21世紀はアジアとの時代(Jtiro🔴Jpn) SDGs国際Webサイト(Editor: K.Yamada)

●Copyright © 2024.All rights reserved.●Since2008.
  

■異国で祝う日本の新年

2024-01-16 | ●中西語録

■■■■■■■■■異国で祝う日本の新年 ■■■■■■■■


中西英樹
タイ王国チェンライ市在住、ロングステイヤー

■■異国で祝う日本の正月
🔵令和六年新春、令和六年が, 皆様にとりまして,よき年となります
よう お祈りいたしております。
 また本年もよろしくご教導下さいますようお願い申し上げます。

 
■■正月
🔵日本の年の暮れは何かと気ぜわしい。正月準備として松飾りを用
意したり , ごみ捨ての曜日を確かめたり, 日日頃手を抜いていた窓や
桟、水回りなどの掃除も念入りに行う。 スーパーや商店は正月食材
で溢れかえる。
切り餅や日本酒は勿論、紅白の蒲鉾、伊達巻、黒豆など おせち料理
の定番を買わないと、という強迫観念に駆られる。

チェンライでも日本の吟醸酒が手に入るし, 暮れの日本人会で搗いた
餅を中心に新年を寿いだ
出汁巻き卵、
黒豆代わりタイの金時豆 (トゥア・デーン)
鯛代わりのプラニンの塩焼き
北京ダック、
野菜の煮物
などが元旦の祝膳
兄がいればもっと料理を作るのであるが、今は 一人暮らし,作ったら
一人で全部食べることになる。異国の空の下で 形ばかりであっても
おせち料理らしきものを用意するのは、昔,おせち料理を若かった父
母と兄弟3人、一家5人で囲んだ 思い出があるからだろう。

母が毎年定番で作っていたおせちは、
・「祝い肴
・「口取り
・「焼き物
・「酢の物

・「煮 物
の5つの分類にきっちり合っていたことをネットで再確認した。
作り方、味付けは弟の嫁さんが母から指導を受け, 今は甥っ子の嫁さ
んに引き継がれているらしい。ささやかではあるが 文化の継承とは
こういうものかもしれない。

おせち料理は、節(せち),すなわち節句、季節の変わり目ごとに
食べた料理のことだが, 今は正月料理の代名詞となっている。おせち
料理は神様へのおもてなしのために お供えするもので、お供えが 終
わったものを人間がいただく。これは,  神様からの お下がりを いた
く事
で、神様からのご利益に与るといった理由があるとのこと。
神様がチェンライに来て下さるとは思っていなかったので お供えを
忘れてしまったが、お下がりを頂いたという気持ちで ご利益に与り
たいものだ。


■■抗齢者
🔵チェンライの元旦の天気は雲一つない快晴、最低気温15度, 最高
気温30度であった。風はなく湿度も低く爽やかな乾季の1日だった。
毎年「何となく今年は よい事あるごとし 元日の朝 晴れて風無
という啄木の歌を思い出す。
青く澄んだチェンライの空の下、今年はよい事あるごとし,と 思って
もいいのだが, 実際のところは今年も何とか逃げおおせるか、という
気持ちが強い。
友人には「高貴幸齢者として今年も楽しく暮らしたい」などとメ
ールを送ったが, テニスやツーリングが できるのはいつまでか, じた
ばたせずに 年貢の納め時を迎えられるかという 感慨に囚われる事が
多くなった。


🔵テニスは楽しいので, 週5日のベースで続けているが 「抗齢者
としてムリしてやっているのではないかと反省することがある。
6ゲーム先取のダブルスを2セット,勝ったり負けたりで、あいつと組
むと大抵負けるからなあ、と疎んじられてはいないと思うが、あと
半歩でボールに追いつけない、反射神経が鈍っていて, ボールへの反
応が0.2秒ほど遅れる。いつの間にか自分より年配のコート仲間はい
なくなった。

最近,コートに韓国人が多くなった。 彼らとゲームの合間に話すこと
がある。マウントを取ろうとするのか  韓国人はよく年齢を聞いてく
る。正直に答えると、いやに丁寧な態度になったり,褒めてくれたり
する。チェ,年寄り扱いしてるな,と感じるが, これも年齢からくる 僻
み根性の表れではないかと思う。

テニスはいつまでできるかなあ。岸田さんに限らず, 人間の退き時は
むつかしいものだ。

I hope you have a relaxing and peaceful New Year’s holiday too! 
                                                                               (令和六年元旦記)

これを書いた後、能登沖でマグニチュード7.6の大地震がありました。
亡くなられた方々のご冥福を, また被災された皆様にお見舞いを申し
上げます。

■■学歴より先にあるもの タイの学制)
🔵 タイの学校制度は日本と同じく、6-3-3-4制である。
7歳から12歳の子が通う初等教育
13歳から15歳の子が通う前期中等教育
16歳から18歳の子が通う後期中等教育である。

🔵タイの学校制度
  (区分)             (年齢)             (就学率)  (資格)
保育園 幼稚園        ・6歳未満        ・74%
小学(パトムスクサー)    ・満6歳~満15歳   ・104.8%
●中学(マタヨムスクサー)・満12歳~満15歳   ・95.6% (前期)
              ・満16歳~満18歳   ・68.1% (後期)
 (出所・タイ国教育相)
それと・4年制の大学がある。
後期中等教育は普通科と職業科に分かれる。
初等教育6年(小学校)と前期中等教育3年(中学校)が義務教育と
なっている。

タイでは、公立校における義務教育および就学前教育3年(幼稚園)
から高校の15年間は無償教育になっている

🔵(タイの学校教育系統図)

