原作・脚本は岩本芳樹です。田舎(北海道赤平市あたり)で生まれ育った若者が、都会(東京)に夢を抱き上京するものの、現実の厳しさに翻弄されます。それでも理想を抱きながら幸せを手にしようともがきますが、哀しい結末に・・・
地方(北海道)に住んでいた克夫(田中健)の家族は離散。克夫は上京して、ビルの窓拭きなど清掃員としてなんでもこなして働きました。
克夫はロマンチストです。どこにあるかもわからないユートピア・レシポルコに住みつくことを夢見ています。その克夫が久美(高橋洋子)という名の女性に一目惚れ。しかし、逢えばレシポルコの話ばかりをする克夫と、都会で上品に生活を送りたい久美とでは、通じ合うことがありません。
ふたりが浜辺に遊びにいくと、傷ついた鴎を見つけました。鴎を海浜に埋めようとする久美に、克夫は「生きているのに埋めるのか」と止めます。「もういくらも生きられない。ぶざまに生きさせるのが嫌だもの」と久美。そして、久美は克夫に別れ告げます。
失意の克夫は、宿直の仕事を見つけました。傷ついた鴎も一緒。
ある日、高校生の頃からの悪友が久美に目をつけ、乱暴します。傷ついた久美は克夫の許へ走ります。克夫は彼女を拒否しますが・・・。