いせ九条の会

「いせ九条の会」の投稿用ブログです(原稿募集中)。
会の趣旨に賛同される方、メールでご投稿ください。

小沢発言 専門家は「憲法改正が必要になる論法」と指摘/山崎孝

2009-02-28 | ご投稿
小沢代表:対米追随脱却を強調 防衛力強化も言及(毎日新聞のHPより)

 日米首脳会談に合わせる形で、民主党の小沢一郎代表は2月25日、在日米軍削減論を重ねて示し、「対米追随脱却路線」を鮮明に打ち出した。次期衆院選後の政権交代をにらみ、「対等な日米同盟」の具体策として持論を強調したものだが、日本の防衛力強化にも言及。専門家からは「憲法改正が必要になる論法」との指摘が出たほか、野党内に困惑や警戒感が広がった。

 「グローバルな戦略を米国と話し合って役割分担し、日本に関係の深い安全保障面は日本が負担すれば、米軍の役割はそれだけ少なくなる」

 小沢氏は25日、大阪市で記者団に語った。そのうえで「米国のプレゼンスは必要だが、おおむね(米海軍横須賀基地に司令部を置く)第7艦隊の存在で十分だ。米軍が引くことによって日本の防衛に関することは日本が責任を果たせばいい」と改めて指摘した。

 小沢氏に近い民主党関係者によると、在日米軍の役割のうち「日本の防衛」に応分の負担をする分、「極東の安定」は第7艦隊で十分になるという意味だという。

 ただ、森本敏・拓殖大大学院教授(安全保障)は「在日米軍には海兵隊と戦略空軍があり、海軍である第7艦隊だけでは抑止機能の一部しか果たせない」と指摘。「出ていった米軍の肩代わりを日本がするのであれば、再軍備を意味し、憲法改正が必要となる」と語った。

 こうした中、共産党の志位和夫委員長は「軍拡の道を進むことでイコールのパートナーになるのは間違った道だ。日本が軍事的な力を強めれば強めるほど米国は利用する」とけん制。社民党の福島瑞穂党首は「『第7艦隊で十分』の後が『日本でやる』か『基地縮小』かで意味が違う。軍備拡張には反対だ」と戸惑いを見せた。

 民主党の鳩山由紀夫幹事長は東京都内で記者団に「極東において脅威が増大している状況ではないという発想ではないか。日本の軍備増強という発想ではない」と語り、小沢氏の発言への理解を求めた。ただ、その一方で「将来ミサイル防衛網などをしっかり作れば、米国に頼らなくとも専守防衛の中で日本の安全を保てる」という持論も展開した。【渡辺創、古本陽荘】

【コメント】「グローバルな戦略を米国と話し合って役割分担し、日本に関係の深い安全保障面は日本が負担すれば、米軍の役割はそれだけ少なくなる」という民主党の小沢一郎代表の発言は、20世紀後半と21世紀に入ってからの米国が行なってきた軍事的行為を基本的には肯定的に捉えたものと考えます。私は米国が起こしたベトナム戦争、アフガン戦争、イラク戦争の例をみても、またパレスチナ人の生活を圧迫し、犠牲にしているイスラエル行為を米国が支持していることを見ても、米国の軍事力が世界平和に貢献したとはいえません。

小沢一郎代表の「将来ミサイル防衛網などをしっかり作れば、米国に頼らなくとも専守防衛の中で日本の安全を保てる」という発言も、基本的には軍事力によって安全保障を確保するという考えです。安全保障は軍事力によって得られないことは明らかで、また軍事を増強することは国力を疲弊させ国民生活を圧迫します。日本国憲法の精神による外交こそが考えが対立している相手を安心させ、脅威なるものを取り除き、恒久的な安全保障の確保に繋がると思います。

作家の村上春樹さんが「エルサレム賞」授賞式の記念講演の言葉、《わたしたち一人一人は卵であり、壊れやすい殻に入った独自の精神を持ち、壁に直面している。壁の名前は、制度である。制度はわたしたちを守るはずのものだが、時に自己増殖してわたしたちを殺し、わたしたちに他者を冷酷かつ効果的、組織的に殺させる。》という言葉は、安全保障を軍事力に頼ることへの警告と取れます。日本の戦前の歴史、米国の戦後の歴史、イスラエルのパレスチナ政策に当てはまります。