議ではなく、視聴率を稼ぎたいというテレビ局の思惑と相俟って、今後も、続いていくかもしれません。

まあ、視聴率次第ですが(笑)。


今回は、「サイレントマジョリティー」が選曲されたことで、そこにいない平手友梨奈の「物語」までが、バックストーリーとして絡んでくる面白さがあり、危機に直面したとき発揮される生駒里奈のカリスマ性や、それを両脇で支える山本彩と渡辺麻友のアイドルスキルの高さなど、ファンを惹き付ける因子に事欠かない、「秀逸な物語」に仕上がったのだと思います。

しかし、こういった無理難題を乗り越えさせる「物語」は、あまり頼り過ぎると、本来磨くべきパフォーマンスを低下させるおそれがあります。

4時間前に与えられた課題を上手くこなして、拍手喝采を浴びるのに、もっと前から内容が分かっていた筈の生歌ライブは、乃木坂46、欅坂46、AKB48Gとも、ごく少数のパートを除いて、軒並み厳しいステージになっていて、ネットには、「歌が下手」というコメントが溢れ返ってしまった。

とくに、私立恵比寿中学、モーニング娘。、ももいろクローバーZと比べると、発声練習の量と生歌ステージの場数の差は歴然で、48&46の生歌を避けたがる姿勢が浮き彫りになっていました。


衛藤美彩は、スーパーエキセントリックシアターの舞台『Mr. カミナリ』のヒロイン役を経験、選抜メンバーとして数々の音楽番組に出演し、その一方、地道に歌の練習を積み重ねることで、自分の優れた歌唱力を開花させたのだと思います。

私が本当に観たい「物語」は、こういったコツコツした努力と小さなブレイクを積み重ねる成長の物語で、「サザン・ウインド」を歌った衛藤美彩は、個人的には、すべての出演者の中で、一番輝いて見えました。

前に進んだ、その一歩の幅は決して大きくないけど、遂に、別の世界に降り立った、まさにその一歩だと。

そして、衛藤美彩だけでなく、星野みなみ、生田絵梨花、生駒里奈、齋藤飛鳥と、それぞれのメンバーに関する「物語」が、時間と共に、徐々に心に蓄積していくから、乃木坂を長く応援すればするほど、ますますファンを止やめられなくなるのかもしれません(笑)。


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