【子どもら57人が死亡イスラエル軍爆撃で】7月31日共同通信電子版より
レバノン南部カナで30日午前1時半(日本時間同午前7時半)ごろ、住民が避難していた建物をイスラエル軍が誤爆し、中東の衛星テレビ、アルジャジーラによると、子ども37人を含む民間人ら57人が死亡した。レバノン情勢激化後、1回の空爆では最悪の被害。当時は全員が就寝中だった。
レバノンのシニオラ首相は事件を非難、即時停戦をあらためて要求して、同日予定されたライス米国務長官との会談を拒否した。長官はレバノン訪問を延期、31日には帰国の見通し。
国連安全保障理事会は30日午前、緊急会合を開催。アナン事務総長は同会合で「われわれは最大限の表現でこの空爆を非難しなければならない」と述べた。(以上)
「誤爆」としていますが、イスラエル軍はクラスター爆弾や白燐弾を使用する。国連の印がついた建物を国連が何度も警告しているのに攻撃して国連停戦監視要員4人を犠牲にする。今回のレバノン攻撃が始まってから既に600人以上が犠牲になり、ほとんどは民間人であるこのことを考えれば、無差別攻撃と言えます。
米国はレバノンの事態に対して即時停戦に賛成しませんでした。30日のイスラエル軍爆撃で子どもら57人が死亡の事態を受けてようやくイスラエルに爆撃停止を求める意見に同意しました。(31日午前7時のNHKニュース)。
国連監視要員を死亡したことを受けた27日の安保理議長声明では、全会一致が原則のために、「国連要員に対するイスラエルの意図的な攻撃を非難する」という文言を米国の反対で削除をされています。
米国は北朝鮮やイランの核保有に対しては強圧的な態度を示しますが、イランの核保有の場合は将来的な性格ですが、現実に起きている600人を超す殺戮を直視せずにイスラエルを擁護します。米国の平和に対する脅威はご都合主義そのものです。
国際世論がテロを厳しく批判するのは、目的のために一般市民を無差別に巻き込むことにあります。誤爆と称する無差別爆撃も、テロ事件と同じ結果を生んでいます。あるいはそれ以上の犠牲を伴っていてテロも無差別攻撃も同じ性格のものです。核兵器の脅威もこれから持とうとする国も既に持っている国も同じ脅威です。核を保有する国家の性格を問題にするのであれば、欧州の世論調査の結果の観点も必要です。(イラク戦争など現実に起こしている米国の政策を正確に捉えて、イランよりも米国の方が脅威と見る)
米国に対して、秘密収容所の全廃を国連専門家委員会が要求していることが7月30日「しんぶん赤旗」の電子版で報道されています。以下はその報道です。
ジュネーブからの報道によると、市民的および政治的権利に関する国際規約(国際人権B規約)の履行状況を監視する国連の専門家委員会は7月28日、米国が「テロリスト容疑者」用に設けている「秘密の収容所」をすべて閉鎖するよう求めました。このような施設は国際法に違反すると断定しています。
同委員会は、このような収容所の存在について「信頼でき、争う余地のない」報告があり、米国は「極秘裏に、秘密の場所に何カ月もあるいは何年間も」人々を拘束してきたと指摘。「すべての秘密収容所を廃止するべきだ」と強調しました。さらに、赤十字が求めている被拘束者との面会要求に米国は応じるべきだと述べました。
同様の要求は五月に開かれた国連拷問禁止委員会でも出されています。
専門家委員会はまた、米国がこれまで用いてきた長期にストレスを与えたり、眠らせないなどの尋問手法は拷問と見なされうると表明。米国が今後は繰り返さないと確約していることを評価しながらも、国際法違反だったと認めていないことに遺憾の意を表しました。
これらの人権侵害行為に対する米国の捜査には「公平性と実効性」の点で疑問が残るとも指摘しました。さらに、同国の「愛国者法」で政府の警察権限が拡大され、電話の盗聴やEメールの監視が無制限に広げられていることに警告し、同法の改正を呼びかけました。(以上)
ブッシュ政権の平和に対する態度、人権に対する態度は極めて矛盾したものを持っています。問題なのは、このようなブッシュ政権を自民党政府は、自由と民主主義、人権の価値観を共有するとしていることです。そして日本国民は、その価値観を世界的に拡大する政策に同調して、その妨げになっている集団的自衛権の不行使の憲法を変えようとしている方向に直面する。しかもこの方向を強力に推し進めようとする安倍晋三氏が次の総理大臣に最有力視されていること、不思議なことに世論調査では支持が高いとされることです。私たちは事実を正確に見て判断をしなければならないと思います。
