いまジャーナリストとして

 いま私たちの目の前に、次々と現れるニュースをどうとらえ、どう判断するか・・・ジャーナリストの日誌。

新元号と韓国・・・これだけ反日をしておいて、「今後も未来志向で発展を」とは、よくいえたものです。三権分立という言葉がくせ者です。

2019年04月04日 22時19分28秒 | 日記

 新しい元号、令和が発表され、各国政府が反応を示しています。
その中で、違和感があったのが、韓国政府の反応です。韓国の外務
省の報道官は、令和が発表された翌4月2日、「今後も、韓日(日
韓)関係が未来志向的に発展していくよう期待する」という談話を
出しました。

 もともと反日の国ですが、文在寅大統領になって、反日が一層ひ
どくなりました。
 元の駐韓国大使だった武藤正敏氏が、文大統領のことを「北朝鮮
のことにしか関心がない」と述べています。実際、その通りで、こ
れだけ日韓関係が悪化しても、文大統領は知らぬ顔です。

 韓国の最高裁が、韓国人のいわゆる元徴用工の訴訟で、日本企業
に賠償を命じる判決を出しました。
 これに対し、日本政府は、1965年の日韓基本条約で解決済み
だとし、2国間協議などを求めていますが、韓国政府は、何の対応
も見せていません。この問題は、日韓関係の根本的な所に関わりま
すから、本来なら、文大統領が自ら表に出てきて、対応すべきもの
です。政府の最高責任者が対応しないと、解決しないでしょう。

 韓国政府は、現代の国家は三権分立だから、司法の判断は尊重し
なければならない。政府は司法には介入できないーーという言い方
をしています。
 最高裁の判決には、政府があれこれ言える立場ではないというわ
けです。

 しかし、この「三権分立」という言葉がくせ者です。
 三権分立は、もちろん、立法、行政、司法の三権は、それぞれ独
独立しているという考え方です。
 原則はその通りですから、韓国政府にそう言われると、日本政府
もなんとなく反論しにくいのかもしれません。

 しかし、実際には、三権分立が守られているかというと、そんな
ことはないのです。
 どの国でも、最高裁長官、最高裁判事は、政府つまり行政府が指
名します。アメリカでも日本でもそうです。韓国もそうです。
 司法の最高責任者を、行政府が指名するのですから、三権分立は
もともと、危ういところがあります。

 いわゆる元徴用工の問題で日本企業に賠償金を払えという判決を
出した韓国の最高裁長官は、金命洙(キム・ミョンス)氏といい、
文大統領が指名しました。韓国の国会でこの人事が審議されたとき、
人事聴聞会の報告書は、「実務に精通した適任者」という評価と、
政治信条が文大統領に近いので「司法の中立性」が疑問視される評
価とを、両論併記しました。韓国にも、司法の中立性、つまり三権
分立に対する懸念があったわけです。

 そもそも大統領が指名した最高裁長官です。大統領は、当然、そ
ういう判決が出ると想定していたわけです。

 もっとすごいのは、この最高裁判決と相前後して、韓国の検察庁
が、前の最高裁長官、梁承泰(ヤン・スンテ)氏を逮捕したことで
す。梁氏は、朴槿恵・前大統領の時代の最高裁長官です。
 逮捕の容疑は、梁氏が、いわゆる元徴用工の訴訟で判決を出すの
を遅らせたとというものです。

文大統領が指名した最高裁長官が、いわゆる元徴用工の訴訟で日
本企業に賠償金の支払いを命じる判決を出しました。
 そして、朴槿恵・前大統領の時代の最高裁長官を逮捕しました。
 
 これのどこが、三権分立でしょう。
こんなことをしておいて、政府は司法の判断を尊重するとか、政
府は司法には介入しないとか、主張しても説得力はまったくありま
せん。そこにあるのは、三権分立や司法の独立ではなく、政府(行
政)による司法への介入です。

 三権分立で、行政、司法ときて、残るは、立法(国会)です。
 韓国の国会議長が、アメリカの通信社のインタビューに、慰安婦
問題は日本の天皇が謝るのがいちばんいい、というような発言をし
ました。これには、さすがに、日本の世論が猛反発しました。

 三権の下にコントロールされているのが軍隊ですが、日本近海で
北朝鮮の船の近くにいた韓国の軍艦に自衛隊機が近づいたところ、
韓国の軍艦がレーダーを照射するという大事件がありました。
 
 文大統領になって、反日の動きがエスカレートしています。
 そして、文大統領は、それを鎮めようとは、一切していません。
 これだけ反日をしておいて、新元号の令和について、
 「韓日(日韓)関係が未来志向的に発展していくよう期待する」
とは、よく言えたものです。
 
 武藤元大使の言う通り、文大統領は北朝鮮のことしか頭にないと
いうことなのでしょう。





欧州に浸透する中国・・・習近平主席を迎えたメルケル首相の愛想笑いは、ちょっと驚きでした。

2019年03月28日 17時57分08秒 | 日記

中国の習近平主席が欧州を訪問し、パリで、フランスのマクロン大統領、
ドイルのメルケル首相、EUのユンカー委員長と4者会談をしました。
会談の会場に習近平氏を迎えたとき、メルケル首相が見せた笑顔には
驚きました。笑顔と書きましたが、誤解を恐れずにいえば、失礼ながら、
おもねるばかりの、卑屈とも思えるような愛想笑いでした。メルケル首相
は、国際会議でもあまり笑顔を見せず、どこまでもまじめです。
こんな様子は、初めて見ました。
メルケル首相の様子を見ていると、中国がいかにドイツに浸透している
のか、よく分かります。

中国は、中国から欧州に至る地域を一体化しようというい一帯一路の
政策を掲げています。
中国の狙いを言えば、その地域の国を財政的に支援し、中国に組み
込もうということになります。
すでに、ものすごい財政赤字で倒産しかかったギリシャは、中国から圧
倒的な資金支援を受け、中国のいいなりのような感じになってきました。

つい最近は、イタリアが一帯一路への参加を表明し、その見返りとして、
中国がイタリア国内の港湾施設に資金支援をすることになりました。い
ずれ、その港湾を中国が事実上の支配下に置くのではないかと懸念さ
れています。
イタリアは、G7(主要国首脳会議)のメンバーであり、欧州の中核の国
です。ギリシャとはわけが違うのです。

そこで、ドイツ、フランス、EUが、習近平主席に、釘を刺しておこうとい
うのが、今回の4者会談を開いた欧州側の狙いでした。
実際、その席上、マクロン大統領は、「EUは一体だ。中国は、そのこと
を理解してもらわないと困る」と苦言を呈しました。これは、イタリアを念
頭に置いたものではないかとみられています。

これに対し、習近平主席は「保護主義や一国主義に対し、我々は多国
間主義の旗を掲げなければならない」と述べました。
習近平氏は、就任に際して「中華民族の復興」を掲げ、これまでの中
国にない拡張主義を取っています。これはもう、一国主義、古くからな
じみのある言葉でいえば中華主義そのものです。
その習近平氏が、よくまあ、「一国主義に対し」とか、「多国間主義の旗
を掲げ」とか、言えるものです。
 しかし、ドイツのメルケル首相の愛想笑いを見ていると、欧州は、中国
に、もうかなりやられているなと思わされます。ドイツは、フォルクスワーゲ
ンにとって中国は最大の顧客ですから、経済面を考えると、無理もありま
せん。
 習近平主席は、この会談を受け、欧州から、欧州の航空機エアバスを
300機、購入すると発表しました。
 欧州の主力機を300機も買うんだから、あまり文句言わないでね、という
感じさえします。

 欧州にとって、中国とロシアの存在は、まるで違います。ロシアに対する
欧州の警戒感は大変なものです。ウクライナの領土紛争では、欧州あげ
て、ロシアを批判しています。しかし中国に対しては、警戒感が薄いので
す。警戒感はほとんどなかったのではないでしょうか。
 逆に、日本は、中国に対し、南シナ海や尖閣諸島をめぐり、強い警戒感
を持っています。しかし、ロシアに対しては、北方4島をめぐる領土問題が
あるものの、それ以外では、なんとなく親近感を持っています。スケートの
メドベジェーワ選手やザキトワ選手も日本びいきです。その反面、ウクライ
ナの紛争は、どこか遠い場所のことでした。

 何年か前の日経新聞が、このことに、有益な比喩を紹介していました。
 アメリカか欧州、どこだったか忘れましたが、研究機関の外交問題の研
究者が、こう話したというのです。
 ・・・
熊は、後ろから見ると、丸い背中に毛がもふもふ生えていて、どこかユ
ーモラスでかわいい動物だ。しかし、前から見ると、かわいいどころか、
鋭い牙の生えた大きな口を持ち、相手を一気にかみ殺す獰猛な動物
だ。
 ロシアと中国は、この熊みたいなものだ。
 ・・・
 なるほど、これは、よく分かります。

 欧州にとって、ロシアという熊は、正面を向いていて、いつも牙をむき出
しにしています。これは警戒すべき相手です。しかし、中国は、日本やア
メリカと対立してきたので、欧州にはいつも背中を見せていました。熊の
背中は、かわいく見えるのです。
 日本にとっては、これが逆になります。ロシアは、陸続きの欧州と対立し

てきたので、欧州には牙を見せていましたが、日本には、毛のふさふさし
たかわいい背中を見せています。だから、日本は、かわいいロシアを見て
います。ウクライナがまさにそうでした。しかし、中国は、日本のすぐ隣りに
あり、日本は、いつも中国の正面の怖い顔を見ています。

