【稼働停止対象は5カ所 IAEA北朝鮮視察団】(2007年6月29日付中日新聞より)
【平壌29日共同】北朝鮮を訪れている国際原子力機関(IAEA)のハイノネン事務次長率いる実務代表団は寧辺の視察を終え、29日午後零時半(日本時間同)ごろ、平壌に戻った。事務次長は、北朝鮮の非核化に向けた「初期段階措置」で定めた稼働停止の対象は5カ所になるとの見通しを示した。
事務次長は、寧辺の核施設のうち(1)実験用黒鉛減速炉(2)建設中の原子炉(3)放射化学研究所(4)再処理施設-などを視察したとし、「見たいところをすべて見ることができた。北朝鮮側も非常に協力的だった。視察に満足している」と述べた。また、実験炉は依然稼働していることを確認したと明らかにした。
代表団は26日、2月の6カ国協議で合意した「初期段階措置」の手続きの協議のため平壌入り。北朝鮮側と協議の後、28日から核施設が集中する寧辺を訪れていた。(以上)
【稼働停止の対象は5カ所IAEA代表団が見通し】(2007年6月29日付朝日新聞より)
訪朝している国際原子力機関(IAEA)の実務代表団が29日、寧辺(ヨンビョン)核施設の視察を終え、平壌に戻った。AP通信が伝えた。ハイノネン事務次長は、停止・封印の対象施設が5カ所になるとの見通しを示した。北朝鮮側がIAEAや6者協議関係国の要求をそのまま受け入れたとみられる。
ハイノネン氏は平壌で記者団に「我々が計画したすべての場所を視察した。北朝鮮側の協力は素晴らしかった」と説明。5000キロワットの実験用黒鉛減速炉や放射化学実験施設(プルトニウム再処理施設)、建設中の5万キロワット黒煙減速炉、核燃料棒製造施設の4カ所を訪れたことを明らかにした。これらに、泰川に建設中の20万キロワット黒煙減速炉や使用済み燃料棒の貯蔵施設などのうちの一力所を加えた計5施設が停止・封印の対象になるとみられる。
6者協議関係国の問では、北朝鮮が5000キロワット原子炉と再処理施設の2カ所しか封印に応じないのではないか、との見方もあった。北朝鮮の積極的な対応で、7月中旬とみられる6者協議の再開に大きく前進したと言えそうだ。
IAEA代表団は30日に北京に戻り、中国政府と意見交換する。7月初旬には、合意内容や予算措置などを承認するIAEA特別理事会が開かれる見通しだ。(以上)
ヒル国務次官補は6月25日、北朝鮮の訪問など東奔西走した一連の活動を総括して将来への展望を次のように述べています。「初期段階の措置がすべて履行されれば、2007年末までに核施設の無能力化を期待する。08年には、完全な非核化の最終段階に取り組むだろう」。
核施設の無能力化とともに、朝鮮半島の平和体制構築などもテーマになる。米国、中国、韓国、北朝鮮の四者による朝鮮半島の和平協議や、北東アジアの安全保障を話し合うフォーラムのような組織の導入、米朝関係などの作業部会の前進を期待したい。
このようにヒル国務次官補は朝鮮半島の平和構築に意欲を示していますが、韓国日報の5月9日付には《日本政府はヒル次官補の動きに対して、水面下で攻撃的な対応を見せている様子で、国務省や国家安全保障会議関係者は、日本外交官や米政府内の日本人脈のヒルに対するバッシングが目に余るものとなっていると指摘している》と報道しています。
日本外交官の国務次官補を快く思わない考え方は、麻生外務大臣が6月22日の記者会見で、ヒル国務次官補の訪朝に関して「焦って(北朝鮮に)行っているが、焦って足元を見られるほどアホらしい話はない。安易に譲ってもらいたくない」と批判したことにも表れています。
