いせ九条の会

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安倍首相の態度は誠実さがない/山崎孝

2007-08-31 | ご投稿
安保法制懇:憲法9条解釈の見直し検討 第5回会合(2007年8月30日付毎日新聞)

憲法9条解釈の見直しを検討する安倍晋三首相の私的懇談会「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(座長・柳井俊二前駐米大使)の第5回会合が8月30日午前、首相官邸で開かれた。首相が示した4類型のうち最後の「国際平和協力活動における自衛隊の後方支援のあり方」について議論し、現行解釈では認められていない戦闘地域内での物資輸送や医療など後方支援を認めるべきとの意見が大勢を占めた。

これまで政府は、自衛隊による医療活動など、それ自体が武力行使とは言えない活動についても、戦闘地域内では他国軍との密接度が高く、「武力行使と一体化したと見なされる」として容認してこなかった。これに対し委員らからは「国際的に通用しない考え方だ」などの否定的な意見が相次ぎ、報告書では、「一体化論」の見直しを求める方向となった。(以上)

朝日新聞は「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の第5回会合の冒頭に安倍首相は「後方支援のあり方についてこれまでどおりでよいのか。国際平和協力の今後を考えていく上で重要な検討課題だ」と述べ、見直しに向けて議論を進める必要性を強調した、と報道しています。

8月6日、広島市平和記念式典の平和宣言で、広島市の秋葉忠利市長は、核の拡散が加速するなかで「唯一の被爆国である日本政府は、謙虚に被爆のほんとうの姿を学び、世界に広める責任がある。世界に誇るべき平和憲法をあるがままに遵守し、米国の時代遅れで誤った政策には、はっきりとNOと言うべきです」と述べました。

この式典で安倍首相は「今後とも平和憲法の規定を遵守し、国際平和を誠実に希求し、非核3原則を堅持していくことをあらためて誓う」と述べました。

だが、さほど日が経ないうちに、安倍首相は、秋葉忠利広島市長の解釈改憲の動きを念頭に入れた言葉「世界に誇るべき平和憲法をあるがままに遵守」の要求を無視して、また自らも述べた「今後とも平和憲法の規定を遵守」の言葉さえ忘れてしまいました。日本国民と世界の人々を愚弄するもので、誠実な態度とは言えません。