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ジャン・アレチボルトの冒険

ジャンルを問わず、思いついたことを、書いてみます。

大連立構想は、長期政権の責任逃れ

2008-01-05 18:54:28 | 政治
福田首相は、民主党との連立に、まだ未練があるようだ。ねじれ国会では、何一つ法案が通らないと、盛んに嘆いてみせている。

国会の機能不全。自民党が、大連立を望む理由は、本当にそれだろうか?

確かに、海上給油活動の法案に関しては、民主党は、妥協する気配がない。これは、党の憲法解釈にかかわる問題なので、考えを変えられないのは、当然である。

しかし、他の法案について、自民党と民主党の考え方が、真っ向から対立して、妥協の余地がないとは、思えない。実際、薬害肝炎の救済法案は、あっさりと、成立しそうである。何一つ法案が通らないというのは、誇張に過ぎない。

では、なぜ大連立にこだわるのか?

長期政権や独裁政権が、権力の座を降りたとき、何が起こるのか、我々はよく知っている。新しい政権は、前の政権による、汚職や癒着を、容赦なく追求していく。

韓国の大統領は、ほとんどが、辞任後に、裁判にかけられ、有罪判決を受けている。また、フィリピンのマルコス政権やルーマニアのチャウセスク政権などは、さらに苛烈な結末を迎えることになった。

次の総選挙で、民主党が与党となり、自民党が下野した場合も、例外ではないだろう。

安倍政権は、閣僚の金銭にまつわる相次ぐ不祥事が、命取りになった。補助金を出す側の大臣が、同時に、補助金を受け取る側の関係者になっているケースなど、長期政権でなければ不可能な、税金還流の構図が、いくつも浮かび上がってきた。

政権の座にいてさえ、政府と与党の癒着が、つぎつぎと明るみに出てくる。政権交代した場合、相当な数の官僚と政治家が、責任を追求されるのは、目に見えている。

自民党幹部や上級官僚が一番怖れている事態である。

連立を組んで、今から、民主党を取り込んでおいて、来るべき時代に備えておきたい。選挙による、はっきりとした政権交代ではなく、自民の一部が政権に残るような、政界再編的な変化にとどめたい。そんな思惑が、見え隠れする。

大連立構想は、長期政権下で、これまで甘い汁を吸ってきた、政治家や官僚が、安心な老後を送るための、一つの奇策に過ぎない。歴代社会保険庁長官は、民主党政権のもとでは、枕を高くして寝れないということだ。選挙で勝った政党が、政権を担うという民主主義の大原則など、保身のためには、ものの数ではないらしい。

国民が、今よりマシな政府を望むのなら、大連立に賛成してはいけない。総選挙による、政権交代しか、道はない。

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