いせ九条の会

「いせ九条の会」の投稿用ブログです(原稿募集中)。
会の趣旨に賛同される方、メールでご投稿ください。

国連平和維持活動(PKO)の性格について

2007-08-11 | ご投稿
安倍首相は8月6日の広島市平和記念式典の挨拶で「今後とも、憲法の規定を遵守し、国際平和を誠実に希求し、非核三原則を堅持していくことを改めてお誓い申しあげます」と述べました。しかし、この言葉は偽りでした。8月10日、安倍首相が設置した集団的自衛権を研究する有識者懇談会は、海外に派遣された自衛隊が、共に活動する外国軍が襲われた際に援護に向かう「駆けつけ警護」について、国際的な常識で容認すべきとの意見が大勢を占めました。安倍首相は「国際的な平和活動に一層積極的に関与することが必要だ。他国の共通の基準を踏まえないと効果的な活動を行なえない」と必要性を強調しました。

それでは、既にブログで紹介していますが、再度、国連平和維持活動(PKO)で、他国軍が攻撃されたときに応援に駆けつけることがPKOで位置づけられているのか、国連広報センターのホームページで述べている要点を紹介します。

PKOは、軍人要員だけでなく文民警察官、選挙監視団、人権監視団、その他の民間人が参加する。

PKOの活動分野は武装解除や軍隊の解散、文民警察官の訓練と監視、選挙の組織や監視などのほか、各種の国連機関やその他の人道的組織と協力しながら、難民の帰還を助け、人権の尊重を監視し、地雷を撤去し、復興を支援することである。

PKOは国連派遣団に参加するかどうか、参加するときにはどのような活動分野に参加するかは各加盟国に任されている。

PKOの部隊が派遣される国の政府、および通常その他の当事者の同意が必要であり、いかなる形であれ、どちらかの当事者に味方する形でその活動が利用されてはならない。平和維持軍の最も強力な「武器」は、国際社会全体を代表しているという事実に基づく不偏性と合法性である。

PKOに参加する部隊は、小火器を携行し、自己防衛のため、または正式に権限を授与された業務の実行を武装した人が妨げた場合に、最低限の武力を用いることが認められている。監視団と文民警察は、通常、非武装である。

PKOで肝心なことは、加盟国による政治・財政面での持続的な支援、そしておそらく最も重要な要素だと思われる紛争当事者の協力が必要と述べています。

紛争当事者の協力が必要なのに、他国軍が攻撃されたといって、応援に駆けつけてその紛争当事者と交戦して衝突の規模を拡大させることはPKOの目的に反します。PKOでの武器の使用は自らが遭遇する事態に限定されている規定にも反します。

元国連事務次長のブライアン・アークハートさんは、2006年12月13日付朝日新聞紙上で、非暴力の原理を紛争地に持ち込む。「武器は持っていくが使わない」ようにするのがPKOの性格と述べています。

国際貢献に名を借りた海外での武力行使に道を開けば、対米追従の政府の下では、米国を中軸にした有志連合の参加で集団的自衛権は発動されるでしょう。安倍政権はいまだにイラク戦争は正しいという認識を示しています。