趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
鵜沼駅発行 鵜沼から1150円区間ゆき 片道乗車券
1986(昭和61)年5月に高山本線鵜沼駅で発行された、同駅から1150円区間ゆきの片道乗車券です。
桃色こくてつ地紋のB型金額式大人・小児用券で、名古屋印刷場で調製されたものです。
管理人の感覚的なものかもしれませんが、国鉄時代の金額が4ケタになる硬券の金額式券は、関東(首都圏)地区が地図式や相互式が主流であったからかもしれませんが、東海地区で多く見受けられたような気がします。
尤も、当時はまだ貧乏学生でしたので、社会人になった今でもそうですが、コレクションのために千円以上の金額式券を購入するようなことはありませんでしたので、そのような感覚なのかもしれません。
JR西日本 越前大野から1420円区間ゆき 片道乗車券
1989(平成元)年7月に、JR西日本越美北線の越前大野駅で発行された、1420円区間ゆきの片道乗車券です。
桃色JRW地紋の金額式大人・小児用券で、大阪印刷場で調製されたものです。
再掲いたしますが、同じ越前大野駅で発行された140円区間ゆきの片道乗車券です。
大阪印刷場の場合、金額が4ケタになった場合、東京印刷場のように「円区間」の文字を小さくしたり、縦書きにしたりするのではなく、金額の活字を半角サイズの小さいものにして対応していました。そのため、東京印刷場は様式そのものが異なっていましたが、大阪印刷場の場合は様式はそのままに活字のサイズのみ小さくする形が採られており、印刷場によって対処の仕方(考え方)が異なっていたことが窺えます。
JR西日本 越前大野から140円区間ゆき 片道乗車券
前回エントリーでJR東日本が発行した硬券式の金額式乗車券を御紹介いたしましたので、今回はJR西日本が発行した硬券式の金額式乗車券を御紹介いたしましょう。
1990(平成2)年8月にJR西日本越美北線の越前大野駅で発行された140円区間ゆき片道乗車券です。
桃色JRW地紋のB型大人・小児用券で、大阪印刷場で調製されたものです。
大阪印刷場の金額式券は発駅欄が細い縦書きになっているのが特徴で、東京印刷場のものに比べ、全体的に活字が細い印象を受けます。
再掲いたしますが、東京印刷場で調製された券です。記載されている内容は同一ですが、様式が異なるとかなり印象が違います。
また、大阪印刷場の券は「円区間」の文字の「円」だけ大きさが大きく、「区間」の文字は一回り小さくなっているのが特徴です。
やはり、大阪印刷場の券も金額が4ケタになることは想定されていなかったのか、御紹介の券のデザインでは4ケタの金額を入れることは難しくなっています。
JR東日本 御嶽から1000円区間ゆき 片道乗車券
1988(昭和63)年8月にJR東日本青梅線の御嶽駅で発行された、1000円区間ゆきの片道乗車券です。
桃色こくてつ過渡期地紋のB型金額式大人・小児用券で、東京印刷場で調製されたものです。
前回エントリーの「JR東日本 御嶽から120円区間ゆき 片道乗車券」のなかで、JR旅客鉄道各社では国鉄民営化の際、各社とも国鉄時代の各印刷場で発行されていた様式の一部をJR仕様に変更している経緯があると申し上げましたが、国鉄時代では金額式券は近距離用の乗車券として作成されたものであり、発行されていた券種は2ケタの金額のものから、最大でも3ケタの金額のものとなっており、4ケタの金額になる金額式券は想定されていなかったものと思われます。
そのためでしょうか、金額「1000」の後の「円区間」の文字が、東京印刷場の様式では横書きとされているところ、スペースの関係で、フォントの小さな文字の縦書きで表記されています。
参考までに、前回御紹介いたしました120円区間ゆきの券を再掲します。3ケタの時の「円区間」の文字と、4ケタの時の「円区間」の文字の違いがお分かりなるかと思います。
JR東日本 御嶽から120円区間ゆき 片道乗車券
1991(平成3)年2月にJR東日本青梅線の御嶽駅で発行された、120円区間ゆきの片道乗車券です。
桃色JRE地紋のB型金額式大人・小児用券で、東京印刷場で調製されたものです。
JR旅客鉄道各社では硬券式の金額式乗車券を発売していましたが、国鉄民営化の際、各社とも国鉄時代の各印刷場で発行されていた様式の一部をJR仕様に変更している経緯があり、地紋の他、「ロ東」の符号および「東日本会社線」の表記以外は国鉄時代と同一です。
そのためでしょうか、金額式券は基本的に近距離用として作成されておりましたので、発売額(=有効区間運賃)が4ケタになることは当初は想定されていないと思われる3ケタが限界の体裁をしています。
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