 
🔵上記のタイの学校制度を見てタイも頑張っているな、と思うかも
しれない。でも形は似ていても実際は違う。
まず無償教育というが、義務教育の9年間でも政府の予算が限られて
いるため、教科書は部分的無償化であり 授業料も必要だ。図書はじ
め学校設備にも ばらつきがある。給食も無償ではない。また小学校
から制服があり, 制服が買えない家庭もある。

少数山岳民族であるアカ族の家庭では制服が一つしかないため, 姉妹
が交代で学校に行っているという家庭があった。1週間のうち、曜日
によって民族衣装、ボーイスカウトの制服など 学校へ来ていく服が
変わる。服のない子は登校できない。

9年の義務教育は無償といいながら、父兄の生徒当たり年間支出額は
1万バーツ(4万円)に上る。大した金額ではないと 思われるかもし
れないが東北部や北部、山岳の貧困世帯にはなかなか払えない額だ。
タイでは 簡単に離婚する。母親は都会に働きに出る。残された子供
は教育に関心のない祖父母と同居、家事、介護その他やることが あ
って学校に行かなくなる。


■■学校格差
🔵日本ならどんな田舎に住んでいても, 小中学校のレベルは どっこ
いそっこい、先生の学力が都市部に比べ、格段に落ちるということ
はない。高校だって自分の学力にあった高校に行けるし,ラジオ講座
(もう流行らないかもしれないが)で勉強すれば国立大学進学も十
分可能だ。

でもタイでは入った小学校によって もう将来が決まると言っても過
言ではない。というより,どんな家庭で生まれたかでその人の一生が
決まる。常々、タイの竹壁の家に生まれなくてよかったよ、と思う
少々頭がよくても,性格がよくても、貧しい家に生まれればそれっき
りだ。家の中にも地域にも本がない。雑誌もない。勉強しても誰も
褒めてくれない。生活費もないから教育費など出してもらえない。
高校に行くなど夢のまた夢だ。
でもまともな義務教育が受けられれ
ばまだいい方だ。

🔵山の中の学校には,教えるのがばからしい,と先生が来ない。毎日
自習。タイは階級社会で少数民族 東北部, 北部の人間は 差別がある
のが現実だ。日本だって教師のレベルはあるだろう。でも児童生徒
をあからさまに差別して, ほとんど授業をやらないという 教師は い
ないと思う。家庭環境も学校も先生も 劣悪であるから, 勉強をする
インセンティブがない。
小学校でも落第があるから,学校に行くのが嫌になってしまう。仕事
を探すが教育がないから 低賃金の仕事しかない。生活が苦しい。子
供通わせる余裕がない。こういった悪循環はまだ断ち切れていない。


■■学校は出たけれど
🔵チェンライでもあの学校はいい ,悪いがはっきりしている。いい
学校は授業料の高い学校,悪い学校とは授業料は安いが、先生の質も
設備も貧弱な学校だ。所得格差イコール教育格差だ。
小中学生の子供を持つ邦人は少なくないが,子供は幼稚園から私立に
行かせている人が多い。
タイで生活するに当たって,こんなに教育費がかかるとは思ってもみ
なかったと嘆いている。日本と同じくいい高校に行くためには小学
校の時から塾に通う必要があるらしい。

🔵少数民族の子供が, 学資の心配をすることなく 教育を受けられる
支援プロジェクトは盛んである。小中学校で優秀な結果を収めて,市
内の有名高校に進学する子供もいるが、高校の授業に ついていくに
は並々ならぬ努力がいると聞く。それは クラスメートが通っていた
小中学校のレベルと,少数民族の子が通っていた小中学校のレベルが
格段に違い、学力の差が歴然としているからだ。
高等教育を受けてもタイは, 階級社会であるから, 貧困家庭の子供は
普通に就職できない。
いくつかの教育支援団体では 高校は職業訓練
高に進
ませる、要するに手に職をつけさせる援助をしている
自動車修理,看護, それに最近では寿司職人養成学校もできたと聞く。
高校,大学を出れば道が開けるはタイの常識にはない。タイ社会にあ
った教育支援が求められている所以である

         
■■■■■■■■■■■■ 関連資料 ■■■■■■■■■■■■ 
🔵タイの教育を司る中央官庁は、下記の様の大きく分かれる。
文化省  2002年
  次官事務局 
  宗教局 
  芸術局  1911年
  文化振興局  1958年
  現代芸術文化事務局  2002年
●高等教育・科学・研究・イノベーション省 2019年

教育省 1892年
  次官事務局 
  国家教育審議会事務局 
  基礎教育委員会事務局  2002年
  高等教育委員会事務局 
  職業教育委員会事務局 

🔵(タイの大学ランキング
(順位) (種別)   (大学名)       (所在地)    (特徴)
1位   国立  チェラロンコン大学       バンコク県  最古の名門大学
2位   国立   マヒドン大学         バンコク県  医学で世界的な大学

3位   国立   チェンマイ大学        チェンマイ県 地方大学の雄
4位   国立   タマサート大学        バンコク県
5位   国立   カセサート大学        バンコク県  農業大学からスタート
6位    国立  コンケン大学         コーンケン県 東部タイの雄
7位    国立  キングモンクット工科大学   バンコク県 
8位    国立  プリンスオブ ソンクラー大学 ソンクラー県
9位    国立  モンクット王工科大学     バンコク県
10位  国立  スラナリー工科大学      ナコーンラーチャシーマー県


 

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ■中小企業とイノベーション | トップ | ■再びタイの大運河構想 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