趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
市ヶ谷駅3社相互連絡精算所の硬券
前回の小ブログにて市ヶ谷駅の3社相互連絡精算所の乗車券を御紹介いたしましたが、硬券時代のものが若干手元にございましたので御紹介いたします。
現在JRが管理していますJR(国鉄)側の精算所と東京メトロ(営団地下鉄)側の精算所は、以前は営団地下鉄が管理していました。
これはその当時の昭和56年に営団地下鉄にて発行された、集中印刷式の国鉄金額式券です。発行箇所が社線発行を示す「○社 市ヶ谷駅」となっており、入鋏の形も営団地下鉄市ヶ谷駅のものになっています。
営団地下鉄管理時代に集中印刷式券は廃止され、昭和58年頃には小面印刷式券となります。
その後、昭和60年頃、精算所の管理が営団地下鉄から国鉄に移管されて現在に至ります。
国鉄に移管されてからは、精算所は「○A」窓口となり、発行箇所名が「○A 市ヶ谷駅」と表示され、○社のマークは消えます。
また、入鋏も国鉄市ヶ谷駅のものになり、形が変わっているのがわかります。
国鉄民営化によって国鉄はJRに変わり、市ヶ谷駅「○A窓口」のままJR東日本となります。
こちらは昭和58年発行営団地下鉄時代の営団地下鉄券です。自社発行の券のため、普通の営団券となっています。
旧様式のため、ヘッダーの社名が(帝都高速度交通営団)表記になっています。
精算所が国鉄移管されますと、営団地下鉄の乗車券は国鉄が発行するようになり、現在に至ります。
これは昭和61年に国鉄にて発行された営団地下鉄乗車券です。発行駅名の左上に国鉄東京西鉄道管理局委託発行を示す「○西」のマークが印刷されていることから、国鉄発行券であることがわかります。
その後のJR化により、営団地下鉄の乗車券はJR東日本が発行することになります。
これは平成2年にJR東日本にて発行された営団地下鉄乗車券です。国鉄時代同様、発行駅名の左上にJR東日本委託発行を示す「□東」のマークが印刷されています。
東京都交通局の精算所でも営団地下鉄券を発行しています。
平成3年に東京都交通局にて発行された営団地下鉄券を見てみますと、表面には何ら委託発行の表示はありませんが、裏面の発行箇所名が「(都)市ヶ谷駅」となっており、東京都交通局が発行したことがわかります。
それでは、都営地下鉄券を見てみましょう。
これは国鉄発行の都営地下鉄券ですが、裏面の発行箇所に国鉄東京西鉄道管理局委託発行を示す「○西」のマークが印刷されています。
しかし、この券は平成2年に発行されており、JRになってから発行されたものであることがわかります。都営地下鉄券は国鉄時代に相当数が印刷されたようで、JR化後3年が経過しておりますが、国鉄委託のマークがついた券がそのまま引き継がれたことが伺えます。
他にも探してみましたが、残念ながら「□東」のマークの入った券は手元にありませんでした。
こちらは昭和61年に営団地下鉄が発行した都営地下鉄の乗車券です。裏面の発行箇所名が営団地下鉄発行を示す「○エ 市ヶ谷駅」となっています。
ここで一つ、買い漏らしたものがあることに気づきました。
東京都交通局発行の国鉄券はどのようなものであったのでしょうか?
これは同じく馬喰町駅の東京都交通局精算所発行の国鉄券です。発行箇所が東京都交通局委託を示す「○都 馬喰町駅」となっています。
もしかすると同じ法則により、「○都 市ヶ谷駅」というものであったかもしれません。
この記事は菅沼天虎様の「菅沼天虎の紙屑談義」7月30日エントリーの「市ヶ谷駅 東京都交通局発行の乗車券」にトラックバックさせていただきました。
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結論は、ご推察の通りでした。