原作は杉浦日向子による同名コミック。
将軍徳川慶喜の身辺警護と江戸の秩序守護の任をになった武士組織・彰義隊。
大政奉還はその存在根拠を剥奪しました。レーゾンデートルを失った青年志士たちの苦悩と確執が悲劇的に描かれています。
歴史の流れをうけいれられず、志士たちは暗雲立ち込める江戸に居座わります。
そのひとり秋津極(柳楽優弥)は、福原悌二郎(岡山天音)の妹で婚約者である砂世(門脇麦)へ別離を伝えます。砂世が蒙る迷惑を案じてのことでしたが、悌二郎は納得しません。
しかし、極は自らの決心変えず、さらに養子縁組をした家から追い出された青年、吉森柾之助(瀬戸康史)をも隊に引きずり込みます。
憤懣やるかたない悌二郎は極の上司たる森篤之進(オダギリジョー)に極の解任を求めますが、もはや異常なまでに膨れ上がった隊の歯止めになるのは悌二郎のような男だ、との森の言葉に乗せられ、彼もまた隊列に加わるのでした。
その間にも新政府の兵士と隊士の対立関係は悪化。徳川家は彰義隊との関係を持たないと宣言。隊は江戸警護の任を解かれます。
これに従おうとしない隊の若者たちと政府軍との衝突を案じて、穏健派幹部は希望者の脱退を許可すると決定。異議を唱えた森は隊士たちに粛清されます。
戦乱は避け得ない運命とする彰義隊。ついに新政府軍との一大合戦。上野戦争が始まります。青春を謳歌していたはずの若者たちはつぎつぎと地に斃れていきます。