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ジャン・アレチボルトの冒険

ジャンルを問わず、思いついたことを、書いてみます。

「payoff」の意味は「advantage」 ~ 十年で語義が変わった?

2008-01-31 12:12:02 | 英語
英語の辞書は、改訂版が出たら、出来るだけ買い換えた方がいい。

以下は、それを実感した話です。

2008年1月28日付の国際誌TIMEに、アフガニスタンの女子教育に関する記事が載っていました。その中で、教育を受けた女性の割合が高い国ほど、健康、経済、民主主義の水準が高い、という主旨の文章があり、

There's another payoff that is especially importnat to Afghanistan: educated women are a strong bulwark against the extremism that still plagues Afghanistan, ・・・

と続きます。

読解の鍵は、「payoff」という言葉ですが、いつも使っている1991年版のLONGMAN英英辞書で、「payoff」を引くと、第1項目が「給料、借金、カードのローンなどを払う」、第2項目が「物語の結末」という意味で、この文章での使われ方と違う気がする。

それで、本屋に行って、2005年版を引いてみました。

ありました、ぴったりの意味が。しかも第1項目で。

an advantage or profit that you get as a result of doing something

91年版には、この「利点」という語義は、影も形もないので、ここ十数年の間に、主流になった使用法ということですね。

思っている以上の速さで、言葉の意味が変化していたので、驚きました。

結局、上に挙げた英文の訳は、

女子教育には、アフガニスタンにとって、とくに重要なメリットが、もう一つある。この国は、今なお、イスラム過激派に蝕まれているが、教育を受けた女性は、それに対する、強力な防波堤になるという点である。

という感じでしょうか。

ちなみに、最新版では、第2項目は「裏金、賄賂」、第3項目は「解雇時に支払われる金」で、これも、91年版と、かなり違う。

長年使っている辞書は、慣れているし、愛着もあって、手放し難い部分はあるんですが、こうも意味が違うなら、新しいのに切り換えた方がいいですね。

この2005年版は、そのまま買って帰りました。「payoff」の問題だけじゃなく、図や語義説明などが、91年版に比べて、さらに工夫されていて、使い易そうだったので。

ところで、私は、LONGMANの回し者ではないです。単なる辞書の愛用者で、何の関係もありません(笑)。

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