 欧州は、ロシアを警戒しますが、中国のことは警戒しない。
 日本は、中国を警戒しますが、ロシアのことはあまり警戒しない。
 そういう構図になるのです。

 その欧州も、ギリシャに続き、イタリアまで中国の一帯一路に組み込ま
れたのを見て、ようやく警戒し始めたのでしょう。
 しかし、メルケル首相の態度を見ていると、その警戒感は、日本が中国
に対して持つ警戒感とはまるで比較になりません。

 欧州は、さあ、これからどうするのでしょう。
 このままでは、かつてジンギスカンが率いた元のように、中国がその版
図を欧州にまで広げかねないようにも思います。








厚労省の統計不正・・・いくら追及しても野党の支持率は上がりません。これは政治とは関係ない官僚組織の問題です。

2019年03月25日 17時35分27秒 | 日記

厚労省の統計の不正問題は、論点、問題点を、いくつかに分けたいと思
います。
第1に、野党の存在感の薄さです。
第2に、この統計の調査についての問題点です。
第3に、官僚組織の問題点です。

ひとつひとつ書いていると長くなります。
まだ、このブログは再開したばかりなので、今回は、コンパクトに記してお
きたいと思います。

 簡単に整理しておくと、厚労省は、労働関係の重要な統計の調査、発
表を受け持っています。もともとは、旧労働省の担当だった統計です。
 その統計の調査で、ひとつは、調査員が企業に足を運んで聴き取り調
査することになっているのに、郵便による調査に切り替えていました。
 もうひとつは、対象企業をすべて調査(全数調査)すること
になっていたのに、適当な企業だけを取り上げるサンプル調査に切り
替えていたのです。これが勤労統計で、先に発覚しました。
 
さて、第1の問題、野党の話です。
 全数調査をサンプル調査に切り替えていたことがわかると、野党が
猛烈に批判し始めました。
 モリカケ問題に続き、ここぞとばかりに、安倍内閣を攻撃しています。
「アベノミクスに都合のいい統計数字を出すために、意図的に、そうし
たのではないか」というわけです。
 国会では、いっとき、この問題ばかりでした。
 しかし、結論からいえば、この統計の問題で、安倍内閣を攻撃するの
は、ちょっとスジが悪すぎます。野党は、安倍内閣を倒閣にと意気込ん
でいますが、これで内閣を倒すのは、無理です。

 まず、統計不正は、確かに大問題ですが、これは安倍内閣のミス、政
府のオウンゴールです。野党の手柄ではありません。
 モリカケも、やはり、安倍内閣のミスでした。
 ミスをいくらたたいても、支持を集めることは出来ません。
 実際、統計不正が明らかになった後も、安倍内閣の支持率は、下が
ってはいません。むしろ、野党各党の支持率が、依然として低迷してい
ます。これは、モリカケでもそうでした。
 政府のミスを追及しても、国民の支持を得ることは出来ません。
 どうして、そんなことに気付かないのでしょう。

 日本を取り巻く環境は、大きく変わり続けています。
 国内では、それこそ、アベノミクスを、これからどうするのか。
とくに日銀の超金融緩和をこれからどうするのか。少子高齢化をどうす
るのか。 
 国外では、膨張する中国にどう対応するのか。相変わらず反日の動きを
続ける韓国にどう対応するのか。そんな状況下で、トランプ大統領のアメ
リカとどうつきあっていくのか。イギリスのEU離脱で日本はどうするのか。

 重要な課題が山ほどあります。
 統計不正は、確かに問題ではあるけれど、日本の政治経済を根底か
ら動かすような話ではありません。いまの日本にとっては、いまパッと列
挙しただけでも、もっと重要な課題が山ほどあります。国会では、そうい
う課題を議論してほしい。野党に期待するのは、それです。

第2に、統計自体の問題です。
今回の問題が表面化して、実は私が一番驚いたのは、毎月勤労統計
は全数調査が義務付けられていたということです。
いまどき、統計で、対象を全部調べる全数調査というのは、聞いたこと
がありません。
テレビ局が非常に気にする「視聴率」ですが、視聴率は、関東地区の
場合、対象の家庭は、関東地区で、わずか900戸です。これは数字の
タイプミスではなく、本当に900戸です。
たった900戸の家庭がどの番組を見ているかで視聴率を出し、それに
テレビ局は、一喜一憂しているわけです。
えっ?と思いますが、統計的には、それでいいのだそうです。
新聞社の世論調査も、せいぜい1000人、2000人が対象です。
そんな中で、全数調査する勤労統計が、珍しいのです。
すべての統計で同じように全数調査し始めたら、ほかの仕事は出来な
くなるでしょう。
だから、厚労省の担当者のだれかが、全数調査は意味がないからサン
プル調査にしようと思って切り替えても、無理はないのです。
ただし、問題は、それを、こっそりとやったことでした。
正々堂々、「全数調査は意味がありません」と問題点を指摘し、「サン
プル調査に変更します」と宣言して切り替えれば、何も問題はなかった
のです。

  第3に、官僚組織の問題です。
いま述べたことに関わることですが、厚労省の担当者は、「全数調査は
意味がないからサンプル調査に切り替えます」と、なぜ、言えなかった
のでしょうか。
言い出せば、調査方法を切り替えるために、種々な手続きが必要にな
り、たぶん、面倒だったのだろうと思います。
 これは何も官僚組織だけの問題ではなく、民間の会社でも、やり方を
変更するというのは、面倒なことです。ただ、官僚組織のほうが、より面
倒なことは間違いありません。
風通しがいいとは言えないのです。

 もっと大きな問題は、旧厚生省と旧労働省を合併して厚生労働省を作っ
たのは、間違いだったのではないかという疑問です。
 厚労省は、いま、守備範囲がものすごく広くなっています。
 だから、人手が足りなくなる。
 全数調査をやめたのも、調査をするための人手が足りなくなったからです。
霞が関の官庁は、2001年に、大規模の省庁再編成が実施されました。
 厚労省も、その再編成で出来ました。
 行政改革、行政の効率化というのが狙いでしたが、もし、間尺に合わな
い部分があれば、考え直してもいいのではないかと思います。

 第4に、というか、まとめとして、政治と行政、政治と官僚の関係です。
ここで取り上げた問題は、官僚機構に内在する問題です。政治とはあ
まり関係がありません。
 2009年から3年あまり、民主党政権の時代がありました。その時代にも、
厚労省の統計不正は続いていたのです。民主党は、統計不正を是正
できかというと、そんなことはないのです。
統計調査というのは、役所の問題、官僚組織の問題です。

 つい最近、厚労省の現職課長が、韓国の空港で酔ってあばれ、逮捕
されるという事件がありました。野党からは、「官僚に対する首相の監督
責任」を問うというような声も出ていますが、しかし、それは、それこそ無
理筋というものでしょう。
 民間企業で、課長や部長が酒を飲んで暴れ、警察のお世話になった
としても、社長の監督責任が問われるなどということはありません。
官僚がやった統計の不正で、政治の責任を問うのは、無理筋です。

 今回の統計不正は、厚労省が早く改善策を決め、実行する。
 それを見て、野党は速やかに撤収する。
 そうして、国会は、日本を取り巻く課題に取り組む。
 それが筋というものです。


国連の「幸福度」の続きです・・・予想通り、朝日の素粒子が取り上げました。それにしても、国連は最近、日本を低く評価します。

2019年03月23日 12時26分15秒 | 日記

 国連が3月21日に発表した世界各国の幸福度で日本が58位と
低かったニュースは、予想通り、朝日新聞が翌22日の夕刊で、こ
れも予想通り、一面のコラム「素粒子」で取り上げました。あまり
に予想通りで、びっくりしました。いや、びっくりしませんでした、
というべきでしょうか。

 全文、といっても、素粒子は短い文章なので、次に掲げておきます。
 ***
  
 ずいぶん乱暴な順位づけだ
と思うが、「過去最低」なら
ば理由は知りたい。「世界幸
福度」で日本が58位に沈む。

  ***

 朝日新聞のことですから、この幸福度が低かったことを、例えば、
 「日本の幸福度58位。アベノミクスの成功を喧伝する安倍首相
はどう思う」
 「幸福度58位。安倍首相はアベノミクスは成功と言うが、国民
の実感はこんなもの」
 というような書き方をするものと思っていました。

 実際の素粒子は、意外にまともな書き方をしました。
 日本嫌いの朝日新聞が「ずいぶん乱暴な順位づけと思うが」と書
くのですから、国連の幸福度、やはり、かなり乱暴というか、無茶
なランク付けだったのだと思います。

 ただ、朝日が「過去最低だったのなら、理由を知りたい」と書い
たのは、言外に、「アベノミクスとかなんとか言うけれど、国民の
実感はこんなものですよ、安倍首相?」という感じが含まれている
と思います。

 まあ、朝日のことはさておくとして、各国の幸福度などと、国連
は、いったい何をやっているのかと、改めて、思います。

 国連は、この十数年、各種の報告書を出すたびに、日本のことを
低く評価する傾向が強まっています。
 何年か前には、国連の報告書が、日本の天皇が男性ばかりなのは
おかしいという文章を盛り込み、これはさすがに強く批判されました。
 別の年に国連は、日本の女子高生の多くが売春をしているという
趣旨の報告書を出し、日本は、その根拠を示せと猛烈に反論しまし
た。どうやら、ちょっと聞き取りをしただけで報告書を出したよう
でした。
 厳密には、国連、というより、いずれも、国連の関連団体、関連
委員会の報告です。決して国連本部というわけではないのですが、
しかし、普通には、国連の名前が付いたら、国連本部なのか国連の
委員会なのか、区別もつかないでしょう。

