熊本日独協会/熊本・ハイデルベルク友の会

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熊本日独協会例会「日独交流160周年記念イベント」

2021-11-14 19:57:59 | 活動案内・活動報告
2021年11月14日、くまもと県民交流館パレアで熊本日独協会例会「日独交流160周年記念イベント」が開催されました。


昨年はコロナウイルス感染症拡大によりほとんどのイベントの開催ができませんでしたが、ようやく本日「日独交流160周年記念イベント」を開催することができました。
「今後も皆さんと一緒に、日本とドイツの交流を続けていきましょう」と八戸会長の挨拶がありました。


いよいよ、荻野副会長の講演「ドイツ兵捕虜たちと熊本」です。
第一次世界大戦時、ドイツ人俘虜が日本に4,700名ほどおり、熊本にも651名いたということです。
以前見たことがある映画「バルトの楽園」(徳島板東収容所、ベートーベン「第九」本邦初演)のような光景が熊本にもあったということです。
驚くことに、収容期間約7か月の間に熊本だけで封書・はがきの発信数27,586通、受信数21,931通もあったことや、俸給が支給され、ステーキ・コーヒー・アルコールなどを飲食していたそうです。
熊本で死亡(戦傷や疾病)したのはカール・シリング一等水兵1名のみで、その亡骸は小峰墓地に埋葬されています。(2008年に熊本日独協会が「日独友好の礎」として整備)


次に、吉田理事による「歓喜に寄す~シラーとベートーヴェン~」のレクチャーです。
シラーはドイツ古典主義を代表する詩人、劇作家であり、1785年(26歳)の時に9節からなる長大な詩「An die Freiheit(自由に寄す)」を1791年に完成し、1803年に「An die Freude(歓喜に寄す)」と改訂しました。
ベートーヴェンは1792年(22歳)に「An die Freiheit」に触れ、48歳のころ作曲に着手し、1824年(54歳)に第九交響曲を完成して、ウィーンで初演をしました。初演時はほとんど音が聞こえず、演奏が終わったのも分からなかったけれど、観客の熱狂的な拍手を見るように促されて、やっと成功したことを知ったそうです。
吉田理事は、その時のベートーヴェンの心情を思うと、とても表現できないような気持になるとおっしゃっていました。
二人ともカントの思想に影響を受けており、長い年月をかけてこの第九交響曲が完成したことを、私は初めて知りました。そして、合唱の画像・音声と同時に飛び出すような効果的な日本語字幕を見ながら聴いたことで、より素晴らしいと感じました。

最後はメッツラー銀行主催のオンラインコンサートです。
冒頭にメッツラー銀行代表夫妻、駐日ドイツ大使、在ドイツ日本大使の挨拶がありました。
続いて、フランクフルト歌劇場で指揮者として活躍している森内剛氏のピアノ演奏で、ヨーロッパで活躍されているアンゲラ・ヴァローネ氏(ソプラノ)とA.J.グリュッケルト氏(テノール)の素晴らしい歌声を聴きました。

あっという間の充実した2時間でした。
今後もこのような催しを行いたいと思います。
(s.k.)

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