共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

薄紫色の森〜カタクリの花咲く『町田かたかごの森』

2021年03月30日 17時35分10秒 | 
今日も昨日のように、日中は汗ばむような陽気になりました。昨日のような陽射しの照りつけがなかっただけ、まだ良かったのかも知れませんが…。

さて3月も明日で終わろうとする今日、ちょっと思い立って町田市山崎町に出かけてみました。

町田駅からバスに揺られること20分あまり、当該のバス停で下車してから10分ほど歩いたところにある『町田かたかごの森』というところに来ました。こちらでは現在



愛らしいカタクリの花が見頃となっています。

基本入場料は無料ですが、受付では管理保全のためのカンパを募っています。アルコール消毒をしてから入場すると



急角度の斜面のあちこちに紫色のカタクリの花がさいていました。

この『町田かたかごの森』は全体がケヤキの木々に囲まれていて



その根本にカタクリやスミレの花が咲いています。上の写真に所々赤っぽく咲いているのはクサボケの花です。



カタクリの花は3月から4月にかけて、木もれ陽が差すような森の中に花を咲かせます。反り返った紫色の花が風に揺れる姿は、実に愛らしいものです。

森の中にはカタクリの花の他にも



これまた紫色のタチツボスミレも沢山咲いています。場所によっては



カタクリとタチツボスミレの花が並んでいる姿も見ることができます。



かつてはこの花の根からデンプンを採取したものを片栗粉としていました。現在の片栗粉の殆どはジャガイモのデンプンを使ったものですので、本物のカタクリから採られた片栗粉には滅多にお目にかかれません。

さて、ここには他にも様々な草花が咲いています。



アヤメに似た可憐なシャガの花や、森の一角には





春蘭の群落もありました。

そして、この森でカタクリの花と並んで群落を為しているのが



ワダソウという白い小さな花です。



ワダソウは本州の岩手県以南から九州北部にかけて自生しているナデシコ科の多年草で、直径1cmほどの白い花弁の中に



真っ赤な雄蕊があることが特徴的です。

かつてはあちこちの里山で見られましたが、開発による森林の減少と共にその数を減らしていってしまい、今では絶滅危惧種Ⅰ類に分類されるまでになってしまっています。特に東京都内ではここが唯一の群生地とのことで、はからずも非常に貴重な機会を得ることができたのでありました。

カタクリの花を見ている間、どこからともなく桜吹雪が舞い飛んできました。満開時と並んで散り際もソメイヨシノの一番美しい時ですから、またあちこちでいろいろな花を眺めつつ堪能してみようと思います。

『町田かたかごの森』でのカタクリの花の一般公開は4月4日㈰まで行われています。
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