いせ九条の会

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道のりは遠いが、爆弾のない道であり、障害を乗り越える道/山崎孝

2007-08-03 | ご投稿
【ARF:際立った中国の存在感 米国のライス長官欠席で】(2007年8月2日付毎日新聞)

【マニラ大谷麻由美】マニラで2日開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)では、米国のライス国務長官が一昨年に続いて欠席したことにより、域内の大国である中国の存在感が際立った。中国はASEANとの関係を拡大させながら、東アジアの一体化を推進し、影響力を徐々に高めていく戦略だ。

中国の外相はARFで「我々は幅広い範囲で地域の一体化に参与し、アジアの調和と発展を促進してきた」と自負を示した。米国は9月に予定されたASEANとの首脳会議も延期。ASEAN内では「米国はASEANを軽視している」との見方が強まり、中国とASEANが接近する一つの要素となっている。

東アジア共同体を巡る協議では、ASEANプラス3(日中韓を入れた13カ国)と、インド、豪州、ニュージーランドが加わった東アジアサミット(16カ国)という二つの枠組みがある。域外国の影響を嫌う中国はASEANプラス3を優先しているのに対し、地域バランスを取って中国をけん制したい日本は東アジアサミット重視を唱えている。

ASEANプラス3は、11月にシンガポールで開く首脳会議で今後の東アジア協力を展望する共同声明を発表予定だ。検討中の草案では「東アジア共同体構築という長期的な目標に向けて、ASEANプラス3が主要な手段であり続けることを再確認する」と記述され、中国の言い分が反映されている。

東アジアが一体化を進めれば、将来的には「脱米国化」の流れは避けられないと中国は予想している。共同体構想への「控えめな参加」から「核心的な立場」へと徐々に移行し、20~30年の間に、米国の役割に取って代わる「東アジアで最大の抑止的存在」(中国研究者)を目指す戦略だ。

【「北」の核 対話解決を支援 ARF閣僚会議が議長声明】(2007年8月3日付「しんぶん赤旗」)

アジア太平洋地域の安全保障問題を話し合う第十四回東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)閣僚会議が二日、マニラで開かれました。会議では、北朝鮮の核開発問題を話し合う六カ国(北と日米中韓ロ)協議が大きなテーマとなり、会議の成果をまとめた議長声明は、「対話と交渉を通じた核問題の平和的解決への支援を表明」しました。

 北朝鮮による拉致問題については、「拉致」という言葉は用いず、「人道上の問題と国際社会の人びとの懸念に対処する重要性を強調した」との表現となりました。

 議長国フィリピンのロムロ外相はARF終了後に記者会見し、北朝鮮の核と拉致問題に触れて、「重要なことは対話を続けることだ。六カ国協議の作業部会が八月末までに開催される。道のりは遠いが、これが爆弾のない道であり、障害を乗り越える道だ」と強調しました。

 ASEAN外交筋は、「六カ国協議再開で、ARF内では(北朝鮮問題の)平和解決への機運が熟してきたと期待する雰囲気があった」と語りました。

 一方、米国代表団の一員として参加した六カ国協議米首席代表のヒル国務次官補は会議終了後、記者団に対し、「今月は六カ国協議が活発化し忙しくなる。私たちは仕事をする上で良好な組織をつくった」と語り、作業部会での協議進展に期待を表明しました。

 今回の閣僚会議からはスリランカが二十六番目の国として参加し、ARFは欧州連合(EU)を加えた二十六カ国・一機構のフォーラムになりました。(以上)

朝日新聞の報道によりますと、ARFの議長声明にある「人道上の懸念に対する重要性を強調」という言葉は、北朝鮮の拉致問題と日本の従軍慰安婦問題の二つが含まれていると言われます。日本で主張された拉致問題だけが現在進行形の問題なのではないのです。米国の下院では従軍慰安婦に関する決議が可決されてしまいました。

毎日新聞は《ASEANプラス3は、11月にシンガポールで開く首脳会議で今後の東アジア協力を展望する共同声明を発表予定だ。検討中の草案では「東アジア共同体構築という長期的な目標に向けて、ASEANプラス3が主要な手段であり続けることを再確認する」と記述》と報道しています。日本も参加したアジア地域の安全保障を東アジア共同体という多国間の協調で獲得しようとしている中で、朝鮮半島の紛争や中台の軍事衝突を想定して、その紛争に介入する米国を支援するために、ASEANプラス3の目指す方向と整合性を持っている日本国憲法を変えてまでして、集団的自衛権行使が可能にすることが如何に相反する自民党の政策であることが分ります。

フィリピンのロムロ外相の《道のりは遠いが、これが爆弾のない道であり、障害を乗り越える道だ》という言葉は、実に含蓄に満ちた言葉です。日本国憲法の精神と一致しています。自民党の進める改憲の道は爆弾のある道です。