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マーケティング研究 他社事例 598 「地方創生のポイント」 ~出口さんがおっしゃっています~

2020-07-09 08:59:12 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 598 「地方創生のポイント」 ~出口さんがおっしゃっています~


前ライフネット生命の社長を務め、現在では立命館アジア太平洋大学の学長をお務めの出口さんの地方創生に関するレポート記事を読みました。

そこでは出口さんは以下の様におっしゃっています。

「立命館アジア太平洋大学の学生数は約6000人ですが、日本人と外国人の割合は約半々です。そして、日本人学生の内訳を見ると、地元である九州出身者は3分の1にとどまります。残り3分の2は、ほとんど東京や大阪から集めています。」

このような地方大学はそう多くありません。

ではなぜそうした結果になるのでしょうか?

その答えは一目瞭然です。

『面白い大学』だからです。

「学生の半分が90以上の国や地域から集まった外国人という、こんな若者の国連のような場所はほかにありません。」

地域創生においても同じことが言えるというのが、出口さんがおっしゃっている事です。

「面白い人がいて、面白い場所をつくる。そうすると、よその面白い人も「じゃあ見に行ってみようか」と言って集まってくる。」

こうした流れを後押しする一つのキーワードが関係人口と言われるものです。

関係人口とは、ふるさとや学生時代に過ごした街、あるいは転勤で赴任した街といった愛着のある市町村のために、移住まではしないものの現地で社会課題の解決に取り組んでいる人たちの数を指します。

出口さんは2019年から、地方創生の具体策を審議する政府の「まち・ひと・しごと創生会議」の有識者もお務めになっています。

「関係人口の拡大は地方創生第2期のテーマの一つでもありますが、『愛着のある街』で活動する人を増やすために副業解禁やリモートワークの普及など働き方改革を一層進める必要があります。週のうちの半分は、地方で暮らしながら、東京でも仕事ができる。こういった多様な働き方を認めることが大切です。」

『多様な働き方』と言う言葉はもはや一般化されていると思います。

学生も会社を選ぶ基準になりつつあり、優秀な人材を確保したい企業にとっては対応の可否で採用に大きく差が出てしまう事もあるでしょう。

「さらに言えば、転勤可能な総合職というゆがんだ制度もやめるべきです。上司は知らなくても、転勤を命じた社員は日曜日に地元サッカーチームの指導をして子どもたちから慕われているかもしれない。こういう発想がないわけです。社員と地域との連携を何も考えていない。」

出口さんらしい発想だと思います。

ネットライフ生命では、保険業界の常識を壊し、社内の制度も次々と当時としては新しい事を取り入れ手腕は見事でした。

特に女性の働きやすさは群を抜いていたのではないでしょうか?

「転勤は希望者に限るべきだというと、札幌や福岡といった中枢都市はともかく過疎地域となると、希望者がいないという反論が出ます。そういった地域では中途採用をしたらいい。その地域に精通した人材が確保できて、地元からは立派な企業だと称賛される。良い事ずくめじゃないですか。発想の転換が必要ですよ。」

そして、記事の最後は以下の様に結んでいます。

「地方創生のポイントは、面白い場所をつくる。働き方改革を進める。転勤を希望者に限る。この3つです。」

出口さんは歴史にも、とても深い見識をお持ちで、読書魔だそうです。

我々も出口さんのようにもっとシンプルに物事を捉える必要があるのかもしれませんね。

※出口さんと私の写真は、8年ほど前に撮ったものと記憶しております。


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