 日本政府は、こうした理不尽な発表には、しっかり反論をしてい
おく必要があるでしょう。幸福度の場合、寄付をしたら他者に寛容
としているそうですが、そんなおかしなことはないと、きちんと抗
議しておく必要があると思います。
「沈黙は金、雄弁は銀」という言い方がありますが、国際社会で
は、これは絶対に通用しません。
 国際社会では、「沈黙は悪」です。







ブログ再開の準備中です・・・その前に。国連が各国の「幸福度」を発表しました。でも、こんな調査、何の役に立つというのでしょう。国連もおかしい。

2019年03月22日 01時55分09秒 | 日記

  
 しばらく、当ブログをお休みしていました。
 いま、準備をしておりますので、近いうちに、再開できると思い
ます。
 再開しましたら、また、ご愛読をお願いします。

 再開にあたってのテーマは、
 ・ 長期的課題
 ・ 中期的課題
 ・ いまの課題(短期的課題)
 に分けて考えています。

 長期的課題は、例えば、地球には何人まで住むことができるのだ
ろうか、というような話です。1970年ごろ、地球の人口は35億人
で、当時、地球に住める人口は、最大50億人までではないか、という
見方がありました。
 ローマクラブが、地球は人口爆発でいずれ危機的状況を迎
えるという衝撃的な報告を出したのも、このころです。報告は、
「成長の限界」という本になっています。
 21世紀のいま、地球の人口は70億人を超えます。はたして、
地球は、私たち人類は、やっていけるのでしょうか。

 中期的課題は、中国が経済規模でアメリカを抜く日は来るのか?
というような話です。中国が覇権を握った世界というのは、どういう
ものになるのでしょうか。
 
 いまの課題、短期的課題は、例えば、日本と韓国の関係です。韓国の
文在寅大統領を見ていると、北朝鮮のことしか頭にないように見えます。
いったい、韓国はどこへ行くのか。

 そんなテーマを考えています。
 ただし、ブログを再開する前に、きょうは、どうしても書いてお
きたいことがあります。

 きょう19年3月21日、国連が世界の国の「幸福度」というも
のを発表しました。
 1位 フィンランド
 2位 デンマーク
 3位 ノルウエー
 4位 アイスランド
 5位 オランダ
 6位 スイス
 7位 スウェーデン
 8位 ニュージーランド
 9位 カナダ
 
 などとなっていて、日本は58位だそうです。
えっ? 
 なんで、こんなに低いのかなと思います。

 幸福度を決めるのは、
 ・一人当たりGDP(国内総生産)
 ・健康寿命
 ・政府と社会の腐敗のなさ
 ・社会の自由度
 ・他者への寛大さ
 ・社会的支援
 だそうです。

 日本は、
 ・一人当たりGDP 24位
 ・健康寿命      2位
 ・腐敗のなさ    39位
 ・社会の自由度   64位
 ・他者への寛大さ  92位
 ・社会的支援    50位
 となっています。

 NHKの夜7時のニュースでも、そこそこ大きな扱いで取り上げ
ていました。
 解説を聞いていると、
 社会の自由度は、職業や人生を選ぶ自由さだそうです。
 他者への寛大さは、例えば、先月寄付をしていたら、ポイントが
上がるのでそうです。
 
私たち現代の日本人は、職業や人生を、基本的に、自由に選べて
います。
 江戸時代なら士農工商で、どの職業の家に生まれたかで、人生も
職業も決まっていました。
 いまは、そんな時代ではありません。 農家に生まれてもビジネス
マンになれるし、サラリーマンでもその気になれば立候補して議員に
なれます。
 
 そんな日本で、社会の自由度が64位というのは、腑に落ちません。

 また、先月寄付をしたかどうかが、他者への寛大さで大きなポイ
ントとなるというのは、腑に落ちないを通り越して、噴飯ものです。
 日本には、基本的に、寄付文化がありません。
 秋の赤い羽根や歳末助け合いでは大勢の人が募金に応じますが、
あれは、日本人としては、寄付をしたという感覚ではないように思い
ます。もし、赤い羽根で募金して赤い羽根を服に差している人が、
国連の調査で「あなたは先月、寄付をしましたか?」と質問され
たら、「いいえ」と答えるのではないでしょうか。それが日本人の
感覚でしょう。

 欧米には寄付文化があります。オペラや音楽の演奏会には、その都度、
大勢の人が寄付をします。演奏会のプログラムには、だれがどれだけ
寄付をしたか、細かく記してあります。
 寄付をしたかどうかを他者への寛大さの判断材料にするのは、明
かに欧米の価値判断です。国連の調査は、判断が偏っているとしか
いいようがありません。
それが証拠に、というわけではありませんが、トップ10は、
欧米、とくに欧州の国ばかりです。欧州的な価値判断で、幸福度な
るものを決めているのではないかといわざるをえません。

 この幸福度調査、おかしなことが多く、つっこみどころがたくさ
んあるのですが、しかし、それよりなにより、こんな調査をする意
味は、どこにあるのだろうかと疑問に思うのです。
 国連という国際組織が、「幸福度」というものを、極めてあいま
いな定義で決める。
 そして、世界各国の「幸福度」を出し、「幸福度」で順位をつけ
る。
 順位をつけて、国連は、いったい、何をしようというのでしょう。
 幸福度を出して、国連が何かしたという話は、あまり聞いたこと
がありません。
 そもそも、これが、何の役に立つというのでしょう。

 ただ「幸福度」を出して公表する。
 そんなことは、民間の調査会社にでもまかせておけばいいのです。

 この調査、世界のすべての国を対象に調べたのでしょうから、けっ
こうな人手と時間、けっこうな資金がかかっていると思います。
 正直、そんなことをしている時間とお金があるのなら、シリアや
アフリカの紛争地域に、その時間とお金を使ったらどうかと思いま
す。
 国連は、おかしくなっています。

 しかし、この幸福度、日本の新聞は、
 「わが日本の幸福度は、こんなもの」
 というような記事を書きそうな気がします。
 とくに朝日新聞は、22日の夕刊の「素粒子」で、書きそうな予
感がします。


大阪で大きな地震がありました・・・これは95年の阪神大震災と同じタイプの地震です。このタイプはどこで起きてもおかしくありません。

2018年06月20日 01時01分38秒 | 日記

 6月19日の火曜日はサッカーのワールドカップで、日本がコロ
ンビアに2-1で勝ちました。
 その話を書く前に、18日の月曜日に起きた大阪の地震の話を書
こうと思います。

 大阪の地震は、18日の午前8時少し前に発生しました。
 震度6弱です。
 東京でも、敏感な人は、感じたようですが、普通の人は、まず、
気が付かなかったでしょう。
 それに、8時少し前というと、サラリーマンにとっては、出勤間
際のあわただしい時間帯で、駅まで歩いている最中とか、電車の中
とか、そんな感じだったと思います。
 私も、すぐには気がつきませんでした。
 食事をしながら、何気なくテレビの画面を見て、速報で知ったよ
うなことでした。
 
 私の実家は神戸市にあり、1995年の阪神大震災で被災しまし
た。私自身は東京に住んでおり、私自身が直接の被害を受けたわけ
ではないのですが、当時、地震で壊滅した神戸の街をテレビで見て、
「まさか」と、本当に心の底から、驚きました。
 
 今回の大阪の地震を知ったとき、まっさきに思い出したのが、阪
神大震災です。神戸、大阪の人は、みな、そうではないでしょうか。
そこで、18日は、とにかく、大阪の街がいったいどうなったの
か、テレビに見入りました。
 不幸中の幸いというべきなのでしょう。
 85年の神戸と違い、大阪の街そのものは、大きな被害を受けな
かったようです。
 もちろん、ブロック塀の倒壊で亡くなった小学生の女の子は、本
当にかわいそうです。学校の委員で、早く登校し、校門でみんなに
声をかける役割だったため、早くに家を出たそうです。そんな役を
していなければ、ブロック塀の倒壊に巻き込まれずにすんだのに。
 
 新幹線が止まったのはしようがないとしても、大阪、神戸のJR
と私鉄のすべてが止まったというのは、どうなんでしょう。
 新幹線は午後、動き始めましたが、JRと私鉄は、夕方の帰宅時
間にも止まったままだったようです。
JRと私鉄のほうが、新幹線より運転再開が遅いというのは、ど
う考えてもおかしいように思います。

 一日あけて、19日の火曜日になり、JRも私鉄も動き、落ち着
いてみると、幸い、被害はそれほどには拡大しなかったようです。

 しかし、この地震は、プレートが動いたものではなく、断層の動
いた直下型の地震でした。
 これは、阪神大震災と同じタイプの地震です。
 このタイプの地震は、日本では、全国どこでも起きる可能性があ
ります。
 95年はたまたま神戸、今回2018年はたまたま大阪だったと
いうだけのことです。
 私たちは、地震の多い国に住んでいます。
 そう思い定めて、地震と付き合うしかないですね。






米朝首脳会談の「非核化」とはなにか?・・・北朝鮮の非核化ではなく、どうやら、朝鮮半島の非核化のようです。では在韓米軍は撤退するのでしょうか。

2018年06月13日 02時02分04秒 | 日記

 トランプ大統領と金正恩委員長の米朝首脳会談で、当初から気に
なっていたのは、「非核化」が、「北朝鮮の非核化」なのか、「朝鮮
半島の非核化」なのか、ということでした。
 6月12日の会談では、どうやら、
 「朝鮮半島の非核化」
 のようです。

 アメリカがその違いを認識しないまま認めたということは、いく
らなんでもありえないでしょうから、アメリカも、分かって「朝鮮
半島の非核化」としたのでしょう。 

 朝鮮半島の非核化だと、韓国も非核化することになります。
 韓国は核兵器を持っていないので、あるとすれば、在韓米軍が保
有する核兵器でしょう。
アメリカは、在韓米軍が核兵器を持っていることを、認めてはい
ません。しかし、在韓米軍に核があることは、暗黙の了解みたいな
ものでしょう。

