ジョッシュの日記

ジョッシュは好きな映画「big」の主人公の名前からとりました。趣味を大事にしながら長男くんと次男くんの育児に奮闘中です。

封印された作品

2007年10月07日 00時05分21秒 | 思い出
小学六年生の時、先生からテーマフリーの作文の宿題が出された。私は悩みに悩んだ揚句に、ある本について熱く語ることにした。テーマが決まるとすらすらと筆が走り、あっという間に書き上がった。出来た文章もなかなかよく出来ていて、満足いく結果だ。

後日、先生に自慢の文章を提出して読んでもらった。しかし先生の反応はイマイチ。何も言わなかったが、なぜかチラチラとこちらを見ていたのを今でも覚えている。「反応悪いなぁ」と思ったが、結局先生は「まっいいや」と言って受け入れた。作文の宿題に「まっいいや」って何だと疑問に思ったが、時は過ぎて、いつしかそんな出来事も忘れ、小学生卒業間近となっていた。

そこであの作文を目にすることになるとは夢にも思わなかった。

その日、先生は全生徒に立派な冊子を渡した。表紙には誰かが書いたと思われる絵と「卒業文集」という大きな文字が書かれている。「卒業文集?俺書いたっけ?」と思いながらパラパラめくると、「思い出の卒業旅行」や「いつも遊んだ友達」など卒業文集らしい作品が続いた。

そしてそのままめくると全く卒業文集に似つかわしく無いあの「本について語った」文章が現れた。

先生の話しをよく聞いていなかったので、卒業文集の宿題に全く意味不明な文章を出してしまったのだ。これでは「小学生時代友達のいない、本が友達のような人間」と思われてしまうではないか!

こんなこともありそれ以来「卒業文集」を開くことは無かった。さらに言えば、今はそれがどこにあるのかもわからない。人の話しはちゃんと聞かなきゃいけない。この件については未だに後悔している。でも最後に一言だけ言わせていただきたい。

「先生、止めてくださいよ」と。