いせ九条の会

「いせ九条の会」の投稿用ブログです(原稿募集中)。
会の趣旨に賛同される方、メールでご投稿ください。

28日に南北首脳会談 改憲の方向は東アジア情勢と更に矛盾拡大/山崎孝

2007-08-09 | ご投稿
【南北首脳、利害一致 28日会談 求心力・対米打開狙う】(2007年8月8日付朝日新聞)

 【ソウル=高槻忠尚】政権末期を迎えて求心力の低下を打破したい盧武鉉・韓国大統領と、米朝関係の進展を背に朝鮮半島の平和体制確立の意思をちらつかせ、韓国から新たな「実利」確保を狙う金正日総書記。7年ぶりとなる南北首脳会談の開催は、双方の利害が一致して実現する運びとなった。

 金大中前大統領の太陽政策を継承した慮大統領は03年の就任以降、「可能であれば時期、場所を問わず受け入れる用意がある」として首脳会談に意欲を表明、水面下で開催を打診し続けてきた。

今回の会談は北朝鮮側の逆提案という形をとっているが、任期切れまで半

年余りの慮政権が影響力を発揮できる「最後の機会」と見て最大のカードを切ったのが実情だ。

 塵政権は「南北関係進展が核問題の解決を側面から支援する」(韓国政府筋)と判断したほか、年末の大統領選で野党ハンナラ党に先行を許す与党系を後押しすることも狙った。

 00年の初の首脳会談で、次回は金正日総書記が韓国を訪問することが決まっていたが、会談実現のために韓国政府が譲歩した形だ。

一方の金総書記が韓国との首脳会談を受け入れた最大の要因は米国との関係改善だ。昨年の核実験の強行後、ブッシュ米政権は強硬姿勢を改め、米朝直接対話が繰り返されるようになり、かなりの自信を深めているとみられる。

 韓国政府は既に寧辺の原子炉停止に伴う重油5万トンを提供し、食糧支援も再開している。食糧・エネルギー事情が恒常的に悪化している北朝鮮は、今回の首脳会談を新たな支援を引き出す場に活用したい思惑がある。(以上)

 韓国と北朝鮮の政府にそれぞれに国内の政治状況への思惑があったとしても、南北首脳会談を実現させる政治動向は双方が信頼を強めていく方向で、爆弾ない道を歩む、戦争を避けようとする方向です。米国の国務省担当者は、朝日新聞記者に「驚きはない。6者協議に悪影響があるとは思わない」と、歓迎する姿勢を示しています(9日付朝日)。

南北融和路線は揺るがず、6者協議は進展し、ブッシュ政権は任期内の米朝正常化を視野にいれる、本年1月には東アジア共同体の構築がアジアの国の首脳会議で確認されている状況の中で、自民党の改憲の方向は、信頼醸成への方向ではなく、爆弾がある方向、中国や北朝鮮とは軍事的対立を続ける方向です。アジアの動向とは全く整合性のない方向です。

【参考】8月2日、議長国フィリピンのロムロ外相はARF(東南アジア諸国連合と日中韓の地域フォーラム)終了後に記者会見し、北朝鮮の核と拉致問題に触れて、「重要なことは対話を続けることだ。六カ国協議の作業部会が8月末までに開催される。道のりは遠いが、これが爆弾のない道であり、障害を乗り越える道だ」と強調した。(ブログで紹介済み)

【関連情報】6カ国協議:エネルギー支援作業部会が終了(2007年8月8日付毎日新聞)

板門店で2日間行われた6カ国協議の経済・エネルギー支援作業部会は8日、北朝鮮の核施設無能力化など「第2段階措置」の見返り支援について北朝鮮が要望する資機材リストを提出し、終了した。リストは数十品目にわたるが、具体的な製品名などが不明なものがあり、参加国はさらに詳細なリストを示すよう要求。来月中旬に北朝鮮からリストの再提出を受けた後、次回作業部会の日程を調整する方針を確認した。

日本側協議筋によると、北朝鮮側は2月合意で確認した第2段階の見返りである重油95万トン相当の支援のうち、半分程度を毎月5万トンずつ重油で、残りは既存の火力・水力発電所と炭鉱に関連する資機材で提供するよう要望した。資機材リストの中には、関税分類番号まで特定した品目がある一方、製品名が分からない品目もあった。

次回の重油5万トン支援は中国が「準備中」、その次は米国が「検討中」との立場が示されたが、提供時期は来週開催予定の非核化作業部会の議論を見守って決めることにした。

2日間の協議で日本側首席代表の伊原純一アジア大洋州局参事官は「日朝2国間の懸案の進展がなければ、エネルギー支援はできない」との従来方針を改めて示す一方、「疑問点を聞いたり、意見表明は積極的に行った」(外務省筋)という。【ソウル支局】