趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
神奈川中央交通 伊勢原駅発行 大船ゆき片道連絡乗車券
神奈川中央交通ネタをもう一つエントリー致したいと思います。今回御紹介する券は拙ブログにおいて13年くらい前に御紹介いたしたことがございますが、時間がかなり経過しておりますので、再度エントリーしたいと思います。
今から約67年前の1954(昭和29)年8月に神奈川中央交通伊勢原駅(現在の伊勢原駅前サービスセンターと思われます)で発行された、伊勢原駅から大船駅ゆきの片道連絡乗車券です。桃色PJRてつどう地紋のB型一般式券となっています。
通用期間は発売日共2日間となっており、下車前途無効の文言がないことから、途中下車が可能であった可能性があります。
乗車経路は神奈川中央交通バスの伊勢原駅から下宿・伊勢原中学校前・下大竹・馬渡・矢羽根・豊田本郷駅・中原上宿・中原下宿・共済病院前総合公園西・追分・立野町・横浜ゴム前・市役所前・四ツ角という駅および停留所を経て平塚駅へ行く、多少のルート変更はあった可能性はありますが、現在の伊勢原駅南口から平塚駅までの路線を経由し、平塚駅から国鉄東海道本線に乗換えて大船駅まで行くものとなっています。
裏面です。裏面には券番の他、会社名である「神奈川中央交通会社」の表記と発行駅名が記載されています。
同社は国鉄がJRになってからも1993(平成5)年頃まで、東京近郊のバス会社としては最近まで国鉄(JR東日本)線との連絡運輸を行っており、連絡定期券の他、乗客からの申し出があれば補充券(補片のみ)による乗車券の発売も行っていました。
しかし、バスは「運賃箱に運賃を投入して乗車する」ことが一般的であり、また同社独自の磁気カード式のバス回数カード(現在発売中止)も発行されていた環境にあることから、わざわざ連絡乗車券を求める乗客は皆無に等しく、あまり発行実績はなかったようです。
バス区間のうち、途中の豊田本郷駅は鉄道との接続が全く無い停留所であるにも拘らず現在でも「駅」を名乗っており、これは国鉄(JR)との連絡運輸をしていた時代の連絡運輸設定駅の名残りなのだそうです。