タイトルは橋幸夫・吉永小百合のヒット曲で、本作品の主題歌です。(この頃の作品のなかでの吉永小百合さんは、おしなべて「正義の味方」で、だらしない大人を「説教」しているシーンが多いです。そして、戦後民主主義の象徴?)
源氏鶏太による小説「緑に匂う花」の映画化。
舞台は東京・大田区久が原。
主人公の桑野蕗子(吉永小百合)は19歳のBG、品川のガラス工場の会計課の事務員です。家庭は停年を控えた父親の謙太郎(伊藤雄之助)と母親・ふみ(三宅邦子)、高校生の弟の(太田博之)4人暮し。兄の太郎(下元勉)は重役の娘・達枝(山岡久乃)と結婚し、次郎(近藤宏)は姉さん女房の夏子(朝風みどり)と共働きのアパート暮し。姉の律子(初井言栄)は薬局の利夫(小沢昭一)と結婚して娘もいますが、姑とのいざこざが絶えない様子です。おまけに、早稲田の学生・三上良平(浜田光夫)が桑野家に下宿するようになり、ひと悶着を起こします。
桑野家が急に賑かになります。父親の誕生日に、太郎は所用で欠席。他の子供たちは集まりますが、席上、蕗子は分相応に両親の生活費をみなで分担して捻出することを決め、彼女が月末に集金に廻ることになります(現在だったら、振り込みか、引き落とし、なのに。集金で廻るというのが時代を感じさせます)。
蕗子が同窓の幸吉(山内賢)たちと恩師(内藤武敏)を病院に見舞った後、偶然知りあった良平と幸吉の間で、引く手あまたの蕗子をめぐって諍いが起こります。蕗子は良平をかねてから敬遠していましたが次第に心のなかに微妙な変化が起り・・・。そして父親の再就職の道が速攻で決まり事態が急変します。