朝鮮半島の平和構築に意欲見せる人物の活動の足を引っ張ると言うことは、安倍政権がアジアの平和に冷淡であることの証明です。自衛軍という軍隊を持ち、集団的自衛権行使を可能にする改憲のため、その方向に国民を誘導するには、日本の周辺に脅威が存在している方が望ましいと思っているのでしょう。軍事抑止力こそ安全保障になるという「力の信奉者」にとっては、対話路線による6者合意の進展は自らの信条に打撃を受けることになると思います。
私は安全保障を軍事力に頼り、疑心暗鬼で生きるより、信頼を基本として国家間に問題が起これば穏やかに対話・交渉して生きる方を選びたいと思います。軍事力に頼っていては、未来に展望を見出すことは出来ません。
かつての米国の北朝鮮政策であった、ボルトン前米国連大使の「核開発を止めさせるためには政権の崩壊しかない」とか、ペリー元米国防相の「北との交渉は核施設に対する爆撃の可能性を圧力として使いながら行うべき」という考え方を基本にした政策や米朝二国間交渉はしないとしてきた米国の姿勢では、6者合意は進展しませんでした。
昨年の北朝鮮のミサイル発射実験のときに報道された日本政府の対応、【朝日新聞】「複数の政府関係者は『中国が拒否権を使うのなら仕方ない』と強気を崩さなかった。中国が拒否権を行使した場合に備え、中国のいない主要国首脳会議(G8サミット)で支持を訴える構想を語る関係者もいた」と紹介。また「外務省幹部が7月13日、『7章にこだわらない』と発言すると、安倍氏は外務省に『(最後の)1分1秒まで立場を貫け』と指示」と報道。
【毎日新聞】「外務省は当初から非難決議への譲歩を想定していたが、『安倍長官がネジを巻いた』(首相官邸筋)結果、麻生外相、谷内正太郎事務次官らが集まった7月7日の幹部協議で『中国に拒否権を行使させてもいい』と正面突破を図る方針を確認した」と報道されたような考え方の国連外交は敗北を喫したのです。日本国憲法の理念、国際紛争の解決は武力による威嚇や行使をしてはならないという考え方が勝利しました。
【平壌29日共同】北朝鮮を訪れている国際原子力機関(IAEA)のハイノネン事務次長率いる実務代表団は寧辺の視察を終え、29日午後零時半(日本時間同)ごろ、平壌に戻った。事務次長は、北朝鮮の非核化に向けた「初期段階措置」で定めた稼働停止の対象は5カ所になるとの見通しを示した。
事務次長は、寧辺の核施設のうち(1)実験用黒鉛減速炉(2)建設中の原子炉(3)放射化学研究所(4)再処理施設-などを視察したとし、「見たいところをすべて見ることができた。北朝鮮側も非常に協力的だった。視察に満足している」と述べた。また、実験炉は依然稼働していることを確認したと明らかにした。
代表団は26日、2月の6カ国協議で合意した「初期段階措置」の手続きの協議のため平壌入り。北朝鮮側と協議の後、28日から核施設が集中する寧辺を訪れていた。(以上)
【稼働停止の対象は5カ所IAEA代表団が見通し】(2007年6月29日付朝日新聞より)
訪朝している国際原子力機関(IAEA)の実務代表団が29日、寧辺(ヨンビョン)核施設の視察を終え、平壌に戻った。AP通信が伝えた。ハイノネン事務次長は、停止・封印の対象施設が5カ所になるとの見通しを示した。北朝鮮側がIAEAや6者協議関係国の要求をそのまま受け入れたとみられる。
ハイノネン氏は平壌で記者団に「我々が計画したすべての場所を視察した。北朝鮮側の協力は素晴らしかった」と説明。5000キロワットの実験用黒鉛減速炉や放射化学実験施設(プルトニウム再処理施設)、建設中の5万キロワット黒煙減速炉、核燃料棒製造施設の4カ所を訪れたことを明らかにした。これらに、泰川に建設中の20万キロワット黒煙減速炉や使用済み燃料棒の貯蔵施設などのうちの一力所を加えた計5施設が停止・封印の対象になるとみられる。
