笑顔の“いずみ”を湧かせるために

千葉市若葉区都賀にあります「いずみ整骨院」のブログです。

認知症にならないために 5 (アルツハイマー病2)

2007-11-22 00:06:24 | スタッフの一言
 海馬が深く関わっているのは、直前の記憶や数時間、数ヶ月ほど覚えている短期記憶です。

 ですから、アルツハイマー病の初期には、古い記憶は保たれていてもさっき聞いたことを思い出せない、新しいことを覚えられないなどの健忘症状や「いつ、どこ」がわからない見当識障害などが現れるのです。

 この時期を「健忘期」といいます。

 また、この時期は、不安感からいらだったり、あるいは落ち込んだりとうつ的な様子がみられることもあります。

 さらにアルツハイマー病の病状が進行していくと、新しい記憶を司る海馬周辺からゆっくりと左右対称に脳が侵されていき、古い記憶を司る大脳皮質に影響を及ぼします。ですから、アルツハイマー病の初期には、昔のことよりも最近のことが思い出せなくなるなどの記憶障害が現れ、やがては大脳皮質が司っている言語、運動、思考、感情などが侵されてくると、全般的な知能の低下がみられるようになるのです。

 大脳皮質が障害を受ける頃は、認知症の中期にあたる「混乱期」といいます。

 この時期は、大脳皮質の機能が低下することによって過去の記憶も次第に失われていくので、さらに記憶障害が激しくなります。

 また、動作を組み合わせてする行為ができなくなる「失行」、知っているはずのものの使い方がわからなくなる「失認」、ものの名前がわからなくなる「失語」などもみられるようになったり、妄想や幻覚の症状も現れます。

 認知症の後期は、「臥床(がしょう)期」といい、病状がさらに進んだ状態です。拒食や過食、けいれん、失禁などの症状が現れるようになります。自分から行動したり何かを要求することも少なくなってきます。感情を表すこともほとんどなく、声もうまく出せなくなり、話せる言葉もほんの数語になります。

 また、寝たきりに近い状態になることもあります。このような全経過をたどる期間は、3年から10年以上と大きな差があります。また、健忘期で長く留まることもあり、全ての患者が臥床期まで至るとは限りません。

コラム

「海馬」の名称の由来「海馬」という名称は、いくつかの由来があります。

・ギリシャ神話の架空の動物である海馬(ヒポカンパス/hippocampus)の尾の形に似ているから。

・海馬の断面がタツノオトシゴに似ているから。ちなみに、タツノオトシゴの英名は「seahorse」で、直訳すると「海の馬」となります。