自民党総裁選挙に関した7月28日のパネルディスカッションで、「アメリカ重視かアジア重視か」という質問に対して、安倍氏は、「挑戦的な質問だ」とやや気色ばんで、「日米関係は他で代替できない関係だ。日本が外国から攻撃されたら、若い兵士が命をかけて日本を守る国はただ一つ、アメリカだ」と述べた。(29日の朝日新聞報道を参考)7月31日午前7時のNHKのニュースは安倍晋三氏が「憲法も教育基本法も占領下のものだ。日本、自らが作らなければならない」と持論を語っていました。憲法草案を作る経緯は、時の政府が帝国憲法にあった天皇大権を残すような改憲案を出した為に、GHQに主導権を奪われた点はあったとしても、問題はその法律の内容です。その内容の平和主義は国連憲章に全く合致して、それよりも進んだところがあります。EUが多国間で国家理念を共有し、東南アジア諸国連合がASEAN憲章で加盟各国が国家運営の規範とすべき理念を摸索する動向の中で、国家主義的な色合いを強める自民党新憲法草案は世界の動向と逆向しています。
2003年8月30日、安倍晋三官房副長官は金沢市内の講演で、北朝鮮が米国に求めた不可侵条約について「万が一、北朝鮮が日本を攻撃した時に、米国が北朝鮮に報復することができなくなる。米国が反撃しないとなると、安心して日本を攻められるじゃないか、となる」と述べ、米朝の不可侵条約に反対の立場を表明した。米朝が不可侵条約を結ぶということは、情勢は北朝鮮が核武装計画を放棄し、外国との対話路線を確実にし、友好交流を促進するという、平和の方向になるということだと思う。だが、安倍晋三官房副長官は、後ろ向きに捉え北朝鮮の日本攻撃の懸念を先に考える。私には不思議な発想としか思えない。東アジアの緊張緩和を望んでいないのであろうかという文章を書いたことがありますが、前述のパネルディスカッションの「日米関係は他で代替できない関係だ。日本が外国から攻撃されたら、若い兵士が命をかけて日本を守る国はただ一つ、アメリカだ」の発言と合わせて考えると、今まで以上の外交政策における視野狭窄が心配されます。
レバノン南部カナで30日午前1時半(日本時間同午前7時半)ごろ、住民が避難していた建物をイスラエル軍が誤爆し、中東の衛星テレビ、アルジャジーラによると、子ども37人を含む民間人ら57人が死亡した。レバノン情勢激化後、1回の空爆では最悪の被害。当時は全員が就寝中だった。
レバノンのシニオラ首相は事件を非難、即時停戦をあらためて要求して、同日予定されたライス米国務長官との会談を拒否した。長官はレバノン訪問を延期、31日には帰国の見通し。
国連安全保障理事会は30日午前、緊急会合を開催。アナン事務総長は同会合で「われわれは最大限の表現でこの空爆を非難しなければならない」と述べた。(以上)
「誤爆」としていますが、イスラエル軍はクラスター爆弾や白燐弾を使用する。国連の印がついた建物を国連が何度も警告しているのに攻撃して国連停戦監視要員4人を犠牲にする。今回のレバノン攻撃が始まってから既に600人以上が犠牲になり、ほとんどは民間人であるこのことを考えれば、無差別攻撃と言えます。
米国はレバノンの事態に対して即時停戦に賛成しませんでした。30日のイスラエル軍爆撃で子どもら57人が死亡の事態を受けてようやくイスラエルに爆撃停止を求める意見に同意しました。(31日午前7時のNHKニュース)。
国連監視要員を死亡したことを受けた27日の安保理議長声明では、全会一致が原則のために、「国連要員に対するイスラエルの意図的な攻撃を非難する」という文言を米国の反対で削除をされています。
米国は北朝鮮やイランの核保有に対しては強圧的な態度を示しますが、イランの核保有の場合は将来的な性格ですが、現実に起きている600人を超す殺戮を直視せずにイスラエルを擁護します。米国の平和に対する脅威はご都合主義そのものです。
国際世論がテロを厳しく批判するのは、目的のために一般市民を無差別に巻き込むことにあります。誤爆と称する無差別爆撃も、テロ事件と同じ結果を生んでいます。あるいはそれ以上の犠牲を伴っていてテロも無差別攻撃も同じ性格のものです。核兵器の脅威もこれから持とうとする国も既に持っている国も同じ脅威です。核を保有する国家の性格を問題にするのであれば、欧州の世論調査の結果の観点も必要です。(イラク戦争など現実に起こしている米国の政策を正確に捉えて、イランよりも米国の方が脅威と見る)
