これは、スタッフMさんから届いた文章です。編集しながら「詩」を書いているような気分になってきましたのでその部分から一行おきに書きます。私は院内の掲示板で彼に、今の気持ちを素直に文章にしてみてはどうかと薦めました。そしたらすばらしい文章が届きました。私も国語的に自由詩がどうだとかは、わかりませんが読んでいて伝わるものがあります。まさに今の気持ちを詠った自由詩ではないでしょうか。
また、Mさんから次の文章が届いたら掲載したいと思っています。
私には幼少から飼っているハチという柴犬がいます。
17年になります。現在肝不全で入院しています。もう目も見えなければ耳も聞こえない、鼻も効かない。動物の本能だけで生きています。
今思えば、後悔することが多々あります。なんでもっと可愛がってあげられなかったんだろう。なんでもっと早く病気の症状に気がついてあげられなかったんだろう。
ハチはもう老衰間近なのは間違いなかった。僕はそのことばかり頭にあり、症状に目を向けてあげられてなかった。
ハチ、ごめんね。 もっと元気にいられたかもしれないよね?
ごめんね。ハチの存在が当たり前すぎた。
ハチはまだまだ大丈夫。
まだまだいてくれる。
ハチはいなくならない。
今年に入って、以前のように僕の帰りを元気に走って迎えてくれるハチはいなかった。
だけど優しい顔で横になって眠るハチはいた。
入院してハチの姿がない我が家は不思議な感じがした。
17年の月日は大きい。
ハチと共に過ごした日々。ハチに育てられたような17年。
別れの時は刻々と近づいている。
だけど今はハチをしっかり見れている。
今までが見なさすぎただけなのだろう。
病院で眠っているハチを見て思った。
ここ数年、こんなにもハチの顔をじっくり見たことがあっただろうか。
当たり前の日々が作り出した距離。
君のことが大好き。
今は素直に愛情を注いであげれるよ。
今になって思いだす思い出。
一緒にした散歩、キャッチボール、落ち込んだ時は癒してくれたよね。
ナナ[一緒に飼っている7歳の柴犬]を可愛がってくれてありがとう。
ハチは本当に優しい犬だよ。
迫りくる別れが恐い。
だけどハチは頑張って生きてくれてるよね?
今までも生きて僕ら家族にたくさんの思い出をくれたよね。
あと、どれくらい一緒にいられるかわからないけど、精一杯君に尽くすから。