尊厳死の問題をあつかった作品です。
リオネル・ジョスパン元フランス首相の母ミレイユがモデル。原案は娘で作家のノエル・シャトレによる小説『最期の教え(La Dernière Leçon)』。
邦題にある「92歳のパリジェンヌ」は、主人公の女性マドレーヌ(マルト・ヴィラロンガ)のこと。
かつて助産婦としての仕事をこなし子供や孫にも恵まれ、穏やかな日々をすごしていたマドレーヌ。しかし、高齢化とともに、体の自由がきかなくなり、今までできていたことが次々にできなくなっていました。
その矢先、92歳の誕生日を祝う席で、彼女は「2ヶ月後の10月17日に逝く」と宣言し、尊厳死を断行することをみなに伝えます。
家族一同は動揺し、そのようなことを思いとどまるよう説得しますが、マドレーヌの決意は固く、撤回しません。
しかし、一人暮らしのマンションの部屋で倒れ入院したマドレーヌの姿を見た娘ディアーヌ(サンドリーヌ・ボネール)は彼女の思いを受け入れる気持ちになり、最期の日々をともにいたわりあいながら過ごそうと決意します。
一方、ディアーヌの兄ピエール(アントワーヌ・デュレリ)は、これまで好き勝手に生きてきた母が死までも自分で勝手に決めたことを許せず、猛反対ですが・・・。