若いころ2000人の暴走族の総長として君臨した俳優・宇梶剛士氏の「転んだら、どう起きる?」と題する講演を昨日聴いた。張りのある声と演技を交えての語りであった。凄まじく荒涼たる思いで過ごした少年時代、青春時代がうかがえた。堂々とした風格以上に漂ってくるオーラは、俳優のオーラではなく生き様かも知れない。
アイヌの解放に闘志を燃やした母親の話題が多かった。少年院に収監されているとき、母が届けてくれた一冊の本・チャップリンの自伝を読んでことが俳優を目指す転機になったようだ。
暴走族にも理由があるらしい。彼らには悩みもあるらしい。大人が悪いのかもしれない。希望を持つことの大切さの話には説得力があった。
苦節のとき出会った人・下積みのときに出会った人、いい人との出会いが、彼の人生をいつも良い方向の導いてくれたように思う。しかし、彼が立派な俳優になったのは、そのチャンスを逃すことなく確実にキャッチしたことではないだろうか。人をたちまちのうちにフアンにさせてしまう、生まれながらの俳優なのだろう。よい話し・心に残る一日であった。
・・・