 「北朝鮮の非核化」なら、北朝鮮が開発した核兵器の破棄、とい
うことになります。
 実現は難しいでしょうが、話としては、分かりやすい。

 しかし、「朝鮮半島の非核化」なら、話はややこしくなります。
 北朝鮮とすれば、北朝鮮の核を廃棄するのなら、韓国の核すなわ
ち在韓米軍の核も同時に廃棄してもらわないと困るということにな
ります。
在韓米軍に核があるのなら、北朝鮮だけ非核化すれば、韓国には
核があるが北朝鮮には核がないという状態に戻り、韓国および在韓
米軍と、北朝鮮とのパワーバランス=力の均衡が崩れます。
 これは、北朝鮮としては、絶対に飲めない話でしょう。

 米朝首脳会談で、「北朝鮮の非核化」という文言になれば、金正
恩氏は、合意を拒否したのではないでしょうか。

 トランプ大統領は、会談後の記者会見で、朝鮮戦争が正式に終結
すれば、米韓合同軍事演習は必要がなくなると言いました。
 在韓米軍の撤退、撤収というニュアンスのことも発言していまし
た。
 在韓米軍が撤退すれば、当然、核兵器も一緒に持って行きます。
 
 もしそのとき、北朝鮮に核が残っていれば、今度は、パワーバラ
ンスが、一気に北朝鮮優位となります。

 北朝鮮が狙っているのは、結局のところ、在韓米軍の撤退でしょ
う。
 在韓米軍が撤退すれば、北朝鮮と韓国は、北朝鮮が主導権を握っ
た形で、統一に向かいます。
 韓国の保守系の勢力は、これを「赤化統一」と呼び、大変恐れて
います。
 しかし、いまの韓国の文在寅大統領は、北朝鮮に大いなる親近感
を持っているようです。

 「朝鮮半島の非核化」は、そういう危うさをはらんでいます。
 もちろん、韓国の人々が、その形での南北統一でいい、というの
であれば、私たち他国の人間が口をはさむことではありません。 






約束は守られるのか・・・米朝首脳会談の危うさと疑問

2018年06月12日 16時01分43秒 | 日記

6月12日、シンガポールで開かれていたトランプ大統領と金正恩氏の
米朝首脳会談が終わりました。
トランプ大統領は、だれかと会うときはだいたいそうなのですが、今回も、
金正恩氏と、いかにも親しげに握手をしていました。
2人は、合意文書に署名し、トランプ大統領は、今後も何度も会うとい
い、ワシントンにも招く考えを明らかにしました。
ほとんど、対等といっていいような様子でした。


このブログでも何度か書きましたが、北朝鮮が核兵器を開発していな
ければ、この首脳会談は、実現していませんでした。
核兵器を手にしたからこそ、金正恩氏は、トランプ大統領と会えた
のです。
核を開発してよかった。
金正恩氏は、きょう、トランプ大統領と会い、心から、そう思った
ことでしょう。

核兵器を手にすれば、アメリカが首脳会談に応じてくれる。
場合によっては、なにがしかの支援も期待できる。
もし、そうなのであれば、今後、同じように、核兵器を手にし
たいと考える国が出てくるでしょう。
核兵器さえあればなあ。
核兵器さえあれば、アメリカが、対等に扱ってくれる。

そういう考えが世界に広がるとすれば、これほど危険なことは
ありません。
この首脳会談は、今後に、悪い例を残したかもしれません。

朝鮮半島について、日本には、大変おもしろブログがあります。
ひとつは、「みずきの女子知韓宣言」というブログです。
みずきさんという女性が書いているもので、彼女は、韓国に留学したこ
とがあり、ハングルが上手です。
きのう6月5日のブログで、彼女は、こう書いています。

           ***

「北朝鮮はCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)だけは受
け入れないだろう」と言ってる人がわりとたくさんいますが、私はまったく
逆で、受け入れる可能性があると思ってます。
思い出してください。韓国も、慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解
決したことをきっぱり宣言してましたよね?
で、どうなりましたっけ。
約束するまではいいんだよ。
問題は、後からゴタゴタいってウヤムヤにして…にするということ。

契約文化の発達したアメリカが、果たしてそのへんの性質に気づている
のでしょうか。
「契約文書をかわした!北にサインさせたぞ!勝った!」
たいな感覚を米国が持っているのなら、ものすごく大きな間違いだと
いうこと。アメリカの契約文化とは違うのです。
別に、不誠実というわけじゃなく、そもそも約束や契約というものに対す
概念というか「縛られる強度」がアメリカや日本とは全く違うんです。
たとえ約束や契約をしたとしても、後に不都合な内容が判明したら、理
由をつけてそれを破ってもかまわないと思っているのです。
「理由(名分)があるから仕方がないこと」であり、相手はそれを理解
しないといけないと考えるのです。
              ***
これまで、核開発に対し、北朝鮮が約束をしては破ってきた歴史を見る
と、みずきさんの指摘が大変よく分かります。
もうひとつのブログは、「こりあうおっちんぐ」といいます。
これは、新潟在住の男性が書いているブログで、この人は、自らを
「ご隠居」と名乗っています。ブログをまとめた本が扶桑社から新書で
出ており、それも著者名が「ご隠居」となっています。
この人も、ハングルはぺらぺらです。在野の韓国ウオッチャーというと
ころです。
この人は、やはり5日のブログでこう書いています。
               ***
 しかしトランプ大統領と金正恩氏との間でどんな合意が行われたとし
ても実質的には何の意味もありません。(韓国や北朝鮮には)約束なん
て概念はありませんからねえ。
 韓国が日本との間で「完全かつ最終的に解決」という条約(注・19
65年の日韓基本条約のこと)を半世紀以上前に結んでいながら、どれ
ほど条約破りを繰り返してきたことか。
だから会談がどうなろうが、たいしたことはないんです。
何を約束したところで合意内容を守るはずがないんですから。
 
                 ***

「みずきさん」も「ご隠居」も、在野の韓国ウオッチャーです。
2人ともハングルは達者で、日々、韓国の新聞、すなわち、東亜日報
、朝鮮日報、中央日報、ハンギョレ、連合ニュースをネットで読み、
それを日本語に翻訳してブログで紹介しています。
在野ながら、朝鮮半島のことをよく知る人です。
その人たちが、
「不誠実だということではなく、そもそも契約文化というものがない。
だから約束を守らない」
と書きます。

これは、非常に示唆に富む話だと思います。




日本にとって、米朝首脳会談に潜むリスクがあります・・・日本に届くミサイルが破棄されない場合、日本はどう対応するのでしょうか。

2018年06月11日 15時51分34秒 | 日記

 トランプ大統領と金正恩氏の首脳会談で、日本にとって、ひとつ、大き
なリスクがあります。
 それは、「非核化」の意味です。

 トランプ氏は、当初、北朝鮮の完全な非核化を求めていました。
 いわゆる CVID 完全に検証可能な非可逆的な非核化 です。

 しかし、北朝鮮は、段階的な非核化を主張していました。

 そのギャップをどう埋めるのかと思っていましたが、首脳会談が近づくに
つれ、トランプ大統領の態度が、少しずつ、あいまいになってきた感じが
あります。
 トランプ大統領は、どうも、ノーベル平和賞を意識しているところがあり、
首脳会談を開けば、それだけで成功と考えているフシがあります。
 もしそうなら、トランプ大統領は、金正恩氏に譲歩するかもしれません。

 譲歩するとすれば、最もありそうなのは、「段階的な非核化」に応じること
です。
 北朝鮮が段階的に非核化し、その都度、見返りを与えるというものです。
 見返りは、制裁の緩和と、経済支援でしょう。
 これだと、まんまと、北朝鮮の思惑に乗るだけです。

 しかし、日本にとっては、もっと困る譲歩があります。
 北朝鮮は、核弾頭を開発した後、アメリカに届くICBM(大陸間弾道ミ
サイル)の開発に成功したと発表しました。
 このICBMの発表があったからこそ、トランプ大統領は、北朝鮮を交渉
相手にすることになりました。

 では、もし、12日の首脳会談で、金正恩氏が、
 「ICBMは破棄する」
 と宣言し、それを、トランプ大統領が受け入れたらどうなるでしょう。
 この場合、日本を射程に収めた単距離ミサイルは、破棄しなくても済む
ことになってしまいます。

 トランプ大統領は、いうまでもなく、
 「アメリカファースト」
 です。
 アメリカファーストであれば、北朝鮮がアメリカに届くICBMを破棄すれ
ば、トランプ大統領は、もう、それでいいのです。
 日本に届くミサイルは、日本が勝手に、北朝鮮とやってくれ、ということ
になります。

 日本とすれば、この合意が、最悪です。
 同じことを、佐藤優氏が、出たばかりの東洋経済で指摘していました。こ
の懸念が、ほとんど指摘されないので、不思議だったのですが、佐藤優氏の
指摘を見て、やはり、この懸念を持つ人がいることが分かりました。


 首脳会談を前に、安倍首相は、何度もトランプ大統領と会い、日本の要
望を伝えています。
 この懸念も、伝えられているのだろうと思いますが、トランプ大統領の行
動は、予想がつきません。
 もし、トランプ大統領が、「首脳会談は大成功」とアピールしたいのであ
れば、日本にとって最悪の合意もあるでしょう。

 その場合、日本は、どう対応するのか。
 しっかり考えないといけないでしょう。
 日本のテレビは、現地シンガポールから何も考えず、「歴史的な会談」
「日本はカヤの外」などと、興奮して伝えてほしくないと思います。






