「ハゲタカ」は、真山仁の経済小説で、外資系ファンドが、バブル崩壊後の日本で、破綻しかけの企業を次々と買収していく物語。大森南朋、柴田恭兵、松田龍平などの配役で、NHKでドラマ化されたので、ご存じの方も多いと思う。
ドラマには、出てこないが、小説の中では、主人公の鷲津政彦が、恋人のリンと部下のアランを連れて、熱海の老舗ホテルに泊まり、朝食時に、観光地としての熱海を、厳しく批判する場面がある。
ホテルは「建物が老朽化」「サービス・料理が悪く」「スタッフの対応も最悪」。他の旅館も、「同じようなもの」で、投資の価値なし。さらに、新幹線の駅前は、「寂れていて」「バスもタクシーもしけている」。海を見に来たのに「コンクリートの無粋な駐車場や看板」が林立して、「眺めが台無し」になっている。「アジアのリゾート王にでも、街ごと買って貰わない限り、再生は無理」。
悪口のオンパレードである。真山仁は、熱海で、何か面白くないことがあったんだと思う(笑)。
しかし、的を得た批判であるのも事実だ。熱海は、老舗旅館が、「ブランド観光地」という過去の亡霊にしがみついて、改革を怠ったために、今や、裏寂れた温泉地でしかない。
何年か前に、熱海市の市長が、このままでは熱海市が財政再建団体に転落すると、危機宣言を出したとき、旅館の社長や、女将が、噛み付いていた。「熱海のブランドイメージを損なって、客が来なくなる」というのが、その理由らしい。
このニュースを聞いて、地元の経済人が、未だに、「熱海」をブランドだと思っていることに、正直驚いた。一般的な感覚では、今は、大室山の麓に、小さな私立美術館を多数作って、リゾート化に成功した「伊豆高原」などの方が、遥かにイメージがよい。
熱海に、客が来なくなっているのは、旅館の経営者が無能だからである。自分たちの失敗を棚に上げて、市長に責任をなすりつける。それでは、熱海が、再生するわけがない。
さらに、「カジノ」構想をぶち上げているのも、不可解な話である。実現のための最大の難関が、「法律改正」だそうだ(笑)。そんな絵空事にかまけている時間があるなら、自分の旅館のサービス向上に努力すべきだろう。
「ハゲタカ」では、海の眺めが、駐車場や看板で台無しになっていると、書かれているが、今の熱海は、それにリゾートマンションが加わって、さらに状況が悪化している。
お金がないから、手っ取り早く、リゾートマンションを誘致する。その建物のために、さらに街の景観が損なわれて、「美しい風景」という観光資源が消えていく。さらに、客が来なくなって、お金が入らなくなる。魔の悪循環である。
経営に行き詰まっている、旅館やホテルを、資金力のある企業が買収して、経営陣を全部入れ替えて、再出発を図る。さらに、駅前と海沿いの再開発を、それら企業が共同で行う。それ以外に、熱海を再生させる方法はない。
もちろん、そんな企業があればの話であるが。
ドラマには、出てこないが、小説の中では、主人公の鷲津政彦が、恋人のリンと部下のアランを連れて、熱海の老舗ホテルに泊まり、朝食時に、観光地としての熱海を、厳しく批判する場面がある。
ホテルは「建物が老朽化」「サービス・料理が悪く」「スタッフの対応も最悪」。他の旅館も、「同じようなもの」で、投資の価値なし。さらに、新幹線の駅前は、「寂れていて」「バスもタクシーもしけている」。海を見に来たのに「コンクリートの無粋な駐車場や看板」が林立して、「眺めが台無し」になっている。「アジアのリゾート王にでも、街ごと買って貰わない限り、再生は無理」。
悪口のオンパレードである。真山仁は、熱海で、何か面白くないことがあったんだと思う(笑)。
しかし、的を得た批判であるのも事実だ。熱海は、老舗旅館が、「ブランド観光地」という過去の亡霊にしがみついて、改革を怠ったために、今や、裏寂れた温泉地でしかない。
何年か前に、熱海市の市長が、このままでは熱海市が財政再建団体に転落すると、危機宣言を出したとき、旅館の社長や、女将が、噛み付いていた。「熱海のブランドイメージを損なって、客が来なくなる」というのが、その理由らしい。
このニュースを聞いて、地元の経済人が、未だに、「熱海」をブランドだと思っていることに、正直驚いた。一般的な感覚では、今は、大室山の麓に、小さな私立美術館を多数作って、リゾート化に成功した「伊豆高原」などの方が、遥かにイメージがよい。
熱海に、客が来なくなっているのは、旅館の経営者が無能だからである。自分たちの失敗を棚に上げて、市長に責任をなすりつける。それでは、熱海が、再生するわけがない。
さらに、「カジノ」構想をぶち上げているのも、不可解な話である。実現のための最大の難関が、「法律改正」だそうだ(笑)。そんな絵空事にかまけている時間があるなら、自分の旅館のサービス向上に努力すべきだろう。
「ハゲタカ」では、海の眺めが、駐車場や看板で台無しになっていると、書かれているが、今の熱海は、それにリゾートマンションが加わって、さらに状況が悪化している。
お金がないから、手っ取り早く、リゾートマンションを誘致する。その建物のために、さらに街の景観が損なわれて、「美しい風景」という観光資源が消えていく。さらに、客が来なくなって、お金が入らなくなる。魔の悪循環である。
経営に行き詰まっている、旅館やホテルを、資金力のある企業が買収して、経営陣を全部入れ替えて、再出発を図る。さらに、駅前と海沿いの再開発を、それら企業が共同で行う。それ以外に、熱海を再生させる方法はない。
もちろん、そんな企業があればの話であるが。