6者協議関係国の問では、北朝鮮が5000キロワット原子炉と再処理施設の2カ所しか封印に応じないのではないか、との見方もあった。北朝鮮の積極的な対応で、7月中旬とみられる6者協議の再開に大きく前進したと言えそうだ。
IAEA代表団は30日に北京に戻り、中国政府と意見交換する。7月初旬には、合意内容や予算措置などを承認するIAEA特別理事会が開かれる見通しだ。(以上)
ヒル国務次官補は6月25日、北朝鮮の訪問など東奔西走した一連の活動を総括して将来への展望を次のように述べています。「初期段階の措置がすべて履行されれば、2007年末までに核施設の無能力化を期待する。08年には、完全な非核化の最終段階に取り組むだろう」。
核施設の無能力化とともに、朝鮮半島の平和体制構築などもテーマになる。米国、中国、韓国、北朝鮮の四者による朝鮮半島の和平協議や、北東アジアの安全保障を話し合うフォーラムのような組織の導入、米朝関係などの作業部会の前進を期待したい。
このようにヒル国務次官補は朝鮮半島の平和構築に意欲を示していますが、韓国日報の5月9日付には《日本政府はヒル次官補の動きに対して、水面下で攻撃的な対応を見せている様子で、国務省や国家安全保障会議関係者は、日本外交官や米政府内の日本人脈のヒルに対するバッシングが目に余るものとなっていると指摘している》と報道しています。
日本外交官の国務次官補を快く思わない考え方は、麻生外務大臣が6月22日の記者会見で、ヒル国務次官補の訪朝に関して「焦って(北朝鮮に)行っているが、焦って足元を見られるほどアホらしい話はない。安易に譲ってもらいたくない」と批判したことにも表れています。
朝鮮半島の平和構築に意欲見せる人物の活動の足を引っ張ると言うことは、安倍政権がアジアの平和に冷淡であることの証明です。自衛軍という軍隊を持ち、集団的自衛権行使を可能にする改憲のため、その方向に国民を誘導するには、日本の周辺に脅威が存在している方が望ましいと思っているのでしょう。軍事抑止力こそ安全保障になるという「力の信奉者」にとっては、対話路線による6者合意の進展は自らの信条に打撃を受けることになると思います。
私は安全保障を軍事力に頼り、疑心暗鬼で生きるより、信頼を基本として国家間に問題が起これば穏やかに対話・交渉して生きる方を選びたいと思います。軍事力に頼っていては、未来に展望を見出すことは出来ません。
かつての米国の北朝鮮政策であった、ボルトン前米国連大使の「核開発を止めさせるためには政権の崩壊しかない」とか、ペリー元米国防相の「北との交渉は核施設に対する爆撃の可能性を圧力として使いながら行うべき」という考え方を基本にした政策や米朝二国間交渉はしないとしてきた米国の姿勢では、6者合意は進展しませんでした。
昨年の北朝鮮のミサイル発射実験のときに報道された日本政府の対応、【朝日新聞】「複数の政府関係者は『中国が拒否権を使うのなら仕方ない』と強気を崩さなかった。中国が拒否権を行使した場合に備え、中国のいない主要国首脳会議(G8サミット)で支持を訴える構想を語る関係者もいた」と紹介。また「外務省幹部が7月13日、『7章にこだわらない』と発言すると、安倍氏は外務省に『(最後の)1分1秒まで立場を貫け』と指示」と報道。
【毎日新聞】「外務省は当初から非難決議への譲歩を想定していたが、『安倍長官がネジを巻いた』(首相官邸筋)結果、麻生外相、谷内正太郎事務次官らが集まった7月7日の幹部協議で『中国に拒否権を行使させてもいい』と正面突破を図る方針を確認した」と報道されたような考え方の国連外交は敗北を喫したのです。日本国憲法の理念、国際紛争の解決は武力による威嚇や行使をしてはならないという考え方が勝利しました。