北朝鮮問題で存在感の薄い日本?・・・テレビのキャスターやアナウンサーは、もっと勉強してから話してもらいたい。

2018年06月10日 00時17分16秒 | 日記

 きょう18年6月9日、夕方のテレビでニュース番組を見ていた
ら、まもなく開かれるアメリカと北朝鮮の首脳会談を取り上げてい
ました。メインキャスターの横に立つ若い男のアナウンサーが、こ
のニュースを、「北朝鮮の問題で、存在感を示せない日本は」と切
り出して、話し始めていました。
 TBSかテレビ朝日だったと思います。
 同じような言い方は、朝日新聞が、よくします。「北朝鮮問題で、
安倍首相の影が薄い」「結局はアメリカ頼み」という書き方をする
のです。とくに、夕刊のコラム素粒子です。

 少し前の当ブログでも取り上げましたが、1か月前、韓国の文在
寅大統領と北朝鮮の金正恩委員長が板門店で会った際、TBSの週
末の報道特集という番組は、
 「歴史はこうやって軽やかに動きます」
 「それに比べ、安倍首相は」
 と、3人のキャスターが、口々に、そう話していました。

 どうあっても、安倍首相のことを悪く言いたいようです。
 テレビの若いアナウンサーは、特段、深く考えて発言しわけでは
ないのでしょう。
 「存在感を示せない」という言い方は、ほとんど、「日本」「安
倍首相」という単語の前置きみたいなものなのでしょう。

 しかし、ニュースを扱う以上、アナウンサーやキャスター、記者
は、もっと、ものを考えてもらいたいものです。

 北朝鮮の金正恩氏は、核を段階的に廃止することと引き替えに、
制裁解除どころか、さらに進んで、経済支援を取り付けようとして
います。
 トランプ大統領は、アメリカとしては経済支援をするつもりはな
いが、韓国、中国、日本がするだろうと述べました。
 
 韓国に亡命した北朝鮮の外交官が、最近、本を出版しました。そ
れによると、小泉首相と金正日委員長が平壌で会談し、蓮池さんら
拉致家族が日本に帰ってきたとき、北朝鮮政府は、それと引き替え
に、日本から100億ドル(1兆円)の資金援助があると考え、喜
びにわき返ったそうです。
いまも北朝鮮が、日本からの資金援助を期待しているのは、明ら
かでしょう。
 
 いま、北朝鮮問題で日本が顔を突っ込むと、必ず、この資金援助
の話になります。
 
 金正恩氏が言う「非核化」というのは、非常に巧妙で、また、あ
いまいな言い方です。
 そもそも、核開発をしたのは、北朝鮮自身です。
 北朝鮮が核開発をしなければ、いま、北朝鮮は、核兵器を持って
いないのです。
 北朝鮮は、自ら開発した核兵器を「段階的に破棄」するから、そ
の都度、経済支援をしてほしいと主張しているのです。
 こんな変な話はないでしょう。
 自ら開発した核兵器を破棄するから、その見返りが欲しいといっ
ているのです。
 北朝鮮が核を開発しなければ、北朝鮮は「非核化」の状態だった
わけですし、核を開発しなければ、北朝鮮に対する制裁もなかった
わけです。
 
 自ら核兵器を作り、それを交渉の手段とする。
 典型的なマッチポンプです。
 
 トランプ大統領も、北朝鮮が核兵器を持っていなければ、北朝鮮
と首脳会談をしようなどとは、思わなかったでしょう。

 そう。
 核兵器を持つと、アメリカでさえ、それなりの対応をしてくれる。
 北朝鮮は、それが分かっているのです。
 いや、今回のことで、ほかの国々も、核兵器を持つとアメリカも
相手をしてくれるということが、よく分かったでしょう。
 下手をすると、同じように、核兵器を持ちたいという国が、次々
に出てくるのではないでしょうか。
 
 日本は、北朝鮮による日本人の拉致がなければ、北朝鮮を相手に
する必要などなかったのです。
 拉致家族がいるから、北朝鮮と交渉をしなければならない。
 拉致さえなければ、日本は、北朝鮮を放っておけばよかったので
す。

 拉致といい核兵器といい、北朝鮮は、自らの関与で生み出したも
のによって、アメリカや日本から、経済支援を引きだそうとしてい
る。
 そんな馬鹿なことはないでしょう。

 そんな状況で、「北朝鮮問題で存在感の薄い日本」と言ったテレ
ビのアナウンサーは、では、日本に何をせよというのでしょう。
 話し合い?
 たぶん、そうでしょう。
 彼は、「日本も、話し合いによって、問題の解決を図るべきだ」
とでも、言いたかったのでしょう。

 しかし、核兵器という問題を作ったのは、北朝鮮です。
 北朝鮮は、自ら作った核兵器を材料にして、経済支援を引きだそ
うとしています。
 そんな相手に、やすやすと経済支援が出来るはずもないでしょう。
 経済支援は、私たちの税金が使われるのです。

 テレビは影響力が大きいのです。
 影響力の大きいテレビで話す以上、キャスターもアナウンサーも、
もっと考えてから話してもらいたい。
 





記者会見の質問がひどい・・・テレビ局は番組ごとに質問に立ち、同じことを質問します。これはジャーナリズムではありません。

2018年06月04日 16時43分03秒 | 日記

 日大アメリカンフットボール部をめぐるあれこれは、新聞やテレビで連
日取り上げられていますので、当ブログでも今、ことさら書くつもりはな
いのですが、しかし、ひとつだけ、どうしても書いておかなければならな
いことがあります。
 それは、記者会見のひどさです。
 
 といっても、日大アメフト部の監督の監督の会見の内容や、日大学長
の会見の内容のことではありません。
 そうではなく、会見で質問する人たち、とくに、テレビ局のひどさです。

 この問題で、初めに会見したのは、危ないタックルをした日大の選手
でした。この選手は、大変立派な態度で、会見の内容も素晴らしかった。
 しかし、このときから、質問する側が、無茶苦茶でした。

 質問する際、会社名と名前を名乗るのですが、この時の質問者は、
ほとんどがテレビ局でした。
 彼らは、質問する際、こう名乗るのです。
 「TBSのビビットのジョージです」
 「TBS、なんとかの、だれそれです」
 「フジテレビ、グッディのだれそれです」
 「フジテレビ、特ダネのだれそれです」
 「フジテレビ、なんとかの、だれそれです」
 「日本テレビ、ミヤネ屋の春川です」
 「日本テレビ、なんとかのだれそれです」

驚きました。
それぞれのテレビ局が、それぞれの番組ごとに、質問に立つのです。
質問に立った人は、前の人の質問など関係なく、まったく一から、同じ
ことを聞く。
そして、質問に立った人を、それぞれの番組がカメラに収める。

ほとんどが、情報番組という名のワイドショーです。
その夜や、翌日の各局の情報番組を見ていると、それぞれの番組の出
演者が質問する様子を、番組の中で流しています。
なるほど、自分の番組で放送するための質問とビデオがほしいのか。

ほとんど、会見の体をなしていません。
経団連の会長会見や、財務省の予算編成の会見、そう、硬い会見、い
わゆる硬派の会見は、新聞社だけが出席します。テレビはほとんど出
ません。硬い会見は、テレビにとって「絵にならない」からです。
経団連の会見や、財務省の予算会見、経済産業省の定例会見、そう
いった硬派の会見は、もちろん、新聞各社から大勢の記者が出ます。
読売から3人、朝日から3人、日経から4人、サンケイから2人、共同か
ら2人、といった具合です。しかし、質問するのは、読売から1人、朝日
から1人、日経から1人、サンケイから1人という具合です。 
しかも、なにより、先に質問した記者と同じ質問をすることは、まず、あり
ません。先に質問した記者に対する回答を前提にして、新しい質問を
します。
別に、なにか規制があるわけではなく、各社とも、何人の記者が出てい
ても、だれか一人が代表して質問すればいいというスタンスです。

日大の選手の会見の後、何日かおいて、日大の監督とコーチが会見
しました。
これは、一段とひどかった。
テレビ局が、番組ごとに、代わる代わる質問に立ち、みな、同じ質問を
する。
監督を擁護するわけではありませんが、監督も、なんで違う人が同じ質
問をするんだと思ったことでしょう。普段なら、監督も怒り出すところでし
ょう。しかし、これは謝罪会見だったので、監督もひたすら低姿勢でし
た。
代わりに怒ってしまったのが、司会をしていた日大広報のスタッフでし
た。彼は「同じ質問ばかり、もう、いいでしょう」と怒っていました。このス
タッフを擁護するわけではありませんが、彼が怒ったわけも分からない
わけではありません。
なにしろ、質問が、
「フジテレビのグッデイの、だれそれです」
「フジテレビの特ダネのだれそれです」
「TBSビビッドのだれそれです」
「TBSなんとかのだれそれです」
「日本テレビ、なんとかのだれそれです」
「日本テレビ、なんとかのなんとかです」
という具合で、みな、いちから、
「タックルは、監督の指示ですか」
「関西学院にはどうおわびしますか」
と聞くのです。
 聞いていて、恥ずかしかったですね。
 途中で、スイッチを切ろうかと思いました。

 なにしろ、記者会見の体をなしていません。

 どうしてこんなことになるのか。
 ひとつは、テレビ局が、番組ごとに別のチームになっているからです。
 新聞社は、朝日なら朝日、読売なら読売であって、紙面ごとに別のチ
ームになるなど、ありえません。
 さらにまた、テレビの場合、番組を制作するチームが、テレビ局から
仕事を委託された制作プロダクションであることが多いからです。制作
プロダクションにしてみれば、自分たちがちゃんと仕事をしている場面
を番組で流さなければなりません。だから、それぞれの番組が質問に
立ち、それぞれが同じ質問をするのです。

