原作は立松和平の小説です。
野菜市場の仲買店でバイトをしながら大学に通う作家志望の青年と、文芸誌の女性編集者との壊れそうな愛と生活を,60年安保後の東京を背景に描いた作品。
作家志望の青年・村上哲明(佐藤浩市)は、編集室で若い女性編集者・星みつ子(中村久美)が気になっています。
みつ子は最近見合いをし、付き合っている男性がいましたが、あまり乗り気ではありません。それを承知なのか哲明は彼女を食事に誘います。二次会の飲み屋で、彼は自分の育った田舎のこと、思いつきの小説の話などを語ります。ほとんど自分勝手に。
お嬢さん育ちのみつ子にはそんな話が新鮮にうつります。誘われるままに、みつ子は哲明と何度か会いますが、彼にはアングラ演劇団の仲間とのつきあいがあり、彼女にはそのことをひた隠しにしています。
みつ子は哲明になんとなく怖さを感じ、警戒心が強めます。平凡に生きていくつもりだったみつ子にとって、哲明はよくわからない部分を秘めた青年でした。
ところが、哲明が高熱で倒れたと知り彼女は彼を見舞います。枕元でみつ子は「婚約者と別れた」ことを告げます。
ふたりは、お互いの心を確かめあいます。親や友人に哲明との交際をとがめられたみつ子は、彼と生きるために「逃げよう」と持ちかけ、以後ふたりの蜜月の時が流れるのですが・・・。