米国に対して、秘密収容所の全廃を国連専門家委員会が要求していることが7月30日「しんぶん赤旗」の電子版で報道されています。以下はその報道です。
ジュネーブからの報道によると、市民的および政治的権利に関する国際規約(国際人権B規約)の履行状況を監視する国連の専門家委員会は7月28日、米国が「テロリスト容疑者」用に設けている「秘密の収容所」をすべて閉鎖するよう求めました。このような施設は国際法に違反すると断定しています。
同委員会は、このような収容所の存在について「信頼でき、争う余地のない」報告があり、米国は「極秘裏に、秘密の場所に何カ月もあるいは何年間も」人々を拘束してきたと指摘。「すべての秘密収容所を廃止するべきだ」と強調しました。さらに、赤十字が求めている被拘束者との面会要求に米国は応じるべきだと述べました。
同様の要求は五月に開かれた国連拷問禁止委員会でも出されています。
専門家委員会はまた、米国がこれまで用いてきた長期にストレスを与えたり、眠らせないなどの尋問手法は拷問と見なされうると表明。米国が今後は繰り返さないと確約していることを評価しながらも、国際法違反だったと認めていないことに遺憾の意を表しました。
これらの人権侵害行為に対する米国の捜査には「公平性と実効性」の点で疑問が残るとも指摘しました。さらに、同国の「愛国者法」で政府の警察権限が拡大され、電話の盗聴やEメールの監視が無制限に広げられていることに警告し、同法の改正を呼びかけました。(以上)
ブッシュ政権の平和に対する態度、人権に対する態度は極めて矛盾したものを持っています。問題なのは、このようなブッシュ政権を自民党政府は、自由と民主主義、人権の価値観を共有するとしていることです。そして日本国民は、その価値観を世界的に拡大する政策に同調して、その妨げになっている集団的自衛権の不行使の憲法を変えようとしている方向に直面する。しかもこの方向を強力に推し進めようとする安倍晋三氏が次の総理大臣に最有力視されていること、不思議なことに世論調査では支持が高いとされることです。私たちは事実を正確に見て判断をしなければならないと思います。
自民党総裁選挙に関した7月28日のパネルディスカッションで、「アメリカ重視かアジア重視か」という質問に対して、安倍氏は、「挑戦的な質問だ」とやや気色ばんで、「日米関係は他で代替できない関係だ。日本が外国から攻撃されたら、若い兵士が命をかけて日本を守る国はただ一つ、アメリカだ」と述べた。(29日の朝日新聞報道を参考)7月31日午前7時のNHKのニュースは安倍晋三氏が「憲法も教育基本法も占領下のものだ。日本、自らが作らなければならない」と持論を語っていました。憲法草案を作る経緯は、時の政府が帝国憲法にあった天皇大権を残すような改憲案を出した為に、GHQに主導権を奪われた点はあったとしても、問題はその法律の内容です。その内容の平和主義は国連憲章に全く合致して、それよりも進んだところがあります。EUが多国間で国家理念を共有し、東南アジア諸国連合がASEAN憲章で加盟各国が国家運営の規範とすべき理念を摸索する動向の中で、国家主義的な色合いを強める自民党新憲法草案は世界の動向と逆向しています。
2003年8月30日、安倍晋三官房副長官は金沢市内の講演で、北朝鮮が米国に求めた不可侵条約について「万が一、北朝鮮が日本を攻撃した時に、米国が北朝鮮に報復することができなくなる。米国が反撃しないとなると、安心して日本を攻められるじゃないか、となる」と述べ、米朝の不可侵条約に反対の立場を表明した。米朝が不可侵条約を結ぶということは、情勢は北朝鮮が核武装計画を放棄し、外国との対話路線を確実にし、友好交流を促進するという、平和の方向になるということだと思う。だが、安倍晋三官房副長官は、後ろ向きに捉え北朝鮮の日本攻撃の懸念を先に考える。私には不思議な発想としか思えない。東アジアの緊張緩和を望んでいないのであろうかという文章を書いたことがありますが、前述のパネルディスカッションの「日米関係は他で代替できない関係だ。日本が外国から攻撃されたら、若い兵士が命をかけて日本を守る国はただ一つ、アメリカだ」の発言と合わせて考えると、今まで以上の外交政策における視野狭窄が心配されます。