これは、もう、「ジャーナリズム」ではありません。
ただエンターテインメントです。

百歩譲って、もし、彼らが、経団連会長の会見や、財務省の予算会見、
経済産業省の定例会見など、硬派の会見にもちゃんと出席して、こう
やって番組ごとに質問するのであれば、それはそれで認めましょう。
しかし、そういう会見には、出席さえしないのです。
自分たちがおもしろいと思う会見にしか出てこない。

テレビは、朝の番組から夕方まで、情報番組、ニュースショー、ワイドシ
ョーが続き、番組が替わるごとに、同じ日大アメフトの会見を、延々と流
すのです。

番組のキャスターやコメンテイターが、したり顔で、日大を批判する。
しかし、会見で、ほとんど傍若無人といっていいような態度をとっておい
て、他人を批判する資格はないでしょう。
これは、ジャーナリズムではありません。

本当にはずかしいことです。
こんなことをしていると、テレビの番組の質が、どんどん落ちていきます。





モリカケで、野党の支持率は上がりません・・・安倍首相の失敗を責めたてるだけでは、国民の支持は得られません。いい加減に気づいたらどうでしょう。

2018年05月21日 13時20分30秒 | 日記

 きょうは5月21日の月曜日です。先週から、新聞、テレビが定例の世論
調査をし、それぞれ、結果が発表されています。
 それによると、安倍内閣の支持率は、どこも40%に足りない数字で、低
迷していますが、前回より、わずかながら上昇しているようです。
 支持率の低迷は、もちろん、森友学園、加計学園をめぐるあれこれが原
因です。最近は、森友学園より、むしろ、加計学園が問題となっています。
加計学園の問題では、柳瀬元秘書官が国会に参考人として呼ばれ、証
言しました。

 野党と、あえて付け加えるなら朝日新聞は、まだまだ森友学園と加計学
園で、安倍首相を追求するようです。
 とくに、立憲民主党は、辻元国対委員長が、モリカケを追求するんだと、
盛んに気勢をあげています。

 しかし、野党は、勘違いをしてはいけません。
 森友学園、加計学園で、このまま安倍首相を追求しても、国民の支持
は、野党には向きません。
 モリカケで、野党の支持率は上がらないのです。
 野党は、どうして、そんなことがわからないのでしょう。

 なるほど、安倍首相の支持率は、落ちるかもしれません。
 しかし、立憲民主党、国民民主党はじめ、野党の支持率は、モリカケで
は、上がりません。
 
 なぜか。
 第一に、国民は、もう、モリカケには、うんざりしているということです。
 かつてロッキード事件では、田中首相が逮捕されました。それは、次期
航空機の採用をめぐり、田中首相が巨額の賄賂を受け取ったからです。
 現金の授受があったのです。
 野党や、反安倍首相の新聞、テレビは、モリカケ問題がいかに大きな問
題であるかを強調しますが、モリカケで問題になったのは、担当した官僚
が安倍首相の意向を「忖度」したかどうかです。あるいは、首相の意向が
あったのかどうかです。
 逆にいえば、現金の授受などは、一切、出ていないのです。
 現金の授受がないということは、汚職ではないということです。
 言ってみれば、安倍首相の「政治姿勢」は問題になるかもしれないけれ
ども、「汚職」はまったく問題になっていないということです。
 これが汚職になるのであれば、国民も、うんざりしたりせず、真剣に注目
するでしょう。
 しかし、これは、どう見ても、汚職ではありません。
 モリカケを、ロッキード事件や、アメリカのニクソン大統領が絡んだウオ
ーターゲート事件になぞらえるのは、そもそも、無理があるのです。

 第二に、野党にとって、さらに致命的なのは、モリカケが、ただただ、安
倍首相の失策、失点、ミスだけを追求しているに過ぎないということです。
 簡単にいえば、野党は、人の失敗ばかり、責めているのです。
 モリカケで安倍首相のミスを攻撃して、もし、安倍首相が退陣したとしま
しょう。
 野党は、意気が上がるかもしれません。
 しかし、国民としてみれば、ただ単に相手、つまり安倍首相の失敗だけ
を追求した政党に政権を任せられるかというと、とても、任せる気分には
ならないと思います。
 相手の失敗をあげつらった人が、じゃあ、実際に何かを担当する立場
になったとき、何も出来なかった、というのは、だれもが身の回りで、経験
することでもあります。
 相手のミスを責めたてた人が、周囲から好感を得て、支持されるというこ
とは、まず、ないのです。
 それどころか、むしろ、イやなやつだと思われるのがオチではないでしょ
うか。
 同じように、モリカケで、どんなに安倍首相を責めたてても、野党の支持
が高まるわけではありません。
 
 実は、それを、私たちは、2009年に成立した民主党政権で、経験して
しまったのです。
あれだけ自民党を追求し、責め立てた民主党が、いざ、政権を取って
みると、何もできなかった。
国民は、それを見てしまったのです。

立憲民主党も、国民民主党も、希望の党も、野党は、そのとき、学んだ
はずです。
野党は、もう、いい加減、しっかりせよ。



板門店の南北首脳会談が残したもの・・・・金正恩氏はしたたかです。メディア、とくにテレビは、ものの見事にだまされました。

2018年05月08日 17時09分21秒 | 日記

朝鮮の金正恩氏は、まことにしたたかな人物です。
 したたかとしか、いいようがありません。

 まず、核実験を繰り返しました。
 初めは原爆の実験でした。
 最後は、水爆の実験に成功したと主張しました。
 同時に、核弾頭を積めるミサイルを開発し、その打ち上げ実験を繰り返
しました。
 その実験は、ことごとく、公開しました。
 最終的に、アメリカに届くICBM(大陸間弾道弾)の開発に成功したとア
ピールしました。
 
 そのうえで、テレビで、いつものアナウンサーが、毎度おなじみの居丈
高な調子で、侵略者には核ミサイルを撃ち込むと言い、ついには、アメリ
カを地球から消すとまで、脅しました。

 その間に、国のナンバー2である叔父を、みんなの見ている前で逮捕し、
処刑しました。
 去年17年のバレンタインデー、2月14日には、異母兄弟を、海外の空
港で、毒薬を使って殺すということまでやりました。
 ナンバー1の座を取って変わる可能性のある者は、容赦なく消すという
ことでしょう。

 これ以上ないほど、危険な国というイメージを作りました。
 実際、アメリカは、いつ北朝鮮を攻撃してもおかしくないという雰囲気に
までなりました。

 北朝鮮は危険な国だ。
 金正恩氏は大変危険な人物だ。

 そういう空気ができ、今年2018年の初めごろには、北朝鮮に対する警
戒感が、かつてないほど、高まりました。
 一触即発というのは、このことだろうという感じでした。

 ところが、2月に平昌五輪が開かれるのを前に、金正恩氏は、突然、自
らの姿勢を180度、変えてみせました。
 韓国との統一チームを作ろうという呼びかけに応じ、いきなり、韓国と仲
良くしたいという姿勢を見せたのです。
 女子アイスホッケーでは南北統一チームを作り、美女応援団を送り込み
ました。
 金正恩氏の妹も、韓国にやってきました。

 そして、板門店です。
 板門店で、金正恩氏は、韓国の文在寅大統領と会い、文大統領が差し
出した手を握りながら、軍事境界線をひょうきんな動作で、ぴょんと飛んで
越えました。
 我々が初めて見るような笑顔でした。
 そして、今度は、文大統領の手を引いて、軍事境界線を、南から北へ、
ふたりで、またぴょんと飛び越えたのです。
 金正恩氏も、文大統領の、ともに、あふれんばかりの笑顔でした。

 これで、金正恩氏のイメージは、もののみごとに変わってしまいました。
 韓国のメディアはもちろん、日本のメディア、とくに日本のテレビは、この
日から、金正恩氏を、突然、好感をもって報じ始めたのです。
 TBSの日曜日の報道特集は、
 「歴史は、こうやって、軽やかな足取りで、大きく動く。私たちはそれを目
の当たりにしています」
 「こうやって歴史が動き始めたのに、日本は、カヤの外に置かれている
のではないでしょうか」
 「日本政府も早く対話に乗り出すべきではないでしょうか」
 と訴えました。

 いやもう、ものの見事なだまされ方です。
 メディアが、こんなに簡単にだまされていいものかと思います。

 板門店で、金氏と文大統領は、板門店宣言というものを出しました。
 そこには、「非核化」ということが打ち出されました。
 金氏は、核実験場を廃棄することも提案し、外国からの侵略がなければ
核を使うことはない。もう核実験はしないとも、言いました。
 その際、「もう、夜中に(核実験の報で)起こされることはないから、安心
してください」と語り、文大統領が笑顔をみせました。

 TBSは、「金と文氏の歴史的な会談で、非核化が宣言された」というよう
な言い方をしていました。
 「それなのに日本は・・・」というわけです。

 しかし、金氏が、核開発をし、核実験を繰り返さなければ、そもそも、北
朝鮮には、核はなかったのです。
 核を開発したのは、ほかならぬ北朝鮮自身です。

 北朝鮮が核を開発しなければ、もともと、核はなかったわけです。
 もともと、「非核」だったわけです。
 それなのに、金氏と文大統領が、非核化を宣言したのは歴史的だなど
と評価するのは、根本的なところで、勘違いしています。

 そもそも、「非核化」というのは、いくつかの解釈があります。
 それは、
1)  北朝鮮の非核化 
2)  朝鮮半島の非核化
3)  世界の非核化
――です。

 あれだけ核実験をした後、その国の指導者が「非核化」といったのです
から、前提知識なしに、ふつうに読めば、あの板門店宣言の「非核化」は、
北朝鮮の非核化と読めるでしょう。

