【 rare metal 】

此処 【 rare metal 】の物語や私的お喋りの全部がね、作者の勝手な妄想ですよ。誤解が御座いませんように。

夜に集う 男たち

2006年10月01日 01時27分50秒 | 夜の時代 【深夜倶楽部】 
   

 【集合】


今夜起こった大騒動のせいで
深夜の賑やかし 催し会場みたいになった魚町界隈
其処から可也離れた街外れの 二つ目の河を渡った
隣の市街との境目みたいな場所

 河川敷運動公園


少し上流に在る、河川の流れを調整する為の、
小さなダムのようなコンクリートの堰。
河は流れを堰で塞き止められ、其処から南の河口近くまで
淀んだような緩やかな流れとなっていた。 
淀みは夜空の星の輝きを映し出し、長い湖畔みたいになった両岸には

 広大な面積の 河川敷広場

西側が市の名前が謳われた 何々市民運動公園
東が傍の町の名前を冠した・・・・某町民運動広場


堪え切れないほどの 騒音降り注ぐ頭上仰げば、
真夜中過ぎの逢引のように、東西に仲良く並んだ新幹線の大きな鉄橋と
両面四車線の高速道路高架橋 っの二つの黒い影。 覆っています。
時折、その下を通る河川堤防上の国道を 深夜便の運輸トラックが連なって 
消音し切れないジーゼルエンジンの唸りと、無数のタイヤ転がる轟音も高々に
猛然とふっ飛ばし 通り過ぎて行きます。


堤防国道を通りかかる大型運送トラックの 眩しすぎるライトの明かり 
橋下橋脚間の暗がりに潜む 土漠色セダンの屋根の艶影
暗闇に朧と 浮き上がらせ続けます。

時々暗がり奥では、小さな蛍の様な三つの赤い点 瞬き輝き
煙草吹かす者たちです。 暗がり一服です。


三人無言で一本づつ 煙草を吸い終えたから
今度は自分が 真二がもぉ随分前に言ったのを聴いたようなぁ・・・
っなぁ気分な感じの言葉で ボンに聞きました。

「なんでや なんで此処にボンがぁや? 」 っと

 心で此の雰囲気ぃデジャブウやなっ! っとも。

「清美姐さん、おかぁはんの所におります 」
「ぇ!っ なんでお前が清美さんをやっ? 」
「なんでって、姐さんから身元引受人にと、指名されましたさかいにぃ 」
「・・・そぉかぁ 」

「ボン 車もやけど、色々迷惑ぅ掛けて済まんなぁ! 」 

真二が横から手を伸ばし ボンが新しく銜えた煙草に
ジッポで火を点けてやりながら 言いました。

「ぁ、スンマセン・・・・ォオキニ、そないにぃ気ぃつこうて言わんといて下さい 」
「車ぁ大事に使わせて貰ぅてるさかいになぁ 」
「えぇです、幾らでも乗って貰ってえぇです 」

ボンの顔 此の時、 煙草の先の赤く瞬く火光でぇ面ぁ、
疲れた様子も無く、なんかぁ・・・・スッキリしてました。

「ぁ!・・・・此れ、姐さんがぁ 」

「なんや?数珠ちゃうんか! 」
「はぃ 姐さんがぁおかぁはんにぃ託けてぇ、自分がおかぁはんの家出がけにぃ 」
「・・・・誰にや? 」
「誰って、マネェ~ジャァですねん 」
「わいにかぁ? 」

真二受け取るとぉ良く視ようとして、星明りに翳しました。

「ナンで数珠なんや? 」
「姐さんのぉ おかあさんのんやそぉです 」
「!・・・・かぁあさんぅ!っ 」

「おかん!っ てかぁ? 」

自分直ぐに、こんな言葉ぁ吐いてしまったのを後悔しました。

 ホンマのぉ阿保でした。


顎上げて数珠を、暗闇窺いみたいにしていた真二
言葉ぁ続かず 絶句いたしました。


今まで人前で泣いた事が無い男真二が、初めて人前ででっせ、
夜目にも判るほどの大粒の涙をぉ顎から 滴り落ちる雫ぅ・・・!
ぽたぽたと、聴こえる筈無い哀しみぃ雫ぅ落下音
自分のぉ胸の中で ず~っとぉ聴こえ続けていました。


どんな状況でもね、況してぇこないなぁ夜にぃやったら
もぉぅ! 堪らんこともぉありますねん!


自分、ボンとつね連れて、真二から離れて遣りました。
あいつなぁ、離れる俺らの背中でなぁ、もぉ! 凄い男啼きぃしますねん!
どぉぅしようも無かったですからね、自分も啼きますねん。

 ボンとつね? 

タブン、啼いてましたやろかねぇ





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