いせ九条の会

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二つの記事から読める朝鮮半島の変化/山崎孝

2007-08-24 | ご投稿
【華川 南北対立の『あだ花』】( 2007年8月18日付中日新聞)

以前から訪ねてみたいと思っていた場所へ、ようやく行く機会に恵まれた。北朝鮮と非武装地帯を挟んで向かい合う江原道の華川郡。北漢江流域にある「平和のダム」がお目当ての場所だ。

着工から完成までに約四百億円、十八年を要した。国内三番目の規模だが、普段は貯水しない珍しいダムである。訪れた日も、水はダムの底にほんの少しだけ。

事業は、上流で北朝鮮が巨大ダムに着工したのがきっかけだった。韓国側は、「水攻め」を仕掛けられたり、上流のダムが老朽化で決壊したりすればソウルが水没すると懸念し、国民から広く寄付金を募って建設した。ある知人は「小学校で集金された覚えがある」と話す。

華川郡は今、新たな観光資源として周辺に施設や公園を整備。南北対立という時代が生んだ「あだ花」は、歴史遺産に変わりつつある。山間にそびえるコンクリートの塊。ダムの巨大さが、民族分断の悲劇の大きさと重なった。(中村清)

【韓国が大規模資材支援へ 北朝鮮水害で】(2007年8月24日付中日新聞)

【ソウル24日共同】韓国の李在禎統一相は24日の記者会見で、北朝鮮の水害復旧のため、韓国政府が同日、総額374億ウォン(約46億円)相当の資材や重機の支援を行うことを決めたと発表した。9月中旬ごろから始められる見通しとしている。

支援にはセメント10万トンや鉄骨5000トン、トラック80台などが含まれる。ほかに輸送費が50億-100億ウォン程度かかる見込みという。

李統一相は、水害で北朝鮮内の道路約640カ所と鉄道の線路約100カ所、橋約300カ所で被害が出ていることを確認したと述べた。

北朝鮮は、18日と21日の2回、韓国側に資材などの提供を要請していた。

韓国は既に医薬品や生活用品などの71億ウォン相当の緊急支援品の輸送を23日から開始。民間団体が行う支援への補助も含め、これまで計105億ウォンの拠出を決めている。(以上)

二つの記事を合わせて読めば、朝鮮半島が大きな変化を遂げていることが歴然とします。韓国の北朝鮮への支援は、北朝鮮は身内だという意識が強く働いていることを感じます。

改憲の一つの理由である朝鮮半島有事を日本の周辺事態として捉え、有事に介入する米国を支援するために集団的自衛権行使の可能が必要とする理由は希薄なものとしか写りません。