1992(平成4)年8月にJR九州長崎本線(長与支線)道ノ尾駅で発行された、「長崎空港きっぷ」という企画乗車券です。
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桃色JRK地紋のD型大人・小児用券で、門司印刷場で調製されたものと思われます。ただし、券面は印版印刷となっており、民間印刷場に外注されたものの可能性もあります。
発駅および発行駅名は記入式になっており、同じ運賃帯の駅間で融通されていたものと思われます。
長崎空港きっぷは、JR線とかつて長崎本線(長与支線)内にある大草駅から出航していた長崎空港への航路(海上ルート)をセットにした企画乗車券で、航路部分については安田産業汽船という地場の海運会社が運航していました。
券面には乗車ルートが記載されていますが、鉄道(JR九州線)部分については電車のイラストが、航路部分には船のイラストが描かれており、あまり他にない、独特な様式になっています。
御紹介の券は、JR線と航路を利用した空港アクセスの利用を増やすため、割引のある連絡乗車券型の企画乗車券として発売されたものです。
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裏面です。券番の他、大草駅以外では途中下車ができない他、乗車変更の取扱いができないこと等の注意書きがあります。
大草駅からの長崎空港までの航路は「大村湾内航路」と呼ばれる各種湾内連絡船の中の一つで、長崎市内から空港までの最短経路になっており、車や空港バスのように渋滞による遅れの心配がないということで開設されましたが、大草駅が長崎本線の旧線である長与支線ということで30分ごとに列車の運行があったものの、大草駅での乗り換えがあまり便利ではなかったために需要はあまり多くなく、平成10年代に航路が廃止されてしまい、それに伴って長崎空港きっぷの発売も終了しています。