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マーケティング研究 他社事例 671 「ブランディングにおいて最重要キーワード1」 ~パーパス経営~

2020-11-02 15:17:01 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 671 「ブランディングにおいて最重要キーワード1」 ~パーパス経営~


企業は何のために存在するのか?

日本では、ビジョンやミッションなどで語れる事だと思いますが、株主至上主義に対するアンチテーゼが発信された事で、現在は大きな論争が起きています。

「利益の最大化」という存在意義を問い直している、オックスフォード大学のメイヤー教授のコラムからパーパス経営について学んでいきたいと思います。

「1983年以降、英国の市場調査会社イプソス・モリが毎年、約1000人の英国人を対象にした調査がある。英国人はどの職業の人に対して、真実を話していると信じるかについて聞いたものだ。トップが看護師、医師、そして幸いなことに大学教授も上位に入った。一方で底辺にいる人たちは誰かというとビジネスリーダーなのだ。最低のところにあるのが政治家である。政治家は調査開始以来ずっと銀行員や労働組合幹部などより下であり、ここは驚くに値しない、それよりもビジネスリーダー、つまり企業に対する信頼感のなさにショックを受けた人は少なくないのではないだろうか。この傾向は少なくとも英国では根深いもので、長期的に続いている現象である。なぜか?。理由は、ビジネススクールや大学など、世界各地で教えられている企業論のせいだと私は考える。それが『フリードマン・ドクトリン』である。」

フリードマンとは、ノーベル賞経済学者のミルトン・フリードマンのことです。

このノーベル賞を受賞されるほどの方が関係する何が問題なのでしょう。

「企業は2000年前、ローマ帝国時代に最初につくられた。当時の企業は『公的な機能を果たさなければならない』とされた。実際、ローマ時代の企業の役割は、微税し、貨幣を造り、公的な建物を維持管理することだった。だが、企業の唯一の目的は『利益を生み出す事』だとする新たな理念が1962年、いわゆる『フリードマン・ドクトリン』として生み出された。フリードマンは『ビジネスの唯一の目的は、ルールを守りながら利益を増やすことにある』と言った。これは企業経営者が、株主はオーナーに対する説明責任を欠いていたことから出た考え方だ。株主は投資先の企業に権力を行使したり、監督したりすることが出来ない。どうすれば株主の利益を守れるか。フリードマンの考えは、企業の存在意義を利益の創出と定義することだった。」

『利益の最大化こそ企業価値を最大にする』

こう定義しておけば、少なくとも経営者だけが得をして株主が損をするということはなくなります。

しかし、こうしたフリードマンの主張が、公的な存在だった企業が、特定の関係者のための存在に変容するきっかけともなったのでした。

「この考え方は、1960年代以降に株式市場で取引が続けられていく中、ますます重視されるようになった。株主から強い支持もあって、経営者は株価だけに注目するようになっていった。」

一方で、株主至上主義の価値観は、企業経営の歴史の中でもごく短いものともいえます。

言い換えれば、決して変えられないものではないですし、変わらないものでもないという事です。

「日本企業の経営理念では、投資家だけではなく、従業員や社会全般での利益も促進する役割が重視されてきた。その価値観はとりわけ終身雇用の慣行に表れてきた。変わったのは、安倍政権が成立し、コーポレート・ガバナンス改革の積極的な取り組みが始まった2013年以降だと私は思う。経営者の株主に対する責任をより重視することが、健全な理念として根付いた。だが、本来なら改革の課程で、米国や英国で、株主利益に注目し過ぎたため起こった問題をつくらぬよう、慎重に事を進める必要があった。近年は、企業が社会を積極的に支える、すなわち多くの国が直面するような危機を乗り越え、経済と社会を再建する役割に重きを置かれる状況になった。株主至上主義の限界である。」

では、メイヤー教授が考える新しい企業像とは何でしょうか?

ここでパーパスの登場となる訳です。

「これから企業経営にはバランスが重要になる。つまり社会、従業員、そして地球環境に対して役割を果たす事と、もうけて利益を生む事のバランスだ。私が考える『企業の目的(PURPOSE)』とは、地球上の人類が抱える問題に対して、『利益を生み出せる解決策』を提示することだ。慈善活動や寄付とも違い、社会的起業とも違う。社会や環境が抱える問題の解決を提供することで利益を生み出す。これこそが企業の役目だ。」

いわば「パーパス経営」を提唱するメイヤー教授の話からは、フリードマン・ドクトリンから転換するにあたり、日本企業の方がアメリカやイギリスの企業より有利に思えるのは私だけでしょうか?

例えば日本では、不祥事や不正が起こった時、経営者が世間に説明しますが、欧米では、株主への説明責任が最も重視されてきたのですから。

「これから英国や米国が新たに目指すべき経営モデルは、日本的なやり方に近づいていくことかもしれない。一方の日本モデルはここ数十年、アングロサクソンモデルを取り入れ、今までより株主の影響力を高めようとしてきたが、もともと従業員や、世間という社会を株主だけでなく社会にも貢献しなければならない存在だという新しい価値観を、もっと取り入れていかねばならない」

日本で現在進められている様々な改革でも、メイヤー教授が言う新しい企業像とは、まだ距離があるように思えます。

イギリスとアメリカがたどった「株主偏重主義」と同じ轍を踏まないために日本はどうすればいいのでしょうか?

現在、論争になっている「パーパス経営」から探っていきましょう。

(続く)


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