趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
吉祥寺駅発行 新宿廻り竜王ゆき 連続乗車券
今から43年前の本日であります、1978(昭和53)年6月6日に中央東線吉祥寺駅で発行された、新宿駅廻りの竜王駅ゆき連続乗車券です。
青色こくてつ地紋の軟券で、東京印刷場で調製されたものになります。
乗車経路は、吉祥寺~(中央東線)~新宿/東京山手線内~(中央東線)~竜王で、吉祥寺から一旦新宿方面へ行き、折返しのうえ、再度吉祥寺を経由してその先の竜王まで行くというものになります。発行日欄の上に四角で囲まれた「吉祥寺・新宿・竜王」の表記がありますが、これが乗車経路の概要になります。
当時は高尾発だけではなく、新宿駅を始発とする普通列車があったことから始発列車に乗ることで座席を確保することや、やはり新宿発の急行列車や特急列車に乗車するために一旦新宿まで行くことが第一の目的としてそれなりの需要があったようで、常備券として設備されていたようです。
当時の普通列車は新宿を発車すると次の停車駅は立川であり、その後八王子・高尾と停車いたしましたが、列車によって始発駅の新宿でなければ座席の確保が難しいこともあったかと思われます。また、急行列車や特急列車は新宿を発車すると現在のように立川停車の設定はなく、次の停車駅は八王子であったため、吉祥寺から各駅停車で八王子へ行くより、一旦新宿へ行って始発から乗車した方が気分的に楽であったという理由もあったかも知れません。
御紹介の券は連続乗車券と言われるもので、片道でも往復でも発売できない区間を発売する乗車券です。連続1と連続2で構成される2枚1組のきっぷで、連続1の到着駅と連続2の出発駅が同一であることが条件となります。
わかりやすく言うと、A駅→B駅の片道乗車券と、B駅→C駅の片道乗車券がセットになったものが連続乗車券で、今回の例では、A駅が吉祥寺駅、B駅が新宿/東京山手線内/駅、C駅が竜王駅になります。連続できるのは2区間に限り、3区間以上を一つの連続乗車券にすることはできません。
連続乗車券は往復乗車券と異なり、どんなに長い距離の区間でも運賃が割引になることはありませんが、有効期間が1枚目の乗車券と2枚目の乗車券を合わせた日数になるというメリットがあることと、学割などの各種割引を適用して購入する場合、1枚の割引証で購入することができるメリットから、利用されることが多いようです。
御紹介の券の場合、連続1が吉祥寺から新宿ゆきの乗車券となり、有効1日、当時の運賃が110円で、連続2が東京山手線内(新宿)から竜王ゆきの乗車券となり、有効2日、当時の運賃が1,000円になります。従いまして、同区間を1組にした連続乗車券の場合、有効期間と運賃はそれぞれを加算した数となりますので、有効3日、運賃1,110円になります。
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今の運賃ですと、吉祥寺~竜王間が1,980円、東京(新宿)~竜王間が2,310円、吉祥寺~新宿間が220円になりますね。なので同じ乗車券を購入すると2,530円ですね。仰せの通り、吉祥寺~竜王間の片道乗車券1,980円と、吉祥寺~新宿間の往復乗車券440円を組み合わせたら2,420円なので、ちょうど当時の新宿までの運賃分である110円高くなってしまいますね。
当時の吉祥寺~竜王間の片道乗車券は900円位だったと思うので、吉祥寺~竜王間の片道乗車券900円と、吉祥寺~新宿間の往復乗車券220円を組み合わせたら1,120円なので、逆に10円高くなっちゃうってところでしょうか?