 しかし、その後の北朝鮮の対応を見ていると、北朝鮮は、「朝鮮半島の
非核化」を言っているように見えます。それは、もちろん、韓国に駐留して
いる米軍の基地に、アメリカの核があるはずだとして、米軍基地の核も撤
去せよと主張しているわけです。
 実際に韓国の米軍基地に核があるとは、アメリカも明らかにしたことはな
いと思いますが、北朝鮮は、そう決めつけているわけです。

 さらにまた、文氏との会談のあと、北朝鮮のテレビ放送は、「世界から核
をなくすことに取り組む」というような政府声明を流していました。

 金氏の「非核化」という言葉を冷静に読めば、それは、北朝鮮は核を持
っているんだ。そのことを、アメリカは、世界は認めよーーとアピールして
いるように見えます。
 いや、アピールそのものです。
 そうです。
 これは、北朝鮮による「核保有宣言」なのです。

 核保有国になったからこそ、「非核化」という言葉を口にできる。
 孤立する北朝鮮の立場で、核を持たずに、「非核化」といったところで、
だれも耳を傾けてはくれないでしょう。

 板門店宣言の「非核化」は、実は、北朝鮮の核保有宣言であり、北朝鮮
が自らを核保有国になったと宣言したものだったんだろうと思います。

 それを、「歴史は軽やかに動いた」などと放送するようでは、まあ、ものの
見事にだまされたというほか、ないでしょう。

 あの首脳会談のあと、新聞はまだ冷静でしたが、テレビでは、金氏に賛
意を送るコメンテーターが目立ちました。
 あるコメンテーターは「私が生きている間に、金正恩氏に対し、安倍首
相より好感を持つ日が来るとは思いませんでした」というコメントを残して
いましたが、これには、当ブログも、そこまでだまされるか?と、突っ込み
たくなりました。
 そもそも、金正恩氏は、父親が亡くなったあと、世襲で指導者になった
人物です。選挙で選ばれたわけでもなんでもありません。独裁者です。
 それを忘れ、「安倍首相以上に好感を持った」とは、根っこのところで、
だまされています。
 国のナンバー2の叔父を会議場で大勢の面前で逮捕して処刑し、異母
兄弟を毒殺する。
 そういう人物に「好感」を持つわけですか。

 実は、板門店の会談の直前に、NHKが、「キムジョンウンの野望」という
特集番組を組みました。
 その中で、北朝鮮から逃げ出した脱北者、北朝鮮政府の元高官が、次
のように語る場面がありました。

  金正恩氏は馬鹿ではない。非常に頭の切れる人物だ。彼は、作戦と
して、核を開発し、ミサイル実験を行い、もう、ぎりぎりまで、緊張を高める。
アメリカも挑発し、本当に一触即発というところまで危機をあおる。そして、
その危機が頂点に達したところで、今度は一転、いきなり、緊張を緩和し
て笑顔を見せる。それが、彼の作戦だ。危機がぎりぎりまで高まったあと、
そうやって突然、笑顔を見せられると、だれもが、なーんだ、いい人間じゃ
ないかと思ってしまう。とくに、メディアは、それでころりとだまされるの
ではないだろうか。
 それが、金正恩氏の作戦だ。
 ――と、脱北者は、そう分析していました。

板門店会談が終わってみると、ものの見事に、この脱北者の言葉通りに
なりました。
これだけ冷静な分析が、NHKで放送されていたわけです。
別に、脱北者でなくとも、日本でもアメリカでも、冷静に見ていれば、こうし
た冷静な分析ができるはずです。
どうして、ころりとだまされるのでしょう。

こんなことで、ころりとだまされていては、先は暗いとしかいいようがありま
せん。メディアは、もう少ししっかりせよ、と言いたいですね。





森友問題で安倍内閣が問われるもの・・・なぜ初めからすぱっと公表しておかなかったのか。もしかするとまた隠すのではないか。その不信感が最悪です。

2018年04月15日 16時47分40秒 | 日記

 森友、加計問題は、いつ果てるともなく、続いています。
 中国が、太平洋の日本の排他的経済水域の中で資源の採掘調査をしてい
たことが明らかになりましたが、中国は、日本の国内が混乱しているときに
は、必ず、日本の領土、領海に手を出し、日本の対応を調べようとしま
す。
 中国が尖閣諸島に船を出したのも、日本が民主党政権で混乱してい
るときでした。
 森友、加計問題をそのまま捨てておけばいいと言うわけではありませんが、
しかし、世界、とくに、日本の隣人は、日本国内の様子をいつも、じっと見て
いる。
 日本が混乱して対外的なことに対応できないと見るや、すぐに日本
を試そうとする。そのことは、忘れてはいけないと思います。

 さて、森友、加計問題です。
 率直にいえば、これは、もともと、そんなに大騒ぎになるような問題では
なかったのです。
 それが、どうしてここまで炎上してしまったかというと、それはもう、安倍
政権、安倍首相の対応が悪かったからです。
 悪かったというより、対応が、稚拙でした。
 対応が下手くそだったのです。
 下手くそすぎました。

 なにが一番よくなかったかというと、森友、加計学園の問題が表面化し
たとき、安倍首相、安倍内閣は、隠して済まそうという対応をしました。
 なーに、たいした問題じゃなから、ややこしいことは隠しておけば、その
うち、なんとなく、終わるだろう。安倍内閣は、そう考えていたのではない
でしょうか。
 しかし、それは、最悪の対応でした。

 この問題の対応にあたり、安倍内閣は広報姿勢が最悪だったのです。
 企業でも政府でも、現代のあらゆる組織は、なにか問題が起きたとき、
広報姿勢が問われます。
 日本で、「広報」ということがはっきり意識されたのは、1960年代後半
から1970年代前半にかけて、昭和でいえば、昭和40年代の「公害」の
時期でした。
 水俣病から始まり、日本のあちこちで、企業の廃棄物によって重大な
健康被害が起きました。当時、日本の企業は、工場で生産した後の廃棄
物を処理もせず、無造作に捨てていました。工場廃液を川に流すものだ
から、日本中の川が、みな、汚染されました。東京の多摩川も、いまはき
れいになりましたが、公害が社会問題になっていた当時は、泥にまみれ、
悪臭を放っていました。 私は神戸生まれですが、当時、実家の近くの
川は、近所の染料工場が廃棄する染料で、毎日、青くなったり、黄色く
なったり、ひどいものでした。
 当時の企業や政府、自治体は、公害の実態や公害の原因を、できる
だけ隠そうとしてきました。
 都合の悪いことは隠して、乗り切ろう。
 いわゆる「組織防衛の広報」です。
 
 しかし、公害問題があまりに大きな広がりを見せ、公害の実態がどんど
ん明らかになり、公害の原因もすべて分かってきました。水俣病も、原因
は、企業が水銀を海に捨て、水銀を魚にたまってしまう。その魚を食べ
た人間が、体内にたまった水銀のため、激しい痛みに襲われ、死に至るのです。

 そうした悲惨な経験を積み、企業は、「組織防衛の広報」は意味がない
ことを知ります。
 公害問題のあと、先進的な組織では、広報の姿勢が変わり、なにか問
題が起きたら、隠さず、積極的に公表するというスタイルになってきまし
た。いわゆる「攻めの広報」です。

 これだけメディアが発達し、なんでも取材する。
 しかも、組織の内部の人が、「これはおかしいのではないか」ということ
を外部に告発するようになった。内部告発です。
 いまはもう、どんな組織でも、都合の悪いことを隠し通せるような時代で
はありません。

 どんなに隠しても、絶対に明らかになる。
いまどきの広報は、そう考えておかないと、もう広報になりません。

 ところが、森友、加計問題で、安倍内閣は、ほとんど、かつての公害問
題の企業広報のような「守りの広報」「組織防衛の広報」をしました。
 簡単にいえば、すべて、隠そうとしたのです。
 この問題が表面化したのは、昨年2017年の初めですが、当時の財務
省の佐川理財局長は、「交渉の文書は破棄しましたので、もう、ありませ
ん」と答弁しました。
 しかし、文書は、しっかり残っていて、つい先日、財務省がすべてを公
開しました。
 文書は、このブログでも読んで解説しておきましたが、なんということの
ない文書です。森友の籠池理事長が、国有地を買おうとし、値下げを迫
った。そのとき、安倍昭恵さんの名前をちらつかせた。財務省は、しつこ
い値下げ要求に負けて、値下げしてしまった。
 それだけのことです。
 初めに公開していれば、それで済んだ話です。
 しかも、財務省は、初め、原本に少し手を加え、修正した文書を公開し
ていました。これが、「公文書の改ざん」として、野党と朝日新聞から追及
されています。
 
 この文書を、森友学園の問題が表面化したときに、初めからスパッと公
表していれば、もう、それですべて済んでいた話です。
それを、しつこく追及され、1年がかりで、ようやく、今年になって、すべ
て公表したわけです。

 文書の内容は、別に、なんということもありません。
 むしろ、森友問題で、安倍内閣が信頼を失いつつあるのは、文書の内
容ではなく、文書を隠していたことや、文書を修正したこと、すなわち、問
題を隠そうとしたその姿勢のためです。
 この程度の文書を、どうして、隠そうとしたのか。
 その広報姿勢は、かつて、公害問題で企業が組織を守ろうとした「組
織防衛の広報」そのものです。
 この「広報姿勢」は、別の言葉、いまどきの言葉でいえば、「危機管理
です。安倍内閣の危機管理の能力は、相当にひどい、というわけです。

