共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

家もなし、墓もなし…

2024年07月01日 18時55分05秒 | 日記
今日も蒸し暑い一日となりました。真夏日にならなかっただけまだマシなのでしょうが、それでも不快なことこの上ない日でした。

ところで、今日妹からメールが届きました。内容は、実家を処分したというもので、



「相続の手続きも終了し、本日実家の処分の手続きを行いました。

主に荷物の処理料が莫大すぎて手元に残るお金はほとんどなかったのですが、金銭的にすぐには無理ですが少しでも今後の墓じまいの足しにしようと思っています。

ですのでもう今後お手を煩わせる事もないと思うので安心してください。

ただ今後は私もですが、帰る家も入れる墓もないと思ってください。

一応報告しておきます。」




という何とも他人行儀なものでした。

これを読んだ感想は

『ついに終わったか…』

というものでした。

思えば、大学入学を機に実家を出てから30年以上経ちました。その間、家族の鎹のような存在だった母が1995年に他界してからというもの、法事等でごくたまに帰省した時には『ほとんど実家に寄りつかない私VS常に実家にいる父と妹たち』という構図ができあがっており、実家に上がった回数自体も数えるほどでした。

音楽の道に進むことを猛反対していた父とは『折り合いが悪い』などという生半可なものではなく、たまに会っても一言も話すことはありませんでした。妹たちともほとんど話すことはなく、苦虫を噛み潰したような顔で見られていることをひたすらシカトしていたのです。

まぁ、彼女たちの思いも分からないではありません。祖父母をはじめとした親族郎党に一番可愛がってもらい、一番に実家を出てから好き勝手に暮らし、父が他界してから本来ならやるべき手続き云々を全て丸投げし、遂には実家じまいと墓じまいまでさせたのです。

そうしたことが

『ですのでもう今後お手を煩わせる事もないと思うので安心してください。』

という一文に凝縮されています。そうです、私には何一つ異論を挟む資格はありません。

そして、

『今後は、帰る家も入れる墓もないと思ってください。』

とのことについては、もとより承知の上です。水戸の墓を閉じた今、私が入るべき墓などないものと、とくより覚悟は極めています。

さて、これで私は正真正銘の根無し草となりました。あとどれほど生き長らえるのか分かりませんが、せめて日々を粛々と生きてみようと思います。


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