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マーケティング研究 他社事例 668 「ブランド力に影響があるアジリティ」 ~くら寿司の対応力~

2020-10-27 08:07:15 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 668 「ブランド力に影響があるアジリティ」 ~くら寿司の対応力~


外出自粛で外食大手に強烈な逆風が吹く中、回転ずしチェーンがいち早く立ち直ろうとしています。

くら寿司は6月の既存店売上高が前年同月比2.6%減と、前年比で休日が2日少ないため曜日補正をかけた実力値は3.5%増だったと言います。

「7月も天候不順やコロナウイルス感染拡大など不安定要素はありましたが前年並みで推移している」

最大手のスシローも6月は実数ベースで2.1%減、元気寿司も8.4%減でした。

6月は居酒屋大手のワタミが7割減、ファミレスのすかいらーくグループやサイゼリヤがいずれも3割以上、売上を落としています。

回転寿司は抜きんでて客足を取り戻しているのがわかります。

緊急事態宣言から4か月近くたち、回転ずし業界ではいくつかの優位な点があったとの分析が広がっています。

一つは店舗の立地特性と客層です。

大型すし店はロードサイド型店が多く、家族連れのニーズが高く、都心や駅前の店舗が多い居酒屋はサラリーマンや若者の団体客をターゲットとし、コロナ禍の影響をもろに受けてしまいました。

寿司はもともと、テークアウトやデリバリーと親和性が高く、各社の「持ち帰り専門メニュー」も当たった格好です。

外食業界で「料理の再現性」と呼ばれる条件も効いていて、「ハンバーグやパスタは家で作れても、寿司は肉食に置き換える事が難しい」と分析されています。

こうした優位性に拍車をかけたのが「非接触」のための技術導入です。

くら寿司は今年1月に「入店から退店まで店員と接することのない快適な空間」を目指して設計した浅草ROX店をオープンしました。

入店案内も注文もディスプレー上で行い、食後は客が皿を回収口に投入して自動で料金を算出します。

セルフレジも含め2025年までに全店で導入予定でしたが、コロナ禍を受けて2021年10月に前倒ししたのでした。

くら寿司は7月7日、空中に浮かんだ文字に触れて入店案内を済ませる非接触パネルの実証実験も大阪市の店舗で始めました。

「ニーズがあれば導入拡大を検討する」とくら寿司も考えています。

スシローも自動案内システムや、テイクアウト客が非接触で商品を持ち帰ることが出来る自動土産ロッカーの導入を急いでいます。

回転ずしチェーンはかねて衛生面に敏感でした。

生ものを扱う上、小さな子供も多く来店するため、くら寿司は2011年に防菌すしカバーを導入しました。

人手不足への対応で自動化でも先行し、それが非接触技術につながっています。

各社は次の手として大都市の都市部進出を狙っています。

原価率が4~5割前後と薄利で家賃が高い地域の出店は限定的でしが、。コロナ禍で多くの飲食店が閉店に追い込まれ出店余地が広がると考えているのです。

「競争率が下がれば家賃も落ち着く。ある意味チャンス」

「弱点の首都圏などで店舗開発を進められる」

といった声も聞こえて来ます。

コロナ下の外食産業は縮小するパイを奪い合う消耗戦がさけられません。

序盤は回転ずしが他業態に攻め込む構図が鮮明になっています。


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成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣 

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