 加計学園でも、当時の首相秘書官が、獣医学部の新設を要請に来た愛媛県
の担当者に会ったことはないと話していました。ところが、最近になって、
愛媛県側で、職員が首相秘書官に会い、加計は「首相案件」といわれた
という記録が出てきました。
 これも、会っていたのなら、何も否定する必要は、まったくなかった
のです。会ってたなら、会いましたと言って、どこが悪かったのでしょう。
理解に苦しみます。

 今回の問題で、安倍内閣は、言ってみれば、1970年ごろの古い古い
広報の手法を取りました。しかし、時代は、もうすっかり変わっています。
簡単にいえば、安倍内閣は、まったくの時代遅れになってしまったので
す。
 こんな程度のことを、こんなに隠そうとするのなら、安全保障や、憲法
改正といったもっと大事なことで、安倍内閣は、もっと隠そうとするのでは
ないか。そういう不信感が、国民の間に芽生えたのではないかと思いま
す。もしそうだとすれば、安倍内閣は、苦しくなります。

 そんなことでドタバタしていると、今度は、防衛省で、派遣された自衛隊
の日誌が発見されました。稲田防衛相の時代に、この日誌は、もうなくな
ったとされていたものです。それが、いまになって、出てきたわけです。
 これも、森友学園で財務省の文書がなくなったとされたあと、やっぱり
ありました、というのと同じパターンです。
 自衛隊の日誌も、初めから、公表しておけば、少なくとも「隠していた」
ということは、問題になりません。

 政府は、やっぱり、都合の悪いことは、隠すんだ。
 国民がそう思ったとすれば、安倍内閣は、かなりの危機です。
 いや、都合の悪いことを本当に隠す政府だとすれば、政府自体が危う
くなります。
 また隠すのではないか。
 国民の多くがそう思ったとすれば、安倍内閣は危ないでしょう。


文書の書き換えは、財務省が「組織の論理」でやったものです・・・民主主義の根幹を揺らがせるというような話ではないと思います。

2018年04月09日 01時11分10秒 | 日記

 前回に続き、森友学園の話を取り上げます。
 この問題は、いろんな取り上げ方がありますが、とりあえず、い
ま問題になっているのは、財務省(近畿財務局)が、決裁文書を書
き換えたということです。では、決裁文書とは何かというと、財務
省(近畿財務局)が森友学園に国有地を小学校用地として売却した。
その交渉記録、売却価格などを記した文書のことです。
 その文書は、財務省として、省内の決済を受けた文書なので、役
所としては、最終の文書、決済文書なのです。
 その文書を、財務省(近畿財務局)が書き換えたというわけです。
 その経緯は、前回の当ブログで説明してありますので、詳細は、
そちらをご覧になっていただければと思います。

 さて、野党すなわち、立憲民主党、希望の党、民進党、共産党、
社民党と、朝日新聞は、決済文書の書き換えは民主主義の根幹を揺
るがすものだとして安倍内閣を厳しく批判し、安倍首相の退陣を迫
ります。
かつてアメリカのニクソン大統領が、辞任に追い込まれたウオー
ターゲート事件になぞらえて、野党は、これを、モリトモゲートな
どと呼んだりしています。

 でも、本当に、これは、民主主義の根幹に関わるような大事件な
のでしょうか。
あえて、異論を記しておきます。

 決裁文書の書き換えというのは、これは、財務省という官庁、官
僚組織の中で起きたことです。
 前回のブログでも触れましたが、安倍首相や麻生財務相が、財務
官僚に、文書の書き換えを命じたとは、ちょっと考えられません。
安部首相や麻生財務相は、書き換えを命じたことはないと、国会で、
繰り返し、述べています。証人喚問で国会に出てきた佐川前理財局
長も、首相や財務相から、文書の書き換えを指示されたことはない
と断言しました。
 もちろん、野党と朝日新聞は、それを信用せず、疑惑は深まった
としています。証人喚問で佐川局長が、首相や財務相から書き換え
を指示されたことはないと、あまりにはっきり証言したものですか
ら、そこだけはっきり答えるのはおかしいと、批判されるほどです。

 しかし、よく言われるように、「ない」ことを証明するのは、「悪
魔の証明」と呼ばれ、証明は不可能です。例えば小学校のクラスで、
だれかの鉛筆がなくなった。いじめっ子が、いつもいじめている子
供に、「お前だろう」という。いじめられている子供は身に覚えが
ないので、「ぼくじゃない」という。すると、いじめっ子は「じゃ
あ、取ってないという証拠を見せろ」という。それは不可能です。
それを言うなら、いじめっ子が、証拠を出さないといけません。

 文書の書き換え問題も、批判する側が、証拠を示さないといけな
いのです。国会論戦で、まことにおかしいのは、野党が、その証拠
を、全然出せないことです。それは怠慢というものです。野党には、
その証拠を見つけてくるだけの調査能力もないということでしょ
う。これまでも、結局のところ、野党は、新聞が書いたことを材料
に安倍内閣を批判しているだけであり、ちょっとはずかしいと思い
ます。朝日新聞も、さすがに、ちょっとネタ切れしてきました。す
ると、野党も安倍政権を追及できなくなります。

 そうなると、野党は困ってしまい、「疑惑はさらに深まった」とか
「国民は安倍内閣を信じていない」とか言うだけです。挙げ句の果ては、
民進党の代表など、「安倍首相はもう、首相をお譲りになってはいかが
ですか」という。
 これでは、安倍首相や麻生首相は、かちんときたり、むっと
したりするでしょうが、全然、怖くないでしょう。

 霞が関の官庁は、財務省、経済産業省、外務省、総務省、国土交
通省というところが、強力な官庁です。なかでも、国の予算を握っ
ている財務省は、最も強力な官庁です。
 実は、国会議員も、財務省には頭が上がらないところがあります。
かつて、もう亡くなった宮沢喜一氏は、蔵相のとき、不況対策とし
て、公共事業をたくさん積み増そうとしました。ところが、当時の
大蔵省は、省を挙げて、宮沢蔵相に反対したのです。公共事業を積
み増すには、国債を発行しなければなりません。国債を出せば、財
政赤字が増えます。だから、大蔵省の官僚は、宮沢蔵相に反対した
のです。
 このとき、宮沢蔵相は、厳しい顔をして、「どうも、大蔵省の諸
君は、私の言うことを聞いてくれませんなあ」とぼやいていました。

 そういう官庁ですから、今回、もし本当に首相や財務相から文書
の書き換えを指示されたとしても、たぶん、拒否したと思います。
私は、かつて、財務省を取材しており、それが、取材の実感です。
 では、どういう状況なら、書き換えるか。
 それは、書き換えの指示が、同じ財務省の省内からあった場合で
す。
 官庁の組織は、どこでも似たようなもので、財務省の場合、

 事務次官
 財務官
 官房長
 局長(主計局長、理財局長など)、近畿財務局長など地方局長
 審議官
 課長
 課長補佐
 係長
 一般職員

 という構造になります。
 別に、こんな構造は珍しいものではなく、民間企業でも同じよう
なものでしょう。

 ただし、この構造、見て分かるように、政治家が、どこにも入っ
ていないのです。
 事務次官の上に、政治家から選ばれる財務相がいて、財務相が財
務省のトップにいるのですが、しかし、財務省の官僚は、官僚だけ
の人事を作っているのです。それは、ほかの省庁も変わりません。
 ここに手を入れたのが、話題の内閣人事局なのですが、それは、
次の機会に述べることにし、いまは触れません。
 
 さて、事務次官を頂点としたヒエラルキーは、あくまで官僚だけ
で構成されるヒエラルキーです。
 もちろん、財務相がトップなのですが、官僚の心の中では、一番
偉いのは、事務次官なのです。
だから、財務省も経済産業省も、外務省も、官僚は、あくまでも
官僚組織の一員として動きます。
 官僚組織は、閉ざされた組織であって、政治の介入を嫌い、問題
やトラブルは、その組織の中だけで解決しようとします。
 ですから、森友学園の文書の書き換えという問題は、あくまで、
財務省という組織が、組織の問題として、実行したものです。
近畿財務局も財務省のヒエラルキーに組み込まれていますから、あ
くまで、財務省の一員として、動きます。

 さて、それで、どういうことが起きるでしょうか。
 今回、たまたま、自民党政権、安倍内閣で、文書の書き換えとい
う問題が起きました。だから、安倍内閣の責任だというのが、野党
や朝日新聞の立場です。
 しかし、これがかつての民主党政権のように、自民党以外の政党
が政権の座にあったとしても、財務省は、やはり、文書を書き換え
ただろう、ということです。
 それが、組織の論理、官僚組織の論理、役所の論理なのです。

 実際、かつての民主党政権の時代、厚労省の東北の組織で、文書
を書き換えたという事件がありました。当時の長妻厚労相は、弁明
に苦労していました。
 
 そうなのです。
 官庁、官僚には、官庁、官僚だけの組織の論理、官僚の論理があ
るのです。
 同じように、自民党、立憲民主党には、自民党、立憲民主党の組
織の論理、政党の論理があるのです。
 
 官僚の論理と、政党の論理は、それぞれ、別個のものとして、成
り立っています。
 官僚と政治家は、そこを、お互い、あうんの呼吸で認め合って、
仕事をしています。

 今回の森友学園の文書の書き換えは、財務省が、財務省という官
庁の「組織の論理」の中で、書き換えたものだと思います。自民党
政権ではなく、立憲民主党が政権を取っていたとしても、同じよう
な問題が起きたとき、財務省は財務省の論理として、文書を書き換
えたのではないでしょうか。
 組織として、組織防衛のためにやったのです。

 組織とは、そういうものです。
 これは、必ずしも、民主主義の根幹に関わるような性質のもので
はないのだろうと思います。