いまジャーナリストとして

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参院選が終わって(2)・・・どの政党に投票すればいいのだろう?「革新」が消えた影響が大きい。

2013年07月25日 02時11分37秒 | 日記

 今回の参院選は、どの政党、どの候補者に投票するか、
迷った方が多いのではないでしょうか。
 
 もちろん、自民党を支持する人は、すんなり自民党に投
票したでしょう。
 公明党もそうでしょう。
 共産党もそうだと思います。

 残りの有権者は、迷いました。
 前回触れた「反自民」の人々です。
 2009年夏の総選挙では、その人々は、多くが民主党
に投票しました。民主党が「反自民」のシンボルだったの
です。その結果、歴史に残る政権交代が実現しました。

 ところが、民主党は、政権を座にあった3年半の間、無
様な姿をさらし続け、国民の期待をひどく裏切ってしまい
ました。
 ですから、2009年に民主党に投票した有権者も、今
回は、多くが、民主党には投票する気にはなれなかったで
しょう。
もちろん、民主党員などコアな支持者は別ですが、20
09年に「反自民」の票を民主党に投じた有権者は、もう
がっかりしてしまって、たとえ「反自民」でも、今回は民
主党に投票する気にはならなかったでしょう。

 ここで大きな問題が起きます。
 「反自民」という点では変わらない有権者が大勢います。
 では、自民党以外に投票するとして、民主党は、もう、
こりごりだ。
 公明党、共産党は、パスしたい。
 そうなると、残るのは、
 既存の政党では、社民党です。
 新しい政党では、みんなの党、維新の会、生活の党、み
どりの風ーーというところです。

 社民党は、血筋からいえば旧社会党の流れをくむ正当派
の革新政党ですが、いかんせん、小さすぎる。
 生活の党は、民主党から分裂し、小沢一郎氏が率いる政
党です。いかにも小沢色が強すぎて、小沢一郎ファンでな
ければ、ちょっと敬遠したい。
 みどりの風は、爽やかな雰囲気があるけれども、できた
ばっかりで、さて、いったい、どんな政党なんだろう。
 
 残るのは、みんなの党と、維新の会です。

 みんなの党と維新の会は、そこそこの議員を持ち、似た
ような規模の政党です。
 しかし、反自民の受け皿になるかというと、ちょっと違
うだろうというところがある。
 なによりもまず、どちらも、憲法改定に賛成している。
 日本における「革新」あるいは「反自民」は、憲法9条
を守る「護憲」がひとつのキーワードでした。
 いろんな勢力が、「護憲」の一点で集まるのが革新とい
うイメージがあった。
 ところが、みんなの党も維新の会も、「護憲」ではない。
むしろ、憲法改定を念頭に置いている。
 とくに維新の会は、石原慎太郎氏が共同代表になって、
タカ派のイメージが出来てしまった。自民党より右よりと
いう感じさえある。
 そんな状況では、長年の「反自民」の人が、みんなの党
や維新の会に投票するかというと、正直、ちょっと投票し
にくい。

 さて、そうなると、ずっと「反自民」だったという有権
者、「革新」を支持したいという有権者は、票を投じるべ
き政党がなくなってしまうのです。

 「反自民」だから、自民党には投票したくない。
 本来なら民主党に投票したいが、いまの民主党にはもう
がっかりしてしまい、とても、民主党に投票する気にはな
らない。
 そこで受け皿になるべきなのは、みんなの党と維新の会
だが、どちらも「革新」というにはちょっとタカ派のイメ
ージがある。「反自民」だからといって、みんなの党や維
新の会に投票しようという気にはならない。

 今回の参院選は、こういう状況になってしまい、結局の
ところ、どの党に投票すればいいのか分からない。うーむ。
投票すべき政党がなくなってしまったら、投票する意味は
ないのではないか。
 そう考えた有権者が、多かったのではないでしょうか。

 今回の参院選は、歴史的にはかなり重要な意味を持つ国
政選挙でした。 
 本来なら、もっと投票率が上がるべきだったのに、むし
ろ、ワーストに近いような低い投票率でした。
 それは、
 「どの党に投票したらいいのか分からない」
 「投票すべき党がない」
 「反自民で、いったい、どこに投票すればいいんだ」
 という有権者が多かったからではないかと思います。

有権者にこんな行動を取らせてしまった民主党の責任
は、本当に大きいと思います。
 これほどの事態を引き起こした民主党は、一度、解党し
て出直すしかないのではないでしょうか。



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