熊本日独協会/熊本・ハイデルベルク友の会

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熊響演奏会で指揮者の格別のはからい 

2022-11-30 12:43:44 | ハイデルベルク交流
11月20日(日)午後4時からの熊本県立劇場コンサートホールでの熊本交響楽団第111回定期演奏会。1曲目の「大学祝典序曲(ヨハネス・ブラームス作曲)」の約10分間の演奏が終わり、その余韻もおさまったころ、舞台袖に一旦しりぞいた指揮者の松井 慶太氏が再びステージに登場。コンサートでは恒例のスピーチが始まる。
まずは、来場者へのお礼のあいさつ。長身の燕尾服姿がスポットライトに映える。

  

この記事で使用する2枚の写真は指揮者の松井氏の同意を得た上で熊響から提供されたものです。

それが終わり、次は、演奏曲の解説や作曲家の紹介だろうとゆったりと構えていると、一行がソファーから身を乗り出す思いがけない展開が待っていた。

「皆様ご存じのように今年は熊本市とハイデルベルク市が友好都市となって30年です。
 そして、きょうこの会場にハイデルベルクから3名のお客様がお見えです。
 これから歓迎の言葉をドイツ語で述べます。上手くできたら拍手をお願いします。」
続けて、ドイツ語でおよそ次のように呼びかけられた。
〝 ハイデルベルク・熊本友の会のホーボルト会長ご夫妻、ザウアーエッスィヒさん。ようこそ熊本へ!心から歓迎申し上げます。
  私はドイツでも活動してきましたが、ロマンチックな町、ハイデルベルクにはまだ行ったことがありません。
  ぜひ一度、この団員たちと出かけて演奏してみたいと思います。
  本日は、私どもの演奏をお楽しみいただけたら幸いです。 ”
 

間髪を入れず、ホーボルト会長の 〝 ブラボー ” の声が飛ぶ。
指揮者の松井氏のスピーチを讃えるハイデルベルクからのお三方の感激の思いと熱烈な拍手は熊本交響楽団メンバーにもきっと届いたであろう。
それは、ドイツの曲を見事に演奏した団員への称賛でもあった。
そして、この演奏会での出来事はこれまでに熊本を度々訪れたホーボルト会長ご夫妻、ザウアーエッスィヒさんにとっても、最も興奮し、忘れがたい思い出の一コマになったに違いない。

  

   熊本交響楽団 ( Kumamoto Symphony Orchestra )
1965年11月結成。1966年5月、県立図書館ホール(現県立美術館分館)で第1回定期演奏会を開く。
県内外さらには海外での演奏の他、地域に根差した幅広い活動を展開している。
現在は音楽の専門家をはじめ、会社員や公務員、主婦などさまざまな職業の団員約150人で構成されている。
(演奏会プログラムを参照)
ハイデルベルクとの縁も浅からぬものがある。
2000年9月末のハイデルベルクにおける「熊本ウイーク」に選抜弦楽四重奏団が参加。
2002年5月1日、ハイデルベルクコングレスハウスでフルメンバーで演奏。
 友好都市締結10周年のこの年には10月末から11月始めにかけて「ハイデルベルクin熊本」が開かれる。
(2012年発行の熊本日独協会創立50周年記念誌による)

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ハイデルベルクの友人を迎えて 交流2日目 その3 熊響演奏会

2022-11-28 10:22:32 | ハイデルベルク交流
11月20日(日)午後3時、国際交流会館でのドイツフェストを後に八戸会長の車で熊本県立劇場に。16時に開演する「熊本交響楽団第111回定期演奏会」を鑑賞するため。
演奏される3曲はいずれもドイツの作曲家の作品。隣の席のカール(ザウアーエッスィヒ)さんもプログラムを熱心に読んでいる。「25年前はカンジもよめましたけど、もうずいぶんとわすれました。」

     

そもそも、このコンサート鑑賞を提案したのは熊本日独協会の光永邦保会員。光永氏は熊響のメンバーでホルン奏者。高校時代ブラスバンド部で活躍。転勤族であったがその間も楽器から遠ざかることはなく、熊本に帰郷後は定期演奏会に欠かさず出演している。熊本市議会議員の現在2期目。こちらでも能力と経験を十分に発揮している。また、音楽とともにドイツへの愛情と熱意の持ち主である。

1曲目は ヨハネス・ブラームスの「大学祝典序曲」。1386年創立というドイツ最古の大学があるハイデルベルクからの来熊者にふさわしい曲である。特に、最後の学生歌の部分では、お三方が演奏に合わせて「ガウデアームス・イギトゥル」と口の中で唄っているのが聞こえるようであった。
 
2曲目は、ロベルト・シューマンの「ピアノ協奏曲 イ短調 作品54」。
ピアノソロは南部 歌歩子さん。「熊本県玉名市の出身。早くから各種コンクールで受賞。桐朋学園大学卒業後、ウィーン国立音楽マスタークラスを終了。ドイツにて研鑽を積み、ドイツ各地の室内楽演奏会に多数出演、2017年完全帰国。現在、熊本を拠点にソリストや伴奏者として活動。(以上は、プログラムから引用)」
光永氏の勧誘で最近、熊本日独協会に加入された。
南部さんの情熱あふれるピアノ演奏に会場からの拍手は鳴りやまない。アンコールに選ばれたのは甘美で歌いかけるような曲であった。どこかで聴いたような、懐かしいメロディーなのだが。後で光永さんに、同じくロベルト・シューマンの歌曲集「ミルテの花」の1曲目「献呈」をフランツ・リストがピアノ用に編曲したものだったと教えてもらった。

その後、15分間の休憩。ハイデルベルクからの来訪者と知り、声をかけに来てくださる方もあった。

次の2枚の写真は熊本交響楽団のご厚意によるものです。

         

3曲目は、これもR.シューマンの「交響曲第4番ニ短調(改訂版)作品120」。
約30分の楽団員の渾身の演奏と松井氏の長身を活かした躍動感あふれる指揮に会場全体が引き込まれ、演奏終了後もアンコールを求める熱気に包まれた。
そして、松井氏が指揮台に立つといきなりタクトを振り、始まったのは、軽快で激しい曲。「えーとなんだったけなー」と考える内に終了。聴衆の興奮を冷ますよりも更に高めるような演奏であったが、これで終演となった。
コンサートホールを出て車に向かう道すがら、ドイツの3人は、 ” Unter Donner und Blitz " と、八戸会長は、「雷鳴と稲妻」と、それぞれにアンコール曲の題名を口にして、「あれもドイツに関係する曲だったね。演奏も良かったね。」と語り合っていた(ちなみに作曲者は、ヨハン・シュトラウス2世)。

この会話は、熊本県庁東側のゲルマンハウスでの夕食の席でも続き、演奏を終え、およそ30分後に到着した光永邦保会員が加わるとさらに盛り上がる。
「全4曲ともホルンが大活躍でしたね。」と乾杯を重ね、友情が深まる夕べとなった。

    


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熊本城天守閣をドイツカラーにライトアップ

2022-11-25 17:34:58 | ハイデルベルク交流
11月20日(日)午後9時から10時まで熊本城天守閣が特別にライトアップされた。熊本市ホームページでは次のように広報。
「今年は熊本市とハイデルベルク市が友好都市を締結して30周年です。11月20日(日)には30周年を記念して熊本市国際交流会館で「楽しもう!ドイツフェスト」が開催されます。このイベントに合わせ、両市の友好関係の更なる発展への願いを込めて、熊本城天守閣をドイツカラーにライトアップします。」
国際課から案内があっていたので、ハイデルベルク・熊本友の会のハンス・ユルゲン ホーボルト会長、奥様の紀子 ホーボルト・永井さんとカール・ザウアーエッスィヒ理事、また熊本日独協会の八戸和男会長と奥様の契子さん、それに光永邦保会員と7人でゲルマンハウスでの夕食後、[友好の証のライトアップ」を見るために熊本城に向かった。あらかじめ城彩苑・わくわく座に勤務する本協会会員の金澤真美子さんが見学場所として勧めてくれた城彩苑の駐車場から眺めるが黄色に照らし出されるという石垣部分が樹木に隠れて見えない。そこで、長塀通りに場所を移すが、ここからも見通せない。それでも、長塀に投影された熊本城の築城主である加藤清正の3つの家紋を目にできたのは収穫であった。静寂の中に木々の葉と清正の像が明るく浮かび上がるのも美しい。

      

再び城彩苑に戻り、なるべく距離を取るように第一高校の方向に離れる。
そうして光永邦保 会員によって撮影されたのが下の写真。
夜空の下でライトアップされた天守閣が映える。まさにドイツ国旗の色のSchwarz, Rot, Gold ( 黒・赤・金)だ。ハイデルベルクの友人もそれぞれのスマホをかざしていた。

 


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ハイデルベルクの友人を迎えて 交流2日目 その2 ドイツフェスト

2022-11-24 19:59:05 | ハイデルベルク交流
11月20日(日)午前11時、熊本市国際交流会館正面玄関前で熊本市・ハイデルベルク市友好都市締結30周年記念式典が始まる。
主催者を代表して田中隆臣 熊本市国際交流振興事業団専務理事が挨拶。
続いて共催者代表の八戸和男 熊本日独協会/熊本・ハイデルベルク友の会会長。
ハイデルベルク・熊本友の会のハンス・ユルゲン ホーボルト会長は始めに同会の名誉会長ハンス・ギュンター ゾンターク ハイデルベルク大学名誉教授のメッセージを代読。
熊本日独協会の荻野蔵平 副会長(熊本大学名誉教授)の和訳を八戸会長が読み上げる。
ホーボルト会長は挨拶の中でハイデルベルクに語学留学してウクライナ難民支援のボランティア活動を続けているKuwasaki MIho さんを紹介。若い人々への期待を述べる。
会長夫人の紀子 ホーボルト・永井さんは「ドイツについてあるいはハイデルベルクについてお知りになりたいことがあったら遠慮なく声をかけてください」と簡潔に挨拶。
カール・ザウアーエッスィヒ理事は「日本への愛と熊本を3年ぶりに訪問できた喜び」を語る。
式次第ではここまでであったが、熊本日独協会はこの機会にサプライズを用意していた。
ハンス・ユルゲン ホーボルト会長と奥様の紀子 ホーボルト永井さんへの感謝状の贈呈である。
八戸会長が「長年のご功労に感謝し両市友好都市締結30周年記念に際して」と書かれた感謝状をお二人に手渡す。会長が掲げた感謝状は左の面が日本語で右面は荻野副会長が訳されたドイツ語である。
また、昨日、オーデンでお披露目したハイデルベルク・熊本友の会の旗とハイデルベルク市の紋章の旗が熊本日独協会のテントに掲示されていることを紹介。

      
      

  
これで式典は終了。約30分が経過していた。
会場からは「グリューワインのサービスはまだですか」と待ち受ける声が聞こえる。
大鍋から小分けされた容器から小さめの紙コップに注がれた作り立ての冬の味覚に次々に手が伸びる。
陽射しは暑いほどで早速オーデンのビールを求める人も。
取り合わせには阿蘇ナチュラル・ジェイファーム(ゲルマンハウス)のヴァイスブルストがぴったりだ。
荒井さんの「ベッカライ・ブレッツェン」のドイツパンも相変わらずの人気。
世界をよく知るセミナー「ドイツ深堀りマンガ展」にみるMANGAが海外に与えた影響(講師:橋本 博 氏)を終えた人々も会館からあふれ出て来る。
「先着100名様」と表示されたグリューワインのテーブルの前にも行列ができる。
ホーボルト紀子さんはドイツから持参されたこの季節のクッキーや本場ドレースデンのシュトレンをふるまわれる。
これらのスイーツとともに先着100名様のグリューワインのサービスも1時間半ほどで「売り切れ」。
用意した紙コップ180個がすべてなくなったということで予定よりたくさんの方が「試飲」され、成功と言える。
この日、熊本市国際交流会館では「ドイツ深堀りマンガ大賞」作品展や熊本市国際交流員アンナ・ザイツさんの「ハイデルベルク市に手紙を書こう!」も開かれ、多くの皆さんがドイツを楽しんだ。
熊本日独協会の会員にとってもコロナ禍で集まりが制限される中、久しぶりに顔を合わせ語らう機会となった。
この催しの準備と運営に当たられた熊本市国際交流振興事業団のスタッフと熊本日独協会の会員の皆様にお礼申し上げます。

      
      
      

ゾンターク名誉会長とKuwasakiさんの関連記事
「 Sommerfest2022 熊本友の会の夏祭り」2022-08-09
「 友の会の夏祭り 熊本からの参加者 」 2022-08-09
「 友好都市の若き才能を育む ハイデルベルクサマーサイエンススクール 」2022-08-18





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ハイデルベルクの友人を迎えて 交流2日目 その1 グリューワイン作り

2022-11-23 13:07:21 | ハイデルベルク交流

11月20日(日)は雨の予報で心配されたが晴れの暖かい一日となった。
この日の主なプログラムは、熊本市・ハイデルベルク市友好都市締結30周年記念式典出席と熊本交響楽団第111回定期演奏会鑑賞。

記念式典は熊本市国際交流振興事業団と共催し熊本市国際交流会館で開かれる「ドイツフェスト」の一環として行われた。
ドイツフェストは10:00から16:00までで、”マンガ”に関する講演や「異文化カフェ・ドイツ」としてハイデルベルクに手紙を書くプロジェクトなどが各フロアで実施された。
10月の「オクトーバーフェスト」と同じようなバザーも開催。
チラシには「グリューワイン(試飲 なくなり次第終了)」と書き込まれている。

その特別のサービスのため「ドイツフェスト(2022年11月20日)で楽しむグリューワイン会館流レシピ」が作成された。
全くのオリジナルレシピであり、どんな出来具合になるか作ってみないとわからない。
前日までに材料の調達を終え、当日の朝から果物の皮を剥いたりの仕込み。
10時から香辛料にレモンを絞りかけることに始まる本番の作業。
途中、ハイデルベルクの友人も現われ一緒にテイスト。
11時からの式典直前に完成。

       
      
  
           




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