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テレビドラマ「北の国から」考 (2)悪いのは獣か人間か

2021年08月23日 13時39分00秒 | 映画/ドラマ/アニメ
何年かぶりにまた見始めた、今回で3度目、見るほどに内容の深さがわかってきて面白い

キャスト

黒板五郎(田中邦衛) 純(吉岡秀隆) 蛍(中嶋朋子)
令子(いしだあゆみ) 宮前雪子(竹下景子)
北村草太(岩城滉一) 北村清吉(大滝秀治) つらら(松田美由紀)
涼子先生(原田美枝子)笠松(大友柳太郎) 笠松正吉(中澤佳仁)
中畑和夫(地井武男) 吉野(伊丹十三) 

純と蛍は冬を前に分校に行くことになった、生徒は3人しかいなかったが増えて5人になった
分校までは家から大人の足で40分だという、そこを毎日二人は歩いて通う、スクールバスなんかない
教師ははぐれ教師の涼子先生、個性的な若い女教師で企画にはまらず島流しにされたような立場らしい
頭がよさそうな純を見て本校を進めるが五郎はここに通わせてほしいと頼み込む、純にとっては大迷惑なのだが五郎はかたくなだ
涼子先生と五郎どっちも頑固な似た者同士だ
この生徒に笠松正吉がいる、祖父と二人で暮らしているが祖父は笠松の爺さんと呼ばれて村内では変わり者の嫌われ者だ
だがこの村の開拓者の一人であり、五郎の父と汗水流して沃野を切り開いた友であったという
奥さんが亡くなってから今の性格になったらしくて、それまでは優しい穏やかな男だったという

蛍は友達がいない、それで家の裏に来たキタキツネを餌付けし始めた、それは成功して「るる」と名前を付けた
ところが「るる」は近くの森の中で虎ばさみの罠に足を挟まれてどこかに消えてしまった、悲痛な鳴き声を挙げながら、蛍のショックは大きかった
その虎ばさみを仕掛けたのは笠松の爺さんだった、特別な事情がない限り今は禁止されている

学校で涼子先生が生徒たちに蛍のキタキツネの餌付けについて話し合いをさせた
正吉だけが狐の餌付けはダメだという、
ほかはみんなキツネをかわいがるのは良いことだというが涼子先生は
「キツネに餌をやれば自然の中で自分で餌をとることをしなくなっていずれこまるのではないか、だから自然の動物にエサをやるのは賛成できない」
と正吉を擁護する、純たちは二人に徹底的に反対して騒がしくなる
キツネは村人の飼っている鶏を襲ったり悪いこともする、だから殺すのも仕方ない、だがもともと動物たちしかいなかったこの地に人がやってきて
森を切り開き、動物の生活圏をどんどん減らしていった、動物は住む場所も食べ物も少なくなっていった犠牲者だ
動物擁護派はそういう

村人がキツネやウサギやリスなどを捕獲するのは生活の為だと正吉は言う
爺ちゃんが獲った動物の毛皮で寒さしのぎのチョッキを正吉のためにいくつも作ってくれた
だが蛍が可愛がっていたキタキツネが爺ちゃんの虎ばさみで足を切断したことを知って、爺ちゃんに言う
「じいちゃん、もうチョッキはいらんから罠で動物を獲るのはやめてくれ」

正吉から話を聞いた笠松の爺さんは五郎を訪ねて開拓当時の苦労話を淡々と話す、そして昔は作業に使う農耕馬を冬前に売って冬の暮らしに充てる
売られた馬は町で肉馬となって殺される、だがそうしないと生活ができない
雪深い半年続く冬の間にキツネなどの動物を捕まえて毛皮を売り、春に新しい馬を買うお金つくりにする、その繰り返しだったと
だが自分が仕掛けた罠で、蛍の心が傷ついたことに素直に謝った
そして毎年馬を売っていた笠松がなぜか20年連れ添ってしまった今の馬を売りたい、五郎買ってくれないかと頼みに来た
それは愛馬が肉となることを避けたいという笠松の願いであった、だが五郎は貧しい、買う金など無い、笠松は落胆した

実はこの前、雪子と純が車で峠に出かけてそこで猛吹雪にあって身動きできず何時間も閉じ込められて凍死寸前まで追い込まれた
気が付いた五郎は必死で捜索したが救助の車も動けない、おおよそ峠あたりの見当は付いたが猛吹雪でいる場所がわからない、打つ手が無くなった
そのとき「笠松んとこの馬なら見つけられるかも」と五郎が働いている中畑木材の従業員が言った
五郎は笠松の爺さんに頭を下げて馬そりを出してもらった、そして馬は二人が雪に埋もれている場所でぴたりと止まった
路肩を掘ると車が出てきて二人はぎりぎりで命が救われた、笠松の爺さんはこのことで五郎が買ってくれるかと淡い期待できたのだったが
五郎は貧しすぎた        続く