共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

勘違い召されますな

2013年09月10日 18時58分06秒 | 日記
2020年東京オリンピック開催決定が発表されてから日も経って、さすがにあの日のようなお祭り騒ぎも、世の中的に一段落しました。

ところで、こういうお祭りの開催が決定して国民の大部分が喜んでいると、必ずそのムードに水を差したがる人達というのが蠢動を始めます。はたせるかな今回も、開催決定のその日のうちにわざわざ被災地に飛んで、『震災の復興が後回しになる懸念』を煽るような記事を掲載した新聞がありました。今日も今日とて御覧の通り、案の定消費税増税論議を絡めて、何とか手放しで喜ぶのを阻止しようというネガティブキャンペーンに余念がありません。

あの…先ずきちんとお勉強して頂きたいのですが、先日ブエノスアイレスの総会で発表されたのはオリンピック開催『国=JAPAN』ではなくて『都市=TOKYO』でしたよね。それを見れば分かるように、五輪開催に関しての会場建設や準備というものは『開催都市』が賄うものなのです。勿論、一国の首相が招致プレゼンテーションに関わったからには「国は知りません」とは言えないでしょうが、それでもオリンピック準備にメインの財源として使われるのは国税ではなくて都民税ですから、国庫に直結する消費税や震災復興費とは出所が違うのです。

敢えて国庫金が使われるとしても、第一には各スポーツ法人を束ねる文部科学省の予算で、それは毎年支給されているものです。尤も、来るべきオリンピックホスト国として恥ずかしくないレベルに各競技の選手を育成しなければなりませんから、来年度以降は今までよりも多く予算請求がされるでしょうが…。

本来マスコミというものはそういう基本的な知識を弁えた上で、あくまでも中立の立場からオリンピック招致報道なり被災地報道なりしなければならないはずなのですが、新聞を読んでもニュースを見ても「恐らく聞かれた人がこういう答え方をするように持って行く玉虫色の質問をしたんだろうなぁ…」と思わされることしきりです。

またあるテレビニュースでも、猪瀬都知事と衛星中継でやりとりしていたキャスターが何かにつけて質問にシニカルな内容を絡めていて、始めは穏やかに答えていた猪瀬都知事が、後半では明らかに不快な表情をあらわにする場面もありました。こういうキャスターを見ていると「もしかしたら『自分は今このテレビを見ている全視聴者代表だ』なんて思いながらテレビに映って質疑応答してやしないでしょうね…」と言いたくなります。

別にテレビを見ている人間は誰一人として、こんな勝手なことをペラペラ喋る奴に自分達の考えを代弁してほしいなどという思いを付託した覚えはなく、ただ起きたことを飾らずに伝えてほしいだけなわけです。ですから、こういう輩が時折発する『報道の自由』というものは、実に薄っぺらく聞こえてしまってなりません。

とにかく報道機関には、ただ徒に国民の不安や不満を煽るだけ煽るのではなく、余計なことを飾りたてない中立的な姿勢での報道を望みます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする