滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

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【0602/2:教科書採択問題】2月3日、守山市情報公開審査会が情報公開不服申し立てを棄却

2006-02-28 00:56:07 | Weblog
昨年8月に行われた第2地区教科書採択協議会(事務局:守山市教育委員会)による公立中学校の教科書採択に関して、同地区に属する草津市の市民である木村幸雄さんが、発言者名が記載された協議会議事録が存在していないとして非公開とされたことは納得できず不服であるとして昨年9月28日に守山市教育委員会に対して審査請求を行っていましたが、2月3日、同市情報公開審査会は発言者名がわかる議事録は存在しないと判断されるため教育委員会による非公開決定は妥当であるとする答申を下しました。

《これまでの経過》

昨年8月に県下の6つの教科書採択地区協議会において今年度から使用される公立中学校の教科書採択が行われました。第2地区協議会に属する草津の市民である木村幸雄さんは昨年9月5日に、第2地区の事務局である守山市教育委員会に対して、発言者名がわかる第2地区協議会の議事録を公開するよう請求しました。しかし、昨年9月12日、同市教育委員会は請求された公文書は不存在であるとして非公開とする決定を下しました。この決定を不服として、木村さんは行政不服審査法に基づいて昨年9月28日に守山市教育委員会に対して審査請求を行っていました。審査請求の後、木村さんと審査請求補佐人である二人の市民により昨年11月11日に意見陳述が行われ、去る2月3日に同市情報公開審査会により上述のような答申が行われました。

木村さんは審査請求に際して、発言者名が分かる議事録が「不存在」を理由として非公開とされたが、このような重要な文書が存在していないことは納得がいかず、ほんとうに存在していないのか疑わしい、これが事実であるならば、情報公開の理念に反する違法な行為であると主張していました。

情報公開審査会の答申書によれば、同市教育委員会は「協議会の議事録には発言者氏名を記載しないとの申し合わせにより決定されているので、協議会事務局としては発言者氏名を記載した議事録は作成していない。また議事録作成のためのボイスレコーダー(録音記録)およびメモは、担当職員が議事録作成までの補助的使用を目的として、個人的な備忘録として一部採録、記録したものであり、担当職員の意思により随時消去または廃棄可能なものであり条例に規定する公文書に該当しない。作成された議事録の内容が協議会の各委員にいより確認された後、ボイスレコーダーの記録は保存不要として消去され、メモも廃棄され、存在していない。以上の理由から請求された公文書は存在していない」と主張ています。

これらの主張に関して、情報公開審査会は「協議会議事録には発言委員氏名は記載されておらず、教育委員会の担当職員からの事情聴取からも、それ以外に発言者氏名を記載した記録の存在は認められない。ボイスレコーダーおよびメモが消去ないし廃棄された経緯等について精査したが、これを疑うにたる事情は伺われず、現に存在しなことが認められる」と認定し、「発言者氏名がわかる議事録およびこれに類する記録は存在せず、したがって教育委員会による不存在を理由とする非公開決定は妥当である」と結論を下しています。

しかし審査会は補足意見として「市民の知る権利の尊重を掲げる情報公開条例の精神から言って、公文書等市の保有する情報は公開が原則である。したがって、市教育委員会としては、情報公開制度および条例第18条の2の趣旨に則り、会議の傍聴など協議会の運営のあり方について今後十分検討するよう、協議会に対して働きかけることが望ましい」として、審査請求人の「情報公開の一番適切な方法は会議の傍聴である」という主張に一定の理解を示しています。